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原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(制限付き一般競争入札、入札日6月3日)原子力安全対策課

発注機関
新潟県
所在地
新潟県
カテゴリー
役務
公示種別
一般競争入札
公告日
2025年5月18日
納入期限
入札開始日
開札日
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添付ファイル

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原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(制限付き一般競争入札、入札日6月3日)原子力安全対策課 window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag(){dataLayer.push(arguments);} gtag('js', new Date()); gtag('config', 'G-T67HQ8668B'); 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(制限付き一般競争入札、入札日6月3日)原子力安全対策課 - 新潟県ホームページ @import url("/ssi/css/detail.css"); (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0]; if (d.getElementById(id)) return; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = 'https://connect.facebook.net/ja_JP/sdk.js#xfbml=1&version=v3.0'; fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs);}(document, 'script', 'facebook-jssdk')); ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ 本文へ 初めての方へ 事業者の方へ Foreign Language 閲覧補助 文字サイズ 拡大 標準 背景色 白 黒 青 音声読み上げ 防災情報 <外部リンク> 分野別 健康・福祉 教育・子育て くらし・安全・環境 しごと・産業 まちづくり・地域づくり 観光・文化・スポーツ 県政情報 目的別 イベント 意見・委員募集 申請・手続 補助・助成・融資 資格・試験 統計情報 入札・発注・売却 よくある質問・相談窓口 組織別 現在の新潟 サイト内検索 Googleカスタム検索 詳細検索 ページ番号を入力 防災情報 <外部リンク> 検索 メニュー 現在地 トップページ > 分類でさがす > くらし・安全・環境 > 防災 > 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(制限付き一般競争入札、入札日6月3日)原子力安全対策課 本文 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(制限付き一般競争入札、入札日6月3日)原子力安全対策課 印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0746385 更新日:2025年5月19日更新 公告文 [PDFファイル/135KB] 一般競争入札の実施について(公告) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項の規定により、原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び 「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託について、次のとおり一般競争入札を行う。 令和7年5月19日 新潟県知事 花角 英世 1 入札に付する事項 (1)委託業務の名称 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託 (2)委託業務の内容 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託仕様書 のとおり。 (3)委託契約期間 契約締結日から令和8年3月13日(金)まで 2 入札に参加する者に必要な資格 (1)地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当しない者であること。 (2)指名停止期間中の者でないこと。 (3)新潟県暴力団排除条例第6条に定める暴力団、暴力団員又はこれらの者と社会的に非難されるべき関係を 有する者でないこと。 (4)会社更生法(平成14年法律第154号)による更生手続開始の申立てがなされている者でないこと。 (5)民事再生法(平成11年法律第225号)による再生手続開始の申立てがなされている者でないこと。 (6)令和2年度以降に県・国又は他の地方公共団体が発注した同様の業務の履行実績があること。 3 入札説明書等の交付等 入札説明書の交付場所、契約条項を示す場所及び問い合わせ先 郵便番号 950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1 新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係 電話番号 025-282-1698 Eメール ngt130030@pref.niigata.lg.jp 入札説明書等の交付は上記の場所で行うほか、新潟県ホームページで公開する。 4 入札参加資格確認申請書の提出 この入札に参加を希望する者は、次に定めるところにより、入札参加資格確認申請書等を提出し、本件入札に参 加する資格を有する旨の確認を受けなければならない。また、令和2年度以降に県・国又は他の道府県が発注し た同様の業務の契約実績を証する書類として、契約書の写しを添付すること。 なお、提出された書類について説明を求められた場合は、これに応じなければならない。 (1)提出期限 令和7年5月26日(月)午後5時00分まで (2)提出場所 郵便番号 950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1 新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係 電話番号 025-282-1698 (3)審査結果 入札参加資格確認申請書及び添付資料に基づき審査を行い、入札参加の可否を令和7年5月29日(木)午前10 時以降に電話で連絡します。 なお、審査の結果、不適合となった場合は、入札に参加することができません。 5 入札、開札の日時及び場所 (1)日時 令和7年6月3日(火)午後1時15分から (2)場所 新潟県庁行政庁舎 16階 入札室 6 入札及び開札の方法 (1)前記5の開札の日時及び場所に参集し、入札書(別添入札書の様式を使用)を提出すること。 なお、代理人が入札に参加する場合は、入札時刻までに別添委任状を提出の上、入札書に代理人の氏名を記載、 委任状の使用印と同じ印鑑を押印すること。また、入札に参加する際、次のものを持参すること。 ・再入札に使用する印鑑 (2)前記5の開札の日時及び場所に参集できない場合は、入札書を書留郵便で提出することができる。その場 合は、封書の表に「何々入札書在中」と朱書きの上、新潟県防災局原子力安全対策課長あてに、開札日時まで に到着するよう提出すること。 (3)落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額 (当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。)をもって落札価格とする ので、入札者は、消費税及び地方消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もっ た契約希望金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。 (4)開札した場合において、入札金額のうち新潟県財務規則(昭和57年新潟県規則第10号)第54条の規定に 基づいて作成された予定価格(以下「予定価格」という。)の範囲内の価格の入札がないときは、再入札を行 うものとする。 なお、書留郵便により入札を行った者については、再入札に参加する意思がないものとみなす。 また、後記7の各号に該当する無効入札をした者は、再入札に加わることができない。 (5)再入札を行うこととなった場合は、初回入札結果公表後、入札執行職員が口頭で通知した時刻に再入札書 を提出すること。 (6)再入札は1回とし、落札者のない場合は地方自治法施行令第 167条の2第1項第8号の規定により、最終 の入札において有効な入札を行った者のうち、最低金額を記載した入札者等と随意契約の交渉を行うことがあ る。 7 入札の無効 次の各号に該当する入札は、これを無効とする。 (1)入札公告に定めた資格のない者のした入札又は代理権の確認を受けない代理人のした入札 (2)入札書の記載事項のうち、入札金額、入札者の氏名その他主要な事項が識別し難い入札 (3)同一の入札者が2以上の入札をしたときは、その全部の入札 (4)脅迫その他不正の行為によってした入札 (5)再入札を行うこととなった場合において、初回入札最低価格以上の価格を記載した入札 (6)入札書を郵送する場合において、書留郵便以外によってした入札又は新潟県防災局原子力安全対策課に 開札日時までに到着しなかった入札 (7)その他入札に関する条件に違反した入札 8 落札者の決定方法 (1)予定価格の範囲内で最低価格をもって有効な入札をした者を落札者とする。 (2)落札となるべき同価の入札をした者が2人以上あるときは、くじ引きにより落札者を決定する。 9 契約書作成の要否 要 10 契約条項 別添「原子力防災研修『原子力防災基礎研修』及び『防災業務関係者研修』の実施に関する企画運営業務委託 契約書(案)」による。 11 暴力団等の排除 (1)誓約書の提出 契約の締結に際しては、別紙「暴力団等の排除に関する誓約書」を提出しなければならない。 (2)不当介入に対する通報報告 契約の履行に当たり暴力団関係者から不当介入を受けた場合、警察及び発注者(新潟県)へ通報報告を 行うこと。詳細は県のホームページ(下記アドレス)による。 http://www.pref.niigata.lg.jp/kenminseikatsu/1353967278060.html 12 入札保証金及び契約保証金 (1)入札保証金 入札書に記載された金額に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額の100分の5に相当する金額(当 該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)以上の金額とする。 (2)契約保証金 契約金額の100分の10に相当する金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金 額)以上の金額とする。 13 支払条件 当県が行う検査に合格した後、適正な請求書に基づいて支払う。 14 その他 (1)入札参加資格確認申請書等の取扱い ア 入札参加資格確認申請書等の作成及び提出に要する費用は、作成者の負担とする。 イ 提出された入札参加資格確認申請書等は、本件にのみ使用する。 ウ 提出された入札参加資格確認申請書等は、返還しない。 (2)その他 ア 契約の手続において使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨とする。 イ この公告及び入札説明書に定めるもののほか、本件の入札及び契約内容に関しては、財務規則 その他新潟県知事の定める規則、日本国の関係法令の定めるところによる。 15 問い合わせ・郵送先 〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1 新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係 電話番号 025-282-1698 Eメール ngt130030@pref.niigata.lg.jp 1 入札説明書 [PDFファイル/171KB] 2-1 仕様書 [PDFファイル/189KB] 2-2 別添1 [PDFファイル/46KB] 2-3 別添2 [PDFファイル/9.38MB] 2-4 別添3 [PDFファイル/244KB] 2-5 別添4 [PDFファイル/1.03MB] 2-6 別添5 [PDFファイル/42KB] 2-7 別添6 [PDFファイル/5.79MB] 2-8 別添7 [PDFファイル/197KB] 2-9 別添8 [PDFファイル/858KB] 3 契約書(案) [PDFファイル/123KB] 4-1 入札参加資格確認申請書 [Wordファイル/20KB] 4-2 別紙 契約実績調書 [Excelファイル/16KB] 5-1 入札書 [Wordファイル/23KB] 5-2 暴力団等の排除に関する誓約書 [Wordファイル/20KB] 5-3 委任状 [Wordファイル/18KB] 6 入札心得書 [PDFファイル/46KB] <外部リンク> PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料) このページに関するお問い合わせ 防災局 原子力安全対策課 企画調整係 〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1 新潟県庁行政庁舎2階 Tel:025-282-1698 メールでのお問い合わせはこちら document.write(' '); Tweet <外部リンク> !function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http:/.test(d.location)?'http':'https';if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+'://platform.twitter.com/widgets.js';fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document, 'script', 'twitter-wjs'); document.write(' '); 県公式SNS一覧へ このページを見ている人は こんなページも見ています 見つからないときは 新潟県庁 法人番号 5000020150002 〒950-8570 新潟市中央区新光町4番地1 電話番号:025-285-5511(代表) 8時30分から17時15分まで、土日・祝日・年末年始を除く 県庁へのアクセス 県庁舎のご案内 直通電話番号一覧 メンテナンス サイトマップ 免責事項 ガイドライン RSS配信について 個人情報の取扱い リンク集 ガイド ライン 個人情報 の取扱い 免責事項 RSS配信 について pcサイト表示 スマホサイト表示 <外部リンク> <外部リンク> Copyright &#169; Niigata Prefectural Government. All Rights Reserved. 一般競争入札の実施について(公告)地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項の規定により、原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託について、次のとおり一般競争入札を行う。令和7年5月19日新潟県知事 花角 英世1 入札に付する事項(1)委託業務の名称原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(2)委託業務の内容原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託仕様書のとおり。(3)委託契約期間契約締結日から令和8年3月13日(金)まで2 入札に参加する者に必要な資格(1)地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当しない者であること。(2)指名停止期間中の者でないこと。(3)新潟県暴力団排除条例第6条に定める暴力団、暴力団員又はこれらの者と社会的に非難されるべき関係を有する者でないこと。(4)会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)による更生手続開始の申立てがなされている者でないこと。(5)民事再生法(平成 11 年法律第 225 号)による再生手続開始の申立てがなされている者でないこと。(6)令和2年度以降に県・国又は他の道府県が発注した同様の業務の履行実績があること。3 入札説明書等の交付等入札説明書の交付場所、契約条項を示す場所及び問い合わせ先郵便番号 950-8570新潟県新潟市中央区新光町4番地1新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係電話番号 025-282-1698 Eメール ngt130030@pref.niigata.lg.jp入札説明書等の交付は上記の場所で行うほか、新潟県ホームページで公開する。4 入札参加資格確認申請書の提出この入札に参加を希望する者は、次に定めるところにより、入札参加資格確認申請書等を提出し、本件入札に参加する資格を有する旨の確認を受けなければならない。また、令和2年度以降に県・国又は他の道府県が発注した同様の業務の契約実績を証する書類として、契約書の写しを添付すること。なお、提出された書類について説明を求められた場合は、これに応じなければならない。(1)提出期限令和7年5月26日(月)午後5時00分まで(2)提出場所郵便番号 950-8570新潟県新潟市中央区新光町4番地1新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係電話番号 025-282-1698(3)審査結果入札参加資格確認申請書及び添付資料に基づき審査を行い、入札参加の可否を令和7年5月29日(木)午前10時以降に電話で連絡します。なお、審査の結果、不適合となった場合は、入札に参加することができない。5 入札、開札の日時及び場所(1)日時令和7年6月3日(火)午後1時15分から(2)場所新潟県庁行政庁舎 16階 入札室6 入札及び開札の方法(1)前記5の開札の日時及び場所に参集し、入札書(別添入札書の様式を使用)を提出すること。なお、代理人が入札に参加する場合は、入札時刻までに別添委任状を提出の上、入札書に代理人の氏名を記載、委任状の使用印と同じ印鑑を押印すること。また、入札に参加する際、次のものを持参すること。・再入札に使用する印鑑(2)前記5の開札の日時及び場所に参集できない場合は、入札書を書留郵便で提出することができる。その場合は、封書の表に「何々入札書在中」と朱書きの上、新潟県防災局原子力安全対策課長あてに、開札日時までに到着するよう提出すること。(3)落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。)をもって落札価格とするので、入札者は、消費税及び地方消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約希望金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。(4)開札した場合において、入札金額のうち新潟県財務規則(昭和57年新潟県規則第10号)第54条の規定に基づいて作成された予定価格(以下「予定価格」という。)の範囲内の価格の入札がないときは、再入札を行うものとする。なお、書留郵便により入札を行った者については、再入札に参加する意思がないものとみなす。また、後記7の各号に該当する無効入札をした者は、再入札に加わることができない。(5)再入札を行うこととなった場合は、初回入札結果公表後、入札執行職員が口頭で通知した時刻に再入札書を提出すること。(6)再入札は1回とし、落札者のない場合は地方自治法施行令第 167条の2第1項第8号の規定により、最終の入札において有効な入札を行った者のうち、最低金額を記載した入札者等と随意契約の交渉を行うことがある。7 入札の無効次の各号に該当する入札は、これを無効とする。(1)入札公告に定めた資格のない者のした入札又は代理権の確認を受けない代理人のした入札(2)入札書の記載事項のうち、入札金額、入札者の氏名その他主要な事項が識別し難い入札(3)同一の入札者が2以上の入札をしたときは、その全部の入札(4)脅迫その他不正の行為によってした入札(5)再入札を行うこととなった場合において、初回入札最低価格以上の価格を記載した入札(6)入札書を郵送する場合において、書留郵便以外によってした入札又は新潟県防災局原子力安全対策課に開札日時までに到着しなかった入札(7)その他入札に関する条件に違反した入札8 落札者の決定方法(1)予定価格の範囲内で最低価格をもって有効な入札をした者を落札者とする。(2)落札となるべき同価の入札をした者が2人以上あるときは、くじ引きにより落札者を決定する。9 契約書作成の要否要10 契約条項別添「原子力防災研修『原子力防災基礎研修』及び『防災業務関係者研修』の実施に関する企画運営業務委託契約書(案)」による。