設立日・会社成立の年月日から分かること|登記簿の読み方

会社の登記簿から分かること9分で読める編集部

登記簿の「会社成立の年月日」欄には、会社が法人として成立した日付が記載されています。この情報から、会社の歴史や安定性、時代背景などを読み取ることができます。

会社成立の年月日とは

会社成立の年月日は、設立登記が完了し、法人として成立した日です。会社は登記によって法人格を取得するため、この日が会社の「誕生日」となります。

設立日と登記日の違い

用語意味
会社成立の年月日設立登記が完了した日
設立登記申請日法務局に設立登記を申請した日
定款作成日定款を作成・認証した日

設立登記申請日と登記完了日は同じ日になることが多いですが、補正などがあると数日ずれる場合があります。

設立日から読み取れる情報

1. 会社の歴史・業歴

設立からの年数で、会社の歴史を把握できます。

業歴一般的な評価
30年以上老舗企業、安定経営
10〜30年一定の実績
5〜10年成長期
3〜5年事業が軌道に乗ったか確認が必要
3年未満スタートアップ、実績が少ない

2. 生存率との関係

中小企業の生存率を考慮すると、業歴は重要な指標です。

設立からの年数生存率(目安)
1年約60%
3年約40%
5年約30%
10年約10%

※業種や経済環境により異なります

長く存続している会社は、それだけで一定の信頼性があると言えます。

3. 時代背景の推測

設立時期から、その会社が生まれた時代背景を推測できます。

設立時期時代背景
1945年以前戦前からの老舗
1945〜1970年高度経済成長期
1970〜1990年安定成長期
1990〜2000年バブル崩壊後
2000〜2010年ITバブル、リーマンショック
2010〜2020年スマートフォン普及期
2020年以降コロナ禍以降

4. 法制度との関係

設立時期によって、適用された法制度が異なります。

設立時期適用法特徴
2006年5月1日以前旧商法有限会社の設立が可能
2006年5月1日以降会社法資本金1円から設立可能

設立日の調査ポイント

1. キリの良い日付に注目

設立日がキリの良い日付の場合、意図的に選ばれた可能性があります。

設立日考えられる意図
1月1日、4月1日年度の区切り
会社の記念日創業者の誕生日など
縁起の良い日大安、一粒万倍日

2. 特例有限会社の確認

商号に「有限会社」が含まれている場合、2006年5月1日より前に設立されたことが確定します。

3. 組織変更との混同に注意

登記簿に記載されている「会社成立の年月日」は、その法人形態としての成立日です。

状況登記簿の記載
新規設立実際の設立日
個人事業からの法人化法人化した日(創業日とは異なる)
有限会社から株式会社への移行元の有限会社の設立日を維持(法人格は継続)
新設合併による設立合併日(新会社の設立日)
吸収合併存続会社の設立日は変わらない

組織再編と設立日

株式会社への移行

特例有限会社が株式会社に移行した場合、法人格は継続するため、会社成立の年月日は元の有限会社の設立日のままです。移行の事実は「登記記録に関する事項」に記載されます。

会社成立の年月日  平成10年4月1日

登記記録に関する事項
 令和3年4月1日有限会社○○を商号変更し移行

このように、設立日は平成10年のまま維持され、令和3年に株式会社に移行したことが履歴として記録されます。

合併の場合

合併には「新設合併」と「吸収合併」の2種類があり、設立日の扱いが異なります。

新設合併の場合

新設合併では、合併により新しい会社が設立されるため、合併日が会社成立日となります。

会社成立の年月日  令和5年10月1日

登記記録に関する事項
 令和5年10月1日株式会社A及び株式会社Bを合併し設立

吸収合併の場合

吸収合併では、存続会社の会社成立日は変わりません。消滅会社を吸収した事実が履歴として記録されます。

会社成立の年月日  平成15年4月1日

登記記録に関する事項
 令和5年10月1日株式会社Bを合併

「創業」と「設立」の違い

会社のウェブサイトなどで見かける「創業」と「設立」は異なる概念です。

用語意味
創業事業を始めた日個人事業の開始日
設立法人が成立した日登記簿の会社成立日

: 創業1950年、設立1980年 → 1950年に個人事業として創業し、1980年に法人化

設立日が古い会社の注意点

設立日が古くても、以下の可能性に注意が必要です。

状況説明
休眠会社の復活長期間活動していなかった会社
会社の売買既存の会社を買収して事業開始
ペーパーカンパニー実態のない会社

実際の事業活動の履歴は、決算公告や信用調査で確認することをおすすめします。

まとめ

会社成立の年月日から以下の情報を読み取ることができます。

確認項目分かること
設立からの年数会社の歴史、安定性
設立時期時代背景、適用法
有限会社の表記2006年以前の設立
登記記録との関連組織変更の有無

設立日は会社の信頼性を測る重要な指標ですが、「創業」との違いや組織変更の経緯にも注意して読み取りましょう。

次の記事では、登記履歴から分かることを解説します。