「長崎県水産業振興基本計画」デザイン等業務委託の一般競争入札(総合評価方式)の実施について
- 発注機関
- 長崎県
- 所在地
- 長崎県
- カテゴリー
- 役務
- 公告日
- 2026年1月15日
- 納入期限
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「長崎県水産業振興基本計画」デザイン等業務委託の一般競争入札(総合評価方式)の実施について
一般競争入札の実施(公告)次のとおり、総合評価一般競争入札を行うので公告する。令和8年1月16日長崎県知事 大石 賢吾1 競争入札に付する事項(1) 業務番号 7漁第144号(2) 業務名 「長崎県水産業振興基本計画」デザイン等業務委託(3) 履行期間 契約締結日から令和8年3月31日(火)まで(4) 業務概要 令和8年度以降の水産業の指針や方向性を示した「長崎県水産業振興基本計画」を県民等に分かりやすく示すため、デザイン等業務を委託する。なお、仕様等詳細については入札説明書による。2 競争入札に参加する者に必要な資格競争入札の参加者の資格等(告示)(令和8年1月16日付)に示した入札の参加資格審査を受け、入札参加資格を得ていること。3 入札の方法等(1) この入札は、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の10の2第1項の規定による、総合評価一般競争入札で行うので、別に定める技術提案書作成要領に基づく技術提案書及び契約希望金額を記載した入札書を提出しなければならない。(2) 落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。)をもって落札価格とするので、入札者は、消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約希望金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。(3) 入札は、別に指定する入札書(第5号様式)及び入札用封筒(第6号様式)に必要事項を記載して、記名押印の上、(9)の期日までに郵送により提出すること。郵送により提出する入札書は、代理人による入札は認められない。(4) 開札の結果、予定価格の制限の範囲内での入札がない場合は、直ちに再度入札を行う。(5) 入札執行回数は3回を限度とする。3回までに決定しない場合は、地方自治法施行令第167条の2第1項第8号の規定により、技術提案書の審査に基づく技術評価点、入札金額に基づく価格評価点の合計点(以下「総合評価点」という。)の最も高い者と見積の協議を行う場合がある。(6) 再度の入札において代理人が入札する場合は、本人の委任状を提出するとともに、入札書には代理人の記名押印が必要である。(7) 当該契約に関する事務を担当する部局等の名称等名称 長崎県 水産部 漁政課住所 〒850-8570 長崎市尾上町3番1号電話 095-895-2816(直通)(8) 技術提案書の提出期限及び場所期限 令和8年2月4日(水) 午後5時まで場所 (7)の部局に直接持参、又は郵送(書留郵便(一般書留、簡易書留)及び特定記録郵便による。上記期限必着。)によること。(9) 入札書の提出場所及び受領期限等期限 令和8年2月6日(金) 午後5時まで場所 (7)の部局に直接持参、又は郵送(書留郵便(一般書留、簡易書留)及び特定記録郵便による。上記期限必着。)によること。悪天候(大雨、大雪、台風接近等)等、入札参加者に瑕疵のない特別な理由による郵送遅延が発生した場合、必要に応じて郵送遅延の理由を調査し、開札を延期することもある。(10) 入札の期日及び場所期日 令和8年2月9日(月) 午後4時30分場所 長崎県庁1階入札室(長崎市尾上町3番1号)入札当日が悪天候(大雨、大雪、台風接近等)等の場合は、入札を延期することもあるので、事前に(7)の部局へ連絡すること。4 入札説明書等の交付期間及び場所期間 この公告の日から令和8年1月22日(木)までの間(県の休日を除く。)の午前9時から午後5時場所 3の(7)の部局 県のホームページから入手することもできる。5 契約事項を示す場所3の(7)の部局6 入札書及び契約の手続において使用する言語及び通貨日本語及び日本国通貨7 入札保証金及び契約保証金(1) 入札保証金見積もった契約希望金額(消費税及び地方消費税を含む。)の100分の5以上の金額を納付すること。ただし、次の場合で事前に県の承認を受けたときは、入札保証金の納付が免除される。ア 県を被保険者とする入札保証保険契約(契約希望金額(消費税及び地方消費税を含む。)の100分の5以上)を締結し、その証書を提出する場合イ 令和5年4月1日から入札保証金の納付期限の前日までの間に、本県若しくは他の地方公共団体又は国、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人又は地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人との間に、当該契約とその種類及び規模をほぼ同じくする契約を2回以上締結し、それを証明するものを2件提出する場合(2) 契約保証金契約金額(消費税及び地方消費税を含む。)の100分の10以上の金額を納付すること。ただし、次の場合で事前に県の承認を受けたときは、契約保証金の納付が免除される。ア 県を被保険者とする履行保証保険契約(契約金額(消費税及び地方消費税を含む。)の100分の10以上)を締結し、その証書を提出する場合イ 令和5年4月1日から入札日の前日までの間に、本県若しくは他の地方公共団体又は国、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成15年法律第112号)第2条第1項に規定する国立大学法人又は地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人との間に、当該契約とその種類及び規模をほぼ同じくする契約の履行完了の実績が2件以上あり、それを証明するものを2件提出する場合8 再度の入札における入札者が代理人である場合の委任状の提出再度の入札者が代理人である場合は、委任状(第7号様式)の提出が必要である。適正な委任状の提出がない場合、代理人は入札に参加することができない。9 入札の無効次の入札は無効とする。なお、次の(1)から(7)により無効となった者は、再度の入札に加わることはできない。(1) 競争入札に参加する者に必要な資格のない者が入札したとき。(2) 入札者が法令の規定に違反したとき。(3) 入札者が連合して入札したとき。(4) 入札者が入札に際して不正の行為をしたとき。(5) 入札者が他人の代理人を兼ね、又は2人以上の代理をしたとき。(6) 入札書が所定の日時までに到達しないとき。(7) 指名停止の措置を長崎県から受けている者又は受けることが明らかである者が入札したとき。(8) 長崎県が行う各種契約等からの暴力団等排除要綱に基づき排除措置を受けている者又は受けることが明らかである者が入札したとき。(9) 入札者が入札条件に違反したとき。(10) 入札者の納付した入札保証金が所定の額に達しないとき。
(11) 入札者又はその代理人が同一事項に対し2以上の入札をしたとき。(12) 入札書に記名押印がないときなど、入札者の意思表示が確認できないとき。(13) 誤字、脱字等により入札者の意思表示が不明瞭であると認められるとき。(14) 入札書の首標金額が訂正されているとき。(15) その他入札書の記載事項について入札に関する条件を充足していないと認められるとき。10 落札者の決定方法(1) 長崎県財務規則(昭和39年長崎県規則第23号)第97条の規定に基づいて作成された予定価格に110分の100を乗じて得た額の範囲内である入札参加者のうち、技術提案書の審査に基づく技術点、入札金額に基づく価格点の合計点(以下「総合評価点」という。)の最も高い者を落札者とする。総合評価点の最も高い入札者が2者以上あるときは、技術点の高い入札者を落札者とする。さらに、技術点の最も高い入札者が2者以上あるときは、くじにより決定するものとし、この場合において、くじに立ち会わない者又はくじを引かない者があるときは、その者に代わって、当該入札事務に関係のない職員にくじを引かせることとする。(2) 技術点は、基礎点15点と加算点85点の合計100点とし、基礎点に満たない技術提案書を提出したものは失格とし、総合評価点は与えない。(3) 価格点は、100点とし、入札価格に応じて点数を与える。(4) 落札者が落札決定から契約締結日までの間において、長崎県が行う各種契約からの暴力団等排除要綱に基づき排除措置を受けた場合、落札決定を取り消すこととする。この場合、次順位者を落札者とする。11 落札者決定基準落札者決定基準については、別に定める。12 その他(1) 契約書の作成を要する。(2) この調達契約は、世界貿易機関(WTO)協定の一部として、附属書4に掲げられている政府調達に関する協定の適用を受けるものではない。(3) 本公告に定めのない事項については、地方自治法(昭和22年法律第67号)、地方自治法施行令及び長崎県財務規則の定めるところによる。(4) その他、詳細は入札説明書による。
「長崎県水産業振興基本計画」デザイン等業務委託仕様書1.目 的令和8年度以降の本県の水産行政の指針である「長崎県水産業振興基本計画」を県民等に分かりやすく示すため、デザイン等業務を委託する。2.委託内容(1)本編冊子デザイン・印刷ゲラ①形態 :冊子②規格・頁数:A4 両面印刷 115ページ程度(デザインにより決定)③作成方法 :データ渡し(ワード、エクセル)④刷色 :フルカラー(表紙、裏表紙、本文)⑤レイアウト:イラスト、写真を必要に応じて掲載する⑥その他 :デジタルデータ(PDFデータ)の作成ホームページ掲載用(閲覧、印刷・ダウンロード等が容易なもの)(2)概要版デザイン・印刷ゲラ①形態 :冊子②規格・頁数:A4 両面印刷 20ページ程度(デザインにより決定)③作成方法 :データ渡し(ワード、エクセル)④刷色 :フルカラー(表紙、裏表紙、本文)⑤レイアウト:イラスト、写真を必要に応じて掲載する⑥その他 :デジタルデータ(PDF)の作成ホームページ掲載用(閲覧、印刷・ダウンロード等が容易なもの)(3)留意点①原稿データについて・本編冊子、概要版については、漁政課から指示された場合を除いて、提供を受けた文章・文言に変更を加えないこと②デザインについて・使用する文字フォント、色などについては、ユニバーサルデザインに十分配慮したデザインとすること。③イラスト、写真等について・文中に使用するイラストは、受託者が用意するものとする。また、写真については、県が所有する写真の提供のほか、受託者側で用意できるものについては、県に確認を経て使用するものとする。④デザイン等の決定、校正について・デザインは、漁政課との協議のうえ決定することとするが、必要に応じて複数パターンを提案すること。・校正は3回とする3.契約期間契約締結日から令和8年3月31日(火)4.納入場所長崎県水産部漁政課(長崎市尾上町3-1 長崎県庁行政棟6階)5.特記事項(1)本業務における成果品の著作権は本県に帰属するものとする。(2)その他、デザインの詳細や本仕様書に定めのない事項については、本県と受託業者で協議のうえ決定するものとする。(3)事業内容の詳細については、受託者の決定後、双方の協議により変更することがある。
力強く稼ぎ持続的に成長する水産業と漁村の賑わいづくり長崎県水産業振興基本計画令和8年度―令和12年度長崎県水産業振興基本計画 目次第1章 データで見る本県水産業の現状と取り巻く環境 11 海況の特徴 22 本県水産業の地位 23 本県水産業の現状 4① 海面漁業・養殖業生産量 4② 海面漁業・養殖業産出額 5③ 海面漁業の主要魚種別の生産動向 6④ 海面漁業の魚価の動向 7⑤ 水産資源の管理 8⑥ 主な水産資源の資源評価 9⑦ 海面養殖業の品目別の生産動向等 10⑧ 産地魚市場の状況 11⑨ 国内の水産物需要の動向 12⑩ 国内の水産物消費の動向 13⑪ 水産加工業 14⑫ 水産物の輸出 16⑬ 漁業経営と所得 17⑭ 漁業就業者 18⑮ 新規漁業就業者 19⑯ 雇用型漁業における人材確保の状況 20⑰ 沖合漁業 21⑱ 漁場の整備 22⑲ ブルーカーボンクレジット制度の仕組みと取組状況 23⑳ 漁港の整備 24㉑ 漁業協同組合 25第2章 前計画の成果検証 271 基本指標の達成状況 282 基本目標ごとの達成状況 30第3章 本県水産業を取り巻く情勢変化と課題 34第4章 計画の主旨 371 基本理念 382 基本目標と関連事業群体系 393 基本目標と指標 40第5章 基本目標別の取組方針 46基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり 47基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり 57基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり 59基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり 63基本目標5 漁業者と浜を支える漁協づくり 65第6章 海区別の取組方針 661 西彼海区 672 大村湾海区 693 橘湾海区 714 有明海海区 735 県北海区 756 五島海区 777 壱岐海区 798 対馬海区 81第7章 試験研究の取組方針 831 現状と成果 842 課題 893 取組方針 904 研究計画 91第8章 我々が描く長崎県の水産業の将来像 98参考資料 1031 長崎県水産業振興基本計画検討委員会 委員名簿 1042 SDGs(持続可能な開発目標)について 1053 用語集 1061第1章データで見る本県水産業の現状と取り巻く環境21 海況の特徴2 本県水産業の地位令和5年の海面漁業・養殖業生産量及び産出額は北海道に次いで全国2位となっています。
第1章 データでみる本県水産業の現状と取り巻く環境本県は、九州の西北端に位置し、海岸線は、多くの離島、半島、岬、湾、入江を形成し、変化に富んでいます。海岸線の長さは全国の約11.8%にあたる約4,167㎞(※)に及び、北海道に次ぎ2番目の長さとなっています。
この海岸線に面した広大な海域には、九州西方を北上する対馬暖流のほか、済州島方面からの黄海冷水、九州からの沿岸水などが流入しており、多くの島々や複雑な海底地形により、好漁場が形成され、内湾から沖合までその漁場環境を活かした多種多様な漁業が営まれています。
※海岸線延長 全 国:35,268km長崎県: 4,167km (11.8%)(海岸統計:令和6年度版)(出典) 漁業・養殖業生産統計(令和5年)令和5年 海面漁業・養殖業生産量 315,422トン海面漁業・養殖業産出額 1,238億円3本県は、全国屈指の水産県で、漁業就業者数(人口千人対)が全国1位、海面漁業・養殖業の合計の生産量・産出額は全国2位であるほか、全国1位を誇る魚種等が多数存在しています。
◆漁業就業者数(人口千人対) 全国1位農林水産省「漁業センサス」(R5.11.1)総務省「推計人口」(R5.10.1)◆海面漁業・養殖業生産量 全国2位 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)◆海面漁業・養殖業産出額 全国2位 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)◆海面漁業生産量 全国2位 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)◆海面漁業産出額 全国2位 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)◆海面漁業魚種別生産量クロマグロ、ウルメイワシ、カタクチイワシ、マアジ、サバ類、アナゴ類、マダイ、チダイ、キダイ、イサキ、サザエ全国1位農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)ムロアジ類、ブリ類、タチウオ、アマダイ類、その他のイカ類(スルメイカ以外)、その他のマグロ類(クロマグロ、ビンナガ、メバチ、キハダ以外)全国2位クルマエビ 全国3位その他のカジキ類、ガザミ類 全国4位ソウダガツオ類、マイワシ、ヘダイ、スルメイカ 全国5位◆海面養殖業生産量 全国12位 農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)◆養殖品目別生産量フグ類、クロマグロ、真珠 全国1位農林水産省「漁業・養殖業生産統計」(R5年)その他のブリ類(ブリ、カンパチ以外) 全国2位マアジ 全国3位ヒラメ 全国4位ブリ、シマアジ、マダイ、コンブ類 全国5位◆漁船数 全国2位 農林水産省「漁業センサス」(R5.11.1)◆漁港数 全国2位水産庁HP「都道府県別漁港管理者別漁港数一覧」(R7.4.1)◆煮干し品生産量 全国2位 農林水産省「漁業センサス」(R5.11.1)◆冷凍水産物生産量 全国4位 農林水産省「漁業センサス」(R5.11.1)43 本県水産業の現状①海面漁業・養殖業生産量H30年 R1年 R2年 R3年 R4年 R5年海面漁業 29.1 25.1 22.8 24.7 26.2 29.3海面養殖業 2.4 2.4 2.3 2.3 2.3 2.3合計 31.4 27.5 25.1 27.1 28.5 31.5○本県の海面漁業・養殖業の生産量は、昭和50年代のピークから減少し、直近20年間は概ね25~35万トンと横ばいで推移しています。
○直近5ヵ年の沖合漁業(大臣管理)や中小型まき網漁業の生産量は、マイワシやサバ類等の伸びにより増加傾向であり、養殖生産量は概ね横ばいで推移しています。
海面漁業・養殖業の生産量の推移(単位:万トン)(出典) 漁業・養殖業生産統計5②海面漁業・養殖業産出額H30年 R1年 R2年 R3年 R4年 R5年海面漁業 636 629 564 571 653 709海面養殖業 360 384 328 365 456 529合計 996 1,013 893 936 1,109 1,238漁業・養殖業の産出額の推移(出典) 漁業・養殖業生産統計○海面漁業・養殖業の産出額は、昭和50年代のピーク以降減少し、直近20年間は1,000億円前後で概ね横ばいで推移しています。
○令和5年は、まき網等の生産量増加、全国的な魚価の上昇、養殖のブリ類や真珠の伸びなどにより、平成12年以後初めて1,200億円台となりました。
6③海面漁業の主要魚種別の生産動向○直近5年間の海面漁業の魚種別生産量は、マイワシが増加、マアジとサバ類は概ね横ばい、カタクチイワシは減少傾向で推移しています。
○ブリ類、マダイは概ね横ばいで推移しています。
○スルメイカの生産量はピーク時に比べて低調で推移しており、クロマグロは、近年やや増加傾向で推移しています。
○魚種別の生産額では、マアジ、サバ類、イワシ類、マグロ類が伸びており、イカ類やその他の魚種は減少しています。
主要魚種別生産量の推移(トン)主要魚種別生産額の推移(トン)(トン)(出典) 漁業・養殖業生産統計(億円)(年)(年)(年)(年)7④海面漁業の魚価の動向〇コロナ禍による世界的な経済の停滞からの回復や、急速な円安による海外産水産物の価格上昇、国内生産の減少による価格高騰などから、令和3年以降全国的に魚価が上昇傾向にあり、本県でも全体的に横ばい又は上昇傾向で推移しています。
〇本県の主要魚種としては、クロマグロ、ブリ類、マアジ、スルメイカ、サワラ類等の単価が上昇しています。
(出典) 漁業・養殖業生産統計(円/kg)主要魚種(海面漁業)の平均単価の推移(円/kg)(円/kg)(円/kg)(出典) 漁業・養殖業生産統計から、生産額/生産量で算定H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5ク ロ マ グ ロ 1,181 1,274 1,732 1,944 1,744 2,029 2,534 2,496マ イ ワ シ 66 70 67 98 66 79 58 73カタクチイワシ 58 55 58 67 74 57 66 103マ ア ジ 220 203 225 265 247 223 227 302サ バ 類 119 109 104 118 136 126 125 139ブ リ 類 312 265 262 262 256 266 352 354ヒ ラ メ 1,368 1,398 1,332 1,317 1,122 1,153 1,275 1,327タ チ ウ オ 642 634 395 633 435 535 798 388マ ダ イ 556 651 629 740 588 419 476 718イ サ キ 708 689 683 752 692 651 694 672サ ワ ラ 類 436 553 447 607 438 351 465 723フ グ 類 696 504 508 473 538 579 560ス ル メ イ カ 492 550 532 581 623 506 634 808(年)(年)(年)8⑤水産資源の管理○令和2年に施行された改正漁業法による資源管理では、漁獲・水揚げ情報などを基に科学的な調査や評価を行い、効果的な資源管理措置を実施し、資源の維持・増大による安定した漁業の実現を目指しています。
○県では、国と連携して水産資源の調査や評価を行うとともに、漁業者自身による自主的な管理措置を定めた資源管理協定※の効果の検証や、改良に取り組むこととしています。
(出典) 水産庁資料9⑥主な水産資源の資源評価○水産資源は、適度な資源量(少なすぎず、多すぎない)を維持することで、最大の漁獲量(MSY※)が得られるとされ、漁業法はMSYを基準(目標)に資源管理を行うと規定されています。
○国は資源評価によるTAC※管理を推進しており、令和6年度末までに全国22種38資源で資源評価を行いました。
最大持続生産量(MSY)を基準とした資源評価(長崎県関係)(出典) 水産庁、水産研究・教育機構「我が国周辺の水産資源の評価」に基づき県で作成10⑦海面養殖業の品目別の生産動向等0 4008001,2001,6002,0002,4002,80005001,0001,5002,0002,5003,0003,500H30 R1 R2 R3 R4 R5〇近年の海面養殖業の生産量の推移は、ブリ類は増加、クロマグロは横ばいであり、まだい、フグ類は減少しています。
〇産出額については、ブリ類とクロマグロ、真珠が増加しており、令和5年は真珠の単価の大幅な上昇等により、県全体の産出額は500億円を超えました。
〇養殖用飼餌料の価格は高止まりしており、養殖経営の負担となっています。
養殖品目別生産量の推移 養殖品目別産出額の推移(億円)その他クロマグロフグ類マダイブリ類真珠(万トン)その他クロマグロフグ類マダイブリ類(出典) 漁業・養殖業生産統計 (出典) 漁業・養殖業生産統計養殖品目別単価の推移 配合飼料の単価の推移(円/kg)(円/kg)クロマグロフグ類真珠ブリ類マダイその他(出典) (一社)漁業経営安定化推進協会公表データ (出典) 漁業・養殖業生産統計から、産出額/生産量で算定)真珠(千円/kg)(単位:万トン ※真珠はkg )H30 R1 R2 R3 R4 R5ブリ類 8,990 9,382 9,830 9,176 8,608 10,326マダイ 2,234 2,368 2,368 2,862 2,609 1,882フグ類 2,353 1,801 1,689 1,038 1,237 1,083クロマグロ 6,502 7,188 5,556 7,144 7,233 6,253真珠 ※ 6,961 6,006 5,685 5,266 5,307 5,429その他 3,666 3,723 3,572 3,152 3,091 2,983合計 30,706 24,468 23,021 23,377 22,783 22,532(単位:百万円)H30 R1 R2 R3 R4 R5ブリ類 7,755 7,826 7,081 7,888 9,825 11,562マダイ 1,906 1,999 1,545 2,038 2,097 1,675フグ類 3,769 4,203 3,460 2,661 3,772 3,372クロマグロ 15,020 16,884 13,596 16,324 20,737 21,098真珠 5,080 4,510 4,386 4,934 6,227 12,031その他 2,477 2,973 2,725 2,632 2,941 3,132合計 36,007 38,395 32,793 36,477 45,599 52,870(年) (年)(年)(年)11⑧産地魚市場の状況必要人員 雇用者数 不足人数3魚市場合計210人 135人 75人〇県内の主要3市場(長崎、佐世保、松浦)の取扱量は、近年は増加傾向にあり、令和6年の取扱量は合計で約25万トンでした。
〇市場全体の水揚量の約9割がまき網漁業の漁獲物となっています。
〇市場では、魚の選別作業等に必要な人員が不足しています。
(千トン)県内主要3魚市場の取扱量の推移(出典) 魚市場統計年報、魚市場報告書県内主要3魚市場の取扱金額の推移県内主要3魚市場の漁業種類別水揚割合(R6年)(出典) 魚市場統計年報、魚市場報告書(出典) 県調べ県内主要3魚市場の選別作業員の不足状況(令和7年4月時点)(億円)(出典) 魚市場統計年報、魚市場報告書(年)(年)12⑨国内の水産物需要の動向〇我が国の魚介類の国内消費仕向量(原魚換算ベース)は、平成25年度から令和5年度にかけて、国内生産量が87万トン(20%)、輸入量が36万トン(9%)減少し、135万トン(17%)縮小しています。