11 暴力団等の排除(1)誓約書の提出契約の締結に際しては、別紙「暴力団等の排除に関する誓約書」を提出しなければならない。(2)不当介入に対する通報報告契約の履行に当たり暴力団関係者から不当介入を受けた場合、警察及び発注者(新潟県)へ通報報告を行うこと。詳細は県のホームページ(下記アドレス)による。https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kenminseikatsu/1353967278060.html12 入札保証金及び契約保証金(1)入札保証金入札書に記載された金額に当該金額の 100 分の 10 に相当する額を加算した金額の 100 分の5に相当する金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)以上の金額とする。 (2)契約保証金契約金額の 100 分の 10 に相当する金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)以上の金額とする。13 支払条件当県が行う検査に合格した後、適正な請求書に基づいて支払う。14 その他(1)入札参加資格確認申請書等の取扱いア 入札参加資格確認申請書等の作成及び提出に要する費用は、作成者の負担とする。イ 提出された入札参加資格確認申請書等は、本件にのみ使用する。ウ 提出された入札参加資格確認申請書等は、返還しない。(2)その他ア 契約の手続において使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨とする。イ この公告及び入札説明書に定めるもののほか、本件の入札及び契約内容に関しては、財務規則その他新潟県知事の定める規則、日本国の関係法令の定めるところによる。15 問い合わせ・郵送先〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係電話番号 025-282-1698 Eメール ngt130030@pref.niigata.lg.jp 入 札 説 明 書令和7年5月19日防災局原子力安全対策課1 入札に付する事項(1)委託業務の名称原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託(2)委託業務の内容原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託仕様書のとおり。(3)委託契約期間契約締結日から令和8年3月13日(金)まで2 入札に参加する者に必要な資格(1)地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当しない者であること。(2)指名停止期間中の者でないこと。(3)新潟県暴力団排除条例第6条に定める暴力団、暴力団員又はこれらの者と社会的に非難されるべき関係を有する者でないこと。(4)会社更生法(平成14年法律第154号)による更生手続開始の申立てがなされている者でないこと。(5)民事再生法(平成11年法律第225号)による再生手続開始の申立てがなされている者でないこと。(6)令和2年度以降に県・国又は他の道府県が発注した同様の業務の履行実績があること。3 入札参加資格確認申請書の提出この入札に参加を希望する者は、次に定めるところにより、入札参加資格確認申請書等を提出し、本件入札に参加する資格を有する旨の確認を受けなければならない。また、過去5年間に県・国又は他の道府県が発注した同様の業務の契約実績を証する書類として、契約書の写しを添付すること。なお、提出された書類について説明を求められた場合は、これに応じなければならない。(1)提出期限令和7年5月26日(月)午後5時00分まで(2)提出場所郵便番号 950-8570新潟県新潟市中央区新光町4番地1新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係電話番号 025-282-1698(3)審査結果入札参加資格確認申請書及び添付資料に基づき審査を行い、入札参加の可否を令和7年5月29日(木)午前10時以降に電話で連絡します。なお、審査の結果、不適合となった場合は、入札に参加することができない。4 入札、開札の日時及び場所(1) 日 時 令和7年6月3日(火)午後1時15分から(2) 場 所 新潟県庁行政庁舎 16階 入札室5 入札及び開札の方法(1)前記4の開札の日時及び場所に参集し、入札書(別添入札書の様式を使用)を提出すること。なお、代理人が入札に参加する場合は、入札時刻までに別添委任状を提出の上、入札書に代理人の氏名を記載、委任状の使用印と同じ印鑑を押印すること。また、入札に参加する際、次のものを持参すること。・ 再入札に使用する印鑑(2)前記4の開札の日時及び場所に参集できない場合は、入札書を書留郵便で提出することができる。その場合は、封書の表に「何々入札書在中」と朱書の上、新潟県防災局原子力安全対策課長あてに、開札日時までに到着するよう提出すること。(3)落札決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の 100 分の 10 に相当する額を加算した金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てるものとする。)をもって落札価格とするので、入札者は、消費税及び地方消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約希望金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。(4)開札をした場合において、入札金額のうち新潟県財務規則(昭和57年新潟県規則第10号)第54条の規定に基づいて作成された予定価格(以下「予定価格」という。)の範囲内の価格の入札がないときは、再入札を行うものとする。なお、書留郵便により入札を行った者については、再入札に参加する意思がないものとみなす。また、後記6の各号に該当する無効入札をした者は、再入札に加わることができない。(5)再入札を行うこととなった場合は、初回入札結果公表後、入札執行職員が口頭で通知した時刻に再入札書を提出すること。(6)再入札は1回とし、落札者のない場合は地方自治法施行令第 167条の2第1項第8号の規定により、最終の入札において有効な入札を行った者のうち、最低金額を記載した入札者等と随意契約の交渉を行うことがある。6 入札の無効次の各号に該当する入札は、これを無効とする。(1)入札公告に定めた資格のない者のした入札又は代理権の確認を受けない代理人のした入札(2)入札書の記載事項のうち、入札金額、入札者の氏名その他主要な事項が識別し難い入札(3)同一の入札者が2以上の入札をしたときは、その全部の入札(4)脅迫その他不正の行為によってした入札(5)再入札を行うこととなった場合において、初回入札最低価格以上の価格を記載した入札(6)入札書を郵送する場合において、書留郵便以外によってした入札又は新潟県防災局原子力安全対策課に開札日時までに到着しなかった入札(7)その他入札に関する条件に違反した入札7 落札者の決定方法(1)予定価格の範囲内で最低価格をもって有効な入札をした者を落札者とする。(2)落札となるべき同価の入札をした者が2人以上あるときは、くじ引きにより落札者を決定する。8 契約書作成の要否要9 契約条項別添「原子力防災研修『原子力防災基礎研修』及び『防災業務関係者研修』の実施に関する企画運営業務委託契約書(案)」による。10 暴力団等の排除(1) 誓約書の提出契約の締結に際しては、別紙「暴力団等の排除に関する誓約書」を提出しなければならない。(2)不当介入に対する通報報告契約の履行に当たり暴力団関係者から不当介入を受けた場合、警察及び発注者(新潟県)へ通報報告を行うこと。詳細は県のホームページ(下記アドレス)による。http://www.pref.niigata.lg.jp/kenminseikatsu/1353967278060.html11 入札保証金及び契約保証金(1)入札保証金入札書に記載された金額に当該金額の 100 分の 10 に相当する額を加算した金額の 100 分の5に相当する金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)以上の金額とする。(2)契約保証金契約金額の100分の10に相当する金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)以上の金額とする。12 支払条件当県が行う検査に合格した後、適正な請求書に基づいて支払う。13 その他(1)入札参加資格確認申請書等の取扱いア 入札参加資格確認申請書等の作成及び提出に要する費用は、作成者の負担とする。イ 提出された入札参加資格確認申請書等は、本件にのみ使用する。ウ 提出された入札参加資格確認申請書等は、返還しない。(2)その他ア 契約の手続において使用する言語及び通貨は、日本語及び日本国通貨とする。 イ この公告及び入札説明書に定めるもののほか、本件の入札及び契約内容に関しては、財務規則その他新潟県知事の定める規則、日本国の関係法令の定めるところによる。14 問い合わせ・郵送先〒950-8570 新潟県新潟市中央区新光町4番地1新潟県防災局原子力安全対策課企画調整係電話番号 025-282-1698 Eメール ngt130030@pref.niigata.lg.jp 原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託仕 様 書新 潟 県- 1 -1.件名原子力防災研修「原子力防災基礎研修」及び「防災業務関係者研修」の実施に関する企画運営業務委託2.目的(1)原子力防災基礎研修(以下「基礎研修」という。)原子力災害に対応する地方公共団体等の職員を対象として、原子力災害の特殊性(特に放射線防護の基礎知識)について理解・定着を図り、地域の防災力の向上に資するため研修を実施する。(2)防災業務関係者研修(以下「業務関係者研修」という。)原子力災害時に、住民防護のため支援を依頼する民間事業者(公益社団法人新潟県バス協会及び一般社団法人新潟県ハイヤー・タクシー協会の職員並びに各協会会員企業の運行管理者及び運転手等)を対象として、原子力災害の特殊性(特に放射線防護の基礎知識)、住民防護の基本的考え方の理解・定着を図り、地域の防災力の向上に資するために研修を実施する。3.委託業務の概要(1) 基礎研修の企画運営「原子力防災基礎研修の研修計画(新潟県)」に基づいた新潟県の状況に即した研修の準備、実施及び評価(2) 業務関係者研修の企画運営「防災業務関係者研修の研修計画(新潟県)」に基づいた新潟県の状況に即した研修の準備、実施及び評価4.委託業務の内容(1)研修準備ア 研修実施計画の作成別表1を基に新潟県と調整し、具体的な実施時期、場所を決定し、研修実施計画(いつ、どこで等の研修工程及び研修体制)を作成する。イ 研修テキスト等の作成基礎研修には別添1~4、業務関係者研修には別添5~8を用いるものとするが、これまでの研修を踏まえた修正や時点修正等が必要な場合は、適宜修正するものとする。また、必要に応じて追加資料を使用することができる。なお、使用するテキスト等は事前に新潟県の確認を受ける。ウ 研修体制の構築実施責任者(受注者の代表者若しくはこれに準ずる者)は、次の各号の者について定め、各実施場所の現地研修体制を確立する。なお、各実施場所の現地研修体制(現地実施責任者、講師、アドバイザー及- 2 -び補助員)を確立した場合は、一覧表を作成し事前に新潟県の確認を受ける。① 現地実施責任者現地実施責任者は、研修ごとに1名配置し、講師、アドバイザー及び補助員を指揮、指導するとともに、当該研修の品質向上及び継続的改善を図るとともに、報道機関の対応、報告書の作成等を実施する。② 講師及びアドバイザー研修を担当する講師及びアドバイザーは、原子力防災に精通し、放射線に関する十分な知識を持った者とする。なお、講師の選定において、「放射線の人体への影響」の講義については、原則、保健医療関係者等の専門的知識を持った者に依頼する。アドバイザーは、班ごとに最低1名配置し受講者に対し実習における技術指導及び助言を行う。なお、講師がアドバイザーとして兼務してもよい。③ 補助員補助員は、受付、資料配付等、研修を円滑に進めるための作業を行う。補助員は、研修ごとに最低1名配置する。エ 実習実習は、上記アで作成した研修実施計画に基づき実施する。また、効率化を図るため、班別に実施し1班あたり10名以下を目安とする。基礎研修においては、下記の項目を必ず実施するものとする。a 次の放射線測定器の操作法、距離と遮蔽体による減衰等・ 個人線量計・ GM計数管放射線表面汚染サーベイメータ・ NaIシンチレーションサーベイメータ・ ZnSシンチレーションサーベイメータb 身の回りの放射線測定c 防護服等の着脱方法d 空間線量率の測定e 汚染検査と簡易除染方法業務関係者研修においては、下記の項目を必ず実施するものとする。a 個人線量計の操作法、距離と遮蔽体による減衰等b 身の回りの放射線測定c 防護服等の着脱方法オ 事前作業研修の募集案内の作成、研修会場の手配、テキスト等の印刷及び発送、機材の準備及び発送、受講者名簿の作成、感染症対策等の研修準備を行う。① 研修会場の手配受注者は、下記⑨の対策を講じることとし、受講者が余裕をもって講義及- 3 -び実習が受けられる会場を手配する。また、講義に必要なプロジェクタ、マイク、スピーカー、スクリーン等を用意すること。② 募集案内の作成等受注者は、新潟県と協議の上、募集案内(受講申込書を含む)を作成し、新潟県に最初の研修開始の30日前までに送付する。③ 受講者の受付及び情報の管理等受注者は、当該研修の受講受付けを「受講申込書」によって受け付ける。 受付にあたっては、電子メールアドレス及びFAX番号を準備し、受付漏れ及び個人情報のセキュリティ管理に万全を期すこと。また、受講が決定した受講者には受講決定を電子メール等で通知する。④ 受講者名簿の作成受注者は、受講者の所属、氏名、役職等を記載した名簿を作成する。また、受講申込締め切り後に、受講者に変更があった場合には、速やかに名簿を更新する。また、作成した名簿は速やかに新潟県に提供する。⑤ 名札の作成受注者は、受講者の所属、氏名、研修の実習グループが記載された名札及び講師等の名札(所属、氏名)を作成する。⑥ 研修テキストテキスト等は、両面印刷(カラー刷り)とする。テキスト等は、カリキュラムの項目ごとにインデックスを付け、フラットファイルに綴じ込むこと。⑦ 研修で使用する機器等の準備「GM計数管放射性表面汚染サーベイメータ」等の測定器は、最低各実習で2名につき1台が使用できるよう準備すること(実演で使用するものを除く)。なお、個人線量計は、実際に使用する型番のもの(ALOKA製 PDM-222VC)を各人が1台使用できるよう準備すること。また、タイベック、ゴム手袋、綿手袋、サージカルマスク、シューズカバー等についても、受注者が必要数を準備すること。⑧ 受講証明書の作成受注者は、受講名簿を基に受講者の所属、氏名を記載した受講証明書を作成する。⑨ 感染症対策受注者は、手配する研修会場に手指消毒用の消毒液を設置することとし、それに要する経費は全て受注者の負担とする。カ 研修会場における準備の確認現地実施責任者は、研修の実施に先立ち、会場レイアウトの事前確認、講義用教材の映写の確認、会場環境(マイクの音量、机の配置等)の確認、講師の力量等を確認し、研修準備状況を確認する。また、現地実施責任者は講師等と- 4 -事前ミーティングなどで情報共有を図る。(2)研修の実施研修の実施に当たり、以下の業務を行うこと。ア 会場での補助作業① 会場設営及び撤収受注者は、速やかに研修を実施できるよう、受講者席及び受付用テーブル等の設営、その他研修実施に必要な機材を配置し会場設営を行うとともに、電子機器等については動作確認を実施する。また、研修後は速やかに研修会場の撤収を行い、原状復帰を行う。② 当日の受講者の受付・テキストの配付研修当日、受講者の受付を行い、名札及び研修に用いる資料等を配付する。 また、受講者の入退出管理を行うとともに、会場の湿温度管理等に配慮すること。③ 受講証明書の配付当該研修を滞りなく受講し、現地実施責任者が認めた者に対して、受講証明書を配付する。④ 研修記録の作成研修会場での写真撮影を実施し、報告書に添付すること。イ 研修の実施講師及びアドバイザーは、カリキュラム等に従い、講義や実習を行う。また、研修をスムーズに進めるため、現地実施責任者等は、司会、進行、時間管理等を行うとともに、研修全般を通して、受講者の反応や講師等の活動状況を確認する。ウ 質疑応答及び応答記録の作成講師等は、受講者からの質問に対して、QA集(別添4及び別添8)をもとに回答する。回答できない場合には、質疑者の連絡先を確認し、後日回答するとともに、新潟県へ報告する。なお、QA集にない質問があった場合には、質疑者の連絡先を確認し、内閣府が指定する者に確認するなどのうえ質問に対応する回答を作成し、新潟県の確認を受けたうえ後日回答し、質疑応答記録を作成する。エ 報道機関対応現地実施責任者は、当該研修に関して報道機関からの問合せがあった場合には、新潟県と協議のうえ可能な範囲で取材に対応する。また、プレス対応記録を作成し、研修後、速やかに新潟県へ報告する。オ アンケート調査の実施及び集計等研修の受講者を対象に受講満足度や改善点等について調査するアンケートを実施し、結果の集計を行うとともに、集計結果を新潟県に提出する。なお、国や県がアンケートを実施する場合はこれに協力すること。- 5 -カ 感染症対策研修当日は、事前に準備した感染対策を講じること。(3) 研修の評価現地実施責任者は研修終了後、1週間以内に報告書を実施責任者に報告する。実施責任者は各研修終了後に報告された報告書の内容を精査し、各現地実施責任者の意見も踏まえ、実施した基礎研修及び業務関係者研修全体の評価を行い、次年度の研修計画等への反映のため、その結果を新潟県へ提案する。5.契約期間契約締結の日から令和8年3月13日(金)まで6. 成果物(1)本業務の成果物については、以下のとおり納入するものとする。ア 報告書・ 提出部数 1部・ 仕様 A4判の両面印刷(図・写真等はカラー)報告書は当該業務の結果の概要を取りまとめ、ファイル等に綴じ込み、インデックスを付け、以下を添付すること。【企画運営(研修の実施及び評価)】① 研修実施実績(開催地、開催会場、日程、受講者数)② 研修実施場所ごとの受講者一覧表③ 研修会場ごとの受講者名簿(実績)及び研修実施体制表④ 研修で使用したテキスト等(実習実施要領、Q&A集も含めること。)⑤ 研修(実技、実演)で使用した主な機材の情報(製造メーカー、型番等)⑥ 研修の評価(アンケート集計及び提案事項)⑦ 質疑応答記録イ 電子データ上記①について、電子データ(DVD-R等)で1部提出すること。電子データについては「Microsoft Office 2024」で編集可能なファイル(図、画像などを含む報告書全体と同等の内容が閲覧できるもの。)及び PDF ファイル(Adobe Acrobat Reader DCにてテキスト、図、画像などを含む総括報告書全体と同等の内容が閲覧できるもの)を提出すること。(2)納入期限及び納入場所ア 納入期限基礎研修若しくは業務関係者研修の終了後30日以内又は令和8年3月13日(金)のいずれか早い日イ 納入場所新潟県防災局原子力安全対策課- 6 -新潟市中央区新光町4番地17.受注者の責務(1)受注者は、本業務の実施に当たり、本仕様書に定める事項を確実に行うものとする。(2)受注者は、契約後速やかに実施責任者を選任し、新潟県へ届け出るものとする。 なお、実施責任者には、本業務を実施するために必要な能力・経験を有する自社の者を選任しなければならない。(3)受注者は、契約後速やかに本契約の全作業に係る工程表を提出し、新潟県の確認を受けるものとする。(4)受注者は、不測の事態により定められた期日までに業務を終了することが困難となった場合には、遅滞なくその旨を新潟県へ連絡し、その指示を受けるものとする。この場合、受注者は、業務が困難となった事情を速やかに解決し、業務の遅れを回復するように努めなければならない。(5)受注者は、業務の過程において新潟県から指示された事案については、迅速かつ的確に対処し、実施するものとする。(6)受注者は、1か月に1回程度新潟県と打ち合わせ(両者合意のうえで、状況に応じて、メールや電話等でも可)を行い、業務の進捗や作業の内容を具体的に報告し、新潟県の了解を得なければならない。(7)受注者は、本業務の実施において、関係者等に対し、自社の宣伝又は営業目的と思われるような行為等を行ってはならない。(8)受注者は、成果物として提出した電子データが正しく読むことができないなど、その他不適当な入力が発見された場合には、正しく読めるように入力し直すなど補修しなければならない。(9)受注者は、本業務に関して新潟県が開示した情報等(公知の事実等を除く。)及び業務遂行過程で生じた成果物等に関する情報について、別に定める「情報セキュリティ関連業務特記事項」(別記1)を遵守しなければならない。(10)受注者は、本業務に関連した個人情報等の取り扱いについて、別に定める「個人情報取扱特記事項」(別記2)を遵守しなければならない。なお、関係者等に対しメールによる連絡をする場合にあっては、他の受信者のメールアドレスが閲覧できないようBCC機能により送信するなど、個人情報の流失防止に万全を期すこと。(11)受注者は、新潟県の監督上、当該実施責任者等が不適当であると認めてその交替を要求したときは、これに応じなければならない。(12)受注者は、本業務を履行するに当たり、新潟県との連絡を密にすることとし、疑義が生じた場合には、新潟県と協議し、解決を図るものとする。また、本仕様書に記載のない事項は、新潟県と協議の上、決定するものとする。