登記簿謄本とは?基本構成と読み方
会社の登記簿謄本(正式名称:登記事項証明書)は、法務局に登記されている会社の基本情報を記載した公的書類です。取引先の調査や与信判断に欠かせない情報源となっています。
登記簿謄本とは
登記制度の目的
会社の登記は、会社の重要事項を公示することで、取引の安全を図る制度です。誰でも法務局で登記情報を取得でき、会社の基本情報を確認できます。
登記事項証明書の種類
| 種類 | 内容 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | 現在の情報+過去3年分の変更履歴 | 一般的な調査 |
| 現在事項全部証明書 | 現在有効な情報のみ | 最新情報の確認 |
| 閉鎖事項全部証明書 | 閉鎖された登記事項 | 過去の情報調査 |
| 代表者事項証明書 | 代表者に関する情報のみ | 契約時の確認 |
実務では「履歴事項全部証明書」が最もよく使われます。
登記簿謄本の基本構成
登記簿謄本は以下の項目で構成されています。
┌────────────────────────────────────────┐
│ 会社法人等番号 0100-01-012345 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 商号 株式会社○○ │
├────────────────────────────────────────┤
│ 本店 東京都千代田区○○一丁目1番1号 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 公告をする方法 官報に掲載してする │
├────────────────────────────────────────┤
│ 会社成立の年月日 令和○年○月○日 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 目的 │
│ 1. ○○の製造及び販売 │
│ 2. △△に関するコンサルティング │
│ 3. 前各号に附帯する一切の事業 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 発行可能株式総数 1000株 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 発行済株式の総数並びに │
│ 種類及び数 100株 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 資本金の額 1000万円 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 役員に関する事項 │
│ 取締役 山田太郎 │
│ 代表取締役 山田太郎 │
├────────────────────────────────────────┤
│ 登記記録に関する事項 │
│ 設立 令和○年○月○日登記 │
└────────────────────────────────────────┘
各項目の意味
会社法人等番号
12桁の番号で、登記所が会社ごとに付与する識別番号です。法人番号(13桁)とは異なります。
| 番号 | 桁数 | 説明 |
|---|---|---|
| 会社法人等番号 | 12桁 | 登記所が付与 |
| 法人番号 | 13桁 | 国税庁が付与(会社法人等番号の先頭に1桁追加) |
商号
会社の正式名称です。「株式会社」「合同会社」などの会社の種類も含まれます。
本店
会社の本店所在地(法律上の住所)です。実際の営業所と異なる場合もあります。
公告をする方法
決算公告などを行う方法です。官報、日刊新聞紙、電子公告のいずれかを選択します。
会社成立の年月日
会社が設立登記によって成立した日付です。
目的
会社が行う事業の内容です。定款で定めた目的が記載されます。
発行可能株式総数・発行済株式の総数
株式会社の場合に記載されます。将来発行できる株式の上限と、現在発行している株式数です。
資本金の額
会社の資本金です。株式会社は1円以上で設立可能ですが、信用度の目安になります。
役員に関する事項
取締役、代表取締役、監査役などの役員情報です。就任日や退任日も記載されます。
登記記録に関する事項
登記の履歴(設立、移転、変更など)が記載されます。
登記簿謄本で分からないこと
登記簿謄本には記載されない情報もあります。
| 分からないこと | 代替手段 |
|---|---|
| 売上高・利益 | 決算公告、信用調査会社 |
| 従業員数 | 信用調査会社、企業HP |
| 株主構成 | 有価証券報告書(上場企業のみ) |
| 実際の事業内容 | 企業HP、信用調査会社 |
| 信用情報・評点 | 信用調査会社 |
登記簿謄本の読み方のポイント
1. 会社成立日を確認
設立からの年数で、会社の歴史や安定性を推測できます。
2. 本店移転の履歴を確認
頻繁な移転は、経営の不安定さを示す場合があります。
3. 役員の変更履歴を確認
頻繁な役員交代は、経営上の問題を示唆する可能性があります。
4. 目的の範囲を確認
取引内容が会社の目的に含まれているか確認することで、権限の有無を判断できます。
5. 資本金の変動を確認
増資は成長、減資は経営上の理由がある場合があります。
まとめ
登記簿謄本は会社の「戸籍謄本」のようなものです。
| 項目 | 分かること |
|---|---|
| 商号 | 正式な会社名 |
| 本店 | 法律上の住所 |
| 目的 | 事業内容 |
| 資本金 | 会社の規模感 |
| 役員 | 経営陣の構成 |
| 設立日 | 会社の歴史 |
次の記事では、各項目からより詳しく何が分かるかを解説していきます。