〇令和5年度の国内消費仕向量は652万トンで、501万トン(77%)が食用、151万トン(23%)が非食用(飼肥料用)となっています。
○食用国内消費仕向量に占める加工品の割合は、平成25年度の約6割から令和5年度の7割に上昇しています。
国内の水産物需給の動向(出典) 水産庁「水産白書」平成25年度令和5年度(概算値)13⑩国内の水産物消費の動向○生鮮魚介類の1世帯当たり購入量は減少傾向にありますが、これに対し、支出金額は、価格上昇等の影響もあり、横ばいまたはやや上昇傾向にあります。
〇国内の1人1年当たり生鮮魚介類の購入量は減少を続けており、購入品目の上位は、サケ、マグロ、ブリとなっています。
○水産物に対する消費者の意識は、健康志向、経済性志向、簡便化志向の割合が上位を占め、特に簡便化志向の上昇が顕著になっています。
生鮮魚介類の1世帯当たり年間支出金額・購入量の推移(全国)生鮮魚介類の1人1年当たり購入量及びその上位品目の購入量の変化(出典) 水産庁「水産白書」消費者の食の志向(上位)の推移(出典) 水産庁「水産白書」(出典) 総務省家計調査(出典) 水産庁「水産白書」生鮮魚介類の1世帯当たり年間支出金額・購入量の推移(長崎市)支出金額(千円/世帯年)(kg / 世帯年)購入量14⑪水産加工業業 種 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5水産缶詰・瓶詰製造業 32 31 30 32 26 30 30 27 31 34 24 23 24 27海藻加工業 39 32 x 23 25 25 25 26 28 32 42 36 37 42水産練製品製造業 104 102 108 97 92 91 90 88 86 79 70 70 67 68塩干・塩蔵品製造業 10 13 17 21 22 27 37 26 45 34 33 24 30 29冷凍水産食品製造業 94 90 x 77 78 81 82 71 76 62 68 70 119 84その他(素干・煮干等) 154 137 151 127 117 113 112 123 113 106 76 92 88 80食用加工品製造業 計 434 405 306 377 360 367 377 361 377 347 312 316 367 330冷凍水産物製造業 38 29 x 120 134 134 148 170 149 142 91 178 136 169合 計 472 434 450 497 494 501 525 531 526 488 403 494 503 499経済センサス実施に伴い産出されず〇本県の水産加工品の生産量は平成30年まで11.2~14.4万トンで推移していましたが、令和元年から10万トンを下回っています。
○全体の約7割が冷凍水産物で、食用加工品の割合が低い状況であり、令和5年の統計では煮干しが全国2位、冷凍水産物が全国4位となっています。
○生産額は、令和2年に落ち込みましたが、その後回復し、令和3年以降は500億円程度を維持しています。
○本県の水産加工業は、全国平均と比べて小規模経営が多い状況です。
※「ねり製品」「その他」は、R2~4年は主産県以外の生産量が公表されていないため、計上していない※素干しは「するめ」、冷凍食品は「水産調理食品」、塩干品は「アジ」「サバ」、煮干しは「いわし」「その他」を集計長崎県の主要な水産加工品の生産量の推移長崎県の水産加工品の生産額の推移(出典) 工業統計及び経済構造実態調査(出典) 農林水産省「水産加工統計調査」(H25、H30、R5は漁業センサス)(千㌧)(年) (生産額の単位:億円)(年)15割合 全国全国 長崎 長崎県/全国 順位ねり製品 366,023 6,326 1.73% 17冷凍食品 263,668 5,220 1.98% 16素干し品 5,846 130 2.23% 7塩干品 97,002 2,248 2.32% 14煮干し品 56,788 6,671 11.75% 2塩蔵品 141,648 219 0.15% 23くん製品 3,309 6 0.18% 10節製品 66,186 332 0.50% 11その他の食用加工品 280,918 3,989 1.42% 23冷凍水産物 985,880 67,754 6.87% 4生産(トン)(出典) 2023年漁業センサス令和5年の長崎県の主要な水産加工品の品目別生産量※ねり製品はかまぼこ類、全国順位は、公表数値の単純集計により算出令和5年の長崎県の水産加工業の規模など(出典) 経済構造実態調査製造品出荷額総計(百万円)事業所数従業者数(人)1事業所あたり従業者数(人)1事業所あたり出荷額(百万円)全国平均 79,601 103 2,798 27 773長崎県 49,983 132 2,820 21 37916⑫水産物の輸出○令和6年度の本県の水産物輸出実績は約70億円となりました。令和5年8月以降ALPS処理水※放出の影響で中国輸出は停止していますが、韓国や米国への養殖ブリの輸出が伸び、前年度より約6億円増加しました。
○輸出先は、金額上位から順に、韓国、米国、ベトナムでした。(中国輸出が最も多かった令和4年度は、中国、米国、韓国の順)○令和6年度の輸出のうち、主要品目は養殖魚(クロマグロ、ブリ等)で、本県の水産物輸出額の77%を占めています。
本県水産物輸出額の推移(出典) 長崎県水産物海外普及協議会及び民間企業等への聞き取りによる実績数量(トン)(トン)(億円)(年度)養殖魚の合計54.7億円(全体の77%)養殖魚18.3(年度)(億円)(形態別)(輸出先別)17⑬漁業経営と所得○燃油価格は、令和4年から110~120円/L台で高止まりしています。燃油費は個人経営体の漁労支出の約2割を占めるため、漁業経営の大きな負担となっています。
〇漁業種類や地域の差はありますが、全体的な水産物の価格上昇等により、県内の1経営体あたりの平均漁業所得額※は上昇しています。
A重油の県内小売価格の推移(出典) 県内漁協聞き取り結果を基に県で作成(円/L)(出典) 漁業経営調査報告東シナ海区における個人経営体の漁労支出の構成割合(R5年)1経営体あたりの平均漁業所得の推移(県)(出典) 浜の活力再生プランの所得データから県で作成個人経営体の平均漁労所得の推移(全国)(年平均価格:円/L)(千円/経営体)燃油費減価償却費販売手数料修繕費雇用労賃漁船漁具えさ代その他(出典) 水産庁「水産白書」を基に作成(千円)H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 R790 92 98 108 83 66 76 92 93 80 96 109 112 116 122H30年 R1年 R2年 R3年 R4年 R5年漁船漁業 2,082 2,034 2,068 1,964 2,522 2,191漁船漁業※基幹的従事者が65歳未満海面養殖業 8,826 6,577 7,863 8,336 10,616 15,3297,026 5,428 3,861 4,220 4,299 5,447(年)(年)18⑭漁業就業者H30 R5 増減65歳以上 4,694 4,014 ▲ 68040~64歳 5,348 3,854 ▲ 1,49440歳未満 1,720 1,340 ▲ 380 計 11,762 9,208 ▲ 2,554○県内の漁業就業者は減少傾向にあり、令和5年には9,208人となり、直近5年間で約2割減少しています。また、65歳以上が全体の4割以上を占め、高齢化が進行しています。
○平成30年と令和5年の漁業就業者の年齢構成を見ると、40~64歳が約1.5千人減少しており、この傾向から令和10年の漁業就業者を予測すると7,138人となり、高齢化もさらに進行すると想定されます。
長崎県の漁業就業者数の推移(出典) 漁業センサス長崎県の漁業就業者の年齢階層別構成比の推移(万人)( 予 測 )調査年 就業者数(人) 40歳未満 40~64歳 65歳以上 S53 43,674 34% 58% 8% S58 41,414 31% 60% 9% S63 35,445 28% 61% 10% H05 29,189 21% 62% 17% H10 24,377 17% 58% 25% H15 20,091 15% 54% 31% H20 17,466 15% 52% 33% H25 14,310 15% 51% 34% H30 11,762 15% 45% 40% R05 9,208 15% 42% 44% R07(予測) 8,942 14% 39% 46% R10(予測) 7,138 15% 40% 45%(年)19⑮新規漁業就業者1年後 2年後 3年後 4年後 5年後H22 146 132 132 106 102 102H23 152 138 135 130 124 116H24 152 132 125 120 116 111H25 170 152 148 141 132 129H26 136 121 113 109 108 102H27 163 140 131 131 128 124H28 175 158 153 145 139 138H29 165 147 138 129 121 112H30 183 171 145 134 126 123R1 187 166 155 148 141R2 180 154 143 142R3 192 163 158R4 203 197R5 20189% 84% 79% 76% 73%定着人数の推移(人)定着率(%)各年度の新規漁業就業者数(人)年度 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6実績(人) 146 152 152 170 136 163 175 165 183 187 180 192 203 201 2215ヵ年平均 151 175 199○本県の新規漁業就業者は概ね増加しており、直近5年間の平均は約199名/年となっています。また、移住者(U I Jターン※)が年間60名程度就業しています。
〇直近5年間の新規就業者の年齢層は、全体の5割以上が40歳未満で、全体の7%が女性となっています。
〇新規漁業就業者の定着率は、就業5年後で約7割程度となっています。
長崎県の新規漁業就業者数の推移(出典) 県調べ新規漁業就業者の定着状況(出典) 県調べ新規漁業就業者数の出身区分別推移IJターンUターン地元漁家子弟漁家子弟(Uターン)新規漁業就業者の年齢構成比(R2~6年の平均) (人)(出典) 県調べ(出典) 県調べ(年度)20⑯雇用型漁業における人材確保の状況H30年 R5年 R5年/H30年漁獲量(千トン)経営体数雇用者数(人)漁獲量(千トン)経営体数雇用者数(人)経営体数 雇用者数中小型まき網他※ 106 55 787 118 41 592 74.5% 75.2%定置網 12 257 549 12 209 548 81.3% 99.8%養殖業 24 556 1,510 23 442 1,108 79.5% 73.4%県全体 314 5,998 4,404 315 4,804 3,526 80.1% 80.1%技能実習 特定技能受入経営体 受入人数 受入経営体 受入人数沖合固定式さし網 2 4 0 0東シナ海カジキ等流し網 4 18 1 1中小型まき網 8 20 22 92いか釣り 5 5 5 6東シナ海はえ縄 2 8 0 0定置網 2 5 12 43大中型まき網 9 61 10 72敷網 0 0 1 1あなごかご 0 0 2 3さんご 0 0 3 3沖合ごち網 0 0 2 4ごち網 0 0 2 2沖合底びき網 0 0 2 6魚類養殖 0 0 8 19真珠養殖 0 0 1 13種苗生産 0 0 2 6合計 32経営体 121名 73経営体 271名業種漁業種類別の外国人材の受入実態○中小型まき網漁業や定置網漁業、養殖業は、漁村地域において重要な雇用の受け皿となっています。
○国内人材の確保が困難であり、就業者の高齢化も進んでいる状況に対応するため、まき網や定置網、養殖業を中心に技能実習制度※等を活用して外国人材を積極的に雇用しています。
主な雇用型漁業の経営体数、雇用者数など(出典) 漁業センサスを基に県で推計※中小型まき網他:漁業センサスで、海面漁業の雇用者数等は漁業種類別ではなく漁船のトン数階層別に集計されているため、中小型まき網が主体と考えられる30~200㌧階層の雇用者数等を集計した。
外国人材の受入人数の推移(出典) 県調べ(出典) 県調べ(令和7年8月時点)21⑰沖合漁業※経営体数 許認可数乗組員数(外国人含む)大中型まき網 12 21 829以西底びき網 3 8 78沖合底びき網 5 12 18さんま棒受網、東シナ海はえ縄等9 25 91計 29 66 1,016~10年未満(29%)10~14年(13%)15~20年(4%)21~24年(13%)25年以上(40%)養殖業22,532トン(7%)沿岸漁業151,400トン(48%)沖合漁業141,490トン(45%)30歳以下(24%)31~40歳(13%)41~50歳(14%)51~60歳(24%)61歳以上(25%)日本人(79%)外国人(21%)〇沖合漁業(大臣許可漁業)は、東シナ海や日本海等を主な漁場として、本県漁業生産量の4割以上を水揚げする漁業です。その多くは会社経営であり、県全体で1,016名の雇用の受け皿となっています(令和7年6月時点)。
○主漁場である東シナ海における外国漁船との漁場競合や、燃油・資材の価格高騰など厳しい経営環境が継続し、高船齢化も進んでいる状況です。
○日本人の乗組員は、61歳以上の割合が2割以上を占めており、若年層乗組員の確保が困難な状況です。労働環境・雇用条件を改善するとともに、技能実習制度等を活用して外国人乗組員を積極的に雇用しています。
海面漁業・養殖業生産量に占める沖合漁業の割合(令和5年)(出典) 漁業・養殖業生産統計(出典) 県調べ(令和7年6月時点)沖合漁業にかかる許可船舶の船齢(出典) 長崎県漁船登録システム(令和7年5月時点)沖合漁業にかかる経営体数、許認可隻数(出典) 県調べ(令和7年6月時点)(出典) 県調べ(令和7年6月時点)乗組員に占める外国人の割合乗組員の年齢構成 (日本人のみ)22⑱漁場の整備588608 62265667669571173976378680582584102004006008001000H24 H26 H28 H30 R2 R4 R6○水産資源の回復に向け、水産生物の生活史に合わせた沿岸から沖合までの一体的な漁場整備を実施しています。魚礁※、増殖場※、マウンド礁※など、県が整備した漁場の面積は令和6年度までの累積で841㎢となっています。
○海水温上昇に伴い、藻場の面積は平成元年の約13,400haから平成26年の約8,200haへと大きく減少しました。その後の取組等により、令和7年には約10,500haまで回復しましたが、イスズミ等の食害の影響が継続しています。
海藻の食害の様子 南方系ホンダワラ類※への変化漁場整備面積(累積) 漁場整備のイメージ(年度)(㎢)(出典) 県整備実績(出典) 気象庁HP本県の藻場面積海面水温の経年変化(東シナ海北部)(出典) 県調査結果23⑲ブルーカーボンクレジット制度※の仕組みと取組状況○海藻などの海洋生態系により吸収・貯留される炭素を定量化し、クレジットとして取引するブルーカーボンクレジット制度が令和2年度に開始されました。
○県内では、磯焼け対策に取り組む一部の市町で本制度が活用され、認証を受けています。
藻場が有するCO₂固定※機能の概念図(出典) 国⽴研究開発法人水産研究・教育機構「海草・海藻藻場のCO₂貯留量算定ガイドブック」ブルーカーボンクレジットの仕組み(出典)ジャパンブルーエコノミー技術研究組合「Jブルークレジット®認証申請の手引き-ブルーカーボンを活用した気候変動対策-Ver.2.5」県内におけるブルーカーボンクレジット認証取得実績ブルーカーボン(海洋生態系によって吸収・貯留される炭素)を定量化し、JBE(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)が認証する仕組み(出典) 県聞き取り結果(R7年12月末時点)24⑳漁港の整備漁港種別 漁港数 隻数 陸揚量(t) 陸揚金額(百万円)第1種 利用範囲が地元の漁業を主とする漁港 178 7,754 28,870 14,074第2種利用範囲が第1種漁港よりも広く第3種漁港に属さない漁港33 2,840 26,665 7,448第3種 利用範囲が全国的な漁港 4 245 1,346 842特定第3種第3種漁港のうち水産業の振興上特に重要な漁港で政令で定めるもの(本県では長崎漁港のみ)1 194 65,375 18,895第4種離島その他辺地にあって漁場の開発又は漁船の避難上特に必要な漁港10 699 2,883 1,795合 計 226 11,732 125,138 43,054○漁港は水産物流通のスタート地点として、漁船の停泊から出漁準備・漁獲物の陸揚げ・集荷・分荷・加工等の機能を有しているとともに、漁港を中心に産業とまちが形成されており、生産の場のみならず生活の場として重要な役割を果たしています。
○長崎県内の漁港数は令和7年4月1日現在で226漁港あり、北海道についで第2位となっています。特定第3種漁港である長崎漁港は、水産物流通の拠点として全国への水産物の安定供給を担う本県水産業を牽引する重要な漁港です。
○年々激甚化する自然災害の中で、本県の漁港・漁村は台風の来襲を受けており、大きな被害も生じています。
(百万円)特定第3種漁港 (長崎漁港:長崎市)漁港の港勢※四捨五入の関係で合計が一致しない箇所がある(出典) 令和5年漁港港勢調査第1種漁港 (西海漁港:対馬市)第2種漁港 (生月漁港:平戸市)第4種漁港 (荒川漁港:五島市)25㉑漁業協同組合長崎市 6西海市 4時津町 1島原市 2雲仙市 1南島原市 5諫早市 2大村市 2佐世保市 5平戸市 6松浦市 1小値賀町 1五島市 3新上五島町 7壱岐市 5対馬市 11合計 62〇令和7年度現在、本県には62の漁業協同組合が存在し、正組合員※数の減少と高齢化が進行しています。
○正組合員数が100名未満の漁協が全体の50%以上、職員の人数が5名以下の漁協が全体の約40%を占めています。
○漁協の事業総利益と事業管理費ともに減少し、事業規模が縮小しています。
漁協の規模等の推移 市町別の漁協数(人)※漁協本所が所在する市町(出典) 県調べ(令和7年4月時点)(出典) 業務報告書を基に県で集計正組合員数と高齢化の推移(出典) 業務報告書を基に県で集計R2年度 R3年度 R4年度 R5年度 R6年度組合数 64 64 64 62 62組合員数(人) 21,001 20,487 19,853 19,318 18,690正組合員数(人) 7,743 7,416 7,036 6,841 6,556准組合員数(人) 13,258 13,071 12,817 12,477 12,134総水揚額(百万円) 53,519 57,995 68,744 72,604 65,5251組合平均出資金額(百万円) 112 110 107 108 1071組合平均事業総利益(千円) 75,979 79,531 87,906 92,165 83,097(年度)26正組合員の人数階層別の組合数(令和6年度)(出典) 業務報告書を基に県で集計 (出典) 業務報告書を基に県で集計20~29人(3%)30~49人(20%)50~99人(34%)100~199人(32%)200~299人(8%)300~499人(3%)漁協の事業規模の推移3人未満(11%)3~5人(27%)6~9人(15%)10~14人(15%)15~19人(21%)20~29人(6%)30人以上(5%)職員の人数別の組合数(令和6年度)(百万円)(出典) 業務報告書を基に県で集計(年度)27第2章前計画の成果検証281 基本指標の達成状況 「達成」 「順調」 「やや遅れ」 「遅れ」の4項目で評価「達 成」……最終年度の目標値を達成した(累計ベースの目標を設定していて実績が極めて好調な場合や、目標の最終年度が既に到来した場合など)「順 調」……直近の実績で目標値を達成した「やや遅れ」……直近の実績で目標値は達成できなかったが、基準値からの改善はみられる「遅 れ」……直近の実績で目標値を達成できず、基準値の数値と比べても数値が悪くなっている(実績が基準値を下回っている又は直近年の目標値に対する実績値が70%未満)<進捗状況の%について>Ⅰ 基本:(実績値)/(目標値)Ⅱ 「累計」で評価する数値目標:基準値からの伸び率を示すものは、(実績値-基準値)/(目標値-基準値)により算出<達成の見込みの記号について>「○」:達成した又は達成の見込み「△」:達成が厳しい見込み第2章 前計画の成果検証29(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み①海面漁業・養殖業産出額海面漁業産出額(H30年)海面養殖業産出額(H29年)970億円 999億円 1,024億円 1,036億円 1,060億円順調 〇936億円 1,109億円 1,238億円 未公表96% 110% 120% ―②海面漁業生産量29万トン(H30年)26万4 千トン 28万2 千トン 29万1 千トン 30 万トン 31万5 千トンやや遅れ〇 24万7 千トン 26万2 千トン 29万3 千トン29万7 千トン(速報値)93% 92% 100% 99%③海面漁業産出額636億円(H30年)586億円 611億円 632億円 640億円 660億円順調 〇 571億円 653億円 709億円 未公表97% 106% ― ―④1経営体あたりの平均漁業所得額2,394千円(H26~H30年平均)2,538千円 2,586千円 2,633千円 2,681千円 2,729千円順調 〇 2,746千円 4,001千円 4,646千円 未算定108% 154% 176% ―⑤海面養殖業産出額378億円(H29年)384億円 388億円 392億円 396億円 400億円順調 〇 365億円 456億円 529億円 未公表95% 117% 134% ―⑥水産食品加工品出荷額361億円(H29年)368億円 375億円 382億円 388億円 400億円遅れ △ 316億円 367億円 330億円 未公表85% 97% 86% ―⑦農山漁村集落数2,927集落(H27年)2,927集落 2,927集落 2,927集落 2,927集落 2,927集落ー ー ー ー ー ー ーー ー ー ー ー⑧農山漁村地域への移住者数(うち漁業分)ー57人 62人 62人 65人 65人やや遅れ△ 69人 57人 57人 53人121% 91% 91% 81%① 「海面漁業・養殖業産出額」は、令和 5 年に 1,238 億円となり 2 年連続で計画を上回りました。現状の水準で推移すれば目標を達成する見通しです。② 「海面漁業生産量」は、令和6年の海面漁業生産量(速報値)は29万7千トンとほぼ目標通りであり、現状のペースを踏まえると、概ね目標水準に到達する見通しです。③ 「海面漁業産出額」は、令和5年に709億円と、まき網の生産量の増加や魚価の上昇により計画を大きく上回りました。生産量が順調に推移すれば、目標値を達成する見通しです。④「1経営体あたりの平均漁業所得額」は、計画期間を通して順調に推移しています。令和5年は主にまき網等の海面漁業や養殖業における生産量の増加並びに魚価の上昇等により平均所得が上昇しており、令和6年度以降も目標を達成する見通しです。⑤ 「海面養殖業産出額」は、国内外からの需要回復が加速し、単価も向上したことから令和4年以降計画を上回って推移しており、現在の種苗の活込み状況等を踏まえると、目標を達成する見通しです。⑥ 「水産食品加工品出荷額」は、コロナ禍以降回復傾向にあるものの、主要加工品目における不安定な原料調達状況等により計画を下回って推移しており、目標達成は厳しい見通しです。⑦ 「農山漁村集落数」は、2025年農林業センサスで実績を確認することとなっています。⑧ 「農山漁村地域への移住者数(うち漁業分)」は、新規漁業就業者が増加する中、移住者数は伸び悩んでおり、目標達成はやや厳しい見通しです。基本指標8項目中5項目、関連指標15項目中12項目が達成の見込みです。302 基本目標ごとの達成状況(1)基本目標:漁村地域の生産力を支える多様な人材の確保・育成(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み漁業の魅力や就業情報の発信と受入体制の強化①新規漁業就業者数183人(H30年度)190人 200人 200人 210人 210人順調 〇 192人 203人 201人 221人101% 101% 100% 105%外国人材の地域における活躍②外国人材を受け入れた市町数8市町(R1年度)ー ー ー ー 12市町達成 〇 9市町 9市町 11市町 12市町- - - ー(2)基本目標:環境変化に強く収益性の高い魅力ある漁業経営体の育成(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名 基準値(基準年) R3 R4 R5 R6 R7 進捗 達成見込み漁業者の経営力強化①1経営体あたりの平均漁業所得額2,394千円(H26~H30年平均)2,538千円2,586千円2,633千円2,681千円2,729千円順調 ○ 2,746千円4,001千円4,646千円 未算定108% 154% 176% -②経営計画※策定者のうち漁業所得が向上した割合63%(H30年度)70% 70% 70% 70% 70%遅れ △ 51% 51% 50% 未算定72% 72% 71% -① 「新規漁業就業者数」は、計画期間中を通じて目標を上回っており、目標を達成する見込みです。② 「外国人材を受け入れた市町数」は、令和6年6月時点で12市町が外国人材を受け入れており、目標を達成しています。① 「1経営体あたりの平均漁業所得額」は、計画期間を通して順調に推移しています。令和5年は主にまき網等の海面漁業や養殖業における生産量の増加並びに魚価の上昇等により平均所得が上昇しており、令和6年度以降も目標を達成する見通しです。