(13)本件は一般競争入札の手続を経て行うものであり、受注者は、本仕様書に記載- 7 -した内容について確実に履行しなくてはならない。8.著作権等(1)本契約の履行過程で生じた成果物に関し、著作権法第27条及び第28条に定める権利を含む全ての著作権は、新潟県に帰属するものとする。(2)受注者は、第三者が権利を有する著作物(写真、音楽、映像等)を使用する場合には、著作権、肖像権等に厳重な注意を払い、当該著作物の使用に関して費用の負担を含む一切の手続を行うものとし、使用許諾等が必要な場合は、あらかじめ新潟県の了解を得るものとし、使用許諾手続きは書面をもって行うこととする。(3)受注者は、本業務に関し、第三者との間で著作権に係る権利侵害の紛争等が生じた場合には、当該紛争等の原因が専ら新潟県の責任に帰す場合を除き、自らの責任と負担とにおいて一切の処理を行うものとする。(4)本業務の成果物には、その一部改変等も含めた幅広い利用が望まれるものが多く含まれることから、受注者は、本業務により生じた一切の成果物に係る著作者人格権については、これを行使しないものとする。9. 研修の中止次の場合に、新潟県は研修を中止するものとする。(1)研修の実施中に事故が発生し、新潟県が研修継続困難と判断したとき。(2)新潟県内で災害の発生又は発生のおそれがある場合等、新潟県が研修実施困難と判断したとき。(3)その他新潟県が研修を中止することが適当と判断したとき。10.協議本仕様書に記載されている事項及び記載されていない事項について疑義が生じた場合、新潟県と協議の上で決定するものとする。- 8 -11.提示する資料等上記業務に関連して、以下の資料等を提示する。・「原子力防災基礎研修の研修計画(新潟県)」・「防災業務関係者研修の研修計画(新潟県)」・別添1「原子力防災基礎研修 標準カリキュラム」・別添2「原子力防災基礎研修 標準テキスト」・別添3「原子力防災基礎研修 研修指導要領」・別添4「原子力防災研修(基礎編)Q&A」・別添5「防災業務関係者研修 標準カリキュラム」・別添6「防災業務関係者研修 標準テキスト」・別添7「防災業務関係者研修 研修指導要領」・別添8「防災業務関係者研修Q&A集」以 上- 9 -別表1原子力防災基礎研修 防災業務関係者研修対象者 次の考え方に基づき原子力災害に対応する地方公共団体職員等を対象とする。a 新潟県の職員であって、本部(災対本部、現地本部及びOFCなど。 以下、同じ。)又は現場(安定ヨウ素剤配布、避難所など。以下、同じ。)において原子力災害に対応する要員のうち、原子力防災基礎研修(同等の研修を含む。以下、同じ。)を受講したことがない者若しくは受講後5年を経過した者b PAZ・UPZ市町村の職員であって、本部又は現場において原子力災害に対応する要員のうち原子力防災基礎研修を受講したことがない者若しくは受講後5年を経過した者c その他の市町村(PAZ・UPZ市町村以外の市町村)の職員であって、本部又は現場において原子力災害に対応する要員のうち原子力防災基礎研修を受講したことがない者若しくは受講後5年を経過した者d 広域避難先となる県の職員であって、本部又は現場において原子力災害対応を行う要員のうち原子力防災基礎研修を受講したことがない者若しくは受講後5年を経過した者(広域避難先となる県については、別途新潟県が指示する。)e 警察又は消防の職員であって、原子力災害時の対応で中核的な役割を担う者のうち原子力防災基礎研公益社団法人新潟県バス協会及び一般社団法人新潟県ハイヤー・タクシー協会の職員並びに会員企業の運行管理者及び運転手等- 10 -修を受講したことがない者若しくは受講後5年を経過した者研修回数及び実施場所5回(新潟市、柏崎市 各2回、長岡市1回)ただし、受講者が集まりやすく、実習等を行うに十分なスペースがある会場とする。4回(新潟市、柏崎市、長岡市、上越市各1回)ただし、受講者が集まりやすく、実習等を行うに十分なスペースがある会場とする。開催予定時期6月~7月※新潟県と調整の上選定11月~2月※新潟県と調整の上選定研修受講者数1回あたり30人程度1回あたり30人程度研修内容 下記に基づいた講義及び実習別添1「原子力防災基礎研修 標準カリキュラム」別添2「原子力防災基礎研修 標準テキスト」別添3「原子力防災基礎研修 研修指導要領」別添4「原子力防災研修(基礎編)Q&A」下記に基づいた講義及び実習別添5「防災業務関係者研修 標準カリキュラム」別添6「防災業務関係者研修 標準テキスト」別添7「防災業務関係者研修 研修指導要領」別添8「防災業務関係者研修Q&A集」 分 項目 内容9:30 ~ 9:35 5 開講挨拶 ・開講挨拶・事務連絡9:35 ~ 9:45 10イントロダクション原子力災害の特殊性・原子力災害とその特殊性・原子力防災基礎研修の目的9:45 ~ 9:50 5 休憩9:50 ~ 10:55 65 放射線と放射能の基礎知識・身の回りの放射線・放射線と放射能・放射能、放射線の単位・放射線の人体への影響10:55 ~ 11:05 10 休憩11:05 ~ 11:50 45被ばく防護の考え方と防護措置(1)・原子力災害での被ばくの経路・被ばくの防ぎ方・原子力災害での被ばく防護の考え方11:50 ~ 12:50 60 昼食12:50 ~ 13:30 40被ばく防護の考え方と防護措置(2)・防護措置・放射性物質の除染・放射線測定13:30 ~ 13:35 5 休憩13:35 ~ 16:45 190 放射線測定器等の取扱い実習・測定器の操作方法 距離、遮へい体による減衰等・防護服等の着脱方法・汚染測定方法・簡易除染の方法16:45 ~ 17:05 20 質疑・理解度確認・復習、質疑応答・理解度確認の実施、解説・アンケートの記入17:05 ~ 17:10 5 閉講 ・事務連絡令和7年度原子力防災基礎研修カリキュラム時間 放射線と放射能の基礎知識を理解する原子力災害の特殊性を理解する被ばく防護の考え方を理解する原子力災害時における防護措置の判断基準と意思決定の流れを理解できる1 2 344段階の達成目標原子力防災基礎研修講義1イントロダクション原子力災害の特殊性令和7年7月1.1 原子力災害とは原子力災害とは、原子力施設の事故等に起因する放射性物質又は放射線が異常な水準で敷地外に放出され生じる被害を意味する。 風上 風下敷地内 敷地外(原子力災害:敷地外への放出)敷地境界放射性プルーム(放射性物質が雲のようなかたまりになったもの)外部被ばく 内部被ばく放射性物質からの放射線発電所からの直接線地表面に沈着した放射性物質からの放射線放射性物質の沈着放射性物質の沈着放射性物質の摂取放射性物質の吸入11.2 原子力災害の特殊性① 放射線は目に見えず、臭いもなく、五感に感じない② 平時から放射線についての基本的な知識と理解が必要③ 専門的知識を有する機関の役割、当該機関の指示、助言等が極めて重要④ 放射線被ばくから長時間経過後に健康への影響が現れる可能性⑤ 被ばくや汚染により復旧・復興作業が極めて困難となることから、発生・拡大の防止が極めて重要(原子力事業者の責務)原子力災害では、放射性物質又は放射線の放出という特有の事象が生じるため、次のような特殊性を理解する必要がある。 出典:原子力災害対策指針より抜粋、一部改編 2原子力防災基礎研修は、原子力災害対応に関する実務に初めて携わる方を対象に以下の目的で開催します。 【学習目的】原子力災害時における防護措置を実施するために必要となる原子力災害の特殊性や放射線の基本的な知識を習得すること。 放射線から身を守るための正しい知識を身につけることが肝要です!・放射線には、その受ける量により健康に影響を及ぼすおそれがあります。 ・適切な対策を講ずれば、放射線からの影響を防ぎ、低減することができます。 1.3 原子力防災基礎研修の目的3参考 原子力発電の概要4電気をつくるしくみ蒸気の力で発電機につながっているタービンを回し、電気をつくる。 熱・蒸気をつくるしくみ参考1 原子力発電のしくみ・蒸気でタービンを回し発電するしくみは原子力発電も火力発電も同じ。 ・原子力発電では、ウランが核分裂するときに発生する熱で蒸気をつくる。 5・ウラン235を原料とし、核分裂を起こさせ熱を発生させる。 ・その際、放射性物質が生成される。 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和5年度版)」参考2 原子力は核分裂で熱を発生させる6(出典) 日本原子力文化財団 http://www.ene100.jp/map_5 より改編参考3①原子力発電の種類 -沸騰水型原子炉-BWR(沸騰水型)7PWR(加圧水型)(出典) 日本原子力文化財団 http://www.ene100.jp/map_5 より改編参考3②原子力発電の種類 -加圧水型原子炉-8(出典)資源エネルギー庁HP32参考4日本の原子力発電所の現状9原子力防災基礎研修講義2放射線と放射能の基礎知識令和7年2月1目 次学習項目 タイトル №私たちの身の回りの放射線 身の回りの放射線 1放射線と放射能放射線の種類放射線の特徴(透過力、半減期)放射線と放射能の単位放射線と放射能 2被ばくの形態(外部被ばくと内部被ばく等)被ばくの形態放射線量と人体への影響放射線の人体への影響 311.身の回りの放射線23 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編mSv:ミリシーベルト1.1 日常生活と放射線mSv:ミリシーベルト4 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」一部改編1.2世界と日本の被ばく線量の比較5 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」1.3 大地の放射線6 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」1.4 体内及び食品中の放射性物質の量2. 放射線と放射能7放射性物質:放射線を出す物質放射線:原子を電離する能力をもつ粒子線又は電磁波放射能:放射線を出す能力8放射性物質から放出される放射線を受けることを被ばくするという。 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編2.1放射性物質、放射線、放射能とは9 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編2.2放射線と放射性物質の違い102.3①原子と原子核 -原子の構造-質量数: 陽子の数と中性子の数を合計した数原子番号:陽子の数であり、元素ごとに与えられた番号陽子中性子約10-10 m 約10-14 m電子原子 原子核12C6例物質原子核11 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.3②原子と原子核 -原子核の安定・不安定-12出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.3③原子と原子核 -なぜ放射線がでるのか?-13 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.4①放射性物質の性質-放射能の減衰と半減期-14 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.4②放射性物質の性質 -放出される放射線と半減期の例-15 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編: 原子力発電所事故で注意する放射線2.5放射線の種類16距離の逆二乗則放射線の強さ(密度)は放射性物質からの距離の二乗に反比例して減少する。 注)距離の逆二乗則は、点状の線源のみ成り立ち、面状の線源の場合は成り立たない。 等方性放射性物質から放出される放射線は、全方向に均一に放出される。 2.6①放射線の性質 -等方性と距離による減衰-17 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編1~10cm1㎝~10m数10m~空気中で飛ぶ距離2.6②放射線の性質 -透過力-18・土壌 Bq/m2, Bq/kg・水 Bq/m3, Bq/ℓ・食品 Bq/kgベクレルの使用例(単位当たりの放射能を示す)出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編放射能の単位ベクレル(Bq)放射能の量を表す単位2.7放射能の単位(放射線を出す側の量)19放射線量の単位吸収線量 被ばく線量出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編グレイ(Gy)物質に吸収されたエネルギー量を表す単位シーベルト(Sv)放射線の人体への影響を表す単位2.8被ばく線量の単位(放射線を受ける側の量)人体影響の大きさは同じ程度20空間線量率の単位放射線の強さ:空間線量率(単位:Sv /h,シーベルト・パー・アワー)を用いる空間の放射線の量を表し、空間線量率(Sv /h)とは、その空間に存在する、1時間当たりの放射線量である。 空間線量率0.5時間 2.5μSv1時間 5μSv空間線量率と被ばく線量ホットスポット1m放射性物質2時間 10μSv空間線量率が5μSv/hの場合2.9 空間線量率の単位(時間当たりの線量)作業時間 被ばく線量212.10接頭辞読みやすくするために、単位の前に接頭辞をつけて表します。 倍数(桁数) 記号(読み)1×1012 = 1,000,000,000,000 T(テラ)1×109 = 1,000,000,000 G(ギガ)1×106 = 1,000,000 M(メガ)1×103 = 1,000 k(キロ)1×100 = 11×10-3 = 0.001 m(ミリ)1×10-6 = 0.000001 μ(マイクロ)1×10-9 = 0.000000001 n(ナノ)使い方1,000,000ベクレル=1MBq(1メガベクレル)0.000001シーベルト=1μSv(1マイクロシーベルト)3.放射線の人体への影響2223 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編3.1①被ばくの種類 -外部被ばくと内部被ばく-宇宙線浮遊じん汚染物地表呼吸飲食傷体表面汚染●体外から放射線を受ける ●体内から放射線を受ける体が放射線を受けるという点は同じ :放射性物質24 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編ほとんど影響なし皮膚の被ばくを考慮内部組織にも影響近傍の細胞へ影響周辺組織放射性物質のある組織対象となる放射線の種類特に注意する被ばく形態被ばく線量の評価方法γ線(β線)急性の全身被ばく測定(不確かさ:小)α線、β線、γ線特定部位への蓄積計算(不確かさ:大)3.1②被ばくの種類 -外部被ばくと内部被ばく-253.1③被ばくの種類 -形態の分類-※ 同じ線量を受けた場合、少しずつ被ばくした場合のほうが、一度に被ばくした場合よりも、影響は小さくなる。 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編全身被ばく局所(部分)被ばく26 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編(しきい値がないと仮定)(しきい値がある)※原爆被爆者の追跡調査によると、人では遺伝性障害は確認されていない。 3.2 放射線による人体への影響遺伝性障害27 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編・比較的高い線量で発生・たくさんの細胞が死ぬと症状として現れる・線量が増えれば症状も重篤となる・血液細胞の減少・皮膚障害・胎児の発達異常・水晶体の混濁急性障害等の特徴3.3①確定的影響 -放射線影響のメカニズム-しきい値3.3②確定的影響 -被ばく線量と影響の関係-出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編図の見方:1Gy=1Svと考えてよい。 283.3③確定的影響 -様々な影響のしきい値-出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編 29しきい値 : 確定的影響がおよそ1%生じると推定されている線量図の見方:1Gy=1Svと考えてよい。 30 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編・1つの突然変異からでも生じる可能性・どんなに低い線量でも発症すると仮定・線量が増えると、集団として発症する割合が増加・がん・白血病・遺伝性影響(生殖細胞)放射線によるがん等の特徴突然変異がん細胞増殖がんの発症修復修復失敗そのまま生存放射線正常細胞3.4①確率的影響 -放射線影響のメカニズム-しきい値なしと仮定31(確率的影響)出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」3.4②確率的影響 -がん死亡リスク-4. 参 考3233 出典:一般財団法人日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集2016工 業医 療農 業研 究工 業4.1参考:放射線の利用34 (出典)放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版改編一般撮影:胸部正面透視歯科撮影X線CT検査核医学検査PET検査0.3mGy 0.06mSvIVR:透視線量率20mGy/分下顎前歯部1.1mGy から上顎大臼歯部2.3mGyまで成人頭部単純ルーチン85mGy 小児(6~10歳)頭部60mGy放射性医薬品ごとの値放射性医薬品ごとの値胃の透視4.2-32mSv程度*3(術者や被験者により差がある)2-10μSv程度5-30mSv程度0.5-15mSv程度2-20mSv程度実効線量実効線量実効線量実効線量実効線量実効線量*1:医療被ばく研究情報ネットワーク他「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベル」2015年6月7日(2015年8月11日一部修正)( http://www.radher.jp/J-RIME/ )*2:量子科学技術研究開発機構「CT検査など医療被ばくの疑問に答える医療被ばくリスクとその防護についての考え方Q&A」( https://www.qst.go.jp/site/qms/1889.html )*3:北里大学病院放射線部「医療の中の放射線基礎知識」の健康診断のX線検査」の「胃(透視)」のデータより作成上記資料*1、*2及び*3より作成検査の種類 診断参考レベル*1実際の被ばく線量*2線量 線量の種類4.2参考:医療診断で受ける放射線量35(例)成人がセシウム137を100Bq/kg含む食品を0.5kg摂取100 × 0.5 × 0.013 = 0.65 μSv(Bq/kg) (kg) (μSv/Bq)= 0.00065mSv0.180.100.0220.180.0130.00960.0120.021預託実効線量係数(μSv/Bq)Bq:ベクレル μSv:マイクロシーベルト mSv:ミリシーベルト出典:国際放射線防護委員会(ICRP),ICRPPublication 119, Compendiumof Dose Coefficients based on ICRP Publication 60. 2012より作成内部被ばくの計算将来にわたる線量を積算・公衆(大人):摂取後50年間・子供:摂取後70歳まで実効線量実効線量時間 50年時間その年に受けたとみなす預託実効線量(Sv:シーベルト)4.3参考:内部被ばくの計算例(出典)放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版改編36 (出典)放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版1,000 ~2,000500 ~ 1,000200 ~500100 ~200100 未満1.8【1,000mSv当たり1.5倍と推計】1.41.191.08検出困難※放射線の発がんリスクは広島・長崎の原爆による瞬間的な被ばくを分析したデータ(固形がんのみ)であり、長期にわたる被ばくの影響を観察したものではありません。 ※相対リスクとは、ある原因(ここでは被ばく)により、それを受けた個人のリスクが何倍になるかを表す値です。 出典:国立がん研究センターウェブサイトより作成4.4①参考:がんのリスク(放射線)37 (出典)放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版1.61.61.41.221.291.15 ~ 1.191.11 ~ 1.151.061.02 ~ 1.03野菜不足受動喫煙(非喫煙女性)肥満(BMI≧30)やせ(BMI<19)運動不足高塩分食品喫煙者大量飲酒(450g以上/週)※2大量飲酒(300~449g以上/週)※2※1 相対リスクとは、ある原因(ここでは生活習慣)により、それを受けた個人のリスクが何倍になるかを表す値です。 ※2飲酒については、エタノール換算量を示しています。 出典:国立がん研究センターウェブサイトより作成4.4②参考:がんのリスク(生活習慣)原子力防災基礎研修講義3被ばく防護の考え方と防護措置令和7年2月目 次学習項目 タイトル No.原子力災害での被ばくの経路外部被ばくの防護(距離、遮へい、時間)内部被ばくの防護体表面汚染の防護被ばくの経路と防護方法 1被ばく防護の考え方原子力災害対策重点区域事態の進展と防護措置防護措置の概要放射性物質の除染の方法原子力災害での被ばく防護の考え方と防護措置2放射線測定器の種類空間線量率の測定方法放射性物質の汚染検査の方法個人被ばく線量の測定方法放射線測定 311.