決算書の基本構成|財務三表とは何か

決算書の読み方8分で読める編集部

決算書とは、企業の一定期間の経営成績や財政状態をまとめた書類です。企業分析や投資判断の基本となる財務三表について解説します。

決算書とは

決算書は、企業が一事業年度(通常1年間)の経営活動を数字でまとめた報告書です。正式には「財務諸表」と呼ばれます。会社法により、株式会社は規模に関係なく計算書類(貸借対照表、損益計算書など)を作成し、原則として決算公告を行う義務があります。決算公告の対象は貸借対照表(大会社は損益計算書も含む)で、官報・電子公告・日刊紙などの方法で公開します。また、上場企業など金融商品取引法の対象となる企業は、有価証券報告書の提出が義務付けられています。

決算書を読む目的

  1. 投資判断 - 株式投資の際、企業の収益性や安全性を評価する
  2. 取引先の信用調査 - 取引開始前に経営状態を確認する
  3. 競合分析 - 同業他社との比較で自社の立ち位置を把握する
  4. 就職・転職活動 - 志望企業の経営状況を理解する

財務三表とは

上場企業などでは「財務三表」と呼ばれる3つの書類が決算書の中核となります。

※キャッシュフロー計算書(C/F)は金融商品取引法の対象企業(上場企業等)に作成が義務付けられています。会社法上の計算書類には含まれないため、非上場の中小企業では作成義務がありません。

書類名英語名略称何がわかるか
貸借対照表Balance SheetB/S財産の状態(ある時点)
損益計算書Profit and Loss StatementP/L利益の状況(一定期間)
キャッシュフロー計算書Cash Flow StatementC/Fお金の流れ(一定期間)

財務三表の関係性

3つの書類は独立しているわけではなく、互いに連動しています。

損益計算書(P/L)          貸借対照表(B/S)
┌─────────────┐          ┌─────────────┐
│ 売上高      │          │資産  │負債  │
│ - 費用      │          │      │      │
│ = 当期純利益 ├─────────→│      │純資産│
└─────────────┘          └─────────────┘
                                ↑
キャッシュフロー計算書(C/F)      │
┌─────────────┐              │
│営業CF        │              │
│投資CF        │              │
│財務CF        ├──────────────┘
│=現金増減    │(現金同等物の残高と連動)
└─────────────┘
  • P/LとB/S: 損益計算書の「当期純利益」が、貸借対照表の「純資産」(利益剰余金)の増減要因となる
  • C/FとB/S: キャッシュフロー計算書の「現金及び現金同等物」の増減が、貸借対照表の現金残高と連動する(※「現金及び現金同等物」と「現金及び預金」は範囲が異なる場合があります)

各財務諸表の概要

貸借対照表(B/S)

「ある時点での財産の状況」を示す書類です。

  • 左側(資産): 会社が持っている財産(現金、売掛金、建物など)
  • 右側(負債): 他人から借りているお金(借入金、買掛金など)
  • 右側(純資産): 自分のお金(資本金、利益の蓄積など)

「資産 = 負債 + 純資産」という等式が常に成り立ちます。

損益計算書(P/L)

「一定期間の経営成績」を示す書類です。

  • 売上高: 本業でいくら稼いだか
  • 売上原価: 商品・サービスの製造・仕入にかかった費用
  • 販管費: 営業活動にかかった費用(人件費、広告費など)
  • 営業利益: 本業で得た利益
  • 経常利益: 本業+財務活動での利益
  • 当期純利益: 最終的に残った利益

キャッシュフロー計算書(C/F)

「一定期間のお金の流れ」を示す書類です。

  • 営業活動CF: 本業でのお金の出入り
  • 投資活動CF: 設備投資や有価証券売買でのお金の出入り
  • 財務活動CF: 借入・返済、配当支払いでのお金の出入り

利益が出ていても現金がなければ倒産する可能性があるため、キャッシュフローの把握は重要です。

決算書の入手方法

上場企業の場合

  1. EDINET: 金融庁の電子開示システムで有価証券報告書を閲覧
  2. 企業のIRサイト: 決算短信、決算説明資料なども公開
  3. 当サイト: 上場企業の財務ハイライトを簡単に確認可能

非上場企業の場合

  • 官報や電子公告で決算公告を確認(ただし公告未実施の企業も多い)
  • 取引先に直接依頼して入手

※登記情報には財務諸表は含まれません。株式会社(特例有限会社含む)は決算公告が義務付けられていますが、罰則が軽微なこともあり、実際に公告を行っていない企業が多いのが現状です。

まとめ

決算書は企業の健康診断書のようなものです。財務三表それぞれが異なる角度から企業を分析する材料を提供しています。

書類知りたいこと
貸借対照表財産は十分か?借金は多くないか?
損益計算書利益は出ているか?どこで稼いでいるか?
キャッシュフロー計算書現金は足りているか?何に使っているか?

次の記事では、それぞれの書類の詳しい読み方を解説していきます。