[再掲]② 「経営計画策定者のうち漁業所得が向上した割合」は、経営計画策定者の多くを占める小規模経営体の漁業所得の伸びが限定的で、目標に対し「遅れ」となっており、目標達成は厳しい見通しです。31(3)基本目標:資源管理の推進による水産資源の持続的な利用と漁場づくり(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名基準(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり①漁場整備面積622㎢(H26年度)762㎢ 777㎢ 792㎢ 807㎢ 822㎢達成 ○ 786㎢ 805㎢ 825㎢ 841㎢103% 103% 104% 104%②最適な放流手法と適切な資源管理措置を講じるモデル魚種数(累計)―1魚種 2魚種 3魚種 4魚種 5魚種順調 ○1魚種 2魚種 3魚種 4魚種100% 100% 100% 100%(4)基本目標:養殖業の成長産業化(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み養殖業の成長産業化海面養殖業産出額378億円(H29年)384億円 388億円 392億円 396億円 400億円順調 ○365億円 456億円 529億円 未公表95% 117% 134% ―② 「最適な放流手法と適切な資源管理措置を講じるモデル魚種数」は、クルマエビ、ヒラメ、ガザミ、トラフグと、計画通りに順調に進捗しており、最終年度はクエに取り組んでおり、目標を達成する見通しです。① 「漁場整備面積」については、藻場機能を有した増殖場や魚礁の整備など、沿岸から沖合まで水産資源を育む漁場づくりを推進した結果、目標を達成しました。「海面養殖業産出額」は、国内外からの需要回復が加速し、単価も向上したことから令和4年以降は計画を上回って推移しており、現在の種苗の活け込み状況等を踏まえると、目標を達成する見通しです。[再掲]32(5)基本目標:県産水産物の国内外での販売力強化(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み県産水産物の国内販売力の強化①新たに取引を開始した商品の取引額(累計)―1.4億円 2.1億円 6億円 7.3億円 8.6億円達成 ○2.9億円 4.7憶円 8.3億 10.9億円207% 223% 138% 149%県産水産物の国外販売力の強化②水産物輸出額27億円(H30年)40億円 42億円 46億円 48億円 50億円順調 ○ 42.2億円 71.5憶円 64.1億円 70.5億円105% 170% 139% 146%高度衛生管理に対応した体制の構築③高度衛生型荷捌き施設※がある魚市場数(累計)0箇所(H30年度)1箇所 1箇所 2箇所 2箇所 2箇所達成 ○ 1箇所 1箇所 1箇所 2箇所100% 100% 50% 100%① 「新たに取引を開始した商品の取引額」は、量販店や生協等のバイヤーと連携した商品開発・販売等により計画を上回って推移しており、目標を達成しました。② 「水産物輸出額」は、令和5年度に中国による日本産水産物の輸入停止の影響でやや減少しましたが、韓国・米国、東南アジア向けの輸出によって回復し、計画を上回るペースで、目標を達成する見通しです。③ 「高度衛生型荷さばき施設がある魚市場数」は、松浦魚市場、長崎魚市場の荷捌き施設において高度衛生化が図られ、目標を達成しました。33(6)基本目標:多様な人材の活躍による漁村の賑わいや活力創出(上段:目標値、中段:実績値、下段:達成率)事業群 指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6 R7 進捗達成見込み漁村に人を呼び込む仕組みづくり①地域漁業の維持・再生に取組む漁業地区数80地区(R2年度)80地区 80地区 80地区 80地区 80地区遅れ △ 80地区 79地区 77地区 77地区100% 98% 96% 96%漁村地域全体で稼ぐ仕組みづくり②新たな漁業や海業※の起業及び事業拡大の件数10件/年度(R2年度)10件 10件 10件 10件 10件順調 ○ 1件 16件 19件 11件10% 160% 190% 110%異業種との連携による浜の活性化③離島の漁村集落への入込客数※2,900人(H30年度)3,350人 3,500人 3,650人 3,800人 3,950人やや遅れ△ 1,300人 3,518人 3,660人 3,412人38% 100% 100% 90%④異業種と連携して漁村地域の活性化に寄与した新たな取組の件数3件(H28-30年度平均)3件 3件 3件 3件 3件順調 ○ 4件 4件 4件 3件133% 133% 133% 100%生産・流通基盤の強化と漁村の賑わい創出に向けた浜の環境整備⑤生産性の向上に資する基盤整備完了漁港数0漁港(R1年度)0漁港 4漁港 8漁港 10漁港 15漁港順調 ○ 0漁港 4漁港 7漁港 10漁港― 100% 87% 100%① 「地域漁業の維持・再生に取組む漁業地区数」は、高齢化で活動を止めた漁業地区があり、目標の 80 地区の維持は達成が厳しい見通しです。② 「新たな漁業や海業の起業及び事業拡大の件数」は、離島地域の漁村集落における取組が概ね順調に進んでおり、目標を達成する見通しです。③ 「離島の漁村集落への入込客数」は、コロナ禍の後に回復してきた一方で、事業者の高齢化による体験学習の受入数の減少等により直近では目標値を下回っており、目標達成はやや厳しい見通しです。④ 「異業種と連携して漁村地域の活性化に寄与した新たな取組の件数」は、観光事業者と連携した海業の促進の取組により、概ね計画を上回る進捗であり、目標を達成する見通しです。⑤ 「生産性の向上に資する基盤整備完了漁港数」は、一部、資材単価や人件費の増により途中遅れが生じたものの、直近では計画通りの進捗となっており、目標を達成する見通しです。34第3章本県水産業を取り巻く情勢変化と課題35■本県水産業を取り巻く情勢変化第3章 本県水産業を取り巻く情勢変化と課題海洋環境の変化と水産資源の変動・気候変動に伴い、水産資源や漁場、魚種、漁期が変化するとともに、海水温の上昇による磯焼け※の進行や養殖における生育不良と収獲量の減少、赤潮の頻発等が懸念されています。
燃油や物価高騰の影響・国際情勢を背景とする燃油等のエネルギーや資材の高騰による生産活動や物流等への影響が継続しています。また、養殖用飼餌料や加工原料の高騰が経営体の収支に影響しています。
デジタル技術等の進化・AI※、IoT※などデジタル技術が日々進化していく中、水産業においても生産活動の省力化や効率化、水産物の高付加価値化により生産性を向上させる「スマート水産技術※」を活用する取り組みが広がっています。
国内外における水産物の需要の変化・人口減少の進行や、魚食文化の衰退等により、国内需要が縮減する一方で、海外においては、日本食ブームなどにより需要が拡大しています。
・国内消費は、コロナ禍を経て、より簡便化志向になっています。
水産業の担い手の減少・人口減少により、地域における水産業(漁業、加工、流通)の担い手不足が進行しています。
・外国人技能実習制度から育成就労制度※への見直しの動きが進んでいます。
消費者の価値観の変化・ニーズや価値観が変化しており、モノ消費からコト消費、トキ消費※へと多様化しています。
・国は「海の地方創生」を掲げ、海業を推進しています。
漁港、漁村、漁協を取り巻く情勢変化・漁港施設等インフラの老朽化が進行しており、激甚化・頻発化する自然災害や海面上昇の影響も懸念されています。
・正組合員の減少や高齢化、漁協職員の不足等で、漁協組織が脆弱化しています。
36■本県水産業の課題本県水産業を取り巻く情勢や、前計画の成果検証等を踏まえ、今後重点的に取り組むべき課題を以下のとおり整理しました。
漁業の収益性向上漁船漁業については、水産資源の持続的な利用に向け、生産力の高い漁場づくりや資源管理の取組を着実に実施しつつ、スマート水産技術の活用や経営多角化等により、環境変化に適応し、収益性を高める取組が必要です。
養殖業においては、輸出等を見据えた漁場の有効活用をはじめ、高水温や赤潮※等のリスクに強い安定した体制の構築などに取り組む必要があります。
水産物の生産・流通を支える拠点漁港※については、激甚化・頻発化する自然災害に対応しつつ、必要な集出荷機能が確保されるよう、着実に整備を進める必要があります。
加工・流通の強化物流を取り巻く環境が変化し、輸送にかかるコスト等が高騰する中、本県水産物が国内外で競争力を高め、優良な販路を確保・拡大するための取組が重要です。
産地魚市場における安定的な集荷体制の確保や、高度衛生管理型市場の強みを活かした付加価値向上、ニーズや流通事情の変化に対応した産地加工やバリューチェーン※の強化、本県の地理的強みを生かした多様な国への輸出展開などが重要な課題です。
水産業の担い手の確保・定着人口減少や漁業就業者の高齢化等が進行しており、次代を担う漁業就業者の確保は引き続き重要な課題です。新規漁業就業者の安定的な確保はもとより、漁業就業後の定着を促進するための丁寧なフォローアップや、地域で新規就業者を支える体制づくり、快適で暮らしやすく働きやすい漁村の環境を整えていくことも必要です。
漁村の活性化と水産物の魅力発信本県は、美しい海や漁村の景観、美味しい多種多様な魚介類などの魅力に富んでおり、これらを最大限活用することで、より効果的に本県の水産業や水産物の魅力を発信できると考えます。
直売所や釣り体験などの海業の展開や地域イベントの開催など、交流促進の取組により漁村の活気を高めるとともに、地域が地元水産物等に愛着と誇りを持ち、その魅力を発信していく取組が必要です。
漁業協同組合の機能強化浜の中核組織として、漁業者を支える漁業協同組合は、正組合員の減少と高齢化、漁協職員の減少含め基盤の脆弱化が進んでいます。漁協がその機能や役割を果たしていくためには、漁協合併や事業連携、業務効率化、職員の確保・育成等により漁協の体制を維持・強化していく必要があります。
37第4章計画の主旨381 基本理念第4章 計画の主旨上記理念のもと、前計画の成果検証や水産業をとりまく情勢を踏まえた課題、長崎県総合計画「みんなの未来図2030」の基本理念である「ながさきの誇りと希望を力に、みんなで夢あふれる未来をひらく」に掲げた関連施策や取組の方向性も踏まえながら、〇 持続可能で収益性の高い経営体づくり〇 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり〇 水産業を未来につなぐ人づくり〇 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり〇 漁業者と浜を支える漁協づくりの5つの基本目標と、目標達成に向けた事業群を設定し、施策を推進します。
力強く稼ぎ持続的に成長する水産業と漁村の賑わいづくり海洋環境や社会情勢の変化に適応しながら、水産業が儲かる産業として成長し続ける姿を目指して、本計画の基本理念を以下の通り定めました。
392 基本目標と関連事業群体系基本目標 事業群1持続可能で収益性の高い経営体づくり①水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり②収益性の高い新時代の漁業経営体の育成③持続的な養殖業の成長産業化④水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備2国内外に美味しさを届けるネットワークづくり①産地魚市場の水産物集出荷機能の強化②県産水産物の国内バリューチェーン強化③県産水産物の戦略的な輸出促進3水産業を未来につなぐ人づくり①新規漁業就業者の確保と定着促進②働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備4海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり①海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり5漁業者と浜を支える漁協づくり①漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり403 基本目標と指標基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり取 組 の 概 要海洋環境や資源の変化に対応しながら、漁業者が収益性の高い漁業を安定的に営み、豊かな生活とやりがいを得ているめ ざ す 姿事業群① 水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり資源の維持・増大を図るため、適切な資源管理の実施と生産力を高める漁場整備を行います。
事業群② 収益性の高い新時代の漁業経営体の育成持続可能な漁業の実現に向け、環境変化に強く、経営感覚に優れた収益性が高い漁業経営体の育成に取り組みます。
事業群③ 持続的な養殖業の成長産業化養殖業の収益性向上と生産量増大を図るため、養殖生産に係る技術開発や養殖業者の経営力向上、輸出等を視野に入れた養殖生産の規模拡大等に取り組みます。
事業群④ 水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備収益性の高い漁業の実現に向け、拠点となる漁港等の機能強化と安全で安心な港や漁村づくりを推進します。SDGs※関連目標(P105参照)資源管理と漁場づくりによる資源の維持・増大、収益性の高い漁業経営体の育成、養殖業の成長産業化、拠点漁港等の生産・流通機能の強化に取り組みます41基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくりマーケットイン※の発想に基づく「売れるものづくり」を推進し、生産から流通に至るコストの削減と品質やこだわりなどを届けるバリューチェーンを強化するとともに、本県水産物の強みを活かした販路開拓や効果的なPRなどにより、国内外への取引拡大に取り組みます取 組 の 概 要生産者のこだわりとともに、生産から流通に至る品質管理が徹底された本県水産物の評価が高まって国内外への販路が広がっているめ ざ す 姿事業群① 産地魚市場の水産物集出荷機能の強化高度な衛生管理による県産水産物の集出荷機能を強化し、優良な販路に結び付けるため、産地魚市場において、衛生管理施設の整備強化や運用改善、スマート技術による荷捌作業の効率化・省人化、PR 活動による集荷増と魚価の向上など、ハード・ソフトの両面から水産物集出荷機能の強化に取り組みます。
事業群② 県産水産物の国内バリューチェーン強化継続的な取引拡大に繋がるバリューチェーンの強化のため、多種多様な県産水産物の魅力を発信し、社会(消費地)ニーズに対応する産地における一次加工の推進と安定した水産加工品の供給体制づくりを推進します。
事業群③ 県産水産物の戦略的な輸出促進本県の漁業者・養殖業者の所得向上を図るため、本県の強みを生かしつつ、経済成長が著しいアジア諸国への新規販路の開拓や、北米への輸出拡大などに取り組みます。
SDGs関連目標 (P105参照)42基本指標基準値(基準年)目標値(目標年)海面漁業・養殖業産出額1,238億円(R5年)1,270億円(R12年)事業群名 関連指標基準値(基準年)目標値(目標年)水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり効果が認められた資源管理協定の割合―80%以上(R12年度)生産力の高い漁場整備件数(累計)―25件(R12年度)収益性の高い新時代の漁業経営体の育成1経営体あたりの平均漁業所得額4,323千円(R4~R5年平均)4,929千円(R12年)持続的な養殖業の成長産業化海面養殖業生産量22,532トン(R5年)25,768トン(R12年)水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備拠点漁港の整備数(累計) ―15漁港(R12年度)産地魚市場の水産物集出荷機能の強化県内主要産地魚市場の年間取扱金額572億円(R6年)603億円(R12年)県産水産物の国内バリューチェーン強化新たに継続取引に繋がった水産加工品の売上額0円(R7年度)10億円(R12年)県産水産物の戦略的な輸出促進水産物輸出額70億円(R6年度)100億円(R12年度)■ 基本指標 (基本戦略1,基本戦略2)■ 関連する事業群の指標43基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり基本指標基準値(基準年)目標値(目標年)新規漁業就業者の5年後の定着率70.1%(R6年度)77.0%(R12年度)事業群名 関連指標基準値(基準年)目標値(目標年)新規漁業就業者の確保と定着促進新規漁業就業者数199人/年(R2~R6年度平均)210人/年(R12年度)働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備漁港漁村の環境改善を図った施設整備地区数(累計)―18地区(R12年度)県内外からの人材の呼び込みと受入体制の充実、定着へのサポート強化及び働きやすく暮らしやすい環境づくりに取り組みます取 組 の 概 要意欲と能力のある多様な人材が集まって水産業で活躍し、地域が豊かさや活気であふれているめ ざ す 姿事業群① 新規漁業就業者の確保と定着促進水産業の持続的な発展を実現するため、次の世代へ漁業を受け継ぐ多様な人材を呼び込み、地域で支えながら定着を図ります。
事業群② 働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備水産業の持続的な発展に向け、多様な人材が働きやすく暮らしやすい快適な漁港と漁村の環境を整備します。
SDGs関連目標 (P105参照)■ 基本指標 (基本戦略3)■ 関連する事業群の指標44基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり基本指標基準値(基準年)目標値(目標年)長崎県内の漁村への年間入込客数7,793人(R5年度)12,000人(R12年度)事業群名 関連指標基準値(基準年)目標値(目標年)海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり海業の新たな取組数(累計)0件(R7年度)30件(R12年度)海や漁村の豊かな地域資源を活かした海業や水産物の魅力発信を通じて、交流人口と地域消費の拡大に取り組みます取 組 の 概 要海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用した取組を目的に、県内外の多くの人が訪れ、地域の所得と雇用機会の確保に繋がり、浜が賑わっているめ ざ す 姿事業群① 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり漁村ならではの地域資源の価値や魅力を求める来訪者を受け入れ、新鮮な水産物の販売や飲食、漁業体験等の機会を提供する海業を推進するほか、本県水産物の魅力を県内外に広く発信し、認知度向上や需要拡大に取り組みます。
SDGs関連目標 (P105参照)■ 関連する事業群の指標■ 基本指標 (基本戦略4)45基本目標5 漁業者と浜を支える漁協づくり基本指標基準値(基準年)目標値(目標年)漁業者の所得向上を支える漁協の機能強化の取組件数(累計)―11件(R12年度)事業群名 関連指標基準値(基準年)目標値(目標年)漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり合併や事業連携に向け具体的な検討を行った活動組織数(累計)―8(R12年度)漁協の機能再編や経営改善、人材の確保・育成など経営基盤の強化に取り組みます取 組 の 概 要漁協が漁村の中核組織として、漁業者の生産活動や浜の賑わいを力強く支えているめ ざ す 姿事業群① 漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり合併や事業連携による機能再編、漁協による経営改善や事業拡充、さらには漁協業務のDX※を推進することにより、漁業者や浜を支えることができる漁協づくりに取り組みます。
SDGs関連目標(P105参照)■ 関連する事業群の指標■ 基本指標 (基本戦略5)46第5章基本目標別の取組方針47基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり1 実効性のある自主的な資源管理と効果的な種苗放流による水産資源の維持・回復・県が策定した「資源管理方針※」に基づき、漁業者の自主的な資源管理措置等を定めた「資源管理協定」について、操業実態や資源調査等のデータに基づく協定の効果検証・見直しを定期的に実施し、より実効性のある資源管理を推進します。
・水産資源の底上げを図り、漁業の経営安定に資する栽培漁業を展開するため、市場性が高く高水温等の海洋環境の変化に対応した放流対象種に重点化するとともに、種苗の安定生産・供給に必要な施設・機能の再編等に取り組み、効率的な放流事業を推進します。
第5章 基本目標別の取組方針事業群① 水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり~ スマート水産技術を駆使した効率的な操業 ~ガザミ種苗 マナマコ種苗 クエの種苗放流※48基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり2 適切なTAC管理※による特定水産資源※の持続的な利用・新たな TAC 管理対象魚種※については導入当初の柔軟な運用として段階的に順次実施する「ステップアップ管理」を踏まえ、県内の漁獲情報収集体制の確立、県内漁獲枠配分の試行・検討のため県内漁業関係者と協議を行いながら、本格的なTAC管理への円滑な移行に取り組みます。
・TAC 管理対象魚種の漁場形成や来遊の大幅な年変動、混獲などに柔軟に対応するため、県外の漁業関係者と関係を構築し、漁獲枠の融通などによる資源の有効活用を図ります。
・国(水研機構)と連携して、漁業関係者の理解と協力を得ながら、資源評価の精度向上に取り組みます。
※TAC管理対象魚種(本県に関係が深いもの):マサバ・ゴマサバ、マアジ、マイワシ、サンマ、クロマグロ、スルメイカ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、マダイ、ブリ(下線部は、令和2年漁業法改正以降の新たなTAC管理対象魚種)国が示すTAC管理のステップアップの考え方49基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり3 適切な漁業管理と漁業取締による漁業秩序の確保・水産資源の管理と持続的利用を図るため、漁業許可制度の適切な運用と漁業調整により漁業秩序を堅持します。
・水産資源に悪影響を与える悪質な密漁を撲滅するため、漁業違反通報を24時間受理し、漁業取締船5隻及び航空機等の他、海上保安部、水産庁、警察といった他の取締機関と合同で取締りを行い、違反者には厳格に対処します。
・漁業違反情報が多い海域や夜間に取締船を集中配備し、取締りを強化します。
・悪質な密漁者を検挙するため、時速40ノット以上の速力や証拠採取のための暗視カメラを搭載した取締船の能力を活かした取締りを行います。
・漁協等と連携して漁場監視及び啓発活動を行い、密漁を抑止します。
・遊漁に対しても資源管理や漁場の秩序ある利用に関するルールを浸透させながら、漁業との共存を図ります。
・安心して持続的に漁業活動を行うため、漁業集落等が自ら行う国境・水域・漁場等の監視などの取組を推進します。
・我が国排他的経済水域※の境界線の画定と中国及び韓国等の外国漁船の不法操業に対する取締りの強化を引き続き国に要望します。
漁業取締船かいりゅう(令和6年6月竣工)船名 トン数 かいりゅう 85 かいおう 99 はやぶさ 99 おおとり 84 ながさき 77県の漁業取締船50基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり4 水産資源の底上げを図るための漁場環境の保全・改善・海水温の変化に適応し、効果的な藻場回復を図るため、高水温に強い種苗を導入した藻場礁の整備を行うとともに、植食性魚類からの食害を防ぐ仕切り網等の設置による食害防止対策や食害生物の有効活用を推進します。
・漁場の生産力を向上させるため、漁業者が行う藻場・干潟の保全活動や漁場の管理・改善を推進するとともに、ブルーカーボンクレジットを活用した保全活動体制の強化を進めます。また、近年の豪雨に伴う陸域からの泥土の流入や高水温等による漁場環境悪化への対応として、海底耕うん※等による漁場環境の保全・改善の取組を推進します。
・漁場の保全を図るため、海洋プラスチックを含む漂流・漂着ごみの除去や、漁業系廃棄物等の適切な処理とリサイクルの普及啓発を推進します。