被ばくの経路と防護方法2放射性物質からの放射線(放射性希ガス、放射性ヨウ素、放射性セシウム等)プルーム(放射性物質を含んだ空気の一団)外部被ばく 内部被ばく地表面に沈着した放射性物質からの放射線原子力発電所重大事故発生時放射性物質の吸入(放射性ヨウ素、放射性セシウム等)放射線を外部から受けることによる被ばく体内に取り込んだ放射性物質から放射線を受けることによる被ばく体表面汚染放射性物質が体表面に付着屋内退避1.1①被ばくの経路プルーム通過時放射性物質の沈着(放射性ヨウ素、放射性セシウム等)外部被ばく内部被ばくの経路3原子力発電所重大事故後(放射性物質の放出がなくなった段階)1.1②被ばくの経路プルーム通過後外部被ばく 内部被ばく放射性物質の沈着(放射性ヨウ素、放射性セシウム等)飲食物を経由した放射性物質の摂取放射線を外部から受けることによる被ばく体内に取り込んだ放射性物質から放射線を受けることによる被ばく地表面に沈着した放射性物質からの放射線外部被ばく内部被ばくの経路4放射性物質を直接身体に付着させない外部被ばくの防護外部被ばく防護の三原則①距離による防護②遮へいによる防護③時間による防護内部被ばくの防護放射性物質を体内に取り込まない体表面汚染の防護1.2 被ばく防護の方法5放射線は距離の2乗に反比例して減衰します。 距離-線量率00.20.40.60.81.00 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11距離 (m)線量率③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護距離1.3①外部被ばく防護の方法 距離による防護6③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護遮へい厚-線量率00.20.40.60.81.00 1 2 3 4 5 6 7 8 9厚さ (cm)線量率放射線は、同じ材質の遮へい体ならば、厚いほど減衰する。 遮へい体放射線の種類により材質を変える。 放射線は遮へい物を置くことにより減衰します。 1.3②外部被ばく防護の方法 遮へいによる防護7被ばく線量は、時間を短くすれば減ります。 時間-線量00.510 0.5 1 1.5 2 2.5時間 (h)線 量0.5mSv/hの場合③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護1.3③外部被ばく防護の方法 時間による防護8出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編体内での蓄積と排出①口から食べ物(飲み物)と一緒に取り込まれ、消化管で吸収②鼻から呼吸とともに取り込まれ、肺・気道表面から吸収③皮膚から傷口より侵入内部被ばくの経路1.4①内部被ばく防護の方法 内部被ばくの経路91.4②内部被ばく防護の方法 防護措置10放射性物質に汚染された物を口に入れない①口から・飲食、喫煙などをしない。 ・地域生産物摂取制限・飲食物摂取制限放射性物質に汚染された空気を吸い込まない②鼻から・マスクを装着する。 ・屋内退避防塵マスク 全面マスクマスクの種類(例)半面マスク③皮膚から体内への集積を防ぐ ・安定ヨウ素剤の服用傷口を露出しない・傷口を保護する。 ・皮膚の汚染を早期に除去する。 ・簡易除染(例外)防護服は、外部被ばくを防ぐことはできません。 体表面汚染(身体汚染)汚染防護服(例)シール直接皮膚に放射性物質を付着させないために、防護服を着る1.5体表面汚染の防ぎ方11①放射性物質による汚染から身体を保護するための防護服等を装着する②早期に除染する外部被ばくの防護外部被ばく防護の三原則①距離による防護 :放射性物質から離れる②遮へいによる防護:人と放射性物質の間に遮へい物を置く③時間による防護 :放射性物質に近づく時間を制限する内部被ばくの防護放射性物質を体内に取り込まない①口から:放射性物質に汚染された物を口に入れないようにする②鼻から:放射性物質を吸い込まないようにする③傷口から:放射性物質を取り込まないようにする体表面汚染の防護1.6 被ばく防護の方法 まとめ122.原子力災害での被ばく防護の考え方と防護措置13・重篤な確定的影響を回避する⇒ 急性障害を引き起こさない・確率的影響のリスクを合理的に達成可能な限り低く保つこと⇒ がんの発生リスクを最小化確定的影響 確率的影響しきい値を超えると障害が現れる 少ない線量でも影響が現れる確率が増えると考える放射線の人体への影響防護措置の基本的な考え方(出典)原子力災害対策指針(平成24年10月31日制定)(令和5年11月1日一部改正)改編2.1 原子力災害発生時の防護措置の基本的な考え方14しきい値なしと仮定 しきい値2.2①緊急事態における判断基準15事態の進展放射性物質の放出EAL OILプラントの状況に基づく判断(緊急時活動レベル:EAL)防護措置(確定的影響の防止あるいは最小化)避難、安定ヨウ素剤の服用等空間線量率等に基づく判断(運用上の介入レベル:OIL)防護措置(確定的影響の防止あるいは最小化・確率的影響のリスクの低減)避難、一時移転、飲食物摂取制限等放射性物質の放出前の初期対応段階を、①警戒事態、②施設敷地緊急事態、③全面緊急事態の3つに区分し、あらかじめ、各区分における予防的防護措置(避難や屋内退避など)を施設からの距離(PAZ,UPZ)に応じて準備し、緊急事態区分(EAL)に応じた防護措置が直ちに判断し実施できる体制を整備。 放射性物質の放出後は、その拡散により広い範囲に空間線量率等の高い地点が発生する可能性があることから、緊急時モニタリングを迅速に行い、その測定結果を防護措置を実施すべき基準(OIL:空間線量率等)に照らして、避難等の緊急防護措置や一時移転等の早期防護措置等を判断し実施できる体制を整備。 警戒事態 施設敷地緊急事態 全面緊急事態 事象発生緊急事態区分に該当する状況であるかを判断するための基準緊急時活動レベル( EAL: Emergency Action Level )緊急事態区分初期対応段階において適切に防護措置を実施するために以下の3区分を設定2.2②緊急時活動レベル(EAL)EALは対象の原子力施設の状況によって緊急事態区分を判断する基準対応初期対応段階危機管理 事故発生/初期対応放射性物質放出EAL例:震度6弱以上の地震 全交流電源喪失 冷却機能喪失・東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓、国際的な知見を踏まえたEALの枠組みを原子力規制委員会が策定・枠組みに基づき各発電用原子炉の特性及び立地地域の状況に応じた基準を事業者が設定16放射性物質放出後の防護措置の実施を判断するための基準運用上の介入レベル( OIL: Operational Intervention Level )計測可能な値を基準値として設定*空間放射線量率*環境試料中の放射性物質の濃度 等*緊急時モニタリング*避難退域時検査等OILは、放射性物質放出後、防護措置を「計測可能な値から」判断するための基準緊急防護措置早期防護措置飲食物摂取制限初期対応段階危機管理 事故発生/ 初期対応警戒事態 全面緊急事態事象発生施設敷地緊急事態放射性物質放出2.2③運用上の介入レベル(OIL)17初期設定値 基準の概要 基準の種類500μSv/h(地上1m)住民等を数時間以内に避難や屋内退避等させるための基準OIL1 緊急防護措置β線:40,000cpm(皮膚から数cm)除染を講じるための基準 OIL4 β線:13,000cpm(皮膚から数cm)【1ヶ月後】20μSv/h(地上1m)地域生産物の摂取を制限し、住民等を1週間程度内に一時移転させるための基準OIL2早期防護措置0.5μSv/h(地上1m)飲食物中の放射性核種濃度測定を実施すべき地域を特定する際の基準飲食物のスクリーニング基準飲食物摂取制限野菜類、穀類、肉、卵、魚、他飲料水牛乳・乳製品核種飲食物の摂取を制限する際の基準 OIL62,000Bq/kg 300Bq/kg 放射性ヨウ素500Bq/kg 200Bq/kg 放射性セシウム10Bq/kg 1Bq/kgプルトニウム、超ウラン元素のα核種100Bq/kg 20Bq/kg ウラン2.2④OILと防護措置18警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)平常空間放射線量率大気、土壌中放射性物質濃度飲食物等の放射性物質濃度避難 避難準備 SE要避難者 PAZ(概ね5km)避難 * 避難準備 一般住民OILに基づく避難・一時移転等の防護措置屋内退避 (屋内退避の準備) UPZ(概ね30㎞)住 民*安定ヨウ素剤の服用緊急時原子力施設平常時災害の進展全面緊急事態(放射性物質放出後)防護措置放射線測定無し 有り(被ばく・汚染) 放射線影響・震度6弱・使用済燃料貯蔵槽の水位低下等・全交流電源喪失・原子炉への注水機能の一部が不能等・全ての非常用炉心冷却装置等による原子炉への注水機能が不能等情報収集2.3 事態の進展と防護措置19EAL例:10条通報 15条報告2.4①原子力災害対策重点区域20原子力災害対策重点区域(PAZ及びUPZ )PAZ:Precautionary Action Zone:予防的防護措置を準備する区域緊急時活動レベル(EAL)に応じて、放射性物質放出前からの避難や安定ヨウ素剤の服用などの予防的防護措置の準備を行う区域UPZ:Urgent Protective action planning Zone:緊急防護措置を準備する区域緊急時活動レベル(EAL)及び運用上の介入レベル(OIL)に基づく避難等の緊急防護措置の準備を行う区域再処理施設、燃料加工施設、試験研究炉等は、その施設の特性や影響の及ぶ可能性等を踏まえて、PAZは設定せず、UPZのみを設定する。 再処理施設、試験研究炉(1~10万kW)ウラン加工施設、試験研究炉(2千~1万kW)原子力発電所2.4②実用発電用原子炉以外の原子力災害対策重点区域重点区域の目安(半径) 防護措置約8~10㎞(※1参照) 研究開発段階にある原子炉及び50MWより大きい試験研究の用に供する原子炉施設約5㎞ 再処理施設約50m 熱出力≦1kW試験研究の用に供する原子炉施設(50MW以下)約100m 1kW<熱出力≦100kW約500m 100kW<熱出力≦10MW約1500m 10MW<熱出力≦50MW※2参照 特殊な施設条件等を有する施設約500m核燃料物質(質量管理、形状管理、幾何学的安全配置等による厳格な臨界防止策が講じられている状態で、静的に貯蔵されているものを除く。)を臨界量(※3参照)以上使用する施設であって、以下のいずれかの状況に該当するもの・形状(溶液状、粉末状、気体状)、不安定性状(物理的・化学的工程)で取り扱う施設・濃縮度5%以上のウランを取り扱う施設・プルトニウムを取り扱う施設加工施設及び臨界量以上の核燃料物質を使用する施設約50m それ以外の施設約50m 廃棄物埋設施設及び廃棄物管理施設約50m(※5参照) 使用済燃料中間貯蔵施設(※4参照)21 出典:内閣府・消防庁「地域防災計画(原子力災害対策編)作成マニュアル(市町村分)」2.5 防護措置の一覧防護措置①避難及び一時移転②屋内退避③安定ヨウ素剤の配布及び服用④原子力災害医療⑤避難退域時検査及び簡易除染⑥甲状腺被ばく線量モニタリング⑦飲食物の摂取制限⑧緊急事態応急対策に従事する者の防護措置⑨各種防護措置の解除222.6 防護措置①避難及び一時移転概 要 防護措置住民等が一定量以上の被ばくを受ける可能性がある場合に、放射性物質又は放射線の放出源から離れることにより、被ばくの低減を図るものである。 ①避難及び一時移転232.6 防護措置②屋内退避概 要 防護措置放射性物質の吸入抑制や中性子線及びガンマ線を遮へいすることにより被ばくの低減を図るものである。 屋内退避は住民等が比較的容易に実施することができる。 ②屋内退避24252.6①屋内退避の実施方法出典:内閣府「原子力発電所からおおむね5~30km圏内にお住まいのみなさまが行う屋内退避について」より抜粋https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/02_taihi_r5r.pdf262.6②屋内退避の効果(試算)出典:「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算について(平成26年5月28日)原子力規制委員会」より抜粋2.7 防護措置③安定ヨウ素剤の配布及び服用概 要 防護措置放射性ヨウ素による甲状腺の内部被ばくの予防又は低減をするために実施するものである。 安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素以外の核種に対しては服用効果はない。 ③安定ヨウ素剤の配布及び服用2728事故により発生する放射性物質のうち、放射性ヨウ素は人が体内に取り込むと甲状腺に集積するため、内部被ばくによる甲状腺がんなどを発生させるリスクが上昇する放射性ヨウ素による内部被ばく安定ヨウ素剤の服用安定ヨウ素剤(放射性でないヨウ素を製剤化したもの)を適切なタイミングで服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐことができるため、甲状腺への被ばくを予防または低減させる効果がある2.7①安定ヨウ素剤の服用 目的と効果出典:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(R3.7.21一部改正)原子力規制庁29ヨウ化カリウム(安定ヨウ素剤)を投与しないときの甲状腺への放射性ヨウ素の集積量を1とし、ヨウ化カリウムを投与したときの放射性ヨウ素の甲状腺への集積量から投与時期に対する阻害率を計算したもの。 出典:Health Phys., 78. 2000安定ヨウ素剤による放射性ヨウ素の阻害ゼリー剤(16. 3mg) 丸剤(50mg)ヨウ化カリウム製剤 対象者ゼリー剤(16.3mg)1包 生後1か月未満ゼリー剤(16.3mg)2包又はゼリー剤(32.5mg)1包生後1か月以上3歳未満丸剤(50mg)1丸 3歳以上13歳未満丸剤(50mg)2丸 13歳以上服用量 服用のタイミング安定ヨウ素剤の適切な服用量(1回分)服用のタイミングは国又は地方公共団体が指示出典:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(R3.7.21一部改正)原子力規制庁2.7②安定ヨウ素剤の服用 タイミングと服用量30・服用対象者妊婦、授乳婦及び未成年者(乳幼児含む)を優先して服用させる。 40歳以上の者は、妊婦及び授乳婦を除き服用の必要性は低く、高齢者については服用の必要がないことが医学的に明らかである。 ・服用回数原則として1回。ただし複数回服用の可能性もある。 複数回の服用をしなくてよいよう避難等の防護措置を講ずることが前提。 ・副作用副作用が生じる可能性は極めて低い。副作用のリスクよりも、服用しないことによる甲状腺の内部被ばくのリスクの方が大きい。 安定ヨウ素剤の効果は放射性ヨウ素による内部被ばくの予防又は低減のみであり、放射性物質に対する万能の治療薬ではない。 2.7③安定ヨウ素剤の服用 留意事項出典:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(R3.7.21一部改正)原子力規制庁2.8 防護措置④原子力災害医療概 要 防護措置汚染や被ばくの可能性のある傷病者に対して、あらかじめ整備した医療体制に基づいて、初期対応段階における医療処置等を円滑に行うものである。 ④原子力災害医療312.8①原子力災害医療の実施体制出典 原子力規制委員会「原子力災害対策指針が定める原子力災害医療の実施体制」改編 322.9 防護措置⑤避難退域時検査及び簡易除染概 要 防護措置避難退域時検査は、放射性物質の放出後に避難又は一時移転を指示された住民等を対象に汚染程度を把握するために実施するものである。また、基準値を超えた場合は、簡易除染を行う。 ⑤避難退域時検査及び簡易除染332.9①避難退域時検査及び簡易除染避難や一時移転の防護措置の対象となった住民等に対しては、放射性物質による表面汚染の程度を確認する検査を実施し、OIL4の基準値を超える場合には簡易除染等の必要な措置を講じる34 出典:「原子力災害時における避難退域時検査及び簡易除染マニュアル 内閣府(原子力防災担当)、原子力規制庁(令和4年9月28日)」より引用・作成汚染とは、放射性物質が付着したり体内に入ったりしている状態。 除染とは、人体及び物品等に付着した放射性物質の汚染を除去すること。 → 外部被ばくの低減、内部被ばくリスクの低減→ 汚染拡大の防止汚染している衣類は汚染物として管理着替えは大事な除染2.9②放射性物質の除染3536・可能な限り濡れたガーゼ等によるふき取りで実施。 ・除染の方向は一定方向(汚染の低い方から高い方)に行う。 ・開口部に入らないように行う。 ・汚染箇所が複数の場合は、汚染レベルが高い箇所を優先する。 ・可能なら時間を置かずに除染する。 ・ふき取りに使用したガーゼ、ウエットティッシュ等は、すべてビニール袋等に入れて保管する。 皮膚の除染 髪の除染目などに入らないように除染方法除染は毛先に向かって水をしみこませたガーゼまたは、ウエットテイッシュ2.9③体表面汚染の簡易除染除染は高い方に向かって2.10 防護措置⑥甲状腺被ばく線量モニタリング概 要 防護措置甲状腺被ばく線量モニタリングは、放射性ヨウ素の吸入による甲状腺への集積の程度を定量的に把握し、被ばく線量を推定するために実施される。 ⑥甲状腺被ばく線量モニタリング3738放射性ヨウ素の吸入による甲状腺への集積の程度を定量的に把握し、被ばく線量を推定するために、避難や一時移転の対象となった住民等を対象に実施する。 対象者は、OIL1及びOIL2に基づく防護措置として避難や一時移転の対象となった住民等であって、19歳未満の者、妊婦及び授乳婦を基本とする。 2.10①甲状腺被ばく線量モニタリング頸部における簡易測定簡易測定詳細測定スクリーニングレベル超2.11 防護措置⑦飲食物の摂取制限概 要 防護措置飲食物中の放射性核種濃度の測定を行い、一定以上の濃度が確認された場合に、その飲食物の摂取を回避することで、経口摂取による内部被ばくの低減を図るものである。 ⑦飲食物の摂取制限3940内部被ばくの低減のため、空間線量率が飲食物に係るスクリーニング基準の値を超えた地域を特定し、採取試料の測定値がOIL6を超える飲食物は摂取制限を実施する。 空間線量率がOIL2を超えた地域では、一時移転の措置とともに、当該地域の地域生産物の摂取制限を行う。 2.11①飲食物の摂取制限ゲルマニウム半導体検出器による野菜試料の測定出典 独立行政法人 農業環境技術研究所2.12 防護措置⑧緊急事態応急対策に従事する者の防護措置概 要 防護措置原子力災害対策重点区域の屋外等の被ばくの可能性がある環境下で緊急事態応急対策に従事する者は、事態の進展に応じて出される指示に従って、防護装備を携行・装着し、安定ヨウ素剤を服用するとともに、放射線防護に係る指標を踏まえ行動する。 ⑧緊急事態応急対策に従事する者の防護措置41422.12①緊急事態応急対策に従事する者の防護措置等価線量 実効線量眼の水晶体:5年間100mSvかつ1年間で50mSv(*2)皮膚:1年間で500mSv5年間で100mSvかつ1年間で50mSv男性・妊娠する可能性がないと診断された女性3ヶ月で5mSv 女性(*1)上記に加え腹部表面2mSv 内部被ばく 1mSv 妊娠中の女性(参考)放射線業務従事者の被ばく限度指標の設定に当たっては、放射線業務従事者の平時における被ばく限度を参考とすることを基本とし、人命救助等緊急やむを得ない活動に従事する場合に限り、緊急作業時の限度を参考とする等価線量 実効線量眼の水晶体:300mSv皮膚:1Sv100mSv 男性・妊娠する可能性がないと診断された女性緊急作業時平時*1 妊娠する可能性がないと診断された女子及び妊娠と診断された時から出産までの間(「妊娠中」)の女子を除く。 *2 ICRP勧告「組織反応に関する声明」を踏襲し、2021年4月1日より電離放射線障害防止規則等が改正施行された。 放射線防護に係る指標出典:原子力災害対策指針(令和4年7月6日 原子力規制委員会)より引用し作成432.12②緊急事態応急対策に従事する者の防護措置被ばくの可能性がある環境下で緊急事態応急対策に従事する者は、事態の進展に応じ防護装備を携行・装着し、安定ヨウ素剤を服用するとともに、当該者が属する組織等の判断に従って行動することを基本とする。 防護装備等の整備出典:原子力災害対策指針(令和4年7月6日 原子力規制委員会)より引用し作成防護措置例個人線量計(防護服の内側)安定ヨウ素剤(必要に応じ服用)2.13 防護措置⑨各種防護措置の解除概 要 防護措置当該措置が設定された際の基準、又は解除する際の状況を踏まえて策定された新たな基準を下回ることを基本的な条件として、各種の防護措置は解除される。 ⑨各種防護措置の解除442.14①緊急時における意思決定の流れ【警戒事態:AL1】【環境状態】警戒事態を判断する事象が発生 UPZPAZ原子力発電所避難所福祉避難所病院等【自治体等の動き】• 連絡体制の確立の必要な体制• 原子力規制委員会による緊急時モニタリングセンターの立ち上げ準備への協力• 緊急時モニタリングの立ち上げ準備緊急時モニタリングの立ち上げ準備警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例市町村役場放射線防護対策施設45【環境状態】原子力施設において重要な故障等が発生したが、公衆への放射線による影響のおそれがない状態UPZ警戒事態発生の住民広報PAZ原子力発電所避難所福祉避難所病院等【自治体等の動き】• 住民広報、情報収集等• SE要避難者の避難準備SE要避難者避難準備緊急時モニタリングの準備警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例警戒事態発生の住民広報市町村役場放射線防護対策施設2.14②緊急時における意思決定の流れ【警戒事態:AL2】462.14③緊急時における意思決定の流れ【施設敷地緊急事態】【環境状態】放射線による影響はないが、避難等の防護措置の準備を行う状態【自治体等の動き】• 住民広報、情報収集等• 初期モニタリング• SE要避難者の避難開始• PAZ住民の避難準備• UPZ住民の屋内退避準備UPZ施設敷地緊急事態発生の住民広報PAZ市町村役場避難所福祉避難所病院等SE要避難者避難開始初期モニタリングの開始原子力発電所警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例施設敷地緊急事態発生の住民広報放射線防護対策施設472.14④緊急時における意思決定の流れ【全面緊急事態:放射性物質放出前】【環境状態】放射線による影響をもたらす可能性が高い状態【自治体等の動き】• 住民広報、情報収集等• 初期モニタリングの継続• PAZ住民避難の開始• UPZ住民は屋内退避UPZ全面緊急事態発生及びPAZ住民避難の広報PAZ市町村役場避難所福祉避難所病院等初期モニタリングの継続UPZ住民屋内退避原子力発電所PAZ住民避難開始警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例全面緊急事態発生及びPAZ住民避難の広報放射線防護対策施設482.14⑤緊急時における意思決定の流れ【全面緊急事態:放射性物質放出時】【環境状態】プルームの通過により、空間線量率の上昇等が観測された状態【自治体等の動き】• 緊急時モニタリングにより防護措置の対象地域を判断• UPZ住民は屋内退避を継続UPZ防護措置(屋内退避継続)の広報PAZ市町村役場避難所福祉避難所病院等原子力発電所警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例UPZ住民屋内退避継続492.14⑥緊急時における意思決定の流れ【全面緊急事態:放射性物質放出後】【環境状態】プルームが通過し、地表面に放射性物質が沈着した状態【自治体等の動き】• 緊急時モニタリングにより防護措置の対象地域を判断OIL1:避難を実施OIL2:一時移転を実施OIL6:飲食物摂取制限を実施UPZ防護措置(一時移転)の広報PAZ市町村役場避難所福祉避難所病院等UPZ内一時移転・地域生産物摂取制限の実施OIL4:40000cpm超過で簡易除染警戒事態全面緊急事態(放射性物質放出前)施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出後)放出時実用発電用原子炉の例安定ヨウ素剤の配布・服用飲食物のスクリーニング基準:0.5μSv/h超過で区域を特定し、OIL6に基づく飲食物摂取制限OIL2:20μSv/h超過で一時移転原子力発電所502.14⑦緊急時活動体制原災法第10条通報 原災法第15条報告 警戒事態の連絡情報収集事態の連絡情報収集事態警戒体制警戒事態災害警戒本部〔副知事〕施設敷地緊急事態災害対策本部〔知事〕全面緊急事態通常体制緊急時モニタリングセンター(EMC)敷地外への放射性物質放出EAL(AL) EAL(SE)警戒体制 原子力防災体制 トラブル対応原子力災害対策本部〔内閣総理大臣〕原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同現地警戒本部原子力規制事務所副所長又は原子力防災専門官原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同現地対策本部内閣府副大臣又は大臣政務官等内閣府大臣官房審議官原子力災害現地対策本部内閣府副大臣又は大臣政務官等内閣府大臣官房審議官原子力規制委員会・内閣府合同情報連絡室原子力規制庁長官・内閣府政策統括官が指定する職員原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同対策本部原子力防災担当大臣原子力規制委員会委員長原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同警戒本部原子力規制委員会委員長原子力規制庁次長内閣府政策統括官 等原子力規制委員会・内閣府原子力事故合同現地情報連絡室中央現地事業者国道府県EAL(GE)例) 所在市町において、震度5弱・5強の地震発生例) 外部電源喪失が3時間以上継続 等例) 30分間以上の全交流電源喪失 等例) 1時間以上の全交流電源喪失 等避難 OIL1 (500μSv/h)一時移転地域生産物の摂取制限OIL2 (20μSv/h)• PAZ要配慮者の避難準備• UPZ内一時滞在者への帰宅呼びかけ• UPZ内の学校等の児童・生徒等の帰宅等• PAZ要配慮者の避難実施• PAZ避難準備• UPZ屋内退避準備• PAZ避難実施• UPZ屋内退避実施緊急時モニタリング結果を踏まえ、防護措置を実施飲食物のスクリーニング・摂取制限OIL60.5μSv/h飲料水 放射性ヨウ素300Bq/kg など51 ※記載は一例であり、道府県及び事業者の対応体制は各組織によって異なる。 3.放射線測定52放射線防護のためには、放射線を正しく測定する必要がある。 測定対象は、 「表面汚染」、「空間線量率」、「個人被ばく線量」であり、それぞれに対応した放射線測定器を用いる。。 《測定対象》 《測定線種》 《用いる放射線測定器 ※》空間線量率この場所にいたら、どのくらい外部被ばくするか?個人被ばく線量実際に被ばくした線量はどれくらいか?γ線 電離箱式サーベイメータNaIシンチレーション式サーベイメータ中性子用線量当量率サーベイメータ【外部被ばく】電子式個人線量計表面汚染放射性物質による汚染はあるか?β線用放射性表面汚染サーベイメータ※線種に応じた放射線測定器は代表的なものです。 【内部被ばく】ホールボディカウンターα線用放射性表面汚染サーベイメータ中性子線γ線中性子線γ線(核種を確定)β線(γ線)α線μSv/hmSv/hμSvmSvcpm《単位》3.1放射線測定器の種類53《測定対象》 《測定線種》 《用いる放射線測定器 ※》表面汚染放射性物質による汚染はあるか?β線(γ線)α線β線用放射性表面汚染サーベイメータα線用放射性表面汚染サーベイメータ※線種に応じた放射線測定器は代表的なものです。 放射性物質による汚染(表面)の測定は、GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータなどを使用する。 β線用放射性表面汚染サーベイメータ(GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータ)α線用放射性表面汚染サーベイメータ(ZnSシンチレーション式サーベイメータ)3.2①放射性物質の汚染を見つける放射線測定器の種類54放射性物質(汚染)の測定GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータ(TGS-146型)cpmの値に換算係数を掛けるとBq値を算出することができます。 55放射性物質の濃度、密度の測定に使用される放射性表面汚染サーベイメータの測定結果は、cpm(count per minute )で表示され、1分間に計測した放射線の数を示している。 3.2②表面汚染用の放射線測定器測定対象の表面汚染をGM計数管式放射性表面汚染サーベイメータなどを使用し、β線を測定する。 単位はcpm(min-1)。 ①表面汚染(人や物の表面に付着した放射性物質の測定)56 身体表面汚染検査 物品表面汚染検査数cm表面に付着している放射性物質をβ線用放射性表面汚染サーベイメータ(GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータ等)で測定し、カウント数(cpm)を求める。 汚染を探す場合は、検出器部分を測定面から数cm離し、1秒間に10cmの速さで動かす。 3.2③放射性汚染の測定 表面汚染57②空気中濃度(空気中の放射性物質の測定)直接、空気中の放射性物質濃度を測定することはできないため、集塵機(ダストサンプラ)を用い、空気を吸入して空気中の粉じんをフィルターで集める。 その後、フィルターに集めた放射性物質を放射線測定器で測定するとともに、集塵機の空気吸入量を確認し、計算で空気中の放射性物質の濃度を求める。 空気中の放射性物質濃度は、Bq/m3で表す。 3.2④放射性汚染の測定 空気中濃度ダストサンプラフィルター(ろ紙)《測定対象》 《測定線種》 《用いる放射線測定器 ※》空間線量率この場所にいたら、どのくらい外部被ばくするか?γ線中性子線電離箱式サーベイメータNaⅠシンチレーション式サーベイメータ中性子用線量当量率サーベイメータ※線種に応じた放射線測定器は代表的なものです。 空間線量率(環境中の放射線)の測定は、電離箱、NaⅠシンチレーション式サーベイメータなどを使用電離箱式サーベイメータNaIシンチレーション式サーベイメータ中性子用線量当量率サーベイメータ3.3①空間線量率を測定する放射線測定器の種類58その場所の空間線量率をNaIシンチレーション式サーベイメータや電離箱式サーベイメータを使用し、地上から1mの高さでγ線を測定する。単位はμSv/h等。 測定値10μSv/hとするとここは空間線量率が10μSv/hだから、1時間ずっといると10μSvの被ばくになるということかNaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)3.3②空間線量率の測定環境中の放射線の測定5960電子式個人線量計個人被ばく線量実際に被ばくした線量はどれくらいか?γ線中性子線【外部被ばく】電子式個人線量計γ線(核種を確定)【内部被ばく】ホールボディカウンター「どれぐらい被ばくしたか」の測定は、個人線量計などを使用する。 警報機能付電子式個人線量計 ホールボディカウンター(例)3.4個人の被ばく線量測定器参考61①体内に取り込まれた放射性物質は、化学的特性により、特定の臓器に集まる。 ・ヨウ素 甲状腺・セシウム 全身に分布するが、特に筋肉・ストロンチウム 骨②放射性物質は体内にいつまでも残らない。 ・放射性物質の壊変に伴って減少する。(物理学的半減期)・尿や便等により、体外に排泄される。(生物学的半減期)実効半減期 生物学的半減期 物理学的半減期 放射性物質7.6日 138日 8日 ヨウ素13170日 70日 30年 セシウム13718年 49年 29年 ストロンチウム90半減期の出典:原子物理学III(東京図書株式会社)〈物理学選書〉【参考】体に取り込んだ放射性物質はどうなるか?6263原子力施設等において事故が発生した場合の消防機関職員の被ばく線量限度※ 【根拠】一定の消防活動効果を得ながら、消防隊員の被ばく線量を最小限にとどめることを考慮。 ※※人命救助等の緊急時活動とは、人命救助、放置すれば事態の急激な悪化をもたらし、消防機関が介入すれば相当な効果を期待できる消火活動等をいう。 個人警報線量計警報設定値 被ばく線量限度10mSv未満で設定 10mSv※ 通常の消防活動30mSv~50mSvの範囲で設定 100mSv人命救助等の緊急時活動 ※※左記の条件を確実に満たすよう設定する。 決められた5年間の総量が100mSv(ただし、任意の1年間に50mSvを超えるべきでない。)繰り返し活動を行う場合出典: 消防活動マニュアル http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h25/gijutsu_koudoka/file/houkokusyo3.pdf【参考】消防活動対策マニュアル64・除染の必要の有無を知りたい場合→カウント数で判断現行基準:事故直後40,000cpm超過事故1ヶ月後13,000cpm超過・汚染の程度(汚染密度)まで知りたい場合→換算係数でBq/cm2まで算出測定値×換算係数(Bq・cm-2/cpm)=1cm2当たりの放射性物質の量例)13,000cpm×0.0034Bq・cm-2 /cpm=44.2Bq/cm2【参考】汚染の判断について換算係数は校正証明書等に記載(右図)64令和7年2月原子力防災基礎研修実習放射線測定器等の取扱い実習本研修は、原子力防災に初めて接する方を対象に実施するため、実習の内容は、放射線の性質や放射線防護の基礎的事項を確認できる内容とする。そのため、実習の内容は、次のとおりとする。項 目 内 容実習1-1個人線量計の取扱い1.2個人線量計の取扱い(1ページ)・目的・装着・電子式個人線量計の使用方法実習1-2安定ヨウ素剤・安定ヨウ素剤の提示および簡単な説明実習1-3防護服等の着脱2.防護服等の着脱(28ページ)・目的・装備品等・使用前の点検・注意事項等・防護服等の着用手順・防護服等の脱衣手順・半面マスクの着脱実習2空間線量率の測定γ線の性質1.3空間線量率測定用サーベイメータの取扱い(4ページ)・目的・NaIシンチレーション式サーベイメータの使用方法・空間線量率の距離による減衰の確認・γ線に対する遮へい材による減衰の確認1.5電離箱式サーベイメータの使用方法(26ページ)実習3自然の放射性物質β線の性質α線の性質1.4表面汚染測定用サーベイメータの取扱い(14ページ)・目的・GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータの使用方法・身の回りの放射線測定・β線に対する遮へい効果の確認・ZnSシンチレーション式サーベイメータの使用方法・α線に対する遮へい効果の確認実習4-1放射性物質の汚染検査3.1汚染検査(43ページ)・目的・使用器材等・測定方法・汚染検査実習実習4-2簡易除染3.2放射性物質の簡易除染(46ページ)・目的・除染・除染に必要な資機材・除染の方法・簡易除染実習なお、緊急時モニタリング等の専門的な放射線測定等に関しては他の研修を受講する必要がある。目 次1. 放射線測定器の取扱い ------------------------------11.1はじめに --------------------------------------------11.2個人線量計の取扱い -------------------------------------11.2.1 目的1.2.2 装着1.2.3 電子式個人線量計の使用方法1.3空間線量率測定用サーベイメータの取扱い--------------------41.3.1 目的1.3.2 NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)の使用方法参考 時定数1.3.3 空間線量率の距離による減衰の確認1.3.4 γ線に対する遮へい材による減衰の確認1.3.5 参考:甲状腺に沈着した放射性ヨウ素の測定1.4表面汚染測定用サーベイメータの取扱い ---------------141.4.1 目的1.4.2 GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータ(TGS-146型)の使用方法1.4.3 身の回りの放射線測定1.4.4 β線に対する遮へい効果の確認1.4.5 ZnSシンチレーション式サーベイメータ(TCS-362型)の使用方法1.4.6 α線に対する遮へい効果の確認1.5電離箱式サーベイメータ(ICS-323型)の使用方法 --------262. 防護服等の着脱 ------------------------------------282.1目的 -------------------------------------------282.2防護服等の着脱 ------------------------------------282.2.1 装備品等2.2.2 使用前の点検・注意事項等2.2.3 防護服等の着用手順2.2.4 防護服等の脱衣手順2.2.5 半面マスクの着脱3. 汚染検査と除染 ------------------------------------433.1汚染検査 -------------------------------------------433.1.1 目的3.1.2 使用器材等3.1.3 測定方法3.1.4 汚染検査実習参考 原子力災害時における避難退域時検査及び簡易除染3.2放射性物質の簡易除染 -----------------------------463.2.1 目的3.2.2 除染3.2.3 除染に必要な資機材3.2.4 除染の方法3.2.5 簡易除染実習参考 接頭辞 ------------------------------------4911.放射線測定器の取扱い1.1 はじめに放射線測定器の取扱いを学びながら、放射線の特性及び特質について、学習します。この実習では、個人の外部被ばく線量を測定する個人線量計、線量率測定用のサーベイメータと放射性表面汚染測定用のサーベイメータの取扱い実習を行います。1.2 個人線量計の取扱い1.2.1 目的防災活動を行うときは、個人の被ばく線量を管理するために個人線量計を装着し、活動終了時に被ばく線量を確認する必要があります。個人線量計には、電子式個人線量計、警報機能付き電子式個人線量計、熱ルミネセンス線量計(TLD)等があります。様々な個人線量計がありますが、ここでは現場において随時読み取りができる電子式個人線量計(PDM-112型)の取扱いの実習を行います。1.2.2 装着電子式個人線量計は、検出部を外側(デジタル表示部分を体)に向け、男性は胸に、女性は腹部に装着します。防護服は、この上にそのまま装着し、電子式個人線量計は、防護服の中になります。図1-1 電子式個人線量計の装着電子式個人線量計は、防護服の内側に装着する。防塵マスク防護服内:布手袋外:ゴム手袋靴カバー21.2.3 電子式個人線量計(PDM-112型)の使用方法⑴ 各部のはたらき① 電源スイッチ・電源スイッチを指先で約3秒間強く押すと、液晶表示器に「8888」と表示され、オーバーフローマークとバッテリーダウンマークの矢印が同時に点灯し、矢印が消えて、「0000」と表示され測定が始まる。なお、「8888」の表示の後「0000」にならない場合(前回の線量値が残っている場合は「0000」にならない。)は、そのまま10秒間押し続けると「0CLR」(ゼロ・クリア)となって「0000」の表示になる。・電源をOFFにするときは、電源スイッチを約3秒間押すと液晶表示器の表示が消える。② 液晶表示部と測定範囲・積算線量を表示する。積算線量が「9999」μSvを超えると左上にオーバーフローマーク( )が点灯する。・測定範囲: 1~9999μSv③ 検出器・検出器は検出器位置に内蔵されている。図1-2 電子式個人線量計(PDM-112型)3⑵ 使用方法① 電源スイッチを「ON」にする。⑴の①のテスト表示及び動作に異常のないことを確認する。② 電源スイッチをONにした時刻を記録する。③ 液晶表示側を身体に向けて、男性は胸部に、女性は腹部に装着する。④ 作業が終了したら、時刻と指示値を読取り記録する。⑤ 電源スイッチを「OFF」にする。⑶ 注意事項① 精密機器なので、衝撃を与えたり、落下させないように注意すること。② 液晶表示器の左下にバッテリーダウンマーク( )が点灯したときは、電池を交換すること。 ③ 電子式個人線量計によっては、携帯電話、スマートフォン等の使用による電波の影響を受けて積算値が増えるので、同じポケットに入れないことなど注意すること。④ 警報音や振動付きの電子式個人線量計については、音や振動を確認しておく。⑤ 性能確認のため、1回/年をめやすに、点検校正を実施するのが好ましい。41.3 空間線量率測定用サーベイメータの取扱い1.3.1 目的空間中の放射線の線量率の測定には、一般にシンチレーション式サーベイメータ(低線量率用)、電離箱式サーベイメータ(高線量率用)が使われています。様々な空間線量率測定用の線量計がありますが、ここではガンマ線測定用のNaIシンチレーション式サーベイメータの取扱いの実習を行います。1.3.2 NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)の使用方法⑴ 各部名称図1-3 NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)⑵ 操作方法① 電源スイッチ・電源スイッチを約2秒間押すと、液晶表示器の表示が下記のようになり、自動的に電源チェック等が行われ、問題がなければ測定状態となる。□ALOKA□TCS-172□□ :型 名↓□04/03/01□13:30□ :時 刻↓□□□□□□BATT.=■■■■ :電池残量↓□□□□□□□HV□=□OK□□:HV(高電圧)状態↓□□3□□□0.06μSv/h□ :測定状態↑ ↑時定数 線量率値測定レンジ切り替えスイッチ5なお、エラー表示については、以下のとおりである。・電池残量表示電池残量表示が BATT.=■□□□ で点滅している場合、バッテリーダウン予告表示なので電池を早めに交換する。なお、測定中に液晶表示器の左に“B”が点灯した場合も同様である。・HV状態表示□□□□□□HV□=ERROR は、HV出力異常のため、正しい計測ができないので、調整をメーカー等に依頼する。② 測定・線量率測定レンジのスイッチ「▲」(UP)及びスイッチ「▼」(DOWN)により、指針が中央付近にくるようなレンジ(0.3から30 μSv/h)を選択する。・測定中に放射線の計測数を“音”で確認したいときは、モニタ音スイッチ「 」を押す。③ 時定数(TIME CONST.)の選択・「TIME CONST.」スイッチは、「3」、「10」、「30」secと3段階に分かれている。・線量率が小さいときは「30」又は「10」、大きいときは「3」又は「10」を選択する。バックグラウンドを測定する場合は「30」secを選択するのが好ましい。④ メータの読み方 (数字の赤:選んだレンジの数字が点灯する)★針による読み取り・目盛は、上部目盛では「0」から「3」まで、下部目盛では「0」から「10」までとなっている。