登記簿謄本とは?基本構成と読み方

会社の登記簿から分かること8分で読める編集部

会社の登記簿謄本(正式名称:登記事項証明書)は、法務局に登記されている会社の基本情報を記載した公的書類です。取引先の調査や与信判断に欠かせない情報源となっています。

登記簿謄本とは

登記制度の目的

会社の登記は、会社の重要事項を公示することで、取引の安全を図る制度です。誰でも法務局で登記情報を取得でき、会社の基本情報を確認できます。

登記事項証明書の種類

種類内容主な用途
履歴事項全部証明書現在の情報+過去3年分の変更履歴一般的な調査
現在事項全部証明書現在有効な情報のみ最新情報の確認
閉鎖事項全部証明書閉鎖された登記事項過去の情報調査
代表者事項証明書代表者に関する情報のみ契約時の確認

実務では「履歴事項全部証明書」が最もよく使われます。

登記簿謄本の基本構成

登記簿謄本は以下の項目で構成されています。

┌────────────────────────────────────────┐
│ 会社法人等番号  0100-01-012345         │
├────────────────────────────────────────┤
│ 商号      株式会社○○                  │
├────────────────────────────────────────┤
│ 本店      東京都千代田区○○一丁目1番1号 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 公告をする方法  官報に掲載してする      │
├────────────────────────────────────────┤
│ 会社成立の年月日  令和○年○月○日      │
├────────────────────────────────────────┤
│ 目的                                   │
│  1. ○○の製造及び販売                 │
│  2. △△に関するコンサルティング        │
│  3. 前各号に附帯する一切の事業          │
├────────────────────────────────────────┤
│ 発行可能株式総数  1000株               │
├────────────────────────────────────────┤
│ 発行済株式の総数並びに                 │
│ 種類及び数        100株                │
├────────────────────────────────────────┤
│ 資本金の額        1000万円             │
├────────────────────────────────────────┤
│ 役員に関する事項                       │
│  取締役  山田太郎                      │
│  代表取締役  山田太郎                  │
├────────────────────────────────────────┤
│ 登記記録に関する事項                   │
│  設立 令和○年○月○日登記             │
└────────────────────────────────────────┘

各項目の意味

会社法人等番号

12桁の番号で、登記所が会社ごとに付与する識別番号です。法人番号(13桁)とは異なります。

番号桁数説明
会社法人等番号12桁登記所が付与
法人番号13桁国税庁が付与(会社法人等番号の先頭に1桁追加)

商号

会社の正式名称です。「株式会社」「合同会社」などの会社の種類も含まれます。

本店

会社の本店所在地(法律上の住所)です。実際の営業所と異なる場合もあります。

公告をする方法

決算公告などを行う方法です。官報、日刊新聞紙、電子公告のいずれかを選択します。

会社成立の年月日

会社が設立登記によって成立した日付です。

目的

会社が行う事業の内容です。定款で定めた目的が記載されます。

発行可能株式総数・発行済株式の総数

株式会社の場合に記載されます。将来発行できる株式の上限と、現在発行している株式数です。

資本金の額

会社の資本金です。株式会社は1円以上で設立可能ですが、信用度の目安になります。

役員に関する事項

取締役、代表取締役、監査役などの役員情報です。就任日や退任日も記載されます。

登記記録に関する事項

登記の履歴(設立、移転、変更など)が記載されます。

登記簿謄本で分からないこと

登記簿謄本には記載されない情報もあります。

分からないこと代替手段
売上高・利益決算公告、信用調査会社
従業員数信用調査会社、企業HP
株主構成有価証券報告書(上場企業のみ)
実際の事業内容企業HP、信用調査会社
信用情報・評点信用調査会社

登記簿謄本の読み方のポイント

1. 会社成立日を確認

設立からの年数で、会社の歴史や安定性を推測できます。

2. 本店移転の履歴を確認

頻繁な移転は、経営の不安定さを示す場合があります。

3. 役員の変更履歴を確認

頻繁な役員交代は、経営上の問題を示唆する可能性があります。

4. 目的の範囲を確認

取引内容が会社の目的に含まれているか確認することで、権限の有無を判断できます。

5. 資本金の変動を確認

増資は成長、減資は経営上の理由がある場合があります。

まとめ

登記簿謄本は会社の「戸籍謄本」のようなものです。

項目分かること
商号正式な会社名
本店法律上の住所
目的事業内容
資本金会社の規模感
役員経営陣の構成
設立日会社の歴史

次の記事では、各項目からより詳しく何が分かるかを解説していきます。