5 安定した漁業生産活動を支える漁場整備の推進・漁場の生産力向上を図るため、沿岸域においては利用頻度が高く効果が確認された人工魚礁を更に拡大するとともに、沖合域では、国が整備したマウンド礁と連携し、より高い増殖効果を発揮するマウンド礁の造成を推進します。
漁業集落の食害対策によるヒジキ場の再生 食害対策で回復した海藻群落基礎生産力を高めるマウンド礁 人工魚礁に集まる魚群51基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり1 多様な漁業や経営の多角化を実践する経営モデルづくり・社会情勢や自然環境の大きな変化に適応するため、新たな漁業種類の導入や漁獲から販売までの一貫した取組による付加価値向上、海業への参入による経営の多角化などを推進し、漁業者の経営体質の強化を図ります。
・猛暑対策を始め漁業者の労働環境の改善にも取り組み、経営を取り巻く環境変化を乗り越えられる強い経営モデルづくりを推進します。
・漁業経営の安定を目指し、10 年以上にわたり漁業者に対する経営指導を行ってきたノウハウや成果を活かしつつ、販売、ブランド化、情報発信、法人化、事業承継などにも対応できるように体制を再構築し、所得向上に向けた指導を行います。
2 次世代を担う漁業者への重点的な経営指導と取組支援・経験不足等の課題を抱える若手漁業者の経営安定や所得向上を図るため、漁法の選択肢の拡大やスマート機器の活用促進、漁船漁業と養殖業の組合せによるハイブリッド漁業等の新たな取組を推進し、次世代を担う漁業者を育成します。
・漁業着業直後の経営安定が課題である新規就業者に対しては、着業前から経営指導を行い、年間操業計画や投資計画の策定を支援することで、安定した所得の確保と定着率の向上を図ります。
事業群② 収益性の高い新時代の漁業経営体の育成多様な漁業や経営の多角化新たな漁獲対象種の開拓加工による付加価値向上 新しい養殖へのチャレンジ経営指導を受け、所得の安定化をめざす若手漁業者52基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり3 漁業所得向上を目指す地域浜プラン※・広域浜プラン※の取組促進・地域浜プランの具体化による収入向上対策や、コスト削減、漁村活性化等の取組を着実に推進するため、地域ごとの漁業実態や経営状況等のデータに基づく取組の検証や分析、各浜との意見交換・情報提供等を行い、漁業者の所得向上を図ります。
・広域浜プランに基づき、漁村地域が広域的に連携して行う集出荷機能の再編・強化や販売力の強化、中核的担い手の育成などの取組について市町と連携しながら推進し、水産業の競争力強化に繋げます。
4 ICT※等の先端技術を活用したスマート水産業※の推進・漁業者向けの学習会等を通じて、操業効率化のための海況予測アプリ※や効果の高い高性能漁労機器等に関する情報提供を行います。
・若手漁業者の経験不足等の課題を解決し、経営力の強化や所得向上を目指すため、国と連携してスマート機器の導入を推進します。
5.操業効率化等を目指した漁船等の導入による漁船漁業構造改革の推進・漁業を取り巻く様々な環境変化に適応するため、国の事業等を活用し、省エネや省力、安全性及び機能性に優れた漁船や漁網の導入等に漁業者と一体となって取り組み、必要に応じて許可の見直し等も図りながら、新しい操業・生産体制への転換を推進します。
各浜における漁獲物の付加価値向上等の取組高性能漁労機器の連携や海況予測などの活用♪漁業のスマート化※のイメージ53基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり1 自然環境や経済環境の変化に対応するための産学官連携による技術開発・国や大学、周辺県、地元関係者等と連携し、赤潮プランクトンの広域的なモニタリングによる早期発見と移流予測の精度向上を図りつつ、赤潮防除剤※や足し網※など被害軽減技術の活用推進のほか、新たな対策等についても連携の枠組みの下で取り組みます。
・飼料価格の高騰に対応するため、国や大学等と連携して低魚粉飼料※の開発等に取り組むとともに、魚病による歩留まり低下を改善するため、民間企業等と連携して新たな対処法の開発等に取り組みます。
・長崎大学を中心に産学官で実施する「ながさきBLUE エコノミー※」プロジェクトを通じて、ブリの完全養殖と海外展開、養殖DXなどの取組を推進します。
2 地域の中核となる養殖経営体によるデジタル技術導入など先進的取組の展開・普及・デジタル技術や先駆的な養殖手法の導入、加工や国内外への販路拡大など、地域の中核となる養殖業者による新たな取組を推進し、その成果を養殖経営モデルとして地域内外に普及させることで産地の強化を図ります。
事業群③ 持続的な養殖業の成長産業化流動モデル解析による赤潮移流予測H=600㎜FL=1400㎜WT=65kgデータ化水中カメラ画像データやAI解析による養殖魚の体長・重量等の精密な把握54基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり3 生産拡大に向けた養殖漁場の有効活用や沖合への展開、漁港の養殖生産機能の強化・波浪や潮流に強い養殖施設の開発普及により、未利用となっている海域や沖合の海域の活用を進めることで生産性の高い養殖漁場の開発に取り組みます。
・養殖漁場の環境に配慮しながら、海外のニーズに対応した生産拡大を推進します。
・消波堤の整備などによる沖合への展開や漁港内の水域・陸域の活用によって安定した養殖生産を拡大し、漁場と漁港の機能が一体となった養殖拠点づくりを推進します。
4 環境変動に対応し競争力強化を図る新魚種開発と主要魚種の高品質種苗の開発・短期間で出荷可能なウスバハギや、高水温に強いハイブリッドサバ※・三倍体マガキ※など新たな養殖魚種の種苗生産技術及び養殖技術の開発に取り組むほか、国内外で需要が高いシマアジなどの養殖種苗の安定供給に取り組みます。
・高成長で白子の大きな全雄トラフグ※の開発と社会実装に取り組み、長崎県産養殖トラフグの付加価値向上を図ります。
海外で人気の高い大型で高脂質のブリ 沖防波堤による養殖に適した静穏域の確保成長が速いウスバハギ 高成長で白子の大きな全雄トラフグの開発55基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり1 多様な漁業を支える漁港等の機能の強化・安全で安定した漁業生産活動や生産規模の拡大を支えていくため、水産物の生産・流通の拠点となる漁港等において、漁船の大型化に対応した施設整備や漁港機能の再編・強化を図るとともに、利用実態に則した既存施設の最適化を推進します。
2 頻発化・激甚化する自然災害への対応力の強化・漁港の機能を持続的に発揮させるため、頻発化・大型化する台風や将来の海水面上昇などを考慮した施設整備や予防保全型の長寿命化対策などにより、漁港施設の強靱化を推進します。
事業群④ 水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備岸壁への屋根整備による荷捌所と一貫した高度衛生管理の強化越波被害防止のための防波堤改良防波堤⼵改良56基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり壱岐勝本地区の漁船パレード57基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり1 水産物の集出荷機能向上と衛生管理の高度化による生産者と消費者から選ばれる産地市場づくり・産地魚市場における集出荷施設(配送用作業施設等)の整備を行い、水産物の陸揚げから出荷の各段階における衛生管理の向上を図るとともに、市場周辺の冷蔵保管施設や製氷施設等の整備を促進することにより、市場の水揚能力と高品質な水産物の供給体制を強化します。
・人材不足への対応として、スマート技術の活用により、産地魚市場における荷捌き作業や記録管理等の市場業務の効率化・省人化を推進するとともに、外国人材の受け入れに向けた制度整備を引き続き国に要望します。
事業群① 産地魚市場の水産物集出荷機能の強化~ 魚市場でのセリと海外での展示PR ~まき網漁船の陸揚げ 自動選別機による荷捌き 高度衛生管理型の荷捌き施設58基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり1 資源変動やマーケットニーズに対応し産地の競争力を高める加工・流通の強化・高品質な水産物を産地から販売先や消費者まで届けるバリューチェーンを強化するため、生産者、加工業者、流通業者、販売業者のマッチングにより効率性を高めながら、付加価値向上を目指します。
・マーケットインの発想に基づき、販売店が求めるフィレ※やロイン※などの一次加工、消費者が求める簡便性の高い高次加工、産地の強みであるワンフローズン※加工の取組を推進するほか、効率的な物流についても検討を行い、流通コストの削減を図りながら産地競争力を高めます。
・生産者による鮮度保持や出荷規格の統一など水産物の高品質化の取組によるブランド化を推進し、販売価格の向上を目指します。
・近年漁獲量が増加しているマイワシや、海藻を食べる植食性魚類などの未・低利用魚種の加工商品開発により付加価値向上に取り組みます。
1 本県の強みを生かし多様な国に販路を広げる輸出の展開・東アジアに近く活魚の輸送に有利な本県の強みや、海外でニーズの高い大型の養殖クロマグロやブリなど安定供給が可能なこと、季節ごとに多彩な天然魚が提供できるといった商品特性を活かし、もうかる販路の拡大、輸出先国・地域の多角化に取り組みます。
・市場調査等による海外ニーズの把握や現地バイヤーと連携した PR、展示商談会への出展、フェアの開催等により、拡大する海外市場の販路開拓・拡大に取り組みます。
・養殖産地と県内加工事業者等が連携し、海外で求められるロットや商品形態、衛生管理基準に対応する取組を、ソフト・ハード両面で後押しすることで、養殖魚の輸出を促進します。
事業群② 県産水産物の国内バリューチェーン強化事業群③ 県産水産物の戦略的な輸出促進原魚出荷から産地フィレ加工へ 大型クロマグロの鮮度保持長崎産養殖クロマグロのタイでのPR59基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり1 新規就業希望者等に漁業の魅力を伝える情報発信の強化・小中学校や高等学校等と連携し、職業としての漁業の魅力を伝え体感させ就業につなぐ実習プログラムを実施し、若年層の水産業への理解を深めていきます。
・水産業就業相談会等を県内外で開催し、漁業のほか水産業全般に関する就業情報を具体的に伝え、漁業をはじめとした水産業界全体の人材確保に取り組みます。
・ホームページ、ネット広告、SNS※等を活用し、幅広く本県漁業の魅力や漁業就業に関する情報を発信し、多くの就業希望者を呼び込みます。
事業群① 新規漁業就業者の確保と定着促進~ ベテラン漁師から学ぶ若手漁業者 ~長崎県水産業就業支援フェア(県庁開催)60基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり2 就業相談から技術習得、着業から経営自立まで段階に応じた切れ目ない支援・「ながさき漁業伝習所※」がワンストップ窓口となり、就業相談や受入地域とのマッチング、技術習得研修の実施、着業から定着までスムーズで切れ目のない支援を行い、新規漁業就業者を育てます。また、若い漁業者等の知識や技術力の向上を図るために、漁業伝習所に学びの場を新設します。
・環境変化の中でも力強く稼ぐ漁業者を育成するため、技術習得研修段階から経営計画策定を指導します。また、漁業開始後には着実に計画達成を図るため丁寧なフォローアップを行います。
・漁業を続けたいが環境に馴染めないなどの理由でやむを得ず離職を検討する若手漁業者に対して、県内で新たな漁業分野に挑戦できる仕組みづくりを進めます。
3 新規就業者等を地域で支える体制の強化と外国人材の円滑な受入・漁業への新規参入者の定着を図るため、市町の「漁業担い手確保協議会※」と連携し、仕事や生活についての悩みに関する相談窓口を開設するなど、受入体制を充実します。
・定置網や養殖など雇用型漁業の人材を確保するため、「株式会社エヌ※」と連携し、外国人材の受入を促進します。
・住民や漁業者等との交流の場を作ることで、IJ ターン者や外国人など多様な人材の地域コミュニティへの受入を円滑に進め、漁村の活性化に繋げます。
・漁業士会※、漁協青壮年部、女性部組織等の活動を通じて、漁村におけるリーダーの育成や女性の活躍、地域を超えた交流を促進します。
漁業の基礎を学ぶ研修生新規就業者の受入・定着促進のイメージ女性や外国人材の活躍師匠から曳縄漁業の技術指導を受ける若手漁業者61基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり4 安全操業、海難防止に向けた取組・水産業関係者の安全・安心な労働環境等を確保するため、漁業労働災害や海難事故の発生防止を目的とした海難防止講習会等を関係機関と連携して実施し、ライフジャケットの着用徹底や安全確保に対する漁業者等の意識向上に取組みます。
1 多様な人材の活躍を支える働きやすい漁港の整備・誰もが安全で働きやすい環境を整えるため、潮位差に対応できる浮桟橋※や防風フェンス等の整備を推進し、漁業活動の安全性向上と軽労化を図ります。
2 漁村で暮らす人々の快適な生活を支える環境の整備・漁村における快適なくらしを支えるため、排水施設の機能の維持や、道路の拡幅による安全で快適な交通環境の整備等を推進します。
事業群② 働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備漁港内の作業環境を向上させる防風フェンス 潮位差対策の浮桟橋、防暑対策の屋根集落内の道路の拡幅 (整備前後)62基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくりインターンシップで漁業者から漁具のつくりを学ぶ高校生63基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり1 漁港等の活用や多様な主体の参画による海業の更なる展開・漁村の地域資源や魅力を活用した海業を促進するため、ポテンシャルのある地域や人材の掘り起しを行い、観光や商工分野など多様な業種と連携して地域の実施体制づくりに取り組みます。
・漁港施設や水域等を活用した海業の展開に向けて、漁港用地等の民間利用も含めた計画づくりと実践の取組を促進します。
・海業の事業化と定着のため、地域の多様な主体の参画を促しながら、観光コンテンツの開発・充実と地域内外への情報発信に取り組み、交流人口や水産物の地域消費の拡大を図ります。
事業群① 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり~県内外からのファンで賑わう牡蠣焼き小屋~観光遊覧船によるクルーズ海や漁村、水産物の魅力を活かした海業の展開養殖エサやり体験 湾内等でのマリンアクティビティ産地ならではの水産物の提供64基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり2 水産物の魅力発信による需要の創出・本県が西日本随一の水産県であるということを広く県民へ周知するため、さかな祭りなどのイベントやSNS等の各種媒体を活用し、全国トップクラスの水揚量、魚種数日本一、鮮度の良さ、旬や産地、安全・安心な養殖魚などの魅力に関する情報を発信します。
・漁協や漁業士会等と連携して、県内の小中高生等を対象に魚料理の体験など水産物に親しむ食育活動を行い、魚食の推進を図ります。
・多くの県民が本県水産物の魅力を実感できる機会を提供し、認知度向上と消費拡大を図るため、県内各地で行われる飲食イベントや県内小売店での県産魚販促キャンペーンなどを効果的に実施します。
・本県水産物の魅力が県外にも広く伝わり、国内外の需要拡大に繋がるよう、長崎県「推し魚※」による県外観光客の誘致や、県内各地のブランド魚・「長崎俵物※」などの県外PRと消費拡大を推進します。
魚市場のさかな祭り(模擬セリ)長崎俵物推し魚(新上五島町養殖クロマグロ)ポスター65基本目標5 漁業者と浜を支える漁協づくり1 合併や事業連携等による漁協の機能強化・漁協の運営体制を強化するため、漁協経営の現状や将来像を示しながら、系統団体※とともに、漁協合併や複数漁協間で事務・事業を一元化する事業連携の取組を推進します。
・漁協による商業や観光業など異業種と連携した地域振興の取組や青壮年部、女性部などの活動を推進します。
2 漁協の経営改善等の推進・経営不振漁協の経営改善を図るため、系統団体との情報共有をはじめ、緊密な連携による経営改善計画の策定支援や、その進捗管理に取り組みます。
・限られた人的資源の中で、効率的な漁協事務の遂行と漁業者へのサービス提供を図るため、デジタル化やDXによる業務の効率化を推進します。
3 漁協を支える人材の確保・育成・これからの漁協の運営を担い、漁業者の所得向上を支える漁協職員の確保・育成に、系統団体と連携して取り組みます。
・水産物の流通・販売に関して、専門的知見やノウハウを有する人材の確保・育成に取り組みます。
事業群① 漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり漁協合併に向けた関係者の協議~ クロマグロの水揚げ作業を行う漁協職員 ~66第6章海区別の取組方針671 西彼海区■漁業の現状対馬暖流の影響が大きく、外洋性海域としての性質を有する西彼海区では、中型まき網、刺網、はえ縄、一本釣りなど多種多様な漁業が営まれ、アジ・サバ・イワシ類、イサキ、ヒラメ、カマス、タコ、イセエビ等が漁獲されています。
また、波静かな入江等を利用して、ブリ類、シマアジ、マダイ、トラフグ等の海面養殖も行われています。
西彼海区におけるR5年の海面漁業生産量は41,301 トンでH30年から709 トン増加しています。R5年の海面養殖業生産量は661トンでH30年から347トン減少しています。
R5年の漁業就業者は512人で、H30年から206人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 41,599 41,963生産量(海面漁業) トン 40,592 41,301生産量(海面養殖業) トン 1,008 661漁業就業者数 人 718 512資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計■海区特有の課題第6章 海区別の取組方針本章では、各海区の海域の特性や地域特有の課題を踏まえた特徴的な取組の方向性を記載することとし、第5章の「基本目標別の取組方針」に記載している県内全域に共通するテーマと併せて、各海区の実情に応じた取組を推進していきます。
■海況の特徴西彼海区は、五島灘の一部で、長崎半島から西彼杵半島西岸の範囲にあり、沖合域は、九州西方を北上する対馬暖流の影響を受けています。沿岸域では、沿岸流との境に多くの潮目が形成され、変化に富んだ海洋環境にあります。
① 経営の多角化やスマート技術の導入による漁船漁業の経営力強化② 赤潮リスク軽減対策等による養殖経営の安定化③ 長崎魚市場及び周辺の加工業者による水産物の付加価値向上と取引拡大漁船漁業では、他の海区に比べ経営体の多くが小規模で厳しい経営状態にあるため、漁家経営の収益性向上と安定化を図る必要があります。
養殖業では、近年赤潮による養殖魚への大きな被害が発生していることから、赤潮調査、被害防止対策を行いつつ、経営の安定化を図る必要があります。
水揚げされる水産物の有効利用と付加価値向上、販売促進を図るため、長崎魚市場及び周辺の加工業者による社会(消費他)ニーズに対応した産地加工の強化が課題です。
681 西彼海区推進目標環境の変化に適応し、付加価値を創出する生産・加工・販売の強化■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性水産資源や漁場形成等の変化に適応するため、複数の漁業種類の組み合わせやスマート機器の活用により、漁船漁業の経営力強化を図ります。
◆具体的な取組・新たな漁業種類への展開促進・海況予測システム等の利用促進やICT技術等を活用したスマート機器の導入促進・経営計画のフォローアップ強化と経営改善の取組推進① 経営の多角化やスマート技術の導入による漁船漁業の経営力強化◆取組の方向性近年の漁場環境の変化に伴う赤潮のリスクに対応するため、赤潮の早期察知、被害防止・軽減等の対応体制を強化します。
市場ニーズが高く温暖化等に適した新しい魚種による養殖の取組を推進します。
◆具体的な取組・赤潮の早期発見と赤潮防除剤、足し網など被害防止策の強化・赤潮リスク軽減のため、ウスバハギなど短期間で出荷可能な新たな養殖魚種の現場実証と実用化の推進② 赤潮リスク軽減対策等による養殖経営の安定化◆取組の方向性資源量が増加しているマイワシを始め、地域に水揚げされる水産物を使った長崎らしい加工商品づくりに、地元加工業者と一体となって取り組みます。
また、周辺市街地等での消費や国内外の観光客ニーズに対応した販売展開を見据え、開発した商品の販路開拓に取り組みます。
◆具体的な取組・長崎魚市場で水揚げされるキダイのフィレや多品種のワンフローズン商材など産地加工の推進とバリューチェーンの強化・マイワシの特性を踏まえた高付加価値商品の開発及び県内加工業者への普及、販売促進・地元小売商材や観光客向け土産品など様々な消費者ニーズを捉え開発した商品の販売促進③ 長崎魚市場と周辺の加工業者等による水産物の付加価値向上と取引拡大692 大村湾海区■漁業の現状大村湾海区では、小型底びき網、刺網、はえ縄、かご、採介藻等の漁業が営まれ、ブリ類やマダイ等の魚類養殖やカキ、真珠の貝類養殖も行われています。
当海区における R5年の海面漁業・養殖業の総生産量は1,172トンでH30年から 491 トン減少しています。R5年の漁業就業者数は899人で、H30年から120人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 1,663 1,172生産量(海面漁業) トン 1,444 1,078生産量(海面養殖業) トン 220 94漁業就業者数 人 1,019 899資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計第6章 海区別の取組方針■海況の特徴大村湾は、南北に約26km、東西に約11km、湾北部の針尾瀬戸と早岐瀬戸の2本の細い水路を経て、支湾である佐世保湾を通じてのみ外海と繋がる閉鎖性の強い内湾です。水の出入りが非常に少ないため、湾内の水温は気温の影響を受けやすく、夏季は30℃を超え、冬季は10℃を下回るなど季節変動が大きいのが特徴です。また、毎年のように夏季に赤潮や貧酸素水塊※の発生が見られるなど、厳しい漁場環境にあります。
■海区特有の課題漁船漁業では、大村湾特産のナマコの漁獲量が近年大幅に減少しており、原因究明や生息環境を保全する対策を検討していく必要があります。
また、海面漁業全体の生産量が減少傾向にある中で、近年生息数が増加傾向にあるクロダイなどを有効活用し、収益化していくことも課題です。
マガキ養殖では、食害等の影響により生産量が不安定になっており、生産体制の再構築が求められています。
静穏な内湾等の地域資源や漁協直売所などの機能を活かした海業の展開により、交流人口の拡大と大村湾の魅力発信、地域産品の販売促進等に繋げる必要があります。
① 水産資源を育む漁場環境整備の推進② 低利用魚等の活用促進③ マガキ養殖の持続可能な生産体制の構築④ 海業の促進による浜の活性化702 大村湾海区推進目標 大村湾の地域特性を活かした持続可能な水産業の振興■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性ナマコなどの水産資源の回復と持続的な利用に向けて、赤潮や貧酸素水塊の発生状況や魚介類への影響を把握するとともに、漁場環境の保全を通じて漁場生産力の回復に取り組みます。
◆具体的な取組・研究機関と連携した漁場環境の調査・海底耕うん等による漁場の底質改善・地域一体となった藻場の保全・再生活動の推進① 水産資源を育む漁場環境整備の推進◆取組の方向性クロダイなどの低利用魚や身入りが悪いウニの有効活用を進め、漁業者の収入増に取り組みます。
◆具体的な取組・クロダイなどを加工原料とした商品づくりの推進と販促支援・ウニの密度管理等の取組による持続的な利用の促進② 低利用魚等の活用促進◆取組の方向性マガキ養殖の安定的な生産と収益性の向上のため、新たな種苗の導入及び効果的な養殖手法の現場展開を進めます。◆具体的な取組・早期出荷を実現する三倍体カキの生産工程の現場実証と技術普及・食害対策を含む効率的な養殖技術の検討と技術普及③ マガキ養殖の持続可能な生産体制の構築◆取組の方向性観光分野と連携したイベントの企画・実施や、地域水産物の即食加工・販売などを通じて、大村湾の魅力を広く発信し、誘客を促進することで、地域水産物の消費拡大と交流人口の増加による浜の活性化を目指します。◆具体的な取組・地域水産物の加工と漁協直売所等における販売の促進・観光分野と連携した地域体験型コンテンツの展開促進・SNSなど多様なツールによる情報発信④ 海業の促進による浜の活性化713 橘湾海区■漁業の現状橘湾海区では、漁獲量の多い中型まき網のほか、敷網、小型底びき網、刺網、はえ縄漁業等が営まれ、イワシ類、アジ類、サバ類、エビ類、カニ類が水揚げされています。浅瀬ではサザエ、ウニ類等の採介藻漁業も営まれています。海面漁業の生産量は、中型まき網や敷網が大半を占めています。当海区のR5年の海面漁業生産量は6,567トンで、H30年から4,248トン減少しています。
