登記簿の活用シーン|与信調査・契約前確認の実務

会社の登記簿から分かること9分で読める編集部

登記簿謄本は、ビジネスのさまざまな場面で活用されています。取引先の調査から契約締結時の確認まで、実務での具体的な活用シーンを解説します。

活用シーン1: 新規取引先の調査

なぜ登記簿を確認するのか

新規取引を開始する前に、相手企業の基本情報を確認することは、リスク管理の基本です。

確認すべきポイント

確認項目チェックポイント
商号正式な会社名と一致しているか
本店所在地連絡先住所と一致しているか
設立年月日業歴は十分か
資本金取引規模に見合っているか
役員代表者の氏名は正しいか
目的取引内容が目的に含まれているか

調査の流れ

1. 当サイトで会社名・法人番号を検索
   ↓
2. 基本情報を確認
   ↓
3. 必要に応じて登記簿謄本を取得
   ↓
4. 詳細な履歴を確認

活用シーン2: 契約締結時の確認

契約相手の確認

契約書を締結する際、相手方の情報を登記簿で確認します。

確認事項理由
正式な商号契約書の当事者名を正確に記載するため
本店所在地契約書の住所を正確に記載するため
代表取締役契約締結権限があるか確認するため

代表権の確認

契約を締結できるのは、原則として「代表取締役」です。

【登記簿の記載例】
役員に関する事項
 取締役      山田太郎  ← 代表権なし
 取締役      鈴木次郎  ← 代表権なし
 代表取締役    山田太郎  ← 代表権あり

「取締役」だけでは代表権がないため、契約締結には注意が必要です。

契約書への記載

登記簿に基づいて、契約書の当事者欄を記載します。

甲: 東京都千代田区○○一丁目2番3号
   株式会社△△
   代表取締役 山田太郎

活用シーン3: 与信管理

継続的な取引先のモニタリング

既存の取引先についても、定期的に登記情報を確認することで、変化を早期に把握できます。

確認頻度対象
年1回通常の取引先
半年に1回取引額が大きい取引先
随時気になる情報があった場合

注意すべき変化

変化考えられるリスク
本店の頻繁な移転経営の不安定
代表者の交代経営方針の変化
大幅な減資財務状況の悪化
目的の大幅な変更事業転換

活用シーン4: 入札・公共事業

入札参加時の提出書類

公共事業の入札に参加する際、登記事項証明書の提出が求められることがあります。

提出先要件(例)
国の機関発行後3ヶ月以内
地方自治体発行後6ヶ月以内
独立行政法人発行後3ヶ月以内

確認される内容

  • 会社の実在性
  • 役員の欠格事由(破産者でないか等)
  • 会社の目的(入札対象業務が含まれているか)

活用シーン5: 不動産取引

不動産購入・賃貸時

法人が不動産を購入・賃貸する際、登記事項証明書の提出を求められます。

場面提出先
売買契約不動産会社、売主
賃貸借契約不動産会社、オーナー
住宅ローン金融機関

確認される内容

  • 会社の実在性
  • 代表者の確認
  • 会社の目的(不動産取引が含まれているか)

活用シーン6: 融資・口座開設

銀行口座の開設

法人の銀行口座を開設する際、登記事項証明書の提出が必須です。

必要書類説明
登記事項証明書発行後6ヶ月以内が一般的
印鑑証明書法務局で取得
本人確認書類代表者の身分証明書

融資の審査

金融機関が融資を審査する際、登記簿の情報を確認します。

確認項目審査のポイント
設立年月日業歴の長さ
資本金会社の規模
役員経営体制の安定性
目的事業内容との整合性

活用シーン7: M&A・投資

デューデリジェンス

M&Aや投資の際、対象会社の登記情報を詳細に調査します。

確認事項目的
設立からの履歴会社の沿革を把握
資本金の推移過去の資金調達状況
役員の変遷経営体制の変化
本店移転の履歴事業拠点の変遷

閉鎖事項証明書の活用

M&Aでは、3年以上前の履歴も確認するため、閉鎖事項証明書も取得します。

活用シーン8: 訴訟・法的手続き

訴状の送達先確認

訴訟を提起する際、相手方の正確な住所が必要です。登記簿の本店所在地が送達先となります。

代表者の特定

訴訟の相手方として、代表取締役を特定するために登記簿を確認します。

登記簿だけでは分からないこと

登記簿で確認できない情報は、他の手段で補完しましょう。

分からないこと補完手段
財務状況決算公告、信用調査会社
事業の実態企業HP、現地確認
評判・口コミインターネット検索
従業員数信用調査会社、企業HP

当サイトの活用

当サイトでは、法人番号から以下の情報を無料で確認できます。

  • 正式な商号
  • 本店所在地
  • 法人番号
  • 会社種別

詳細な登記情報が必要な場合は、登記簿謄本を取得してください。

まとめ

登記簿謄本の主な活用シーンは以下の通りです。

シーン主な確認事項
新規取引先調査会社の実在性、業歴、規模
契約締結正式名称、代表権の有無
与信管理変更履歴のモニタリング
入札・公共事業資格要件の確認
不動産取引会社の実在性確認
融資・口座開設審査資料として提出
M&A・投資デューデリジェンス
訴訟送達先、当事者の特定

ビジネスにおいて登記簿謄本は、相手企業を知るための基本的な情報源です。用途に応じて適切に活用しましょう。