単位切替えスイッチにより、μSv/hを選択する。・測定値は、レンジが「0.3」、「3」、「30」のときは上部目盛で読み、レンジが「0.3」のときは読取り値を1/10に、レンジが「3」のときは読取り値のまま、レンジが「30」のときは読取り値を10倍する。・測定値は、レンジが「1」、「10」のときは下部目盛で読み、レンジが「1」のときは読取り値を1/10に、レンジが「10」のときは読取り値のままにする。・指示値は、選択した時定数の3倍の時間が経過してから、指針の振れ幅の中央付近の値をメータの真上から読み取る。6★デジタル表示による読み取り・デジタル表示を読む場合は、5回測定し平均を求める。2回目の測定からは、時定数ごとの間隔で読み取る。⑤ 測定終了・電源スイッチを約2秒間押し「OFF」にする。⑥ 注意事項・使用前に必ず作動させ、正常であるかを確認すること。・精密機器なので、衝撃を与えたり、落下させないように注意すること。・雨天時や汚染レベルの高い区域で測定するときは、サーベイメータをポリエチレン袋等で覆い、濡れたり汚染したりしないようにすること。・性能確認のため、1回/年をめやすに、点検校正を実施するのが好ましい。・長期間使用しないときは、電池をすべて取り出して乾燥した場所に保管すること。測定レンジが1、10の時 測定レンジが0.3、3、30の時7参考 時定数:ある物理量が、初期値から最終値までの変化量のうち一定の値(通常は、63%)にまで変化するのに要する時間。図1-4 時定数と真の値に近づくまでの時間時定数が短い場合は、反応が速いが指示値の振れ幅が大きい。逆に時定数が長い場合は、反応は遅いが、振れ幅は小さい。63%95%81.3.3 空間線量率の距離による減衰の確認⑴ 目的放射性物質から放出されるγ線が、距離の逆二乗によって減衰することを確認します。⑵ 使用資機材① NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)② γ線源(133Ba;バリウム133)③ 線源支持台④ 検出器支持台⑤ ものさし⑶ 測定① 線源のない状態でバックグラウンド(μSv/h)を測定し、データシートⅠに記入する。② 線源支持台、検出器支持台に検出器をセットする。③ 線源支持台の中心の穴に線源を置く(講師、アドバイザー)。④ 線源からそれぞれ5cm、10cm、15cm、20cmの点の線量率を測定した値をデータシートⅠに記入する。※ 測定時には線源を動かさずに測定器の検出部分を動かす。※ 距離は次ページに示すように線源中心から検出の中心線(検出器先端から20mmの位置にある線)に合わせる。※ サーベイメータの設定レンジ:メータの針が振り切れない最大のレンジ(針が中央にくるように合わせる)時定数:レンジが30、10μSv/hのとき3秒レンジが3、1μSv/hのとき10秒レンジが0.3μSv/hのとき30秒測定間隔:時定数の3倍の時間※ 測定値が高いと予想される場合、または、わからない場合は、レンジを一番高く(30μSv/h)して置き、順番に下げていきレンジを合わせる。距離が2倍になると線量率は1/4、3倍になると1/9になることを確認する。9データシートⅠ 空間線量率の距離による減衰の確認測定年月日: 令和 年 月 日 ( )測定者氏名:測定器型式:測定器番号:線 源:133Ba(番号: )バックグラウンド(BG): μSv/h図1-5 空間線量率の測定位置および測定方法距離(cm)測定値(μSv/h)正味値(μSv/h)(測定値-BG)5101520605 10 15 20cmμSv/h5 4 3正味値をグラフに書き、線で結び、距離が2倍になると線量率は1/4、3倍になると1/9、4倍になると1/16になることを確認する。21101.3.4 γ線に対する遮へい材による減衰の確認⑴ 目的材質(物質の密度)の違いによってγ線に対する遮へい効果(透過率)が異なることを確認します。⑵ 使用資機材① NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-172型)② γ線源(133Ba)③ 線源支持台④ 検出器支持台⑤ 遮へい材(アクリル板、鉄板、鉛板(各厚さ1㎝))測定方法⑶ 測定方法① 線源のない状態でバックグラウンド(μSv/h)を測定し、データシートⅡに記入する。なお、今回のバックグラウンドはデータシートⅠで測定した値を使用する。② 線源支持台をセットする。 ③ サーベイメータの検出器を検出器支持台にセットする。④ 線源(中心)の高さと検出器(中心)の高さが同じであることを確認する。⑤ 検出器の中心線と線源位置との距離を約10cmになるように線源と検出器を配置する。⑥ なお、検出器と線源の距離は全ての測定が終了するまで変えないこと。⑦ 線源を線源台にセットする(講師、アドバイザー)。⑧ 遮へい材を置かない状態で線量率(μSv/h)を測定してデータシートⅡに記入する。⑨ 検出器と線源との間(線源の近く)に各種遮へい材を順次置き、それぞれの場合の線量率(μSv/h)を測定してデータシートⅡに記入する。線量率の測定結果から、密度の大きい遮へい材の方が遮へい効果は大きいことを確認する。11データシートⅡ γ線に対する遮へい効果の確認測定年月日 : 令和 年 月 日 ( )測定者氏名 :測定器型式 :測定器番号 :線源 :133Ba(番号: )バックグラウンド(BG): μSv/h単位:μSv/h材質(厚さ1cm) 測定値 正味値(測定値―BG) 遮へい率 遮へい材密度(g/cm3)遮へい材なしア ─ ─タイベックイ 1-イ/アアクリル板ウ 1-ウ/ア 1.2コンクリートエ 1-エ/ア 2.3鉄板オ 1-オ/ア 7.9鉛板カ 1-カ/ア 11.3図1-6 γ線に対する遮へい効果の測定方法線量率の測定結果から、密度の大きい遮へい材の方が遮へい効果は大きいことを確認する。121.3.5 参考:甲状腺に沈着した放射性ヨウ素の測定甲状腺被ばく線量モニタリング実施マニュアルが令和5年5月31日制定された(内閣府(原子力防災担当)及び原子力規制庁)。以下に甲状腺被ばく線量モニタリングの実施概要を示します。⑴ 甲状腺被ばく線量モニタリングの実施概要甲状腺は頸部にあって、男性では喉仏の下、女性では頸の中央にあります。 そのため、着替え用衣類はあらかじめ用意しておく。着替えの際は、衣服や身体への放射性物質の拡大を防止する必要があるため、簡易除染の要員は住民等に以下の説明と指導を行う。汚染の拡大を防ぐため手袋とサージカルマスクを着用すること。汚染されている衣服の表を中に巻き込むよう脱衣すること。脱衣の際に皮膚に汚染物が触れる場合は、皮膚を手袋やテープ等で覆ってから脱衣すること。48②ふき取り頭髪や皮膚がOIL4を超える場合は、原則として住民等本人がウェットティッシュ等を用いてふき取りを行う。簡易除染の要員は住民等に以下の説明と指導を行う。なお、自分でふき取りが行えない住民等には、簡易除染の要員が手伝う。汚染の拡大を防ぐため手袋とサージカルマスクを着用すること。OIL4を超える箇所を中心とし、周囲から中心に向かって一方向にウェットティッシュ等でふき取ること。1枚のウェットティッシュ等で何度も繰り返してふき取らないようにすること。1度ふき取りに使ったウェットティッシュ等は、そのまま所定の容器等へ廃棄すること。アルコールにアレルギーのある住民等を除染する場合は、水で濡らしたウエス等を使うこと。①は着替えを行った後に確認検査を行う。②は、1回の簡易除染によってもOIL4を超える場合は、2回目の簡易除染を行い、それ以上は除染を行わず、除染後の確認検査を行う。補足※ 簡易除染に伴い発生した汚染物等の処理については、立地道府県等があらかじめ国及び原子力事業者との協議の上、決めておく。※ 汚染物等は、他のゴミと一緒にならないよう、人があまり近づかないところで保管する493.2.5 簡易除染実習⑴ 目的汚染拡大防止を図る除染法を身に着ける。⑵ 使用器材等① ウェットティッシュ② マジック③ ビニール袋⑶ 除染① 汚染に見たて、マジックで利き手と反対の手の甲にマークを付ける。② 最初に、ウェットティッシュでふき取ります。③ 除染は、汚染拡大しないように、周囲から汚染の中心に向かい一方通行で行います。また、ふき取る面は1回の使用とします。皮膚が傷つかないように無理にこすらない。④ 使用したウェットティッシュはビニール袋等に入れ保管します。汚染範囲を広げないように除染を行い、除染に使用したウェットティッシュ等に放射性物質が移動しているので、きちんと管理する。図3-6 簡易除染方法50[参考]接頭辞:読みやすくするために、単位の前に接頭辞をつけて表します。 原子力防災基礎研修指導要領講義1イントロダクション原子力災害の特殊性令和7年2月1. 原子力災害とは① 指導のポイント・原子力災害とは、放射性物質又は放射線が異常な水準で原子力事業所外へ放出された事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害であることを説明する。・原子力施設の種類により事故時の放射線、放射性物質の放出形態が異なることを説明する。・原子力施設事故だけの場合と自然災害との複合災害があることを説明する。② 留意点専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安3分程度2. 原子力災害の特殊性① 指導のポイント・原子力災害では、放射性物質及び放射線の原子力施設からの放出という特有の事象が生じることにより、地震や風水害などの自然災害と異なる特殊性があることを説明する。・原子力災害には、放射線についての基礎的な知識と理解が必要であることを説明する。② 留意点専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。原子力災害は五感で感じられない等の特殊性を理解してもらう。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安5分程度3. 原子力防災基礎研修の目的① 指導のポイント・原子力施設において重大事故が発生した場合、原子力防災活動を実施するために必要な放射線に関する知識及び技術を習得することを目的とすることを説明する。② 留意点学習目的を理解してもらう。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安2分程度4. 参考① 留意点各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。② 講義時間目安時間が許す限り。講義時間がなければ割愛可。原子力防災基礎研修指導要領講義2放射線と放射能の基礎知識令和7年2月1. 身の回りの放射線① 指導のポイント・日常から自然放射線や人工放射線を受けており、自然放射線、人口放射線にはそれぞれどのようなものがあるかを説明する。・世界と日本の日常生活における被ばく線量の比較を説明する。・大地や食品には体内にも放射性物質が存在することを説明する。② 留意点専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。我々は日常から放射線により被ばくしていることを理解してもらう。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安15分程度2. 放射線と放射能① 指導のポイント・放射線と放射線の違いを説明する。・原子と原子核を説明する。原子核には安定した原子核と不安定な原子核があり、不安定な原子核が放射性であることを説明する。・放射線と放射線を出す放射性物質の違い、放射線の種類を説明し、放射線の種類によって透過力に違いがあり、遮蔽できる物質も異なることを説明する。・放射性物質には半減期があり、種類や質量数によって半減期が異なることを説明する。・放射線と放射能に関連した基本的な単位として、Bq、Sv、Sv/hの3つの単位があることを説明する。・放射能の単位はBq、放射線の単位はSvであることを説明する。空間放射線量率は1時間あたりの放射線量なので/hとなることを説明する。② 留意点放射線に関する専門用語が多く使われるので、受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安20分程度3. 放射線の人体への影響① 指導のポイント・被ばくの種類には、「外部被ばく」「内部被ばく」があることを説明し、それぞれがどのように被ばくするか、被ばくの経路と被ばくの種類の関連性についても説明する。・放射線による人体への影響は「確定的影響」と「確率的影響」があることを説明する。・確定的影響、確率的影響にはそれぞれどのような障害があるかを説明する。② 留意点放射線に関する専門用語が多く使われるので、受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安20分程度4. 参考① 留意点各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。② 講義時間目安時間が許す限り。講義時間がなければ割愛可。原子力防災基礎研修指導要領講義1被ばく防護の考え方と防護措置令和7年2月1. 被ばくの経路と防護方法① 指導のポイント・原子力災害における被ばくの経路を説明する。・被ばくの種類には、「外部被ばく」「体表面汚染」「内部被ばく」があることを説明し、それぞれがどのように被ばくするか、被ばくの経路と被ばくの種類の関連性についても説明する。・各被ばくの防ぎ方を説明し、被ばくの種類ごとに被ばくの防ぎ方を説明する。② 留意点専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安20分2. 原子力災害での被ばく防護の考え方と防護措置① 指導のポイント・緊急事態のにおける判断基準として、事態の進展により放出前はEAL、放出後はOILの判断に基づく防護措置があることを説明する。緊急時活動レベル(EAL)と運用上の介入レベル(OIL)の概要を説明する。緊急時活動レベルでは、事態の進展にてレベルがALからSE、GEに変化し、どの段階で避難や屋内退避の防護措置が必要かを説明する。・OILの各レベルと防護措置の関係を説明する。・原子力施設の事態の進展により変化する防護措置の内容を説明する。・開催地域の原子力災害対策重点区域の概要を説明する。・9つの防護措置の種類を説明し、それぞれの防護措置の概要を説明する。・緊急時における意思決定の流れとして、施設の事態進展により警戒自体、施設敷地緊急事態、全面緊急事態(放射性物質放出前から放出後)と事態が変わること、防護措置の活動の違いを説明する。② 留意点OILやEAL、AL、SE、GEの略語や正式名称は防護措置を実施するうえで重要であることから、時間をかけて要点を絞って説明する。専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。 各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安40分3. 放射線測定① 指導のポイント・放射線防護のためには、放射線を正しく測定する必要があることを説明する。・測定する放射線の種類により、用いる測定器が違うこと、各放射線の種類と測定器の種類、単位を説明する。・放射性物質の汚染を測定する内容と測定器の関係を説明する。・空間線量率を測定する状況による測定器の関係と測定方法を説明する。・外部被ばく線量の測定を行う測定方法と内部被ばく線量の測定を行う測定方法の違いを説明する。② 留意点放射線の種類によって異なる測定器の種類、汚染の種類によって異なる測定器の種類、個人被ばく線量を測定する測定器の要点を絞って説明する。また、測定器の種類が複数あるのでどのような用途に使用するのかを説明する。専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安25分 令和3年度原子力防災研修(基礎編)Q&A新 潟 県目 次1. 原子力発電のしくみ --------------------------12. 放射能と放射線の基礎 -------------------------53. 放射線の測定 -------------------------------174. 放射線の人体への影響 -----------------------305. 放射線の防護と防護基準 ----------------------416. 安定ヨウ素剤 -------------------------------5611.原子力発電のしくみ-1原子力発電の種類は。また、構造はどうなっているのですか。(答)日本の原子力発電に用いられる炉型は軽水炉が主体になっていて、沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)の2つの型があります。発電の原理は、原子炉で水を加熱して蒸気を作り、その蒸気でタービンを回転させ、タービンに直結した発電機で発電します。蒸気を原子炉で直接作るのがBWRで、蒸気発生器で間接に作るのがPWRです。沸騰水型(BWR)原子力発電の仕組み加圧水型(PWR)原子力発電の仕組み21.原子力発電のしくみ-2BWRはPWRと比較して管理区域が広いといわれますが、その理由は何ですか。(答)BWRでは、蒸気を原子炉で直接作るため、蒸気に放射性物質が含まれており、タービン・発電機室を管理区域に指定する必要があります。一方、PWRでは一次冷却水の熱を利用し、原子炉格納容器内に設置した蒸気発生器で蒸気を作り、原子炉格納容器から引き出して使用するため、蒸気には放射性物質は含まれていません。このため、タービン・発電機室を管理区域に指定する必要がありません。従って、BWRの方がPWRに比較して、管理区域は広くなります。1.原子力発電のしくみ-3原子力発電所のスタック(排気筒)から普段は何が出ているのですか。また、事故時に出るのは希ガスとヨウ素だけなのですか。(答)原子力発電所のスタックからは、管理区域内の空気をフィルタ等を介してスタックから大気中に放出しています。発電用原子炉は原子炉圧力容器と原子炉格納容器で護られており、原子炉事故時には外部から遮断されます。この2重の容器は原子炉の全ての想定された事故にも対応出来るよう設計されているので、固体状、液体状の放射性物質はこの容器内に閉じこめることができます。従って、事故時に放出され被ばくに寄与する可能性があるのは、希ガスとヨウ素の気体状の放射性核種ですが、これも非常用気体廃棄物処理系で除去され、放出量が最低量に抑えられます。 31.原子力発電のしくみ-4原子力発電所で発生する一次冷却水に含まれる放射性ガスの処理はどうなっているのですか。(答)燃料被覆管に微小な破損(例えば、燃料被覆管のピンホール等)があると、核分裂生成物のうち放射性希ガスと放射性ヨウ素が原子炉の一次冷却水系に漏れ、BWRであれば蒸気系へ、PWRであれば体積制御タンク等の接液部から気相系へ移行し、気体廃棄物処理設備で処理された後、排気筒から排出されます。気体廃棄物処理設備は、排ガス減衰設備(PWR)、活性炭希ガスホールドアップ設備(BWR)、フィルタ等より構成され、排気中に含まれる放射性希ガスおよび放射性ヨウ素はこれらの設備で効率よく減衰させた後、HEPAフィルタ(高性能フィルタ)とチャコールフィルタで浄化し、排気筒から大気中に排出されます。排気処理系統の例1.原子力発電のしくみ-5原子力発電所の寿命は、何年ですか。(答)原子力発電所が建設された当時、「30年を経過した際には検査をして10年ずつ延長運転する」と定められましたが、福島第一原子力発電所事故の後に改正された法律によって、運転できる期間は運転開始から40年と規定されました。ただし、原子力規制委員会の認可を受ければ、運転期間を20年を超えない期間で、1回に限り延長できます。41.原子力発電の仕組み-6通常の場合、原子炉の圧力、温度は。(答)原子力発電所では火力発電所と同様に効率よく熱を電気に変えるために、タービンを回す蒸気の圧力を高めています。これを実現するために、熱の発生箇所である原子炉内の水の圧力と温度も高めてあるわけです。温度はBWRとPWRでは若干異なりますが、300℃前後です。他方圧力はBWRの場合は7.1MPa(72kg/cm2)ですが、PWRでは154MPa(157kg/cm2)と非常に高い圧力となっています。これは、PWRの場合、蒸気発生器を通じて熱を伝え間接的に蒸気を発生させるためです。なお、BWRでは原子炉で直接蒸気を発生させる構造であるため、原子炉の温度は蒸気の温度でもあります。1.原子力発電のしくみ-7原子力発電所の種類の選択はどこがやっているのか。また、MWeとは何か。(答)原子力発電のしくみは、日本では、加圧水型原子力発電(PWR)と沸騰水型原子力発電(BWR)があります。PWR を採用している電力会社は、北海道電力、関西電力、四国電力、九州電力です。BWR を採用している会社は、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、中国電力です。また、日本原子力発電では両型式の原子炉を採用しています。 どの型の原子力発電を採用するかは各電力会社が決定します。電気出力を強調したい時はMWe(メガワットエレクトリック)と表わします。この単位は、原子炉内で発生している熱量(熱出力という)を表すMWt(メガワットサーマル)との区別を明確にするためです。1.原子力発電のしくみ-8原子炉中の蒸気量はどのくらいか。(答)福島第一及び第二原子力発電所のような沸騰水型軽水炉(BWR)の場合は原子炉で直接蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを回転させます。柏崎3/4号機の場合の蒸気流量は約6,400トン/時となっています。一方、大飯原子力発電所のような加圧水型軽水炉(PWR)の場合は、原子炉で発生した高温加圧水を蒸気発生器に送り、蒸気発生器を介して蒸気を発生させ、蒸気タービンを回します。