静穏域ではブリ類、マダイ、トラフグ、シマアジ等の魚類や介類の養殖が営まれています。R5年の養殖生産量は1,094トンで、H30年から518トン減少しています。
来遊性、底棲性魚類の漁獲量の減少が認められ、燃油や資材の価格が高騰して、漁家の経営状況は厳しさを増しています。
R5年の漁業就業者数は597人で、H30年から156人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 12,427 7,661生産量(海面漁業) トン 10,815 6,567生産量(海面養殖業) トン 1,612 1,094漁業就業者数 人 753 597資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計第6章 海区別の取組方針■海況の特徴橘湾は、長崎県の南部に位置して、長崎半島から島原半島にわたる比較的単調な海岸線に囲まれ、湾口は南西に大きく開いた広大な湾です。
周辺には、観光地や温泉名所があり、他業種との連携強化により、消費拡大が期待される地域です。
■海区特有の課題漁船漁業では、ヒラメ類、エビ類、カニ類、イカ類の漁獲が減少し、また、カタクチイワシが減少してマイワシが増加するなど、漁獲量や魚種構成に変化が見られる中で、資源管理の推進やバランスの取れた資源利用に向けてマイワシ等の加工利用を促進すること等が課題です。
海面養殖業では、餌料や資材の高騰に加え、赤潮による漁業被害が続くなど、収益性に課題を抱えています。
中型まき網や煮干加工業等では、資源変動の影響を大きく受けていることに加え、漁業従事者不足も生じており、収入安定と従事者の確保が課題です。
漁村では、人口減少や高齢化により、イベントや住民活動が減る一方、近年道の駅や直売所等を開設する動きもあり、地域で集客し、消費・販売を喚起する取組も期待されます。
① 資源変化に適応した安定的な漁船漁業、水産加工業の推進② 環境変化に強く安定した養殖業の推進③ 雇用型漁業における経営安定化の推進④ 地元水産物を利用した賑わいの創出723 橘湾海区推進目標 水産資源の持続的利用と漁家経営体制の強化■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性漁船漁業の経営安定に向け、資源状況を踏まえた漁業経営への転換等を促進しつつ、資源の持続的利用のため、漁業者の自主的な資源管理と種苗放流に取り組みます。
また、イワシ類を原料とする消費者ニーズに対応した煮干等製品化の取組を推進します。
◆具体的な取組・経営改善の取組支援や経営計画のフォローアップの強化・ヒラメ、クマエビ、ガザミ等の最適な放流場所・手法の検討と普及・実践・イワシ類のサイズや種類の特性を踏まえた煮干等加工の技術指導① 資源変化に適応した安定的な漁船漁業、水産加工業の推進◆取組の方向性養殖業の経営安定を図るため、スマート技術の導入促進によるコスト削減や養殖魚種の多角化による赤潮リスクの軽減、介類養殖の導入による収益性向上の取組を推進します。
◆具体的な取組・給餌や成長の管理、漁場環境の把握に係るAI等先端技術の導入の促進・短期で養殖できる魚類やウニ類、カキ類等、新たな養殖品目の普及の推進・農産物をエサとして活用する介類養殖の取組の指導② 環境変化に強く安定した養殖業の推進◆取組の方向性雇用型漁業の収益性の向上による経営安定に取り組むとともに、従業員の確保に向け、外国人も対象とした人材の呼び込みと、地域の受入体制づくりに取り組みます。
◆具体的な取組・経営指導による経営の多角化や漁獲物の付加価値向上の推進・就業フェアへの参加の促進や漁業技術習得研修の活用促進などによる人材確保のサポート・就業者が地域に馴染むための相談窓口の開設等③ 雇用型漁業における経営安定化の推進◆取組の方向性漁協等による地域の新鮮な魚介類の産業祭への出品やPRを通じて県内外からの誘客促進と水産物の消費拡大を図り、浜の賑わいを創出します。
◆具体的な取組・産業祭、直売所における水産物の消費拡大の取組の促進・地元料理店等と連携した特産水産物のPR、流通販売強化の推進・県内外からの誘客促進に向けた異業種連携による海業の展開④ 地元水産物を利用した賑わいの創出734 有明海海区■漁業の現状有明海海区では、主に小型底びき網、ごち網、刺網、はえ縄等の漁業が営まれています。当海区のR5年の海面漁業生産量は1,475トンで、H30年から212トン増加しています。小型底びき網、刺網、はえ縄では高級魚が減少し、燃油や資材の価格が高騰して、漁家の経営状況は厳しさを増しています。
海面養殖業では主にマガキ、アサリ、ワカメ、ヒジキの養殖が営まれており、R5 年の生産量は1,315トンで、H30年から103トン増加しています。
R5年の漁業就業者数は718人で、H30年から299人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 2,475 2,790生産量(海面漁業) トン 1,263 1,475生産量(海面養殖業) トン 1,212 1,315漁業就業者数 人 1,017 718資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計第6章 海区別の取組方針■海況の特徴有明海海区は本県、佐賀県、福岡県、熊本県に囲まれた閉鎖性の強い海域です。湾口部は橘湾と不知火海に接続し、湾奥部は遠浅な地形となっています。海域内の潮流は潮汐により随時流向が変わりますが、海域内の海水は周期的には反時計回りに流れています。
広大な干潟や肥沃な浅海域を有することから、漁場としてだけでなく、海域全体が底棲性魚類等やエビ類、カニ類、貝類等の産卵場や幼稚仔魚の育成場となっています。
近年、夏季の高水温や海底土の有機物化、浮泥の堆積等、漁場環境の変化、赤潮や貧酸素水塊の発生等が見られます。
■海区特有の課題海洋環境が変化し、赤潮や貧酸素水塊の発生が見られる中、二枚貝類等の資源が減少しています。また、エビ類、カニ類、イカ類、マダコ等の漁獲も減少しているため、資源回復に向けた栽培漁業や底質改善等の取組が必要です。
海面養殖業では、高水温や魚類の食害による影響等により、マガキ、アサリ、ノリ、ワカメの生産量は不安定で、安定生産に向けた取組が求められています。
水産物の出荷は多くが地区外向けであり、限られた輸送手段のコスト等が上昇する中地域内での販売強化も課題です。
①有明海の再生に向けた漁場環境の保全・改善と資源増殖の推進②貝類・藻類養殖の安定生産に向けた技術開発・実用化の推進③地域内の販売・消費拡大による漁村の活性化744 有明海海区推進目標漁場環境の保全、介藻類養殖の振興、地産地消による漁業活性化■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性有明海再生加速化交付金※等の積極的な活用により水産資源の回復と漁獲の安定を図るため、栽培漁業と資源管理を組み合わせた資源増殖と漁場環境の改善の取組を推進します。
貝類や藻類等の再生産サイクルの形成を図るため、干潟、藻場の保全活動を推進します。
◆具体的な取組・4県共同で行うクルマエビ等の種苗放流の継続実施・漁業者による小型魚や産卵親魚の保護、海底耕うんの取組への支援・国の調査、実証事業によるアサリ等の母貝団地※、カキ礁※、藻場の造成の展開・拡大① 有明海の再生に向けた漁場環境の保全・改善と資源増殖の推進◆取組の方向性貝類・藻類養殖への新たな養殖手法の導入や漁船漁業経営に貝類・藻類を組み合わせた経営の多角化を推進し、収益性の高い安定した経営体づくりを進めます。
◆具体的な取組・マガキのへい死、ノリ、ワカメの食害及び生育不良における養殖技術の改良推進・ヒジキの養殖種苗供給体制の確立に向けた技術開発の推進・ワカメやカキ養殖による多角経営の推進② 貝類・藻類養殖の安定生産に向けた技術開発・実用化の推進◆取組の方向性有明海ならではの特徴的な水産物を強みとして、漁協等による地元や近隣地域での販売促進の取組を推進します。
◆具体的な取組・多様な売り場(漁協直売所、朝市、道の駅)への販売促進と地域内で連携した安定供給体制の確保・市町や観光分野と連携した誘客促進や消費拡大の取組の推進③ 地域内の販売・消費拡大による漁村の活性化755 県北海区■漁業の現状県北海区では、漁獲量の多いまき網漁業、定置網漁業のほか、ごち網、船びき網、刺網、一本釣り、小型底びき網等の漁業が営まれており、アジ、サバ、イワシ類のほか、ヒラメやイサキ、マダイ、クエ、シイラ、トビウオ、イカ類等が多く水揚げされます。R5 年の海面漁業生産量は165,002トンで、H30年から3,867トン増加しています。
海面養殖業では、クロマグロやブリ、トラフグ、マダイ等の魚類養殖のほか、カキ類や真珠の養殖が営まれています。R5年の生産量は6,509トンで、H30年から1,369トン減少しています。
R5年の漁業就業者は2,636人で、H30年から588人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 169,013 171,511生産量(海面漁業) トン 161,135 165,002生産量(海面養殖業) トン 7,878 6,509漁業就業者数 人 3,224 2,636資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計■海況の特徴県北海区は本県の北西端に位置し、対馬暖流と五島列島最北部の宇久島、小値賀島を含む数多くの島嶼やリアス海岸からなる複雑な海岸地形により好漁場が形成されています。
また、複雑な海岸地形の湾や入り江が多く、魚類や貝類などの養殖に適した海域となっています。
■海区特有の課題漁船漁業では、燃油や資材価格の高騰等により漁業経営の厳しさが増す中、スマート機器の活用等により操業の効率化を図り、生産性を高める必要があります。
養殖業では、安定生産と収益性向上を図るため、赤潮等のリスクを抑える養殖手法の導入や漁場の有効活用等を推進する必要があります。
漁業者の高齢化や後継者不足が続く中、新規漁業就業者の育成・定着促進や外国人材の活用が重要な課題となっています。
地域に根差した新たな水産加工品の開発や地域資源を活用し賑わいを創出することで、更なる集客と地元消費を拡大し、地域の活性化を図ることも重要な課題です。
① 先端技術の導入による漁船漁業の生産性向上② 赤潮対策や漁場の有効活用等による養殖業の生産性向上③ 漁業を支える担い手の確保・育成と外国人材の活用促進④ 水揚げ産地の強みを活かした地域活性化の推進第6章 海区別の取組方針765 県北海区推進目標 先端技術活用による生産性向上と地域ブランドの活用や海業の展開等による魅力ある水産業の創出■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性スマート水産技術の活用により、一本釣やまき網等の漁場探索など操業の効率化を図り、若い漁業者の経営安定化に取り組みます。
◆具体的な取組・海況予測システムや高性能漁労機器の活用促進などスマート化の取組の推進・学習会等による効果の高いスマート機器及び活用方法等の地域内普及の促進① 先端技術の導入による漁船漁業の生産性向上◆取組の方向性赤潮対策を強化することにより養殖業の経営安定を図ります。
養殖業の規模拡大や先端技術の導入により、生産性向上を図ります。
◆具体的な取組・伊万里湾や九十九島等における漁協等と連携した赤潮監視体制の強化や生簀の足し網等の導入促進・生産規模拡大に向けた漁場の見直しや新規漁場の設定・AI 技術を活用した給餌や計量・計測など先端技術の導入促進② 赤潮対策や漁場の有効活用等による養殖業の生産性向上◆取組の方向性担い手の確保に向け、効果的な情報発信を行います。
新規漁業就業者が定着しやすい環境づくりに取り組みます。
県北地域の漁業を支えるまき網や定置網等の雇用型漁業では外国人を含む多様な人材の確保に取り組みます。◆具体的な取組・市町と連携した水産教室や漁業体験研修による地元高校生等に対するPRの実施・漁業就業支援フェアへの参加や漁業研修の受入促進・新規就業者の経営力向上のための経営指導や漁業技術習得研修の実施・外国人材活用に向けたセミナーへの参加促進や地域の受入体制づくりの推進③ 漁業を支える担い手の確保・育成と外国人材の活用促進◆取組の方向性管内に産地魚市場や養殖産地を有し、企業加工が近接する強みを活かして、国内外への販路の開拓を推進します。
県北地域に豊富に水揚げされる水産物を活かした漁村地域の活性化に取り組みます。
◆具体的な取組・荷捌きの効率化や冷蔵保管施設整備による産地魚市場の集出荷機能の確保・生産者と加工業者等の連携による産地加工及び販路開拓の取組の促進・トビウオ等特産種の新たな加工品の開発・シイラ等地域ブランドを軸としたイベントの実施や体験漁業など海業の更なる展開④ 水揚げ産地の強みを活かした地域活性化の推進776 五島海区■漁業の現状海面漁業では、まき網漁業、定置網漁業、釣りやはえ縄、刺網などの多様な漁業が行われています。R5 年の生産量は5万7千トンでH30年から1万トン減少しています。
海面養殖業では、クロマグロやブリ養殖の進展により、R5 年の生産量は6,607トンでH30年から600トン増加しています。特にクロマグロ養殖は、R5年の県全体の生産量の43%、全国の17%を占める国内最大級の養殖産地となっています。
R5 年の漁業就業者数は1,591 人で、H30 年から254人減少しており、従前からの課題の後継者不足に加え、近年では人手不足による労働力確保の問題が顕在化しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 73,876 63,573生産量(海面漁業) トン 67,888 56,966生産量(海面養殖業) トン 5,988 6,607漁業就業者数 人 1,845 1,591資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計■海況の特徴長崎県の西方沖に位置し、対馬暖流と、列島付近にできる沿岸流との影響から、周辺海域は西日本有数の好漁場を形成しており、定置網漁業をはじめ、一本釣りやはえ縄、まき網、刺網、たこつぼ、採介藻などの様々な漁法が営まれています。
また、大小130の島々とリアス海岸からなる海岸線は変化に富み、養殖に適した静穏域が多く、クロマグロやブリをはじめとする魚類養殖や真珠養殖等が盛んに行われています。
■海区特有の課題養殖業では、餌や資材の価格高騰による生産コスト増や赤潮等のリスクなどが課題であり、環境変化に強い安定生産体制の構築が求められています。
消費地から遠く、高い評価を得ている魚種も時間やコスト面で商取引に不利なことから、所得向上に向けた付加価値の向上等が課題です。
沿岸漁場では磯焼けが進行していることから、藻場の回復が重要な課題です。
人口減少による漁村の活力の衰退も懸念され、漁村の魅力や地域資源等を有効活用し漁村地域の活性化に取り組む必要があります。
① 収益性の高い安定した養殖業の育成② 水産物の付加価値向上と魚の魅力発信による消費拡大③ 先駆的な取組による持続可能な藻場保全の推進④海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり第6章 海区別の取組方針786 五島海区推進目標 五島の魅力と資源を最大限に活かした持続的な水産業の推進■課題に対する取組の方向性◆取組の方向性地域の中核となる養殖業者による新たな取組を推進し、生産性向上を図ります。
養殖業経営の安定化に向け、市場ニーズに対応した生産拡大や養殖漁場の拡大、有害赤潮の早期発見体制の強化、被害軽減対策に取り組みます。
① 収益性の高い安定した養殖業の育成◆具体的な取組・魚体測定カメラや AI 自動給餌機など新技術を活かした生産の効率化と働きやすい職場環境づくりの推進・未利用となっている海域の活用や漁場拡大の検討、有害プランクトンセンサーによるモニタリングの効率化と効果的な赤潮防除対策の実践・普及◆取組の方向性五島産水産物の付加価値と認知度の向上を図り、地域内外での消費を拡大し、生産者の所得の向上に繋げます。
◆具体的な取組・産学官で連携した科学的データの見える化による五島〆※等ブランド力強化と取引拡大・定着の取組推進・地域の観光関連事業者と連携した「推し魚」の取組や地域イベントの展開等による消費喚起と魅力発信・各種メディアを活用したPR、認知度向上② 水産物の付加価値向上と魚の魅力発信による消費拡大◆取組の方向性藻場再生手法の普及やブルーカーボン・クレジット制度の活用などの先駆的な取組により、持続可能な藻場保全活動を推進します。
◆具体的な取組・仕切り網による食害魚対策、ガンガゼ駆除などの藻場再生手法の成功事例の他地区への展開・スマート技術の活用による磯焼け対策の効率化・地元漁協や市町と連携したブルーカーボンの活用推進体制の構築③ 先駆的な取組による持続可能な藻場保全の推進④ 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり◆具体的な取組・海業促進のための港湾漁港の施設整備とマリンレジャーの拠点づくり・防波堤釣りやマリンアクティビティ、観光定置、水産加工等の体験型コンテンツの創出・事業化による誘客推進と受入体制の充実・強化◆取組の方向性五島地域の豊かな海と漁村の魅力を最大限に活用した「海業」を推進し、地域の所得の向上と賑わいの創出に取り組みます。
797 壱岐海区■漁業の現状壱岐海区では、いか釣漁業、釣漁業を主体として、採介藻漁業、定置網漁業等の海面漁業が盛んに行われています。
いか釣漁業や釣漁業では、主要魚種のスルメイカの資源変動や国際的なクロマグロ資源管理に伴う漁獲制限により、生産量が大きく減少しています。定置網漁業では、比較的安定した生産額で推移しています。採介藻漁業では、磯焼け等の影響によりウニ類、アワビ類などの生産量が減少しています。R5年の海面漁業生産量は1,941トンで、H30年から963トン減少しています。
養殖業では、島北部を除く静穏域で、クロマグロ等の魚類養殖や真珠、カキ類の他、トラフグ等の陸上養殖が行われています。
R5年の漁業就業者は577人で、H30年から324人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 2,904 1,959生産量(海面漁業) トン 2,904 1,941生産量(海面養殖業) トン 0.2 18漁業就業者数 人 901 577資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計■海況の特徴壱岐海区は、九州西部の玄界灘に位置する南北約17km、東西約 15km の壱岐島を囲む海域で、周辺海域には、対馬暖流と九州沿岸流が交差し、七里ヶ曽根、平良曽根など天然礁が多く、イカ類、ブリ類、クロマグロ、サワラ等の好漁場となっています。
沿岸の浅海域は、起伏に富む岩礁帯が張り出し、以前はウニ類やアワビ類などの磯根資源が豊富でしたが、磯焼けの拡大とともに生産量が減少しました。近年は積極的な磯焼け対策により、島内の藻場は回復傾向にあります。
■海区特有の課題スルメイカの資源変動やクロマグロの資源管理に伴う漁獲制限、磯焼けに伴うウニ類やアワビ類の生産量の減少等により漁業者の収入が減少していることから、適切な資源管理や藻場回復の取組等により資源の維持増大を図る必要があります。
また、漁業者の収益性向上に向け、新たな操業形態への転換や漁獲物の付加価値向上の取組を推進することが重要な課題となっています。
海業などの取組を促進し、漁業者等の収入向上を図りつつ、地域活性化に繋げていくことも重要な課題です。
① 水産資源の維持・増大に向けた資源管理と漁場づくりの推進② 経営の多角化や漁獲物の付加価値向上等による漁業経営体の収益性向上③ 魅力ある地域資源を活用した浜の活性化第6章 海区別の取組方針807 壱岐海区推進目標 藻場の回復から広がる豊かな漁場づくりと多様な地域資源の活用や収益化による魅力ある水産業の展開■課題に対する取組の方向性◆具体的な取組・イスズミ駆除や海藻種苗プレートの設置など効果的な藻場の保全や機能回復の取組とブルーカーボンクレジット制度活用による藻場保全の持続的な活動の推進・クロマグロやスルメイカ等の TAC 管理と沿岸性の魚種を対象とした地先ごとの自主的な資源管理の推進・温暖化や藻場の状況に対応したハタ類などの種苗の放流・藻場回復の取組と連携した沿岸域の増殖場や沖合漁場の整備① 水産資源の維持・増大に向けた資源管理と漁場づくりの推進◆取組の方向性これまでに効果が確認された藻場再生手法の島内への展開などにより、藻場の拡大に取り組みます。
資源管理の促進と栽培漁業の効果的な展開を図ります。
漁業者の安定した漁業生産活動を支える漁場の整備を推進します。
◆取組の方向性環境変化や資源変動に対応した収益性が高い漁業経営体の育成を推進します。
クロマグロ漁業では、増加した漁獲枠の有効利用を図るとともに、特産魚種の付加価値向上に取り組みます。
◆具体的な取組・スルメイカ等の主力魚種の漁獲時期・量・魚種の変化などに対応した操業形態への転換や新漁法導入による経営の多角化・クロマグロの来遊状況に応じた小型魚から大型魚への操業転換・クロマグロやサワラの付加価値向上に向けた鮮度保持技術の向上や販売強化の取組促進② 経営の多角化や漁獲物の付加価値向上等による漁業経営体の収益性向上◆取組の方向性壱岐島内の海や水産物など、漁村の地域資源の価値や魅力を活用した海業の取組や地産地消などにより、浜の活性化を推進します。
漁業者の生産活動や漁村の賑わいを支える漁協の運営や体制の強化に努めます。
◆具体的な取組・新たな海業コンテンツの開発や観光関係者等との連携による海業の取組拡大・SNS等各種媒体を活用した漁村や地元水産物の魅力発信・低未利用魚(イスズミやクロダイ等)の有効活用・漁協の業務の効率化や連携、人材の確保・育成に向けた取組の促進③ 魅力ある地域資源を活用した浜の活性化818 対馬海区■漁業の現状海面漁業では多様な漁業が営まれており、主なものは定置網、イカ釣り、一本釣り、はえ縄漁業となっています。当海区のR5年の海面漁業生産量は8,651トンで、H30 年から 1,949 トン減少しています。とりわけ当海区の漁獲主体であるイカ類の漁獲量減少は著しく、燃油価格の高止まりや藻場の消失ともあいまって、島内漁家の経営状況は厳しさを増しています。
海面養殖業ではクロマグロ、真珠養殖が盛んに営まれています。R5 年の養殖生産量は1,425トンで、H30年と概ね同水準となっています。
R5年の漁業就業者数は1,678人で、H30年から607人減少しています。
項目 単位 H30年 R5年総生産量 トン 12,026 10,077生産量(海面漁業) トン 10,600 8,651生産量(海面養殖業) トン 1,426 1,425漁業就業者数 人 2,285 1,678資料:長崎県漁港港勢調査、漁業センサスを基に県で集計■海況の特徴対馬海区は九州本土と朝鮮半島の中間に浮かぶ南北82km、東西 18km の対馬島を囲む海域で、周囲には海谷、海盆や岩礁が多くあり、対馬暖流と大陸沿岸水が交錯し、好漁場が形成されています。また、対馬の中央に位置する浅茅湾は、リアス海岸の特徴が顕著であり、海面養殖に適した海域となっています。
■海区特有の課題漁船漁業では、イカ類、特にスルメイカの漁獲量の減少が続いているほか、クロマグロの TAC 管理により漁業収入が減少する中、資源管理と適切な資源利用の推進、新たな漁法の導入や転換による漁家の所得向上等が課題です。また、沿岸漁場の生産力向上のため、藻場回復に向けた取組が必要です。
海面養殖業では、餌料価格の高騰の課題に直面しているクロマグロ養殖における安定生産と販売価格の向上、真珠養殖では、他産地との競争に勝てる品質向上等が課題です。
定置網やイカ釣り等の雇用型漁業では、漁業就業者が不足していることから、担い手の確保・育成が課題です。
また、多くの漁業集落で漁業世帯数の減少が進んでいることから、対馬特有の地域資源を活用した漁村の振興が求められています。
①海洋環境や資源変動に対応した漁船漁業の推進と漁場づくり②養殖魚の品質向上と輸出促進及び真珠の高品質化③多様な担い手による雇用型漁業の経営安定④地域資源を最大限活用した漁村地域の活性化第6章 海区別の取組方針828 対馬海区推進目標 特有の地域資源を十分活用した持続可能な水産業の振興■ 課題に対する取組の方向性◆取組の方向性複数の漁業種類を組み合わせた経営の多角化やクロマグロの漁獲枠の有効活用など、経営力強化の取組を推進します。
食害魚対策等の取組を加速させるとともに、漁場整備を推進し、藻場回復に取り組みます。
◆具体的な取組・経営計画のフォローアップ強化や経営力強化の取組促進・スマート技術の普及促進・新たな漁法等の導入促進・クロマグロ小型魚から大型魚への漁獲対象の転換を促進・食害魚の有効利用の推進・藻場回復の取組と連携した増殖場の整備① 海洋環境や資源変動に対応した漁船漁業の推進と漁場づくり◆取組の方向性養殖生産物の品質向上やへい死の抑制に努めます。
輸出を促進し販売単価を上げることで収益性の向上に取り組みます。
真珠の高品質化のための養殖技術開発に取り組みます。
◆具体的な取組・漁場改善計画に基づく環境把握・改善等の取組の推進・未利用水域の有効活用の促進・海外販路拡大による輸出促進・海域の特性に合った高品質真珠の安定生産技術開発への支援② 養殖魚の品質向上と輸出促進及び真珠の高品質化◆取組の方向性新規就業者の確保・育成と外国人材の受入を推進し、雇用型漁業の経営安定に取り組みます。
