本店所在地から分かること|登記簿の読み方

会社の登記簿から分かること8分で読める編集部

登記簿の「本店」欄には会社の法律上の住所が記載されています。この情報から、会社の規模感や信頼性、移転の履歴などを読み取ることができます。

本店所在地とは

本店所在地は、会社の法律上の住所です。実際の営業所や事務所と異なる場合もありますが、法的な通知や書類の送付先となる重要な情報です。

記載パターン

本店所在地の記載には2つのパターンがあります。

パターン記載例特徴
最小行政区画まで東京都千代田区移転時の登記変更が少ない
番地まで詳細東京都千代田区丸の内一丁目1番1号正確な所在地が分かる

定款では最小行政区画(市区町村)まででよく、登記では通常番地まで記載します。

本店所在地から読み取れる情報

1. 会社の規模感・信頼性

所在地から会社の規模感や信頼性を推測できる場合があります。

所在地の特徴推測されること
一等地のオフィスビル一定の資金力がある
住宅地の一軒家小規模事業者、自宅兼事務所
マンションの一室小規模事業者、創業間もない
レンタルオフィス・バーチャルオフィス固定費を抑えている

2. 事業エリアの推測

本店所在地から、主な事業エリアを推測できます。

  • 都心部: 全国展開、本社機能重視
  • 工業地帯: 製造業
  • 地方都市: 地域密着型事業

3. 管轄法務局の特定

本店所在地によって管轄の法務局が決まります。登記申請や謄本取得の際に必要な情報です。

本店移転の履歴を確認する

履歴事項全部証明書では、過去の本店移転履歴を確認できます。

本店  東京都渋谷区○○一丁目2番3号
   令和5年4月1日移転
   令和5年4月15日登記

【移転前の本店】
本店  東京都新宿区△△二丁目3番4号
   令和2年6月1日移転

移転パターンと考えられる理由

移転パターン考えられる理由
都心→郊外コスト削減、リモートワーク対応
郊外→都心事業拡大、ブランド向上
同一区内での移転オフィス拡大・縮小
他県への移転事業再編、主要拠点の変更

頻繁な移転は要注意

短期間で複数回の移転がある場合は、以下の可能性を検討しましょう。

  • 経営の不安定さ
  • 資金繰りの問題
  • トラブルからの逃避

バーチャルオフィスの見分け方

近年、バーチャルオフィス(住所貸し)を利用する会社が増えています。

バーチャルオフィスの特徴

特徴説明
一等地の住所銀座、丸の内など高級エリア
同一住所に多数の会社当サイトで検索すると確認可能
ビル名+部屋番号「○○ビル 5F」など

バーチャルオフィス自体は合法

バーチャルオフィスの利用自体は違法ではありません。スタートアップや個人事業主が初期費用を抑えるために利用することも多いです。

ただし、実態のない会社や詐欺会社が利用するケースもあるため、他の情報と合わせて総合的に判断することが重要です。

同一住所の会社を調べる

当サイトでは、住所で検索することで同一住所に登記されている会社を確認できます。多数の会社が同一住所にある場合、バーチャルオフィスの可能性があります。

支店・営業所との違い

かつては登記簿に「支店」を登記することもできましたが、現在は制度が廃止されています。

項目本店支店
登記必須不可(2022年以降)
1か所のみ複数可
法的な意味法人の住所営業拠点

※2022年9月の法改正により、支店の登記制度が廃止されました。現在は本店の登記簿に支店を記載することができません。

本店所在地の調査方法

1. 当サイトで検索

法人番号や会社名で検索すると、登記されている本店所在地を確認できます。

2. 地図で確認

住所をGoogle マップなどで確認し、実際にどのような場所か調べましょう。

  • オフィスビルか住宅か
  • 実在する建物か
  • 周辺の環境

3. 現地確認

重要な取引先の場合は、実際に現地を訪問して確認することも有効です。

  • 看板は出ているか
  • 実際に営業しているか
  • 従業員の出入りはあるか

まとめ

本店所在地から以下の情報を読み取ることができます。

確認項目分かること
所在地のエリア会社の規模感、事業エリア
建物の種類オフィスビル、住宅、バーチャルオフィス
移転履歴経営状況の変化
同一住所の会社数バーチャルオフィスの可能性

次の記事では、会社の目的欄から分かることを解説します。