大飯3/4号機の場合の蒸気流量は約6,700トン/時となっています。52.放射能と放射線の基礎-1X線とγ線の違いは何ですか(γ線の方がエネルギーとしては高いと認識していますが)。(答)X線もγ線も光やTV、携帯電話に使われている電波と同じ電磁波の仲間で、本質的には違いはありません。しかし、X線とγ線は発生機構の違いによって区別しており、原子核の外側から放出される光より短い波長の電磁波をX線、原子核の内側から放出される電磁波をγ線と呼んでいます。2.放射能と放射線の基礎-2放射能・放射線の単位、Bq・Gy・Svの関係は。(答)放射能と放射線はよく似た言葉ですが、大いに異なります。これらには、それぞれに対応した単位のBq、Gy、Svがあります。Bq(ベクレル)は放射能の単位で、放射性核種が1秒間に壊れる(壊変と言います。)数を表します。Bqは放射線を出す能力を表す単位で、放出される放射線の数を表しているわけではありません。Gy(グレイ)は線量の単位で、放射性核種からでる放射線が物質に当たったときに、物質が放射線のエネルギー(ジュール:J)を吸収した量(吸収線量)を表します。放射線の種類やエネルギーにより、吸収線量(Gy)が、同じでも人体への影響の大きさが変わります。そこで、放射線の種類ごとに影響の大きさの重み付けをし(放射線加重係数)、その線量を等価線量といい、単位はSv(シーベルト)です。また、全身の被ばく線量は実効線量と言い、放射線防護のために考案されたもので、単位はSvです。2.放射能と放射線の基礎-3cpmとmSv/hは同じですか。(答)cpmとは測定した位置でその計測器が毎分いくつの放射線を検知したかを表すものです。 一方、mSv/hは測定した位置での1時間あたりの空間線量です。人に対する実効線量(または等価線量)を評価するため指標になります。cpm (min-1)は同じではありませんし、直接的には関連しません。62.放射能と放射線の基礎-4表面汚染密度と被ばく線量との関係はどうなっているのですか。(答)表面汚染に起因する内部被ばくや外部被ばくによる線量は、汚染密度や汚染核種などだけでなく、空気やその他の物質などを介し、どのようにして人体に取り込まれたかなどいろいろな状況や因子に関係します。そのため、表面汚染による線量評価は非常に複雑であり、専門家に頼る必要があります。2.放射能と放射線の基礎-5人体の汚染密度と被ばく線量との関係はどうなっているのですか。 Bq(ベクレル)からSv(シーベルト)への換算には標準線源は必要ですか。また、標準線源はどこで入手できますか。(答)作業者等が皮膚汚染を受けた場合の被ばく線量を評価する方法を次に示します。2001年4月施行された放射線障害防止法令に準拠した、被ばく線量の測定・評価マニュアル(原子力安全技術センター発行)によれば、皮膚表面の汚染密度及び汚染核種又はベータ線最大エネルギーが既知の場合、皮膚の70μm線量当量率H70μmは次式で与えられます。H70μm = A・D(Emax ,h)・Cここで、A :汚染密度(Bq・cm-2)D(Emax, h) :核種又はベータ線の最大エネルギーEmax 及び線源の大きさに応じた単位汚染密度当たりの皮膚の吸収線量(mGy・h-1/Bq ・cm-2)目安として、1kBq・cm-2 当たり約3mGy・h-1とすると過小評価にはなりません。C :皮膚の吸収線量から等価線量への放射線荷重係数(mSv/mGy)(1として計算します。)表面汚染計により皮膚表面を走査しながら測定して得られた計数率が最大となる値P(min-1)とあらかじめ線源のないところで測定したバックグラウンド計数率PBG との差から、皮膚汚染密度A(Bq/cm2 )は次式で求められます。A=(P-PB G)・ KPA/Wここで、KPA : 校正定数(Bq/min-1)W : 表面汚染計の窓面積(cm2)汚染密度を求めるためには、標準線源を用いて校正定数を求めておく必要があります。 標準線源は、日本アイソトープ協会で入手できます。72.放射能と放射線の基礎-6放射性核種で半減期が短いのは安全で、長いのは危険であると聞いたことがあるが本当ですか。(答)人体への影響を考える場合には実効半減期が重要になりますが、体内に取り込んだ放射性核種による影響は、実効半減期だけではなく放出される放射線の種類やエネルギーなどによっても異なります。従って、物理学的半減期が長いから危険だとは一概には言えません。2.放射能と放射線の基礎-7放射性ヨウ素はどのようにしてできますか。(答)放射性ヨウ素には、ヨウ素-121からヨウ素-133まで11種類の放射性核種があります。それらの内ヨウ素-129、ヨウ素-131、ヨウ素-133の3核種はウランなどの核分裂によって生成される、いわゆる核分裂生成物です。医療関係で用いられる短半減期のヨウ素-123、低エネルギーの光子を放出するヨウ素-125、甲状腺治療に使われるヨウ素-131は、サイクロトロンや原子炉を用いた核反応によって生成されます。2.放射能と放射線の基礎-8原子力施設において、放射線業務従事者の外部被ばくを低減するためには、距離、時間、遮へいの中で、何故、遮へいが重要なのですか。(答)原子力施設における被ばく低減対策は、通常施設の設計段階において十分に検討されています。放射線業務従事者に対しては、外部被ばくに関係する放射線源の遮へい等による作業環境の放射線レベルの軽減、遠隔操作又はロボットによる無人化(距離)、作業方法等の改善(時間)等の対策が実施されています。特に放射線源に対する恒久的遮へいは、距離をとるや、時間を短くする被ばく低減策とは異なり、放射線の漏洩線量を減らす対策です。82.放射能と放射線の基礎-9原子力防災において外部被ばくを低減するために、距離、時間、遮へいの3要素はどのように係わっているのですか。(答)原子力施設の緊急時において、周辺住民の外部被ばくを低減するために講じられる防護対策として、屋内退避、コンクリート屋内退避及び避難の3つが挙げられます。屋内退避は、建物の屋根、壁等の構造材による遮へい効果による外部被ばくを低減する措置です。避難は、放射性プルーム又は放射線源から距離をとることにより外部被ばくの大幅な低減を図る措置です。もちろん、屋内退避もコンクリート屋内退避も放射性プルームや線源にさらされている時間が短ければ短いほど被ばくは少なくなります。2.放射能と放射線の基礎-10全国的に自然放射線量の分布を見ると四国地方(西日本)が高いのはどうしてか、また、地域分布と原子力施設のある地域との関係はありますか。(答)自然放射線の線量は大地と宇宙からの放射線に起因しています。平均して、四国地方(西日本)の自然放射線量が高いのは緯度、高度からみて宇宙線の線量よりもむしろ大地からの線量が影響しているものといえます。花崗岩地帯といわれる地方の大地からの放射線量は、関東ローム層で覆われた地方よりも高いといわれています。これは花崗岩に含まれる自然放射性核種の量が多いからです。全国の原子力施設がある地方の自然放射線量をみると、決して、施設設置と自然放射線量とは関わりがないことが分かります。2.放射能と放射線の基礎-11等価線量と実効線量の違いは何ですか。また、等価線量は実効線量に加えて評価するのですか。(答)人体の組織・臓器が受ける放射線の吸収線量が同じでも、放射線の種類やエネルギーにより確率的影響が異なります。これを考慮して、等価線量は、その値が同じならば被ばくした組織・臓器の確率的影響を同じ尺度で評価できるようにしたものです。さらに、人体に対する放射線の影響は、組織・臓器によっても異なります。実効線量は、全身均等被ばくの場合、各組織、臓器のがん発生リスクなどの確率的影響を評価できるようにしたものです。等価線量と実効線量の関係は以下の式で表せます。実効線量=∑(各臓器の等価線量×組織荷重係数)92.放射能と放射線の基礎-12γ線や中性子線の被ばくは、遮へい材がどのくらいの厚さあれば防げるのか。また、物質によりどのくらい放射線が遮へいされるかの指標は何を見れば解るのか。(答)γ線と中性子線の線量を1/100にするために必要な遮へい材とおよその厚さの例を以下に示します。核種 エネルギー(MeV)線量を1/100にするために必要な厚さ(cm)水 コンクリート 鉄 鉛γ 線Kr-85 0.52 90 43 11 3.5Co-60 1.171.33110 60 16 8.5Cs-137 0.66 95 46 12 4.5n 線― 0.4 30 75 185 ―― 1.0 28 70 180 ―このように、遮へいする放射線の種類とエネルギーによって、有効な遮へい材と必要な厚さが異なります。2.放射能と放射線の基礎-13人体への汚染の観点から放射性核種の半減期と放射能の強さの関係は。(答)放射性核種の半減期は常に一定で、電池や人間のように急激に能力が低下し、全く能力を失うことはありません。このため、皮膚の汚染の量、即ち放射能も徐々に低下してやがて問題の無い(放射線が検出されることのない)量になります。また、皮膚は常に新しいものと入れ変わっており、死んだ皮膚はアカとしてとれてしまいます。なお汚染が続いている間の被ばく線量は、この半減期による放射能の低下を考慮して計算されます。102.放射能と放射線の基礎-14放射線はなぜ遮へいできるのか。(答)放射線が遮へいされるメカニズムは放射線の種類によって異なります。α線やβ線のように電荷を持った粒子(荷電粒子と呼びます。)は、遮へい材を構成する物質の電荷と引き合ってエネルギーを失っていき、やがて遮へい材の中で止まってしまいます。γ線は、電磁波のため電荷を持っていませんので、α線やβ線のように、電荷による力(クーロン力)が作用する事はありませんが、遮へい材を構成する物質の原子と相互作用(光電効果、コンプトン散乱、電子対生成等)を引きおこしてエネルギーを失います。中性子は、遮へい材を構成する原子核と衝突を繰り返して、少しずつエネルギーを失います。また、一部は原子核と核反応を起こしてとまります。2.放射能と放射線の基礎-15γ線が鉛で遮へいできる理由は。(答)ガンマ線は光と同じ電磁波(光子)のため、電荷を持たないので電子や陽子の電気力によるクーロン力は働きません。ガンマ線は原子と光電効果、コンプトン散乱、電子対生成等の相互作用でエネルギーを失います。鉛は比重が11.3と重い上に比較的廉価なため、ガンマ線の遮へいによく使用されます。2.放射能と放射線の基礎-16中性子が水やパラフィンで止まるのはなぜか。 (答)中性子は電荷を持っていないので、物質中の原子に衝突し弾性散乱を繰り返しエネルギーを失って止まります。水やパラフィンで中性子が止まりやすいのは、水素を多く含んでいるからです。なお、中性子は原子と核反応を起こしても止まります。この時強いγ線(捕獲γ線といいます)を出しますので、中性子線の遮へいには、γ線の遮へい効果が高いコンクリート(結晶水として水を多く含んでいる)がよく使用されます。112.放射能と放射線の基礎-17距離による防護(距離の逆二乗)の計算はγ線でも中性子線でもβ線でも同じ計算方法と考えてよいのか(答)放射性核種から放出される放射線は、360度方向に平均的(放射線放出の等方性)に放出されます。これは、放射線源からの距離が同じであればどの方向でも放射線の数が等しいということです。すなわち、放射線量は距離の二乗に反比例することになり、これを逆二乗則と呼んでいます。この法則は真空中では全ての放射線に共通です。ところが、地球上には空気が存在します。このため、電荷持っているために物質との相互作用の大きいα線やβ線は空気との相互作用で停止してしまいますので遠くまでは届きません。一方、物質との相互作用が弱いγ線と中性子はほぼ逆二乗則に従って減衰します。2.放射能と放射線の基礎-18被ばくに付いての実効線量や等価線量も他の放射線と同じように考えて良いのか。 132.放射能と放射線の基礎-21放射線核種の半減期はその物質によってそれぞれ違うのか。また、放射性核種の半減期に100億年を超えるものがあるが、半減期はどうやって計算したのか。(答)放射性核種の半減期は核種によって決まっており、どんな物質に含まれていても変わることはありません。何億年といった半減期を持つ核種では放射能強度測定で差が測定できないため、次のような方法をとります。「A(放射能)=λ(壊変定数)・N(原子数)」の関係を用い、正確に放射能強度と原子数1)を測定し、λを求めます。次に、「T(半減期)=ln2/λ」の関係を用いて半減期Tを計算して求めます。1):質量分析装置等を用いることにより、正確な原子数を求めることができます。2.放射能と放射線の基礎-22放射性同位元素とは何か。放射性核種によって放射線のエネルギーは違うのか。(答)陽子の数が同じなら元素名は同じですが、同一元素に属する原子の間で、原子量(陽子と中性子の合計個数)が異なる原子を同位元素といいます。このうち放射能(放射線を放出する能力)をもつ同位元素を放射性同位元素と呼びます。また、放射性同位元素は、「放射性同位体」、「ラジオアイソトープ(RI)」或いは「放射性核種」という言い方もあり、全て同じ意味です。2.放射能と放射線の基礎-23宇宙飛行士は、宇宙でどのくらい被ばくするのか。(答)宇宙線(宇宙放射線ともいう)は、日本の地上では年間約0.26mSvであり、1500m上昇するごとに2倍になるといわれています。高度20km~25km以上になると、1mSv/日で一定になります。高度約400kmの国際宇宙ステーション軌道においては、一日当たり約1mSvの被ばく線量です。日本における年間の被ばく線量は0.99mSv(ラドンを含む)ですから、国際宇宙ステーションでは、日本の年間平均線量を一日で被ばくすることになります。142.放射能と放射線の基礎-24体内に吸収する食物の被ばく量のデータについて教えてください。(答)食物には自然の放射性核種が含まれており、身体内に一定の量の放射性物質が存在しています。体重60kgの日本人の場合は、主に以下の核種が体内に存在しています。カリウム-40 4,000Bq炭素-14 2,500Bqルビジウム-87 500Bq鉛-210・ポロニウム-210 20Bq →新しい報告では増えていますが、テキストはこの値を使用(環境省資料から)。これらの放射性核種による被ばく線量は年間約0.4mSvです。2.放射能と放射線の基礎-25原子力施設において事故が発生した場合、4種類の放射線がでるのか。また、臨界の際に外部に放出された中性子はどこに行き、最終的にはどうなるのか。(答)原子力施設の事故時に放出される放射線は、原子力施設の種類により異なります。原子炉施設の事故においては、施設外へ放出された放射性物質のプルームからは、β線、γ線が放出されます。核燃料施設の火災・爆発事故で施設外へ放出される、ウランやプルトニウム及びその系列核種からはα線、β線、γ線が放出されます。また臨界事故時には、施設の遮へいが十分でない場合、中性子線、γ線が施設外へ放出される可能性があります。2.放射能と放射線の基礎-26放射性物質の核種で、83mKrの m は何を表わしているのか。(答)Meta-stable(メタステーブル)の m です。メタステーブルとは準安定状態のことでエネルギー的に励起された原子が長い間励起状態を保つことです。このような原子を準安定原子と言います。一般的に高エネルギー状態に励起された原子は光やγ線等で余分なエネルギーを放出して、100万分の1秒以内には基底状態(エネルギー的に低く、安定した状態)に戻りますが、数秒或いは数十時間も励起状態を保つ原子があります。83mKr の半減期は約4.5時間です。152.放射能と放射線の基礎-27α線、β線、γ線、中性子線がそれぞれどのような物質(核種)から出るのか。(答)元素の基である原子核は陽子と中性子で出来ており、エネルギー的に安定な原子核であるための陽子と中性子の数は元素毎に決まっています。ところが同じ元素でも中性子の数が多い原子核や少ない原子核が存在しています。中性子の数が多い原子核や少ない原子核は核分裂等により生成されます。これらの原子核はエネルギー的に不安定なため、中性子の割合が多い元素はβ線を放出して安定な原子核を持つ別の元素に変わります。逆に中性子の割合が少ない原子核は原子核の周りの軌道電子を原子核内に取り込むか(軌道電子捕獲)、あるいは、α線を放出して安定な原子核に変わります。2.放射能と放射線の基礎-28ブラジルの自然放射線が10mSvと世界平均値の4倍にもなるとテキストに記載があるが内訳は?(宇宙から、大地から、食物から、吸入によるものはそれぞれどれくらいの値なのか。)(答)ブラジルのガラパリ周辺は地表からの放射線量が高いことで知られています。この地方はブラジル大西洋岸に平行に走る山脈中の古期片麻岩(グネス岩)の長年の風化と分解によって、チタン鉄鋼ジルコナイト・モナザイトという溶けにくく硬い鉱物が自然に分離しました。そして細かい粒子にされた後、海に注ぐ多くの川によって下流に運ばれ、そこに成層して川や海に沈積し海から波とともに小さな砂石として浜に戻って来たといわれており、砂や土壌の核種分析では 232Th濃度は~38.4kBq/kg、226Ra は~4.09kBq/kg と 232Th含有量が多い結果が得られています。162.放射線と放射能の基礎-29ベータ線の最大エネルギーとは何か。(答)α壊変のように原子核がα粒子と娘核種がエネルギーを分け合う場合はそれぞれの粒子の取り得るエネルギーは決まっており、エネルギースペクトルは線スペクトルを示します。しかし、壊変により基の粒子が3個以上に分かれる場合は、粒子が分けることができるエネルギー(Q)を自由に分配することが可能なのです。β壊変では娘核種と電子線及び中性微子(ニュートリノ)の3個の粒子が生成されます。 このため、放出されるベータ線のエネルギーはQを最大に連続したスペクトルを示します。 ベータ線の最大エネルギーとは、β壊変において放出されるベータ線の最大のエネルギーのことです。なお、ベータ線の最大エネルギーは核種毎に異なります。2.放射線と放射能の基礎-301cm線量等量率の単位はどういうことを意味しているのか。(答)人体表面から1cmの深さでの放射線量率のことで、外部被ばくによる実効線量を評価するために用いられる単位です。放射線管理上もっとも重要なX線 およびγ線を人体組織が受けた場合、被ばく線量がもっとも高いのは人体表面ではなく人体組織のある深さであり、1cm深さの被ばく線量を評価の基準とすれば、常に実効線量当量より高い値となり、安全余裕をもって被ばく管理を行うことがでます。個人線量計や放射線管理用のサーベイメータ等はこの量を表示するようなっています。173.放射線の測定-1放射線の測定を行うとき、測定器のレンジはどの位置にあわせれば適正ですか。(答)通常、サーベイメータなどでは、測定器のレンジ切り替えスイッチを最大レンジの位置にして、電源を入れます。その後、つまみを回してバッテリーなどのチェックを行い、つまみを測定の位置にして測定可能となります。そのときメータの針が振れなければ、レンジを感度の高い方にまわしていきます。フルスケールの中位のところ(針が読みやすい位置)で測定するのが適切です。メータによっては、そのレンジでのゼロ点をチェックすることが必要です。測定器によって取扱方法が異なることがありますので、測定器に附属しているマニュアルなどをよく読んでから、測定器を扱うよう心がけて下さい。3.放射線の測定-2サーベイメータのプロ-ブ(検出部)にポリ袋をかぶせる必要性は何故ですか。(答)サーベイメータは、空間放射線量(率)測定、或いは、その付近に放射性物質などの放射線源が存在するか否かを調べるのに使用します。この時、β線、γ線の発生源である放射性物質がサーベイメータを使う場所に浮遊して、ほこり、土壌等が汚染している可能性がある場合には、プロ-ブが放射性物質で汚染される可能性があります。プローブが汚染された場合、正確な測定が行えません。事前に薄いポリ袋等をプロ-ブにかぶせることにより、たとえ袋が汚染してもプローブの汚染は防止され、この袋を取り替えれば、サーベイメータを正常に使用できます。これがプローブにポリ袋等をかぶせる理由です。3.放射線の測定-3サーベイメータ等の点検・校正はどの位の頻度で行うべきですか。(答)一般にサーベイメータは、放射線の種類やエネルギーに応じて種々の機種が使用されています。従って、点検・校正についても各形式で異なる点がありますが、年に1回は行ったほうが良いと思われる点検項目は、外観検査(損傷、劣化などのチェック)、測定・回路系の検査、および既知量の放射線源による校正などです。放射線のエネルギーや入射方向によるサーベイメータの感度の依存性、線量や線量率による感度の直線性などについては製造業者の仕様書や取扱説明書に記載されています。しかし、修理などにより検出器系や測定系に手が加えられた場合などには、専門の校正機関での点検・校正が必要です。183.放射線の測定-4サーベイメータの指示値のバラツキは正規分布しているように思えないが、どれほどの偏差があるのですか。(答)放射性核種の半減期は核種毎に決まっていますが、壊変は一定の間隔で規則的に起こるわけではありませんし、自然放射線の数もバラツキがあります。このため、サーベイメータの指示値もバラツキがあります。また、これらの放射線をサーベイメータで計った場合の指示値のバラツキ範囲は、サーベイメータの時定数によっても異なります。時定数を短く設定するとバラツキが大きく、時定数の設定が長ければバラツキが小さくなります。サーベイメータによる測定値は、指示値が安定した後(時定数の3倍の時間経過後)ポアッソン分布を示しますが、多数回の測定を繰り返すことにより、ガウス分布(正規分布)に近似できます。また、偏差の幅は測定値、測定回数によって異なりますが、測定値が正規分布を示す場合は、標準偏差の3倍の範囲に収まります。193.放射線の測定-5γ線又はX線用測定器は、検出器の先端を向ける方向により効率が異なるのですか。(答)放射線の機器効率とは、測定器(計測器)が検出した放射線の数を、同じ時間内に入射した同じ種類の放射線の数で割ったものです。このため、放射線がどの方向から入射してきても機器効率としては変わりません。