◆具体的な取組・一本釣りやはえ縄など独立型漁業の新規就業者の定着促進・定置網やイカ釣りなど雇用型漁業の新規就業者の確保・株式会社エヌとの連携による雇用型漁業への外国人材の受入促進③ 多様な担い手による雇用型漁業の経営安定◆取組の方向性特有の自然・文化等の地域資源を最大限活用した漁村地域の振興により、漁業者の所得向上に取り組みます。
◆具体的な取組・漁業体験や海洋環境教育をはじめとした海業の起業又は事業規模拡大への支援・高齢者や女性等の多様な人材が働きやすい環境づくり④ 地域資源を最大限活用した漁村地域の活性化83第7章試験研究の取組方針841 現状と成果前計画の取組方針に掲げた研究計画における取組の状況や得られた主な成果は、次のとおりです。
研究計画 Ⅰ 持続可能な漁業のための資源評価と管理技術の開発水産資源の持続的な利用を図るため、関係研究機関と連携して資源評価や資源管理に関する技術開発に取り組みました。また、放流による資源増殖技術の開発や環境変化に対応した藻場造成技術の開発を行いました。
●水産研究・教育機構等と連携して資源評価対象種の拡大や評価精度の向上に取り組むとともに、本県特産の重要魚種について資源調査及び評価を実施し、漁業者による資源管理の推進に活用されています。
●定置網漁業者からの要望を踏まえ、各種調査機材を活用して海底地形や潮流等の調査を行い、その結果を漁業者に提供することで、漁業の生産性向上に寄与しています。
●ヒラメやナマコ等の放流技術の改良やDNA標識※を活用したナマコ、ガザミの放流効果の把握に取り組んでいます。また、トラフグ、クエ、ガザミ等の効果的な放流手法の開発にも取り組んでいます。
●南方系ホンダワラ類、1 年生大型海藻及び小型海藻について、春藻場造成の増殖種としての有効性を検証するとともに、小型海藻のウニに対する餌料効果を確認しました。また、春藻場の造成を加速させるため、増殖種の量産及び母藻の大量供給技術の開発にも取り組んでいます。
●橘湾及び諫早湾における貧酸素水塊の発生や、有明海等における粘質状浮遊物※に係る情報を関係者へ提供し、効率的な操業等に役立てられています。
第7章 試験研究の取組方針水産業の振興と持続的な発展を技術的側面から推進するため、総合水産試験場では、各種研究開発や新たな技術課題に取り組んでいます。
定置網漁場海底地形図春藻場造成実証試験85研究計画 Ⅱ 養殖業の経営安定化と成長産業化を支える技術開発の推進海外のニーズに対応した養殖魚づくりや養殖経営の安定化のための技術開発を行うとともに、長崎らしい新たな養殖種の種苗生産及び養殖技術の開発を行いました。
●従来の全雄トラフグよりも白子が大きく、高い付加価値が期待できる早熟全雄※(第1世代)を作出し、その種苗を養殖現場に導入して社会実装試験を開始しました。
●輸出向けマアジについて、生残率を向上させる技術を開発し、手引書を作成して現場での普及・定着に努めています。また、近年の温暖化に対応しつつ、本県の独自性など特徴のある養殖魚種として、ウスバハギやハイブリッドサバ(交雑サバ)の種苗生産技術と養殖技術の開発を開始しました。
●温暖化に対応したシングルシードマガキ※及びワカメの高水温耐性系統を作出し、現場普及を行いながら、生産性の向上に取り組んでいます。
●アコヤガイの外套膜萎縮※や脱核※の発生軽減手法を開発して技術普及を行い、真珠の安定生産に寄与しました。また、アコヤガイ稚貝の大量へい死対策やマガキの付着生物対策、アサリの網袋養殖の技術開発に取り組み、成果を漁業者に提供し、生産性の向上を図りました。
●藻類養殖の安定的な生産のため、ワカメ及びノリ養殖では、クロダイやカモ類の食害を軽減させる技術開発、ヒジキ養殖では、種苗の安定供給技術の開発及び現場導入に取り組みました。
●養殖用飼料のコスト低減のための低魚粉飼料の有効性の実証や、迅速な魚病の診断及び対策指導等を行いました。
ウスバハギの種苗生産・養殖技術の開発輸出向けマアジ養殖の手引き86研究計画 Ⅲ 情報通信技術を活用した漁船漁業・養殖業のスマート化技術の開発情報通信技術を活用した漁獲情報の電子的収集システムの構築や、海況予測アプリの機能強化、赤潮広域監視システムの開発などに取り組みました。
●電子化された漁獲情報を収集する水揚げ情報データベースの構築に向けた協議会に参画し、データベースから効率的に収集した漁獲量情報を活用することで、資源評価の精度向上に役立てています。また、これまで開発した海況予測モデルについては、対象海域を拡大し、県ホームページで公開するとともに、スマートフォンでリアルタイムに閲覧できるアプリを漁業者に配布し、操業に活用されています。
●赤潮発生の初期段階における注意喚起や、防除などの早期の対応に役立てるため、県内の養殖漁場周辺の水質を24時間リアルタイムで観測・公表し、生産者に活用されています。
赤潮広域監視体制87研究計画 Ⅳ 長崎の特色を生かした水産加工技術の開発と技術支援県産魚や県産加工品の販売力を強化するため、多様な消費者ニーズに対応可能な加工技術の開発を進めるとともに、シイラ等の比較的安価な魚種の付加価値を高める技術開発及び現場への普及、彼岸ぶり等を用いた商品開発の支援等を行いました。
●本県らしさをアピールでき、消費者ニーズに合う商品づくりを推進するため、ブリの揚げ蒲鉾・ハンバーグや、常温で取り扱えるアナゴ煮物のレトルト品の加工技術を開発しました。
また、ヒスタミン※を蓄積しない安心・安全な発酵調味料等の加工技術を開発し、魚醤油等の製造に応用されています。
●鮮魚による遠方への販売拡大を目指して、大学等と連携し、長時間の輸送でも鮮度が高く保持される最適な脱血処理の技術開発を行いました。
これらの技術は県内各地の学習会等で周知し、定置網や一本釣りで漁獲されるクエ等の出荷において活用されています。
●県北地域で漁獲されるシイラについて、相対的に脂肪量が多い特徴があることを明らかにするとともに、電子測定機器を使って非破壊で簡易に脂肪量を推定する方法を確立し、県北地域におけるシイラのブランド化に活用されています。
●オープンラボ※での指導や現地指導、研修会の開催などを実施し、県内加工業者等の加工技術の向上を図りました。
魚醤油発酵中のヒスタミン量の変化クエン酸などの有機酸でpH調整すると、ヒスタミン(アレルギー様の症状を引き起こす)の蓄積を抑制できることを明らかにしましたブリの揚げ蒲鉾 アナゴのレトルト品88研究計画 Ⅴ 研究体制の充実と情報発信各分野の課題に応じ、外部研究機関等との連携を強化し、研究を幅広い体制で実施しました。また、出前水試※や研修会等で情報発信を行い、新技術の現場への早期定着を図るとともに、水産業を支える人材を育成しています。
●ICT を活用した海況予測モデルや赤潮予察技術の高度化など、多様な研究分野の取組を通じて水産研究・教育機構や水産系大学、工学系など異分野の研究機関や民間企業と連携した研究開発の体制強化を図りました。
●試験研究や技術開発と併せて、現場と連携した実証試験に取り組み、社会実装を図っています。
また、試験研究により得られた成果や開発した技術は、出前水試や研修会等により周知し、現場課題の早期解決に繋げるとともに、先端技術を活用できる人材の育成を推進しています。
出前水試の様子89■温暖化等に伴い海洋環境が変化する中、沿岸域では、海況や漁場の把握や高水温等に対応した藻場の造成、効果の高い放流技術(魚種)が望まれており、ICT 等の活用などによる海洋環境の把握・提供や資源調査の効率化、資源評価の高精度化などが求められています。
■温暖化や赤潮、魚病のリスクに対応しつつ、国内外の市場ニーズを踏まえた養殖生産を支えていくため、高水温環境に対応できるウスバハギやハイブリッドサバ、介藻類の養殖技術の開発と現場展開、輸出を見据えた新しい養殖魚種の導入や種苗の安定生産・供給体制の確保が必要です。
■水揚げされる魚種や漁期の変化、魚の特性等に対応しつつ、産地の特徴を活かした加工品の製造技術の開発が期待されています。特に、漁獲量が急増しているマイワシについては、高鮮度の原料から付加価値の高い加工品を生産する技術の開発が望まれています。また、県産魚や県産加工品の国内外への販路開拓を図るため、品質を科学的に裏づけしていくことも求められています。
■漁業や養殖の現場、関係団体等との情報交換や研修会など様々な機会で現場ニーズを把握し、国や大学等の研究機関、民間企業等と連携した研究体制を構築した上で効率的に技術開発を進め、現場実証を通じて着実に定着化を図る必要があります。また、研究や技術開発で得られた成果は、広報誌や研修会等で周知するとともに、先端技術を活用できる人材の育成を図ることも、引き続き重要な課題です。
2 課題海洋環境の変化、本県の水産業をとりまく情勢、これまでに開発した技術やその成果、情報通信等の新たな技術の普及状況などを踏まえ、今後の課題を次のとおり整理しました。
90■生産から消費までを見据えた技術的課題の把握現地での指導、個別相談への対応、研修会(出前水試等)等を積極的に実施しながら、生産から消費までを一連とした幅広い視点から現場ニーズを把握します。
■環境変化に対応する研究課題の重点化本計画の基本目標で定める施策や取組の方向性を踏まえつつ、環境の変化や現場のニーズに迅速に対応していくため、重要性や緊急性、経済性を考慮し、研究課題の重点化を図ります。
■研究課題を解決するための研究計画の立案と効率的な推進重点化した研究課題の着実な解決と現場への定着を目指した研究計画を立案します。また、複数の部所が関連する課題については、共同して研究計画を立案するとともに、水産研究・教育機構や大学、民間企業等と連携を図り、効率的に研究開発を推進します。
■成果の早期現場展開と確実な定着開発した技術は段階的に現場での実証に取り組みます。得られた成果は誰もが閲覧できるホームページ等により速やかに情報発信を行うとともに、技術を必要としている現地での指導や研修会の開催等により、現場への普及と確実な定着を目指します。
3 取組方針温暖化など海洋環境の変化や資源の変動、社会情勢の変化に対応し、本県の水産業が持続的に発展していくため、資源の管理・増殖や、藻場の造成、赤潮対策、養殖生産と加工技術の高度化といった重要な課題に対し、国や大学等の外部研究機関や民間企業と連携しながら効率的に技術開発を行い、早期に現場展開を図ります。
914 研究計画現状と成果、課題、取組方針を踏まえ、次の4つの研究計画を推進します。
研究計画 Ⅰ 海洋環境や資源の変化に対応した適切な資源管理及び漁場環境の保全に係る技術開発の推進研究計画 Ⅱ 持続的な養殖業の成長産業化を支える技術開発の推進研究計画 Ⅲ 国内外への販路拡大を支える技術開発の推進研究計画 Ⅳ 技術開発・調査研究体制の強化と情報発信長崎県総合水産試験場 外観92〇資源の変動を的確に捉えるため、水揚げ情報データベース※等を活用して詳細な漁獲量及び漁獲努力量※データを収集し、水産研究・教育機構等と連携して資源評価対象種の評価精度の向上を図ります。また、本県重要魚種については、独自の資源調査及び資源評価により資源管理目標を提示することで、効果的な資源管理措置の実践を支援します。
〇海況予測アプリを改良することで、特に沿岸域の精度を更に高めるとともに、研修会等を通じて、魚が集まりやすい潮目や対象魚種が好む水温域の探索方法といった活用方法を提示し、効率的な操業による燃油使用量の削減や漁獲の向上に繋げます。
〇定置網漁業の生産性向上を図るため、海底地形や潮流、ドローン※等を活用した定置網の敷設状況の調査を行うとともに、急潮※や波浪等による漁具被害リスクの軽減対策として、定置網漁具の挙動の把握及び情報提供を促進します。
〇ハタ類など温暖化等に対応した新たな栽培漁業対象種による資源増殖技術を確立し、資源の維持・増大を図ります。
〇本県周辺海域の漁場環境動向を調査し漁業者に提供するとともに、高水温や貧酸素などのモニタリング体制を強化し、その影響を緩和する対策について研究を進めます。
研究計画Ⅰ 海洋環境や資源の変化に対応した適切な資源管理及び漁場環境の保全に係る技術開発の推進海洋環境や資源の変化に対応した適切な資源管理の実現に資する技術開発や、種苗放流による資源増殖技術の開発及び藻場造成による漁場づくりを推進します。
具体的な取組新たな調査機材の導入(空撮用ドローン(上)と定置網全容画像(下))新たな資源管理基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり【事業群①】 水産資源の維持・増大のための適切な資源管理と漁場づくり93〇効率的な春藻場※の造成に向けて、温暖化による本県沿岸域の藻場への影響を把握するとともに、天然の海藻に依存せずに母藻を大量に確保するための藻類増養殖の技術開発に取り組みます。
〇ブルーカーボンクレジット制度の活用促進を図るため、藻類の簡易増養殖技術の開発や増殖対象種の高水温耐性系統の作出に取り組みます。
母藻大量供給手法の開発南方系ホンダワラ類の種糸フリー配偶体の培養種糸の生産アントクメウニハードルを用いた小型海藻の人工簡易藻場造成技術の開発ワカメ94〇養殖トラフグについて、より白子が大きくなる系統の全雄トラフグの作出技術の開発・改良に取り組むとともに、養殖業者など関係者の組織化により、生産・販売を推進する体制の強化を図ります。
〇温暖化に対応し収益向上と競争力強化が期待できる、ウスバハギ、ハイブリッドサバに加え、寄生虫を減らす「クリーナーフィッシュ※」として機能し、韓国などでニーズがある暖海性のクロメジナの種苗生産技術を確立し、養殖技術の開発に取り組みます。
〇アジア圏などへの輸出拡大を見据えて、県内種苗生産機関との連携によるシマアジ種苗の安定生産技術を開発するほか、高水温に強く海外ニーズも期待できる新たな養殖対象魚種の開発試験にも取り組みます。
〇従来の対処法では治療が難しい魚病への対応として、ゲノム選抜育種技術※による寄生虫病(やせ病)に強いトラフグ品種の開発や餌料添加物による発症抑制等の技術開発に取り組みます。
取組 魚種 温暖化対応 輸出対応ウスバハギ 〇ハイブリッドサバ 〇クロメジナ 〇 〇 2.親魚養成→受精卵供給 シマアジ 〇アカハタ 〇 〇メイチダイ 〇 1.種苗生産技術開発 3.養殖可能性検討研究計画Ⅱ 持続的な養殖業の成長産業化を支える技術開発の推進持続的な養殖業の成長産業化を支えていくため、温暖化への対応や高付加価値化のための養殖生産技術の開発や、赤潮や魚病等による被害軽減のための技術開発に取り組みます。
具体的な取組新魚種の特徴:温暖化・輸出対応 ハイブリッドサバ基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり【事業群③】 持続的な養殖業の成長産業化95〇自動顕微鏡装置※やテレメータシステム※等を活用した赤潮調査体制の強化により、本県周辺海域の赤潮に関するタイムリーな情報発信を行うほか、移流予測の精度向上を図り、漁業被害の未然防止に繋げます。
〇赤潮による漁業被害の軽減を図るため、有害プランクトンの増殖抑制に競合種を利用する研究や生簀への足し網の効果検証及び改良等に取り組みます。
〇養殖カキ類の安定生産のため、へい死原因の究明及び付着生物や食害等の対策技術の改良・開発に取り組み、現場への技術普及を図ります。また、県内種苗生産機関との連携により、三倍体カキの養殖特性の解明や種苗生産技術の改良・開発に取り組みます。
〇養殖真珠の安定生産のため、夏季の稚貝大量へい死軽減技術や高水温環境に対応した高品質真珠の安定生産技術の開発に取り組みます。
〇養殖ヒジキ、ワカメ及びノリの安定生産を図るため、生育不良の原因調査や種苗生産技術、養殖技術の改良、開発に取り組みます。
〇有明海におけるタイラギ資源の回復を図るため、有明4県連携による種苗の大量安定生産及び中間育成における生残率の向上を図るほか、母貝団地造成のための移植技術の開発に取り組みます。また、アサリの生産向上を図るため、網袋養殖等の普及や稚貝の有効活用に取り組みます。
〇新たな養殖介藻類(三倍体カキ類、アオノリ類、ウミブドウ等)の本県海域における養殖適性等を検証するため、種苗生産や養殖試験を行います。
1月採卵2月採卵アコヤガイ稚貝のへい死対策(へい死に強い大型種苗の生産)食害種を特定する自動観測機3月採卵ヒジキの種糸の生産 マガキ高水温耐性系統の選抜育種による作出96〇漁獲量が増加しているマイワシについて、脂質の低減や酸化抑制技術を開発し、冷凍すり身や煮干し製品の高品質化を図ります。
〇海藻を食べる植食性魚類は、凍結や加圧処理などを組み合わせた新たな臭い抑制技術を開発します。
〇常温保存や食感の調整が可能な、新たな加工技術を開発します。
〇キダイやシイラ等の生鮮魚を原料としたワンフローズン加工品の品質向上のため、冷凍技術やドリップ抑制技術を開発します。
〇クロマグロやマアジ等の氷蔵保存による肉質や旨味成分の変化を解析し、産地ならではの鮮度や品質等アピールポイントを科学的に明らかすることで、県内外への取引拡大に活用します。
〇水産加工業者が市場ニーズに応じた付加価値の高い製品を開発できるよう、オープンラボでの試作試験と現地指導による技術支援を行います。また、食品開発支援センター※との連携や研修会の開催により、新製品開発を推進します。
研究計画Ⅲ 国内外への販路拡大を支える技術開発の推進水産資源の変動やマーケットニーズに対応しつつ、産地としての競争力を高める加工技術を開発し、国内外への積極的な販路拡大や地元消費を技術的に支え、水産業や水産加工業の活性化に繋げます。
具体的な取組県産冷凍すり身の生産の様子加工技術指導および研修会の様子基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり【事業群②】 県産水産物の国内バリューチェーン強化97〇漁業・養殖現場、関係団体等との情報交換や技術指導、研修会等の様々な機会で現場の課題を把握し、新たな課題に対しては国、大学などの研究機関や民間企業等との連携により、効率的に技術開発を進めます。
〇開発した技術は、現場と連携した実証試験等により、早期の現場普及を実現します。また、先端技術を活用する漁業者など水産業を支える人材を育成するため、得られた技術や知見等は、速やかに情報発信や研修会等を通じて周知します。
〇研究員の技術開発力を向上させるため、外部研修等の積極的な受講を推奨し、ベテラン研究員による知識・技術の継承など若手研究員の育成を図り、研究開発の体制を強化します。
研究計画Ⅳ 技術開発・調査研究体制の強化と情報発信外部研究機関等との連携や研究員の能力向上などにより、技術開発・調査研究体制の強化を図ります。開発された技術や知見は早期に社会実装するとともに、先端技術を活用して水産業を支える人材を育成します。
具体的な取組基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり【事業群①】 水産資源の維持・増大のための適切な資源管理と漁場づくり【事業群③】持続的な養殖業の成長産業化基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり【事業群②】 県産水産物の国内バリューチェーン強化基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり【事業群①】新規漁業就業者の確保と定着促進98第8章我々が描く長崎県の水産業の将来像99●漁業者による資源管理や漁場保全の取組が結実し、水産資源の回復や藻場の再生を実感することも増え、資源を持続的に利用する意識が広がっています。
●漁協や地域住民が中心となって藻場を再生し、ブルーカーボンを創出しながら更なる活動サイクルを生み出す好循環が生まれ、CO₂削減にも貢献しています。
●漁業者や養殖業者は AI、IoT などの先端技術やビッグデータ等を活用し、仕事の効率化、高収入で快適な仕事環境の獲得、海の環境変化の予測による沖合水域の活用などにより、安定した経営や新たなチャレンジを展開しています。
●「サステナブルな漁業」を意識する漁業者と、そのマインドに共感し選んで購入する買手や消費者との関係が築かれ、受注に応じて生産する資源に優しい漁業経営スタイルも増えています。
●若手漁業者は、ベテラン漁師や地域や県を越えた漁業者間のネットワークから、経験・知恵、漁業で儲かる様々なノウハウを得るとともに、新たな技術を取り込んでいくことで、より生産性の高い漁業を行っています。
●産地で加工して出荷する流通が増え、加工残渣が養殖の餌に活用されるなど、環境にやさしい養殖スタイルが広がっています。
●漁協は、全国の多様な運営形態の漁協とコミュニティで繋がり、漁業経営や漁協の運営方法、課題などを共有し合い、学びながら、組合員の生産活動に貢献しています。
第8章 我々が描く長崎県の水産業の将来像自然環境や社会情勢の変化に適応し、地域経済を支える水産業100●生産・流通に関わるすべての事業者が、鮮度保持の重要性や食材の安全・安心を心がけ、船上から水揚げ、消費地までの流通過程で温度管理が徹底された長崎産水産物の品質や鮮度の良さがデータで見える化され、魚を購入したり飲食店で注文したりする際に、「長崎県産」を選ぶ消費者が増えています。
●熟練の生産者が処理した最高品質の魚介類が、流通に携わる全ての人を満足させながら消費者まで届き、消費者の好意的な反応が SNS 等のネットワークを介して生産者にも還元され、漁業者のプライドやモチベーションをさらに高める好循環が生まれています。
●圧倒的な魚種の多彩さを強みに、「長崎に行くと食べたい魚が食べられる」「長崎の産地でしか食べられない」という期待に応える売場や食事処が県内各地に広がっており、地元県民、観光客やビジネス客などの目的となって盛況し、低未利用魚は魅力的な食材となって消費されています。
●長崎県民は、地域で新鮮で美味しい魚が食べられ、県内の学校給食でも地元の魚が日常的に提供されており、子供たちが魚に親しみを持ち、魚好きが増えている状況を誇りに思っています。
●美味しい魚や漁師のこだわりを消費者に届ける本県と全国の水産関係者の努力によって、魚の消費が肉の消費を上回っています。
●長崎県が 「水産業界の西の横綱」 としてメディアで取り上げられ、「魚=長崎(Nagasaki)」のイメージが全国、世界に浸透し、日本を代表する食材として高値で取引されています。
“水産物の宝庫”として注目される長崎県国内外から選ばれる長崎産水産物101●経営感覚に富んだベテラン漁師が、海洋環境の変化にも順応しながら戦略的に漁業を営み、 “一歩先”の水産業をリードし、地域社会を支える柱となっています。
●新規就業者が、各漁協の青壮年部や地域を越えたコミュニティなどの様々な輪に加わり、先輩漁師に学び、同年代で技術を高め合いながら次代の担い手となる良い流れが生まれています。
●漁業者が漁業で安定した所得を得て安心して子供を育てることができ、趣味や家族との時間も確保できる、充実した魅力ある働き方が増えています。
●水産業でも、現代の多様な働き方に対応した柔軟な雇用や就業の環境が整備され、若者や女性、外国人材が貢献できる領域が増えており、現場に新たな視点や活力をもたらし、更に多様な人材を呼び込む好循環が生まれています。
●子どもたちの周りは、学校や地域行事などで、水産業の体験や海の生物に触れる経験、魚食を学ぶ機会にあふれており、海や魚への興味から水産業に関心を持つ若者が多くなっています。
●スマート水産技術が広がって、漁業に「稼げる」、「カッコいい」イメージができており、漁家子弟や漁師に憧れを持った UIJ ターンの若者が参入し、漁村に活気があふれています。
●SNS で発信される、水産業に携わる人々のリアルな働き方や暮らしが県内外の若い世代の興味を引き、若者の挑戦意欲が高まり、漁業への就業に繋がっています。
それぞれの能力と感性を活かし、変化する水産業界で輝く多様な人材102●県内各地の港には、特色ある新鮮で価値の高い海の幸が日々水揚げされ、海に近い長崎県ならではのクオリティ、コスパで味わえる水産物の売り場が充実し、消費が増えています。
●各浜独自の文化が根付いた特色あるイベントや、名物土産、食事や漁業体験の施設が充実し、観光ツアーが組まれるようになるなど、長崎県の漁村めぐりが休日の過ごし方の1つとなっており、地元の人も自慢に感じています。
●長崎県の「海業」が観光資産として確立・普及し、漁業や漁港に馴染みのなかった人が訪れ、漁業者と交流するなど、様々な体験を通じて水産業への興味関心を持つとともに、地元での魚の需要も増え、漁業者の所得が増えて浜が賑わっています。
●引退した漁師が、船を動かしたり手早く魚を捌いたりできるプロの技を活かして、漁村で食や船上での体験を提供し、海での経験を語りながら漁業の魅力を伝えるシーンが広がっており、そのような取組が評判となって、長崎の漁業や魚に惹かれる人が増えています。
●漁村を訪れた人々が、自然の美しさや豊かな食材だけでなく、漁村の暮らし、磯焼けや漂着ごみなどの地域課題に目を向け、地域とともに課題を解決していくスタイルの関わり方が広がり、そこから人と人の繋がりも生まれています。
●通信インフラが整い、漁協施設や空き家を活用した憩いの場やワーキングスペースが漁村にでき、自然と美味しい食材に囲まれた生活に憧れる人々のワーケーション等が更に促進され、交流人口が増加しています。
●マリンレジャーや食を目的に訪れた方が、地域の魅力に引き込まれ、定住し地元の一員となっています。様々な経歴の方が新たな風を吹き込むことで魅力的に変化する浜には訪れる人が後を絶ちません。
