設立日・会社成立の年月日から分かること|登記簿の読み方
登記簿の「会社成立の年月日」欄には、会社が法人として成立した日付が記載されています。この情報から、会社の歴史や安定性、時代背景などを読み取ることができます。
会社成立の年月日とは
会社成立の年月日は、設立登記が完了し、法人として成立した日です。会社は登記によって法人格を取得するため、この日が会社の「誕生日」となります。
設立日と登記日の違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 会社成立の年月日 | 設立登記が完了した日 |
| 設立登記申請日 | 法務局に設立登記を申請した日 |
| 定款作成日 | 定款を作成・認証した日 |
設立登記申請日と登記完了日は同じ日になることが多いですが、補正などがあると数日ずれる場合があります。
設立日から読み取れる情報
1. 会社の歴史・業歴
設立からの年数で、会社の歴史を把握できます。
| 業歴 | 一般的な評価 |
|---|---|
| 30年以上 | 老舗企業、安定経営 |
| 10〜30年 | 一定の実績 |
| 5〜10年 | 成長期 |
| 3〜5年 | 事業が軌道に乗ったか確認が必要 |
| 3年未満 | スタートアップ、実績が少ない |
2. 生存率との関係
中小企業の生存率を考慮すると、業歴は重要な指標です。
| 設立からの年数 | 生存率(目安) |
|---|---|
| 1年 | 約60% |
| 3年 | 約40% |
| 5年 | 約30% |
| 10年 | 約10% |
※業種や経済環境により異なります
長く存続している会社は、それだけで一定の信頼性があると言えます。
3. 時代背景の推測
設立時期から、その会社が生まれた時代背景を推測できます。
| 設立時期 | 時代背景 |
|---|---|
| 1945年以前 | 戦前からの老舗 |
| 1945〜1970年 | 高度経済成長期 |
| 1970〜1990年 | 安定成長期 |
| 1990〜2000年 | バブル崩壊後 |
| 2000〜2010年 | ITバブル、リーマンショック |
| 2010〜2020年 | スマートフォン普及期 |
| 2020年以降 | コロナ禍以降 |
4. 法制度との関係
設立時期によって、適用された法制度が異なります。
| 設立時期 | 適用法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 2006年5月1日以前 | 旧商法 | 有限会社の設立が可能 |
| 2006年5月1日以降 | 会社法 | 資本金1円から設立可能 |
設立日の調査ポイント
1. キリの良い日付に注目
設立日がキリの良い日付の場合、意図的に選ばれた可能性があります。
| 設立日 | 考えられる意図 |
|---|---|
| 1月1日、4月1日 | 年度の区切り |
| 会社の記念日 | 創業者の誕生日など |
| 縁起の良い日 | 大安、一粒万倍日 |
2. 特例有限会社の確認
商号に「有限会社」が含まれている場合、2006年5月1日より前に設立されたことが確定します。
3. 組織変更との混同に注意
登記簿に記載されている「会社成立の年月日」は、その法人形態としての成立日です。
| 状況 | 登記簿の記載 |
|---|---|
| 新規設立 | 実際の設立日 |
| 個人事業からの法人化 | 法人化した日(創業日とは異なる) |
| 有限会社から株式会社への移行 | 元の有限会社の設立日を維持(法人格は継続) |
| 新設合併による設立 | 合併日(新会社の設立日) |
| 吸収合併 | 存続会社の設立日は変わらない |
組織再編と設立日
株式会社への移行
特例有限会社が株式会社に移行した場合、法人格は継続するため、会社成立の年月日は元の有限会社の設立日のままです。移行の事実は「登記記録に関する事項」に記載されます。
会社成立の年月日 平成10年4月1日
登記記録に関する事項
令和3年4月1日有限会社○○を商号変更し移行
このように、設立日は平成10年のまま維持され、令和3年に株式会社に移行したことが履歴として記録されます。
合併の場合
合併には「新設合併」と「吸収合併」の2種類があり、設立日の扱いが異なります。
新設合併の場合
新設合併では、合併により新しい会社が設立されるため、合併日が会社成立日となります。
会社成立の年月日 令和5年10月1日
登記記録に関する事項
令和5年10月1日株式会社A及び株式会社Bを合併し設立
吸収合併の場合
吸収合併では、存続会社の会社成立日は変わりません。消滅会社を吸収した事実が履歴として記録されます。
会社成立の年月日 平成15年4月1日
登記記録に関する事項
令和5年10月1日株式会社Bを合併
「創業」と「設立」の違い
会社のウェブサイトなどで見かける「創業」と「設立」は異なる概念です。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 創業 | 事業を始めた日 | 個人事業の開始日 |
| 設立 | 法人が成立した日 | 登記簿の会社成立日 |
例: 創業1950年、設立1980年 → 1950年に個人事業として創業し、1980年に法人化
設立日が古い会社の注意点
設立日が古くても、以下の可能性に注意が必要です。
| 状況 | 説明 |
|---|---|
| 休眠会社の復活 | 長期間活動していなかった会社 |
| 会社の売買 | 既存の会社を買収して事業開始 |
| ペーパーカンパニー | 実態のない会社 |
実際の事業活動の履歴は、決算公告や信用調査で確認することをおすすめします。
まとめ
会社成立の年月日から以下の情報を読み取ることができます。
| 確認項目 | 分かること |
|---|---|
| 設立からの年数 | 会社の歴史、安定性 |
| 設立時期 | 時代背景、適用法 |
| 有限会社の表記 | 2006年以前の設立 |
| 登記記録との関連 | 組織変更の有無 |
設立日は会社の信頼性を測る重要な指標ですが、「創業」との違いや組織変更の経緯にも注意して読み取りましょう。
次の記事では、登記履歴から分かることを解説します。