地域内外に開かれ、交流を通して新しい価値を生み続ける港と漁村103参 考 資 料1041 長崎県水産業振興基本計画検討委員会委員名簿(敬称略) ◎会長 〇副会長役職等県内たかひら しんじ 髙 平 真 二 長崎県漁業協同組合連合会 代表理事会長県内お だ さとし 小 田 諭 九州信用漁業協同組合連合会 長崎統括支店 常務理事兼管理部部長県内かわぐち やすし 川 口 泰 司 長崎県漁業士連絡協議会 会長県内よ が た ゆう 與賀田 祐 長崎県漁協青壮年部連合会 会長県内あらき なおこ 荒 木 直 子 長崎県漁協女性部連合会 会長県内た だ せいいち 多 田 聖 一 長崎魚市株式会社 代表取締役社長県内つ だ よしや 津 田 芳 弥 株式会社津田水産 代表取締役県内たかさき かずまさ 髙 崎 一 正 長崎蒲鉾水産加工業協同組合 代表理事組合長県外みややま たつお 宮 山 竜 夫 中島水産株式会社 商品本部 鮮魚部 部長県内たかはし じゅん 髙 橋 淳 独立行政法人 日本貿易振興機構 長崎貿易情報センター 所長県内たけした あつこ 竹 下 敦 子 株式会社 天洋丸県内ついき しんいち 築 城 慎 一 古里漁組 所属 県内いちかわ ちさと 市 川 千 恵 株式会社 徳丸県内 ◎さかくら よしたか 阪 倉 良 孝 長崎大学 水産学部 教授(学部長)県内 まえだ りゅうこう 前 田 竜 孝 長崎県立大学 地域創造学部 准教授県内 〇げん こういちろう 玄 浩一郎 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 所長県内みやけ ひでき 三 宅 英 樹 公募委員県内ごとう みつお 後 藤 満 雄 公募委員県内ごとう 後 藤 かおり 公募委員計19名一般公募区 分漁業関係団体加工業流通業漁業者学識経験者氏 名1052 SDGs(持続可能な開発目標)について「SDGs(持続可能な開発目標)Sustainable Development Goals」は、2015年(平成27年)9月の国連サミットで採択され、「誰一人取り残さない」持続可能な社会の実現を目指し、17のゴールと169のターゲットで構成され、経済、社会、環境をめぐる広範な課題に統合的に取り組むための国際社会全体の目標です。
地方自治体にとっても、SDGs達成へ向けた取組は、人口減少、地域経済の縮小等の地域が抱える課題の解決に資するものであり、多様なステークホルダーと連携のうえ、SDGsを原動力とした地方創生を推進することが期待されています。
SDGsの理念は、本計画の施策の方向性とも重なっており、本計画の施策を着実に進めていくことが、SDGsの推進につながるものと考えております。
県民と共にSDGsの推進に取り組み、県としての役割や使命を果たすことで、SDGsの目標達成に貢献していきます。
SDGsの17のゴール<SDGsの17のゴール> 出典:公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)作成による仮訳をベースに外務省作成 目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる 目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する 目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する 目標 4. すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 目標 5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う 目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する 目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する 目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する 目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る 目標10. 各国内及び各国間の不平等を是正する 目標11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する 目標12. 持続可能な生産消費形態を確保する 目標13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる 目標14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する 目標15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する 目標16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する 目標17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する1063 用語集※以下の用語については、一般的な定義のほか、本計画の文脈に即して解説したものです。
(五十音順)用語 説明文あ行 赤潮海水中のプランクトンが増殖・集積して、海水が変色する現象で、有害なものは、魚介類に大きな被害を与えることがある。
赤潮防除剤 有害赤潮プランクトンの駆除剤。
有明海再生加速化交付金令和7年度に有明海再生の加速化を図るため創設された今後 10 年間を加速化対策期間とする総額100億円の特別措置で、漁場環境の改善や水産資源の確保等の取組を支援するもの。
育成就労制度人手不足分野において、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材の育成と確保を目的とした制度。
磯焼け藻場が大規模に消滅する減少。水産庁磯焼け対策ガイドラインでは、「浅海の岩礁・転石域において、海藻の群落(藻場)が季節的消長や多少の経年変化の範囲を超えて著しく衰退または消失して貧植生状態となる現象」としている。
入込客数日常生活圏以外の場所へ旅行し、そこでの滞在が報酬を得ることを目的としない者で、観光地点及び行祭事・イベントを訪れた者の数。
浮桟橋海上に箱状の浮体を浮かべ、陸側と渡り橋等で連結した施設のこと。潮位の干満に合わせて上下するため漁獲物等の荷下ろしが容易となる。
海業所得機会の増大を図るため、漁村の人々がその居住する漁村を核として海や漁村に関する地域資源を価値創造する取組。
オープンラボ県内の水産加工業者が行う新製品の開発や既存品の改良を支援するため、小型レトルト機や真空冷却カッター等の機器を備えた、総合水産試験場内にある開放実験室。
沖合漁業日本近海で、1 日から数週間程度かけて行われる漁業で、まき網漁業や底びき網漁業によるものが代表例。
推し魚本県水産物の中から、産地ならではの魅力に優れ、産地でその魅力を最大限堪能できる「その魚の食体験が旅の目的となる産地イチ押しの魚」として、産学官で構成する『長崎県「推し魚」選定委員会 』の審査を経て県が決定するもの。
か行 海況予測アプリ漁業の効率的な操業において重要な潮流や水温、塩分等の情報を予測し、漁業者が閲覧できるアプリ。
海底耕うん海底を漁具によって耕すことで、海底に酸素を多く含む海水を供給し、水生生物等の生息環境を改善する手法。
外套膜萎縮貝殻の内側には外套膜と呼ばれる膜状の組織が密着しているが、感染症等によってその組織が萎縮すること。
カキ礁カキの浮遊幼生の定着を促進させるため、漁場に着生器(鉄線)やカキ殻を設置する造成施設。漁場環境の改善(水質の浄化、赤潮の減少、底質の改善、貧酸素水塊の軽減)につながる機能が期待されている。
107用語 説明文か行 株式会社エヌ(公財)長崎県農林水産業担い手育成基金、JAグループ長崎、人材派遣会社の共同出資により設立された、「特定技能外国人材」の労力支援サービスを行う会社。
技能実習制度国際貢献を目的に、開発途上国等の外国人を国内で一定期間(最長5年間)受け入れ、実際の仕事を通じて技能の習得・移転を図る制度。
急潮沿岸域に生じる突発的な速い流れのことで、台風や低気圧の通過後、そのほか様々な要因で発生する。沿岸域に設置されている定置網や養殖網が被害を受けることがある。
漁獲努力量漁獲のために行われる漁ろう作業の量のことで、漁船数や操業日数、漁具の数など。
漁業士会国の制度として昭和61年度から始まったもので、地域漁業の中核的推進者となることが見込まれる者を「青年漁業士」、漁業技術、経営能力が優れており、漁村青少年の指導に熱意を有する者を「指導漁業士」として県がそれぞれ認定しており、漁業士で構成する団体を漁業士会という。
漁業担い手確保協議会地域の漁業者確保・育成のため各市町に設置され、ながさき漁業伝習所の支所機能を有し、漁業就業に関してサポートを行う組織。構成員は指導する漁業者、漁業士、漁協、市町、県水産業普及指導センター・水産課職員。
人工魚礁魚を蝟集・滞留させ、効率よく漁獲するために設置するコンクリートや鋼製の構造物。
拠点漁港漁船の停泊、出漁準備、水産物の陸揚や出荷など地域で中心的な役割を持つ漁港。
クリーナーフィッシュ魚体や養殖網につく寄生虫やその卵、海藻やフジツボなどの付着生物を食べる魚。養殖魚と一緒に飼育することで、養殖網管理の省力化や寄生虫症被害の発生抑制等が期待できる。
経営計画経営安定化や所得向上を目指す漁業者に対して、現在の経営状況の分析を行い、水揚げ向上や経費削減等により経営改善や所得向上を図る計画。
系統団体漁協を会員とし、漁協の事業や運営を支援・補完するために組織した団体。
ゲノム選抜育種技術ゲノム情報(その生物が持つ遺伝情報全体)をもとに、優れた性質をもった個体を選抜する育種技術。
広域浜プラン浜プランに取り組む広域な漁村地域が連携して、浜の機能再編や中核的担い手の育成を推進するための具体的な取組を定めたプラン(国制度)。
高度衛生型荷捌き施設水産物の陸揚げから出荷までの工程において、生物的・化学的・物理的な危害要因を分析し特定した上で、それらを取り除くための設備や運用対策を講じた衛生管理を徹底した施設。
五島〆五島市内の漁業者で、五島〆の匠認定試験に合格した知識と技術を有する者が行う魚の鮮度保持処理及びその技術。産学官が連携し高鮮度保持技術の継承、人材育成を図っている。
108用語 説明文さ行 三倍体マガキ通常のマガキは母親と父親由来の染色体を1セットずつ持つ二倍体だが、母親由来の染色体を1セット多く持つマガキ。成熟しにくい特性があり、成熟期である夏場の成熟・産卵に伴う肉質低下が少なく、高水温に強く成長が良いと言われている。
資源管理協定改正漁業法に基づき、国・県が定める資源管理方針に即して、関係漁業者が魚種・漁業種類毎に自主的に作成するもので、資源管理目標を設定し、目標達成のための自主的な資源管理措置等について定めたもの。
資源管理方針改正漁業法に基づき、国が定める資源管理基本方針に即して、県において資源管理を行うための資源管理に関する基本的な事項等を定めたもの。
自動顕微鏡装置自動で海水をくみ上げ、内蔵の顕微鏡で動画を撮影し、遠隔地でも撮影した動画が確認できる装置。
種苗放流魚介類の卵や稚魚は、他魚の捕食などにより生残率が低いため、人の手で生存力が高い大きさまで飼育し、海域に放すことで資源を増やす取組。
食品開発支援センター長崎県工業技術センターに所属する部門で、食品加工に関する技術開発や新製品開発を支援する組織。
シングルシードマガキカキを、貝殻の多数付着等ではなく、1 個体ずつ単独状態にし、バスケットの中に入れて育てる方法。波で殻の成長が抑えられ、オイスターバーなどの外食筋から好まれる形状となる。
スマート化スマート技術の活用等により、生産性の向上や業務の効率化、省力・省人化等が図られること。
スマート水産技術水産分野において、生産性の向上や業務の効率化に寄与する ICT(情報通信技術)等の先端技術。
スマート水産業ICT(情報通信技術)を用いた海洋情報などのビッグデータの収集や、これらを活用したシミュレーションモデルなどの活用で、生産活動の省力化や操業の効率化などを図る取組。
正組合員組合の地区内に住所を有し、かつ、90~120日で定款で定める日数を超えて、漁業を営み又は従事する漁民。
全雄トラフグ高級食材である白子を持つ雄のトラフグだけを生産する全雄化技術により作出したトラフグ。
早熟全雄ゲノム選抜育種技術により、白子が特に大きく発達する性質をもった全雄トラフグ。
増殖場水産資源の増大を図るため、水産生物の産卵の場、幼魚や稚魚の育成の場として設置する自然石やコンクリートブロックなどの構造物た行 足し網養殖生簀網の上部に網を継ぎ足し、網の丈を深くすることで赤潮からの逃げ場を作る手法。
脱核真珠養殖では、真珠の芯となる核(貝殻で作られた小球)をピース(外套膜片)と一緒に生殖巣に挿入し、真珠を生産するが、養殖中にストレス等の要因により核が体外へ排出されること。
地域浜プラン漁村地域の再生を図るため、浜ごとの特性や資源状況等を踏まえ、漁業者自らが漁業収入の向上とコスト削減を図り漁業所得の向上を目指して定めたプラン(国制度)。
109用語 説明文た行 低魚粉飼料魚粉の割合の低い配合飼料。魚類養殖は、支出に占める餌代の割合が大きく、餌の主原料である魚粉は輸入に依存していることから、低魚粉飼料の開発、魚粉代替原料(大豆、昆虫、水素細菌等)の開発等が必要となっている。
出前水試研究成果の現場展開や水産研究に対する現場ニーズの把握を目的として、総合水産試験場の研究員が県内各地に出向いて漁業者等への情報発信や意見交換を行う仕組み。
テレメータシステム養殖生簀等に水温、塩分、クロロフィル、溶存酸素等のセンサーを設置し、自動測定したデータをリアルタイムにインターネット経由で公表する仕組み。
特定水産資源 国がTAC管理の対象とする水産資源(魚種)のこと。
ドローン 無人で遠隔操作や自動操縦が可能な飛行機器。
な行ながさきBLUEエコノミー大学、生産者、企業、自治体、地域の人々が力を合わせ、海洋資源の持続的利用や新しい技術開発を進め、養殖・観光・環境保全などを通じて、豊かな海と地域経済を育てる取組。
ながさき漁業伝習所県、市町、漁業系統団体、業界団体等が主体となって運営する漁業就業に関する相談窓口(事務局:県水産部水産経営課)。情報の収集・発信、就業相談のほか、技術・知識習得から定着促進・離職防止までを総合的にサポートする。
長崎俵物鎖国時代、海外へ開かれた唯一の窓口であった長崎港から俵に詰めて海外に向け出荷された海産物は「長崎俵物」と呼ばれ、品質の高さから好評を博し、幕府の財政を支えた。その歴史にちなみ、平成 11 年から、県産水産加工品の中から厳格な品質基準をクリアした品を現代の「長崎俵物」として認定している。
南方系ホンダワラ類本来は熱帯や亜熱帯水域を中心に分布するホンダワラ類。近年は本県の外洋に面した沿岸でもホンダワラ類のキレバモク、マジリモクなどの分布が確認されている。
粘質状浮遊物主に植物プランクトンが分泌する粘質物質に、ごみ等が付着・凝集したもの。
は行 排他的経済水域沿岸から200海里(約370キロ)までの範囲で、沿岸国に鉱物資源や水産資源の開発といった経済的な権利が及ぶ海域。
ハイブリッドサバマサバとゴマサバをかけ合わせて作ったサバで、高水温や病気に強い。
バリューチェーン生産、流通、販売が協力して価値を上げる価値の連鎖。
春藻場 ホンダワラ類で代表される春から初夏にのみ群落を形成する藻場のこと。
ヒスタミンヒトの体内でアレルギー反応に似た症状を引き起こす物質。赤身魚に多く含まれる「ヒスチジン」というアミノ酸が、ヒスタミン産生菌と呼ばれる細菌の作用で変化して生成する。
貧酸素水塊魚介類の生存に適さないほど溶存酸素濃度が低くなった水の塊。夏季に、閉鎖的な浅い内湾の底層付近で発生しやすい傾向がある。
110用語 説明文は行 フィレ魚を三枚おろしにし、中骨を完全に除去した片身の形態で、水産加工業(業務用)や輸出で広く使われる。
ブルーカーボンクレジット制度再生・拡大した藻場による二酸化炭素吸収量をクレジット化し、CO2 排出量の削減に貢献する制度。
平均漁業所得額浜の活力再生プランに基づき報告されたデータを活用し、漁業収入から漁業支出を引いて算出した所得の総計を漁業経営体数で除した1経営体あたりの所得。
母貝団地 受精卵を供給する親貝を育てるための区域。
ま行 マーケットイン消費者や顧客の要求、困りごとを突き止め、それらに応える商品やサービスを提供しようとする考え方。
マウンド礁栄養豊富な海底近くの海水を海面近くまで上昇させることにより、プランクトンを増やし、それを餌とする魚類の資源増殖を図るために設置する構造物。
水揚げ情報データベース漁協等の販売システムを改修し、漁業者の水揚げ情報を収集し、そのデータを保管管理するとともに、参照したいデータを抽出できるシステム。
モノ消費、コト消費、トキ消費消費行動の概念で、近年、消費者のニーズは、モノを購入する「モノ消費」から、体験やサービスを消費する「コト消費」や感動を他の参加者と共有する「トキ消費」へと移行していると言われている。
や行 予防保全施設が老朽化によって本来の機能に支障が生じる前に予防的な対策を講じること。
ら行 ロインフィレをさらに背側(ロイン)と腹側(ベリー)に分けた身の形態で、水産加工業(業務用)や輸出で広く使われる。
わ行 ワンフローズン魚を一度だけ冷凍する加工方法。原料魚を冷凍し、解凍後に加工して再び冷凍するツーフローズン(二度冷凍)に比べ品質保持に優れ、高級品や輸出向けで重視される。
アルファベットAI人工知能(Artificial Intelligence)のこと。コンピューターを使って、学習・推理・判断など人間の知能の働きを人工的に実現したもの。
ALPS処理水東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のこと。
CO2固定海藻等が光合成等により大気や海水中から二酸化炭素として吸収する炭素が、海底堆積物などの形で長期間保存されること。
DNA標識標識装着が困難な生物(ナマコやカニなど)の放流効果調査の際、特定のDNA配列を調べ比較することで、放流個体か否かを判定する標識。
DXDigital Transformation の略称。ある組織が、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、データ分析等の技術を利用して新たな製品やサービスを生み出すことで新たな価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。
ICT情報通信技術(Information and Communication Technology)のこと。
IoTInternet of Things の略称。「モノのインターネット」と呼ばれ、あらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすること。
111用語 説明文アルファベットMSY最大持続生産量(Maximum Sustainable Yield)の略で、現在の環境下において、持続的に採捕可能な最大の漁獲量。
SDGs2015 年 9 月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」に記載された 2030 年までの 17 分野の国際目標。
「誰一人取り残さない」という理念のもと、持続可能な社会の実現を目指している。
SNSsocial networking serviceの略称で、登録した利用者同士が交流できるインターネット上の会員制サービス。
TAC特定の水産資源につき、資源動向等を勘案して、漁獲が許される上限量を設定して漁獲を管理する制度で、令和7年11月末時点で、国内では14魚種が対象(平成9年1月から実施)。
TAC管理水産資源の持続的な利用のため、魚種ごとに年間の漁獲量の上限を設定して、漁獲を管理すること。
TAC 管理対象魚種国がTAC管理の対象とする水産資源(魚種)のこと。
UIJターン卒業、退職、転職等を機会に、地方出身者が大都市等から故郷(Uターン)や、出身地以外の地方(Jターン)へ、また大都市出身者が地方(Iターン)へ住居を移す動き。
概要版力強く稼ぎ持続的に成長する水産業と漁村の賑わいづくり長崎県水産業振興基本計画令和8年度―令和12年度- Contents -1.前計画の成果検証2.本県水産業の課題3.計画の主旨4.基本目標別の取組方針(1)持続可能で収益性の高い経営体づくり(2)国内外に美味しさを届けるネットワークづくり(3)水産業を未来につなぐ人づくり(4)海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり(5)漁業者と浜を支える漁協づくり5.海区別の取組方針(1)西彼海区(2)大村湾海区(3)橘湾海区(4)有明海海区(5)県北海区(6)五島海区(7)壱岐海区(8)対馬海区6.試験研究の取組方針1 前計画の成果検証「多様な人材が活躍し、環境変化に強い持続可能な水産業と賑わいのある漁村づくり」を基本理念として、次の6つの基本目標を掲げ、達成に向けて8つの基本指標等を定め関係施策を展開してきました。基本目標(1) 漁村地域の生産力を支える多様な人材の確保・育成基本目標(2) 環境変化に強く収益性の高い魅力ある漁業経営体の育成基本目標(3) 資源管理の推進による水産資源の持続的な利用と漁場づくり基本目標(4) 養殖業の成長産業化基本目標(5) 県産水産物の国内外での販売力強化基本目標(6) 多様な人材の活躍による漁村の賑わいや活力創出8つの基本指標のうち、5項目が達成の見込みとなっています。※農山漁村集落数については、R7年農林業センサスにより公表① 「海面漁業・養殖業産出額」は、令和5年に1,238億円となり2年連続で計画を上回りました。現状の水準で推移すれば目標を達成する見通しです。② 「海面漁業生産量」は、令和6年の海面漁業生産量(速報値)は29万7千トンとほぼ目標通りであり、現状のペースを踏まえると、概ね目標水準に到達する見通しです。③ 「海面漁業産出額」は、令和5年に709億円と、まき網の生産量の増加や魚価の上昇により計画を大きく上回りました。生産量が順調に推移すれば、目標値を達成する見通しです。④「1経営体あたりの平均漁業所得額」は、計画期間を通して順調に推移しています。令和5年は主にまき網等の海面漁業や養殖業における生産量の増加並びに魚価の上昇等により平均所得が上昇しており、令和6年度以降も目標を達成する見通しです。⑤ 「海面養殖業産出額」は、国内外からの需要回復が加速し、単価も向上したことから令和4年以降計画を上回って推移しており、現在の種苗の活込み状況等を踏まえると、目標を達成する見通しです。⑥ 「水産食品加工品出荷額」は、コロナ禍以降回復傾向にあるものの、主要加工品目における不安定な原料調達状況等により計画を下回って推移しており、目標達成は厳しい見通しです。⑦ 「農山漁村集落数」は、2025年農林業センサスで実績を確認することとなっています。⑧ 「農山漁村地域への移住者数(うち漁業分)」は、新規漁業就業者が増加する中、移住者数は伸び悩んでおり、目標達成はやや厳しい見通しです。指標名基準値(基準年)R3 R4 R5 R6目標値(R7)達成見込み①海面漁業・養殖業産出額海面漁業産出額(H30年)海面養殖業産出額(H29年)970億円 999億円 1,024億円 1,036億円1,060億円(R7年)達成見込み936億円 1,109億円 1,238億円 -②海面漁業生産量29万トン(H30年)26万4 千トン 28万2 千トン 29万1 千トン 30 万トン31万5 千トン(R7年)達成見込み24万7 千トン 26万2 千トン 29万3 千トン29万7 千トン(速報値)③海面漁業産出額636億円(H30年)586億円 611億円 632億円 640億円660億円(R7年)達成見込み571億円 653億円 709億円 -④1経営体あたりの平均漁業所得額2,394千円(H26~H30年平均)2,538千円 2,586千円 2,633千円 2,681千円2,729千円(R7年)達成見込み2,746千円 4,001千円 4,646千円 -⑤海面養殖業産出額378億円(H29年)384億円 388億円 392億円 396億円400億円(R7年)達成見込み365億円 456億円 529億円 -⑥水産食品加工品出荷額361億円(H29年)368億円 375億円 382億円 388億円400億円(R7年)未達成見込み316億円 367億円 330億円 -⑦農山漁村集落数2,927集落(H27年)2,927集落 2,927集落 2,927集落 2,927集落2,927集落(R7年)※ー ー ー ー⑧農山漁村地域への移住者数ー57人 62人 62人 65人65人(R7年度)未達成見込み69人 57人 57人 53人12 本県水産業の課題本県水産業を取り巻く情勢と、前計画の成果検証等を踏まえ、今後重点的に取り組むべき課題を以下のとおり整理しました。漁船漁業については、水産資源の持続的な利用に向け、生産力の高い漁場づくりや資源管理の取組を着実に実施しつつ、スマート水産技術の活用や経営多角化等により、環境変化に適応し、収益性を高める取組が必要です。養殖業においては、輸出等を見据えた漁場の有効活用をはじめ、高水温や赤潮※等のリスクに強い安定した体制の構築などに取り組む必要があります。水産物の生産・流通を支える拠点漁港については、激甚化・頻発化する自然災害に対応しつつ、必要な集出荷機能が確保されるよう、着実に整備を進める必要があります。物流を取り巻く環境が変化し、輸送にかかるコスト等が高騰する中、本県水産物が国内外で競争力を高め、優良な販路を確保・拡大するための取組が重要です。産地魚市場における安定的な集荷体制の確保や、高度衛生管理型市場の強みを活かした付加価値向上、ニーズや流通事情の変化に対応した産地加工やバリューチェーンの強化、本県の地理的強みを生かした多様な国への輸出展開などが重要な課題です。人口減少や漁業就業者の高齢化等が進行しており、次代を担う漁業就業者の確保は引き続き重要な課題です。新規漁業就業者の安定的な確保はもとより、漁業就業後の定着を促進するための丁寧なフォローアップや、地域で新規就業者を支える体制づくり、快適で暮らしやすく働きやすい漁村の環境を整えていくことも必要です。本県は、美しい海や漁村の景観、美味しい多種多様な魚介類などの魅力に富んでおり、これらを最大限活用することで、より効果的に本県の水産業や水産物の魅力を発信できると考えます。直売所や釣り体験などの海業の展開や地域イベントの開催など、交流促進の取組により漁村の活気を高めるとともに、地域が地元水産物等に愛着と誇りを持ち、その魅力を発信していく取組が必要です。浜の中核組織として、漁業者を支える漁業協同組合は、正組合員の減少と高齢化、漁協職員の減少含め基盤の脆弱化が進んでいます。漁協がその機能や役割を果たしていくためには、漁協合併や事業連携、業務効率化、職員の確保・育成等により漁協の体制を維持・強化していく必要があります。
水産業の担い手の確保・定着漁業の収益性向上加工・流通の強化漁村の活性化と水産物の魅力発信漁業協同組合の機能強化23 計画の主旨1 基本理念力強く稼ぎ持続的に成長する水産業と漁村の賑わいづくり上記理念のもと、前計画の成果検証や水産業をとりまく情勢を踏まえた課題、長崎県総合計画「みんなの未来図2030」の基本理念である「ながさきの誇りと希望を力に、みんなで夢あふれる未来をひらく」に掲げた関連施策や取組の方向性も踏まえながら、5つの基本目標と、目標達成に向けた事業群を設定し、施策を推進します。
2 基本目標と関係事業群の体系基本目標 事業群基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり①水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり②収益性の高い新時代の漁業経営体の育成③持続的な養殖業の成長産業化④水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり①産地魚市場の水産物集出荷機能の強化②県産水産物の国内バリューチェーン強化③県産水産物の戦略的な輸出促進基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり①新規漁業就業者の確保と定着促進②働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり① 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり基本目標5 漁業者と浜を支える漁協づくり① 漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり33 基本指標と関連指標基本目標 基本指標 基準値 目標値1 持続可能で収益性の高い経営体づくり海面漁業・養殖業産出額1,238億円(R5年)1,270億円(R12年)2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり事業群名 関連指標 基準値 目標値海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり 海業の新たな取組数(累計)0件(R7年度)30件(R12年度)事業群名 関連指標 基準値 目標値漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり合併や事業連携に向け具体的な検討を行った活動組織数(累計)―8(R12年度)基準値の()内は基準年、目標値の()内は目標年事業群名 関連指標 基準値 目標値水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり生産力の高い漁場整備件数(累計) ―25件(R12年度)効果が認められた資源管理協定の割合 ―80%以上(R12年度)収益性の高い新時代の漁業経営体の育成 1経営体あたりの平均漁業所得額4,323千円(R4~R5年平均)4,929千円(R12年)持続的な養殖業の成長産業化 海面養殖業生産量22,532トン(R5年)25,768トン(R12年)水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備 拠点漁港の整備数(累計) ―15漁港(R12年度)産地魚市場の水産物集出荷機能の強化 県内主要産地魚市場の年間取扱金額572億円(R6年)603億円(R12年)県産水産物の国内バリューチェーン強化新たに継続取引に繋がった水産加工品の売上額0円(R7年度)10億円(R12年)県産水産物の戦略的な輸出促進 水産物輸出額70億円(R6年度)100億円(R12年度)基本目標 基本指標 基準値 目標値3 水産業を未来につなぐ人づくり 新規漁業就業者の5年後の定着率70.1%(R6年度)77.0%(R12年度)事業群名 関連指標 基準値 目標値新規漁業就業者の確保と定着促進 新規漁業就業者数199人/年(R2~R6年度平均)210人/年(R12年度)働きやすく暮らしやすい漁村の環境整備漁港漁村の環境改善を図った施設整備地区数(累計)―18地区(R12年度)基本目標 基本指標 基準値 目標値4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり 長崎県内の漁村への年間入込客数7,793人(R5年度)12,000人(R12年度)基本目標 基本指標 基準値 目標値5 漁業者と浜を支える漁協づくり漁業者の所得向上を支える漁協の機能強化の取組件数(累計)―11件(R12年度)44 基本目標別の取組方針基本目標1 持続可能で収益性の高い経営体づくり事業群① 水産資源の維持・増大のための適切な資源管理の推進と漁場づくり・実効性のある自主的な資源管理と効果的な種苗放流による水産資源の維持・回復・適切なTAC管理による特定水産資源の持続的な利用・適切な漁業管理と漁業取締による漁業秩序の確保・水産資源の底上げを図るための漁場環境の保全・改善・安定した漁業生産活動を支える漁場整備の推進事業群② 収益性の高い新時代の漁業経営体の育成・多様な漁業や経営の多角化を実践する経営モデルづくり・次世代を担う漁業者への重点的な経営指導と取組支援・漁業所得向上を目指す地域浜プラン・広域浜プランの取組促進・ICT等の先端技術を活用したスマート水産業の推進・操業効率化等を目指した漁船等の導入による漁船漁業構造改革の推進事業群③ 持続的な養殖業の成長産業化・自然環境や経済環境の変化に対応するための産学官連携による技術開発・地域の中核となる養殖経営体によるデジタル技術導入など先進的取組の展開・普及・生産拡大に向けた養殖漁場の有効活用や沖合への展開、漁港の養殖生産機能の強化・環境変動に対応し競争力強化を図る新魚種開発と主要魚種の高品質種苗の開発事業群④ 水産物の生産・流通の拠点となる漁港等の整備・多様な漁業を支える漁港等の機能の強化・頻発化・激甚化する自然災害への対応力の強化資源管理と漁場づくりによる資源の維持・増大、収益性の高い漁業経営体の育成、養殖業の成長産業化、拠点漁港等の生産・流通機能の強化に取り組みます5基本目標2 国内外に美味しさを届けるネットワークづくり事業群① 産地魚市場の水産物集出荷機能の強化・水産物の集出荷機能向上と衛生管理の高度化による生産者と消費者から選ばれる産地市場づくり事業群② 県産水産物の国内バリューチェーン強化・資源変動やマーケットニーズに対応し産地の競争力を高める加工・流通の強化事業群③ 県産水産物の戦略的な輸出促進・本県の強みを生かし多様な国に販路を広げる輸出の展開基本目標3 水産業を未来につなぐ人づくり事業群① 新規漁業就業者の確保と定着促進・新規就業希望者等に漁業の魅力を伝える情報発信の強化・就業相談から技術習得、着業から経営自立まで段階に応じた切れ目ない支援・新規就業者等を地域で支える体制の強化と外国人材の円滑な受入・安全操業、海難防止に向けた取組事業群② 働きやすく暮らしやすい漁村の環境づくり・多様な人材の活躍を支える働きやすい漁港の整備・漁村で暮らす人々の快適な生活を支える環境の整備マーケットインの発想に基づく「売れるものづくり」を推進し、生産から流通に至るコストの削減と品質やこだわりなどを届けるバリューチェーンを強化するとともに、本県水産物の強みを活かした販路開拓や効果的なPRなどにより、国内外への取引拡大に取り組みます県内外からの人材の呼び込みと受入体制の充実、
定着へのサポート強化及び働きやすく暮らしやすい環境づくりに取り組みます6基本目標4 海とさかなの魅力を活用した浜の賑わいづくり事業群① 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり・漁港等の活用や多様な主体の参画による海業の更なる展開・水産物の魅力発信による需要の創出基本目標5 漁業者と浜を支える漁協づくり事業群① 漁村の中核組織としての機能や役割を発揮する漁協づくり・合併や事業連携等による漁協の機能強化・漁協の経営改善等の推進・漁協を支える人材の確保・育成海や漁村の豊かな地域資源を活かした海業や水産物の魅力発信を通じて、交流人口と地域消費の拡大に取り組みます漁協の機能再編や経営改善、人材の確保・育成など経営基盤の強化に取り組みます75 海区別の取組方針本章では、各海区の海域の特性や地域特有の課題を踏まえた特徴的な取組の方向性を記載することとし、第5章の「基本目標別の取組方針」に記載している県内全域に共通するテーマと併せて、各海区の実情に応じた取組を推進していきます。① 西彼海区① 経営の多角化やスマート技術の導入による漁船漁業の経営力強化水産資源や漁場形成等の変化に適応するため、複数の漁業種類の組み合わせやスマート機器の活用により、持続的に経営を行う優良経営体の育成を推進します。② 赤潮リスク軽減対策等による養殖経営の安定化近年の漁場環境の変化に伴う赤潮のリスクに対応するため、赤潮の早期察知、被害防止・軽減等の対応体制を強化します。市場ニーズが高く温暖化等に適した新しい魚種による養殖の取組を推進します。③ 長崎魚市場と周辺の加工業者等による水産物の付加価値向上と取引拡大資源量が増加しているマイワシを始め、地域に水揚げされる水産物を使った長崎らしい加工商品づくりに、地元加工業者と一体となって取り組みます。周辺市街地等での消費や国内外の観光客ニーズに対応した販売展開を見据え、開発した商品の販路開拓に取り組みます。推進目標環境の変化に適応し、付加価値を創出する生産・加工・販売の強化・新たな漁業種類への展開促進・海況予測システム等の利用促進やICT技術等を活用したスマート機器の導入促進・経営計画のフォローアップ強化と経営改善の取組推進・赤潮の早期発見と赤潮防除剤、足し網など被害防止策の強化・赤潮リスク軽減のため、ウスバハギなど短期間で出荷可能な新たな養殖魚種の現場実証と実用化の推進・長崎魚市場で水揚げされるキダイのフィレや多品種のワンフローズン商材など産地加工の推進とバリューチェーンの強化・マイワシの特性を踏まえた高付加価値商品の開発及び県内加工業者への普及、販売促進・地元小売商材や観光客向け土産品など様々な消費者ニーズを捉え開発した商品の販売促進8② 大村湾海区① 水産資源を育む漁場環境整備の推進ナマコなどの水産資源の回復と持続的な利用に向けて、赤潮や貧酸素水塊の発生状況や魚介類への影響を把握するとともに、漁場環境の保全を通じて漁場生産力の回復に取り組みます。② 低利用魚等の活用促進クロダイなどの低利用魚や身入りが悪いウニの有効活用を進め、漁業者の収入増に取り組みます。③ マガキ養殖の持続可能な生産体制の構築マガキ養殖の安定的な生産と収益性の向上のため、新たな種苗の導入及び効果的な養殖手法の現場展開を進めます。④ 海業の促進による浜の活性化観光分野と連携したイベントの企画・実施や、地域水産物の即食加工・販売などを通じて、大村湾の魅力を広く発信し、誘客を促進することで、地域水産物の消費拡大と交流人口の増加による浜の活性化を目指します。推進目標大村湾の地域特性を活かした持続可能な水産業の振興・研究機関と連携した漁場環境の調査・海底耕うん等による漁場の底質改善・地域一体となった藻場の保全・再生活動の推進・クロダイなどを加工原料とした商品づくりの推進と販促支援・ウニの密度管理等の取組による持続的な利用の促進・早期出荷を実現する三倍体カキの生産工程の現場実証と技術普及・食害対策を含む効率的な養殖技術の検討と技術普及・地域水産物の加工と漁協直売所等における販売の促進・観光分野と連携した地域体験型コンテンツの展開促進・SNSなど多様なツールによる情報発信9③ 橘湾海区① 資源変化に適応した安定的な漁船漁業、水産加工業の推進漁船漁業の経営安定に向け、資源状況を踏まえた漁業経営への転換等を促進しつつ、資源の持続的利用のため、漁業者の自主的な資源管理と種苗放流に取り組みます。イワシ類を原料とする消費者ニーズに対応した煮干等製品化の取組を推進します。② 環境変化に強く安定した養殖業の推進養殖業の経営安定を図るため、スマート技術の導入促進によるコスト削減や養殖魚種の多角化による赤潮リスクの軽減、介類養殖の導入による収益性向上の取組を推進します。③ 雇用型漁業における経営安定化の推進雇用型漁業の収益性の向上による経営安定に取り組むとともに、従業員の確保に向け、外国人も対象とした人材の呼び込みと、地域の受入体制づくりに取り組みます。④ 地元水産物を利用した賑わいの創出漁協等による地域の新鮮な魚介類の産業祭への出品やPRを通じて県内外からの誘客促進と水産物の消費拡大を図り、浜の賑わいを創出します。推進目標水産資源の持続的利用と漁家経営体制の強化・経営改善の取組支援や経営計画のフォローアップの強化・ヒラメ、クマエビ、ガザミ等の最適な放流場所・手法の検討と普及・実践・イワシ類のサイズや種類の特性を踏まえた煮干等加工の技術指導・給餌や成長の管理、漁場環境の把握に係るAI等先端技術の導入の促進・短期で養殖できる魚類やウニ類、カキ類等、新たな養殖品目の普及の推進・農産物をエサとして活用する介類養殖の取組の指導・経営指導による経営の多角化や漁獲物の付加価値向上の推進・就業フェアへの参加の促進や漁業技術習得研修の活用促進などによる人材確保のサポート・就業者が地域に馴染むための相談窓口の開設等・産業祭、直売所における水産物の消費拡大の取組の促進・地元料理店等と連携した特産水産物のPR、流通販売強化の推進・県内外からの誘客促進に向けた異業種連携による海業の展開10④ 有明海海区① 有明海の再生に向けた漁場環境の保全・改善と資源増殖の推進有明海再生加速化交付金※等の積極的な活用により水産資源の回復と漁獲の安定を図るため、栽培漁業と資源管理を組み合わせた資源増殖と漁場環境の改善の取組を推進します。
貝類や藻類等の再生産サイクルの形成を図るため、干潟、藻場の保全活動を推進します。② 貝類・藻類養殖の安定生産に向けた技術開発・実用化の推進貝類・藻類養殖への新たな養殖手法の導入や漁船漁業経営に貝類・藻類を組み合わせた経営の多角化を推進し、収益性の高い安定した経営体づくりを進めます。③ 地域内の販売・消費拡大による漁村の活性化有明海ならではの特徴的な水産物を強みとして、漁協等による地元や近隣地域での販売促進の取組を推進します。推進目標漁場環境の保全、介藻類養殖の振興、地産地消による漁業活性化・4県共同で行うクルマエビ等の種苗放流の継続実施・漁業者による小型魚や産卵親魚の保護、海底耕うんの取組への支援・国の調査、実証事業によるアサリ等の母貝団地※、カキ礁※、藻場の造成の展開・拡大・マガキのへい死、ノリ、ワカメの食害及び生育不良における養殖技術の改良推進・ヒジキの養殖種苗供給体制の確立に向けた技術開発の推進・ワカメやカキ養殖による多角経営の推進・多様な売り場(漁協直売所、朝市、道の駅)への販売促進と地域内で連携した安定供給体制の確保・市町や観光分野と連携した誘客促進や消費拡大の取組の推進11⑤ 県北海区① 先端技術の導入による漁船漁業の生産性向上スマート水産技術の活用により、一本釣やまき網等の漁場探索など操業の効率化を図り、若い漁業者の経営安定化に取り組みます。② 赤潮対策や漁場の有効活用等による養殖業の生産性向上赤潮対策を強化することにより養殖業の経営安定を図ります。養殖業の規模拡大や先端技術の導入により、生産性向上を図ります。③ 漁業を支える担い手の確保・育成と外国人材の活用促進担い手の確保に向け、効果的な情報発信を行います。新規漁業就業者が定着しやすい環境づくりに取り組みます。県北地域の漁業を支えるまき網や定置網等の雇用型漁業では外国人を含む多様な人材の確保に取り組みます。④ 水揚げ産地の強みを活かした地域活性化の推進管内に産地魚市場や養殖産地を有し、企業加工が近接する強みを活かして、国内外への販路の開拓を推進します。県北地域に豊富に水揚げされる水産物を活かした漁村地域の活性化に取り組みます。推進目標先端技術活用による生産性向上と地域ブランドの活用や海業の展開等による魅力ある水産業の創出・海況予測システムや高性能漁労機器の活用促進などスマート化の取組の推進・学習会等による効果の高いスマート機器及び活用方法等の地域内普及の促進・伊万里湾や九十九島等における漁協等と連携した赤潮監視体制の強化や生簀の足し網等の導入促進・生産規模拡大に向けた漁場の見直しや新規漁場の設定・AI技術を活用した給餌や計量・計測など先端技術の導入促進・市町と連携した水産教室や漁業体験研修による地元高校生等に対するPRの実施・漁業就業支援フェアへの参加や漁業研修の受入促進・新規就業者の経営力向上のための経営指導や漁業技術習得研修の実施・外国人材活用に向けたセミナーへの参加促進や地域の受入体制づくりの推進・荷捌きの効率化や冷蔵保管施設整備による産地魚市場の集出荷機能の確保・生産者と加工業者等の連携による産地加工及び販路開拓の取組の促進・トビウオ等特産種の新たな加工品の開発・シイラ等地域ブランドを軸としたイベントの実施や体験漁業など海業の更なる展開12⑥ 五島海区① 収益性の高い安定した養殖業の育成地域の中核となる養殖業者による新たな取組を推進し、生産性向上を図ります。養殖業経営の安定化に向け、市場ニーズに対応した生産拡大や養殖漁場の拡大、有害赤潮の早期発見体制の強化、被害軽減対策に取り組みます。② 水産物の付加価値向上と魚の魅力発信による消費拡大五島産水産物の付加価値と認知度の向上を図り、地域内外での消費を拡大し、生産者の所得の向上に繋げます。③ 先駆的な取組による持続可能な藻場保全の推進藻場再生手法の普及やブルーカーボン・クレジット制度の活用などの先駆的な取組により、持続可能な藻場保全活動を推進します。④ 海の魅力を活用した人を呼び込む仕組みづくり五島地域の豊かな海と漁村の魅力を最大限に活用した「海業」を推進し、地域の所得の向上と賑わいの創出に取り組みます。推進目標五島の魅力と資源を最大限に活かした持続的な水産業の推進・魚体測定カメラやAI自動給餌機など新技術を活かした生産の効率化と働きやすい職場環境づくりの推進・未利用となっている海域の活用や漁場拡大の検討、有害プランクトンセンサーによるモニタリングの効率化と効果的な赤潮防除対策の実践・普及・産学官で連携した科学的データの見える化による五島〆※等ブランド力強化と取引拡大・定着の取組推進・地域の観光関連事業者と連携した「推し魚」の取組や地域イベントの展開等による消費喚起と魅力発信・各種メディアを活用したPR、認知度向上・仕切り網による食害魚対策、ガンガゼ駆除などの藻場再生手法の成功事例の他地区への展開・スマート技術の活用による磯焼け対策の効率化・地元漁協や市町と連携したブルーカーボンの活用推進体制の構築・海業促進のための港湾漁港の施設整備とマリンレジャーの拠点づくり・防波堤釣りやマリンアクティビティ、観光定置、水産加工等の体験型コンテンツの創出・事業化による誘客推進と受入体制の充実・強化13⑦ 壱岐海区① 水産資源の維持・増大に向けた資源管理と漁場づくりの推進これまでに効果が確認された藻場再生手法の島内への展開などにより、藻場の拡大に取り組みます。資源管理の促進と栽培漁業の効果的な展開を図ります。漁業者の安定した漁業生産活動を支える漁場の整備を推進します。② 経営の多角化や漁獲物の付加価値向上等による漁業経営体の収益性向上環境変化や資源変動に対応した収益性が高い漁業経営体の育成を推進します。クロマグロ漁業では、増加した漁獲枠の有効利用を図るとともに、特産魚種の付加価値向上に取り組みます。③ 魅力ある地域資源を活用した浜の活性化壱岐島内の海や水産物など、漁村の地域資源の価値や魅力を活用した海業の取組や地産地消などにより、浜の活性化を推進します。漁業者の生産活動や漁村の賑わいを支える漁協の運営や体制の強化に努めます。
推進目標藻場の回復から広がる豊かな漁場づくりと多様な地域資源の活用や収益化による魅力ある水産業の展開・イスズミ駆除や海藻種苗プレートの設置など効果的な藻場の保全や機能回復の取組とブルーカーボンクレジット制度活用による藻場保全の持続的な活動の推進・クロマグロやスルメイカ等のTAC管理と沿岸性の魚種を対象とした地先ごとの自主的な資源管理の推進・温暖化や藻場の状況に対応したハタ類などの種苗の放流・藻場回復の取組と連携した沿岸域の増殖場や沖合漁場の整備・スルメイカ等の主力魚種の漁獲時期・量・魚種の変化などに対応した操業形態への転換や新漁法導入による経営の多角化・クロマグロの来遊状況に応じた小型魚から大型魚への操業転換・クロマグロやサワラの付加価値向上に向けた鮮度保持技術の向上や販売強化の取組促進・新たな海業コンテンツの開発や観光関係者等との連携による海業の取組拡大・SNS等各種媒体を活用した漁村や地元水産物の魅力発信・低未利用魚(イスズミやクロダイ等)の有効活用・漁協の業務の効率化や連携、人材の確保・育成に向けた取組の促進14⑧ 対馬海区① 海洋環境や資源変動に対応した漁船漁業の推進と漁場づくり複数の漁業種類を組み合わせた経営の多角化やクロマグロの漁獲枠の有効活用など、経営力強化の取組を推進します。食害魚対策等の取組を加速させるとともに、漁場整備を推進し、藻場回復に取り組みます。② 養殖魚の品質向上と輸出促進及び真珠の高品質化養殖生産物の品質向上やへい死の抑制に努めます。輸出を促進し販売単価を上げることで収益性の向上に取り組みます。真珠の高品質化のための養殖技術開発に取り組みます。③ 多様な担い手による雇用型漁業の経営安定新規就業者の確保・育成と外国人材の受入を推進し、雇用型漁業の経営安定に取り組みます。④ 地域資源を最大限活用した漁村地域の活性化特有の自然・文化等の地域資源を最大限活用した漁村地域の振興により、漁業者の所得向上に取り組みます。推進目標特有の地域資源を十分活用した持続可能な水産業の振興・経営計画のフォローアップ強化や経営力強化の取組促進・スマート技術の普及促進・新たな漁法等の導入促進・クロマグロ小型魚から大型魚への漁獲対象の転換を促進・食害魚の有効利用の推進・藻場回復の取組と連携した増殖場の整備・漁場改善計画に基づく環境把握・改善等の取組の推進・未利用水域の有効活用の促進・海外販路拡大による輸出促進・海域の特性に合った高品質真珠の安定生産技術開発への支援・漁業体験や海洋環境教育をはじめとした海業の起業又は事業規模拡大への支援・高齢者や女性等の多様な人材が働きやすい環境づくり・一本釣りやはえ縄など独立型漁業の新規就業者の定着促進・定置網やイカ釣りなど雇用型漁業の新規就業者の確保・株式会社エヌとの連携による雇用型漁業への外国人材の受入促進156 試験研究の取組方針温暖化など海洋環境の変化や資源の変動、社会情勢の変化に対応し、本県の水産業が持続的に発展していくため、資源の管理・増殖や、藻場の造成、赤潮対策、養殖生産と加工技術の高度化といった重要な課題に対し、国や大学等の外部研究機関や民間企業と連携しながら効率的に技術開発を行い、早期に現場展開を図ります。1 取組方針■ 生産から消費までを見据えた技術的課題の把握■ 環境変化に対応する研究課題の重点化■ 研究課題を解決するための研究計画の立案と効率的な推進■ 成果の早期現場展開と確実な定着2 研究計画現状と成果、課題、取組方針を踏まえ、次の4つの研究計画を推進します。Ⅰ 海洋環境や資源の変化に対応した適切な資源管理及び漁場環境の保全に係る技術開発の推進海洋環境や資源の変化に対応した適切な資源管理の実現に資する技術開発や、種苗放流による資源増殖技術の開発及び藻場造成による漁場づくりを推進します。Ⅱ 持続的な養殖業の成長産業化を支える技術開発の推進持続的な養殖業の成長産業化を支えていくため、温暖化への対応や高付加価値化のための養殖生産技術の開発や、赤潮や魚病等による被害軽減のための技術開発に取り組みます。Ⅲ 国内外への販路拡大を支える技術開発の推進水産資源の変動やマーケットニーズに対応しつつ、産地としての競争力を高める加工技術を開発し、国内外への積極的な販路拡大や地元消費を技術的に支え、水産業や水産加工業の活性化に繋げます。Ⅳ 技術開発・調査研究体制の強化と情報発信外部研究機関等との連携や研究員の能力向上などにより、技術開発・調査研究体制の強化を図ります。開発された技術や知見は早期に社会実装するとともに、先端技術を活用して水産業を支える人材を育成します。16長崎県水産業振興基本計画令和8年度―令和12年度 概要版力強く稼ぎ持続的に成長する水産業と漁村の賑わいづくり(Nマーク)長崎県〒850-8570 長崎市尾上町3番1号 TEL:095-824-1111(代表)