しかし、検出感度という見方をすると若干異なってきます。検出器が細長い円筒形をしている場合には、端面(前方)から放射線が入射した場合と側面から放射線を入射させた場合では、放射線の入射方向に占める検出器の投影面積は側面の方が端面より大きいので、側面から検出器に入射する放射線の数が端面から入射する放射線の数より多くなります。従って、側面から放射線を入射させた方が測定値は高いことがわかります(方向特性という。)。このように、測定器は大なり、小なり方向特性を持っています。GM計数管式サーベイメータの方向特性の例 電離箱式サーベイメータの方向特性の例1)検出器が円筒形しているのは、光電子増倍管を内蔵しているためで、放射線を検知するシンチレータの見かけ面積は、前方から見ても、側方から見てもほぼ同じです。2)ユーザー又はメーカーの指定条件によっては、検出器の中心軸に対し、垂直方向を基準として校正する場合があります。203.放射線の測定-6GMサーベイメータの時定数は何ですか。何故3秒の時定数では9秒後に読むのですか(答)時定数は電気回路に伴う定数です。サーベイメータのような放射線の計測器もまた電気回路からなる計測器の一つです。この計測器に放射線が入ると電気信号が発生し、その信号の発生量は時間経過とともに増加します。信号量が真の値の約37%になるまでの時間が、時定数と同じになります。この時定数の3倍の時間が経過すると信号量は約95%になり、真の値に近いものが得られるのです。すなわち、時定数が小さければ短時間で真の計数が得られ、時定数が大きければ真の計数を得るためには長い時間待つ必要があるということになります。一般的には、バックグラウンドのように少ない放射線量を測るときは時定数は大きく、多い放射線量を測るときは時定数を小さく設定します。 01020304050607080901000 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100経過時間(秒)真の指示値に対する割合(%)3秒10秒30秒時 定 数213.放射線の測定-7GM管の口径とcpm,cpmとBq/cm2の関係はどうなっていますか。(答)我が国において広く用いられているβ線の入射窓面積が20 cm2の検出器を利用した場合、皮膚から数cmでの検出器の計数率は40000 cpmであり、表面汚染密度は約120 Bq/cm2相当になります。3.放射線の測定-8通気式の電離箱式ガスモニタでは校正を行う際に標準ガス線源を用いるということですが、ガスを直接ゲルマニウム半導体検出器を用いて測定すれば、標準ガス線源を使用する必要はないのでは。(答)β線用ガスモニタには通気型電離箱式ガスモニタ、通気型GM計数管式ガスモニタ、プラスチックシンチレーション式ガスモニタがあります。γ線用には、NaI(Tl)シンチレーション計数管やゲルマニウム半導体検出器を用いたガスモニタがあります。しかし、両検出器ともに測定効率が100%ではありませんので、感度校正には、他のガスモニタと同様に標準ガス線源が必要です。なお、両モニタとも、ガスが直接検出器に接するために生ずる汚染もなく、保守点検も容易ですがβ線は測定できません。感度校正には、他のガスモニタと同様に標準ガス線源が必要です。3.放射線の測定-9チャコールフィルタの簡易測定は可能ですか。(答)緊急時環境放射線モニタリングにおいては、チャコールフィルタを用いて環境空気中の放射性ヨウ素(ヨウ素-131)を捕集し、空気中放射性ヨウ素濃度の測定を行います。このとき捕集後直ちに、放射性ヨウ素がどれぐらい捕集されたのかを現場でサーベイメータ等により確認するのが簡易測定です。223.放射線の測定-10内部被ばくでは重要になる、体内に入ったα線・β線を出す放射性物質はどのように測定するのですか。(答)α線、β線は透過力が弱いので、体外から直接計ることは困難です。しかし、90Sr等ごく一部の核種を除いて、α線、β線を放出する核種は、同時にγ線を放出します。このγ線を測ることにより、体内に取り込んだ放射性核種の量を知ることができます。体外でγ線を測定して体内の放射能量を知るための測定装置がホールボディカウンタです。また、体内に取り込まれた放射性物質の量を糞尿、血液等の人体から採取した試料から間接的に評価する「バイオアッセイ法」があります。3.放射線の測定-11中性子を計測するものはあるのですか、また、個人線量計で測定可能ですか。(答)中性子をサーベイメータや個人線量計で計測することは可能です。サーベイメータとしてはレムカウンタ(中性子サーベイメータ)、個人線量計としては中性子に対応した電子式ポケット線量計、ガラスバッジ、OSL線量計、フィルムバッジなどがあります。ただし、中性子が放出されるときはγ線も同時に放出されることが多く、レムカウンタや電子式ポケット線量計のように中性子のみしか計測できないものがあるため、他の種類の放射線測定用には他の線量計も必要となる場合があるので注意が必要です。3.放射線の測定-12地表1mをサーベイする根拠は何ですか。(答)地表1mとは、立っている人の体のほぼ中心にあたり、また、放射線感受性の高い生殖腺をはじめ主要臓器が集まっています。このため、空間放射線量率は地表1m近辺の高さで測定し、人の実効線量を評価することになっています。233.放射線の測定-13漏洩線量の測定は、ポケット線量計を使用して良いか。(答)ポケット線量計で空間放射線量を測定することは可能です。特に集積線量の測定には、通常のサーベイメータよりは扱いやすく、便利かもしれません。しかし、測定する場の線量を知るには手間と時間が必要です。やはり、空間線量の測定には、空間線量測定用のサーベイメータを使用することをおすすめします。3.放射線の測定-14シンチーション式サーベイメータはγ線しか測れないのか。また、測定器は用途によって使い分けた方がよいのか。(答)一般的に使用されているシンチーション式サーベイメータには、NaI(Tℓ)式とZnS(Ag)式の2種類のサーベイメータがありますが、NaI(Tℓ)式はγ線しか測定できませんし、ZnS(Ag)式サーベイメータはα線しか測定できません。測定器は、使用目的と測定する放射線の種類によって使い分ける必要があります。以下に、使用目的に応じた測定器の例をまとめておきます。使用目的 放射線の種類 測定器の種類 備 考空間放射線量の測定・1時間あたりの線量の測定・積算線量の測定γ線 NaI(Tℓ)シンチレーション式 低線量の測定GM計数管式 低線量から中線量までの測定電離箱式 低線量から高線量までの測定中性子線 3He計数管式BF3計数管式中性子の測定表面汚染の測定身体・機材等の表面汚染測定α線ZnS(Ag) シンチレーション式α線は自然界に存在する量が少ないため、微量の放射能が測定できる。β(γ)線 GM計数管式個人被ばく線量の測定 積算線量の測定 γ線中性子線電子式ポケット線量計 個人被ばくの管理警報機付ポケット線量計アラームの設定により、過剰被ばくの防止。主に高線量の場所での使用243.放射線の測定-15放射線の種類を見分ける方法はあるのか。(答)異なった放射線を測定するサーベイメータを用意して、同時に測定すれば放射線の種類を見分けることができます。サーベイメータは測定目的に応じて作られていますので、α線測定用のサーベイメータで測定しBG値より高い値が検出されればα線が存在しています。その他の測定器も同様です。但し、GM計数管式表面汚染測定用のサーベイメータはγ線にも感度がありますので、γ線測定用サーベイメータの測定値と比較する必要があります。比較した結果、十分に高い値が計測された機器が対応している放射線が存在していると判定します。3.放射線の測定-16GM計数管式サーベイメータでヨウ素の付着は分かるのか?(答)GM計数管式サーベイメータには、γ線測定用とβ線測定用の2種類がありますが、原子力発電所の事故時の住民や防災業務関係者の汚染検査にはβ線測定用のGM計数管式サーベイメータを使用します。この測定により放射線が検出されたら放射性ヨウ素が付着していることになります。3.放射線の測定-17サーベイメータが汚染した場合水洗いしてよいか?(答)サーベイメータは水洗いをしないで下さい。サーベイメータは防水性を有していません。 チェルノブイリ発電所の事故で、大量に放出された 137Cs を例に、GM係数管式サーベイメータで以下の汚染が検出された場合を例に、汚染を点線源と見なして1mの距離での放射線量率を計算してみます。・GM計数管式サーベイメータによる表面汚染密度:100(Bq/cm2)・汚染面積:100(cm2)・放射能:100(Bq/cm2)×100(cm2)=10000(Bq)=0.01(MBq)汚染部位からの距離が1(m)のときの線量率R(μSv/h)は、R=C・Q/r2にそれぞれの値を代入するとR=0.0927(μSv・m2・h-1・ MBq-1)×0.01(MBq)÷1(m)2=9.27×10-4μSv/hとなります。なお、この値は汚染を点線源と見なしているため過大評価となっています。273.放射線の測定-21GMサーベイ以外に、空港のゲート(金属探知機)のようなものはないでしょうか。 とりあえず、被ばくしているかどうかスクリーニングするため。(答)着衣や人体表面が汚染しているかどうかを短時間で測定する測定器としては、ハンドフットクロスモニターがあります。この測定装置は、人体等が汚染する可能性のある原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設の出口に必ず設置されています。しかし、放射線に被ばくしているかどうかを即座に測定できる機器はありません。3.放射線の測定-22放射線測定器の日常点検(動作確認管理の仕方)について教えて頂きたい。(答)動作の確認については、バッテリー及び高電圧の点検(一回程度/月)が最低限必要ですが、可能であれば密封線源を使用し、定期的(一回程度/年)に同一の測定条件で測定し、特性の変化を確認するのが良いと思います。3.放射線の測定-23空間線量の測定において、NaIシンチレーション式サーベイメータ(TCS-161型)と電離箱式サーベイメータ(ICS-313型)を使用し空間線量率を測定したが指示値が異なった。その違いは何か(答)それぞれのサーベイメータの機器の特性の違いによるものです。線量が高い範囲は、NaIシンチレーション式サーベイメータの場合は~30μSv/hであり、同じく電離箱式サーベイメータは~100mSv/hです。つまりNaIシンチレーション式サーベイメータは比較的低い線量率を測定し、電離箱式サーベイメータは高い線量率を測定するものです。緊急時のおける現場の測定では、~30μSv/hの場所ではNaIシンチレーション式サーベイメータの値を読み取り、電離箱式サーベイメータの値は補助的に記録します。 30μSv/h~の場所では、この逆となります。283.放射線の測定-24アルファ線、ベータ線用の空間線量率用のサーベイメータがないのはなぜか?(答)空間線量率用のサーベイメータは、空間に飛び交っている放射線量が、人体にとってどの程度影響があるか、その影響の度合いを指示する測定器です。放射線防護上、指示値は外部被ばく線量の値を示すものとして使われます。アルファ線の場合、皮膚で遮へいされるため、外部被ばくは考慮しなくてもよいとされています。ベータ線の場合、透過力はあまり強くないため、皮膚、目の水晶体※1の被ばくが問題となります。3.放射線の測定-25ポケット線量計の操作及び性能は吹雪などの低温状態で問題ないか。(答)お使いになっているポケット線量計の取扱説明書を確認してください。使用温湿度範囲、温湿度等の使用条件などの欄に、その線量計の動作するための温度及び湿度条件が書かれています。その条件の範囲内であれば、動作については問題はありません。注意することは、条件の欄に「ただし、結露しないこと。」と付記されていると思います。温度、湿度条件を守っていても、冷たいところから急激に暖かいところに環境が変わると、結露します。3.放射線の測定-26セシウム-137からはガンマ線とベータ線が出るが個人線量計ではガンマ線のみ計量するが、よいのか。(答)外部被ばく線量を測定するためには、個人線量計を使います。個人線量計には、様々な種類があり、測定する放射線の種類などにより使い分ける必要があります。緊急時において防災業務関係者が被ばくする原因は、放射性プルームの下での作業などがありますが、この場合ガンマ線による全身被ばくが問題になります。ベータ線については、透過力がガンマ線ほど強くないため、特に被ばく線量を測定し、管理する必要はありません。ベータ線源がある近くで作業する必要が生じ、皮膚や目の水晶体の被ばくを考える必要がある場合、ベータ線を測定します。293.放射線の測定-27測定器は、新しい電池をいれてからどのくらい持つか。答)測定器によって異なりますので、各説明書等をご覧ください。代表的な測定器の例を示します。一次電池※1 二次電池※2GM サーベイメータ TGS-146B 連続100時間以上 連続30時間以上NaI シンチレーションサーベイメータ TCS-172B 連続30時間以上 連続10時間以上ZnSサーベイメータ TGS-362 連続60時間以上 連続20時間以上※1 単2形アルカリ乾電池4本、 ※2 リチウムイオン2次電池304.放射線の人体への影響-1外部被ばくと内部被ばくでは、どちらが危険ですか。(答)一概には外部被ばくと内部被ばくの何れが危険であるとかは言えません。吸収線量、或いは、実効線量が同じであれば外部被ばくも内部被ばくも人体に与える放射線の影響は同じと考えられています。何れにしても放射線の種類と被ばく量、そして内部被ばくの時は核種が問題になります。4.放射線の人体への影響-2α線・β線・γ線と放射線の種類がありますが、被ばくしたときの影響は同じですか。(答)人体の組織・臓器の吸収線量が同じであれば確定的影響は同じといえます。しかし、将来がんが発生する等の確率的影響は放射線の種類とエネルギーによって異なります。例えば、同一吸収線量のβ線とγ線による確率的影響は同じですが、α線ではがん等の発生確率は20倍になります。4.放射線の人体への影響-3全身被ばくと局部被ばくは実際分けることはできないのではないですか。(答)放射線を全身に受けた場合を全身被ばく、身体の一部だけに受けた場合を局部被ばくと言っています。内部被ばくの場合は、人体に取り込んだ元素が特定の臓器等に沈着する特性から局部被ばくと言えます。また、放射線源の汚染による被ばくは局部被ばくです。しかし、γ線・中性子線による外部被ばくの場合は厳密な区分は困難な場合がありますが、ビーム状の放射線による被ばく、及び放射線源の直近での被ばくは局部被ばくと考えられます。また、放射線源から数メートル以上離れた場所での被ばくは全身被ばくと考えて差し支えないでしょう。314.放射線の人体への影響-4α線による被ばくはあるのですか。またそれはどの核種ですか。(答)α線は、外部被ばくの原因となることはほとんどなく、内部被ばくのみを注目する必要があります。アルファ線を出す放射性核種には、プルトニウム-239、プルトニウム-238、ポロニウム-210、ウラン-235、それに超プルトニウム群(アメリシウム-241、キュリウム-242、と244、バークリウム-249、カリフォルニウム-252、アインシュタイニウム-253)などの他、ラドンが壊変してできる核種などがあります。4.放射線の人体への影響-5がんの治療で大量の放射線を当てますが、大丈夫ですか。(答)放射線治療においては、がん組織ばかりでなく周辺の正常組織も同時に照射されますので、なるべく正常組織を痛めないように、いろいろな工夫がなされています。たとえば、放射線を発生する装置をがんの組織を中心に回転しながら放射線を照射します。こうすることにより、中心のがん組織は常に放射線が照射されていますが、まわりの正常な組織の被ばくは低減されます。4.放射線の人体への影響-6妊娠中のレントゲン撮影による胚や胎児ヘの健康影響はどのように考えているのですか、また、その影響や被ばくを防ぐためにどのような対策が講じられているのですか。(答)細胞増殖が盛んな細胞は放射線致死感受性が高いため、従来、胚や胎児は放射線感受性が高いとされ、放射線による奇形や小児がんなどの生後の赤ちゃんへの影響を重視してきました。精神遅滞児の発生が約100mSv以上であることからすれば、通常のX線診断における胎児の被ばく線量は、母体の骨盤CT検査でさえ25mSvであり、胎児に重篤な影響を与える線量ではないとしています。しかし、胎児に対する放射線影響については、一般的に十分理解されていません。胎児が直接被ばくするようなX線診断では、医療関係者は、特に事前に患者に被ばくによる影響について納得のいく説明をし、患者の不安を和らげることが必要です。324.放射線の人体への影響-7γ線による内部被ばくを考える必要がありますか。(答)放出される放射線がα線か、β線か、γ線か或いはその混合の場合もあり、ほとんどの核種はα線やβ線とともにγ線を放出します。放射線の種類によっても影響が異なります。 線量評価は線質ごとに評価されるのではなく、体内に取り入れた各核種についてまとめて評価されます。しかし、Svという単位で表される場合は、がんの発生のリスクは放射線の種類によって変わりません。どの様な核種が、どの位の量体内に取り込まれたか、その物理的性質と生物学的性質が重要です。4.放射線の人体への影響-8人体で計測される半減期は実効半減期ではなく生物学的半減期ではないのですか。(答)生体内に取り込まれた放射性核種が、放射性壊変及び生体内からの排泄過程によって元の数の半分になるまでの時間のことを実効半減期と云い、物理学的半減期をTp、生物学的半減期をTb、実効半減期をTとしますと1/T=1/Tp+1/Tbの関係があります。放射性ヨウ素の場合、ヨウ素が生物学的半減期で体外へ出て行くと同時に、それ自体物理学的半減期で減衰していきます。従って甲状腺に入った放射性ヨウ素の減り方は生物学的半減期と物理学的半減期の両方が効いてきます。この両者が相乗して減る早さが実効半減期と云われているものです。4.放射線の人体への影響-9放射線が人体に当たった場合にどのような化学的変化が生じるのですか。(答)電離放射線が人体に当たると、細胞内物質との相互作用により励起と電離(イオン化)を起こします。続いて、生体内分子にいろいろな化学変化を生じます。特に生体内に最も大量に含まれている水が励起されたり電離されたりすると、DNAに損傷を与えるOHラジカルやHラジカルが生成されます。このため、放射線量が高く、電離作用も大きいと酵素機能の低下や細胞分裂の遅れ、遺伝子損傷などの影響が現れます。このようにラジカルを通して起きる変化を間接作用と言い、放射線がDNA分子などと直接に相互作用をして損傷を起こす場合を直接作用と言っています。334.放射線の人体への影響-10放射線の人体に対する健康影響、発病率はどうなっているのですか。(答)放射線が人体に当たった場合、ある程度の線量を受けると症状が現れ、かつその重篤度が受けた線量に依存するしきい値のある確定的影響(血液の変化、脱毛、皮膚紅斑等)と、がんや遺伝的影響のように影響の現れる頻度が線量に依存するしきい値のない確率的影響に分けることができます。確定的影響は、しきい値以下の線量では影響の無いことがはっきりしているもので、ある線量以上になると影響が出る現象を言います。一方、確率的影響は必ずしも影響が出るというのではなく、受ける線量が多くなるほど影響の出る確率が高くなる場合を言い、がんと遺伝的影響がこれに相当します。4.放射線の人体への影響-11一般の火傷と放射線による火傷の症状の違いは何ですか。また、すぐに症状がでるのですか。(答)一般に放射線が皮膚にあたって火傷を生じるのは数Gy以上とされています。放射線火傷も熱火傷と同様皮膚の損傷程度により第1度から第4度まで分けられています。第1度皮膚反応:3~4Gyの被ばく後、上皮基底細胞の増殖阻害が起き、皮膚が薄く乾燥し、一過性の脱毛や、毛細血管の拡張による紅斑(初期紅斑)が生じます。第2度皮膚反応:6~19Gyの被ばく後、約2週間から強い紅斑が生じ、34週間続きますが、びらんにはなりません。(乾性放射線皮膚炎)第3度皮膚反応:20~25Gyの被ばくになると、強い紅斑と水疱が現れるようになり、それが破れると皮下組織が露出してびらんとなります。これらは被ばく後約1週で始まり、45週間続きますが、この段階では上皮の再生は可能です。(湿性放射線皮膚炎)第4度皮膚反応:30Gy以上の被ばくをすると、1週間以内に深紅色の紅斑が現れ、水疱、びらん、皮下組織の壊死となって潰瘍まで進みます。例え治癒しても瘢痕が残ります。(放射線潰瘍)344.放射線の人体への影響-12一般の火傷と放射線による火傷の症状の変化に違いはありますか。(答)熱によるいわゆる熱傷と放射線熱傷では多くの点で違っています。熱による障害では、直後に痛み・激しい炎症反応・患部の細胞死・組織の破壊が起きます。一方、放射線熱傷では、初めは痛みが無く、細胞死や組織死が明らかになるのは再生が起きなくなった結果表皮が脱落してからです。熱傷では一般に患部の細胞・組織全てが障害を受けますが、放射線の場合は皮膚細胞を生み出している幹細胞が主に障害を受けます。4.放射線の人体への影響-13放射線障害は何故しきい値以下では起こらないのですか。確率的影響はどうなのですか。(答)人体が放射線を受けると、ある線量を超えた場合に症状が現れ、かつ影響の重篤度が受けた線量に依存するというしきい値のある確定的影響(血液の変化、脱毛、皮膚紅斑等)と、がんや遺伝的影響のように影響の現れる頻度が線量に依存するしきい値のない確率的影響に分けることが出来ます。確定的影響はしきい値以下では影響の無いことがはっきりしているもので、ある線量以上になると影響が出る現象を言います。一方、確率的影響は必ずしも影響が出ると言うのではなく、受ける線量が多くなるほど影響の出る確率が高くなる場合を言い、がんと遺伝的影響がこれに相当します。4.放射線の人体への影響-14広島・長崎では遺伝的障害の事例は無いとのことであるが、データ(3世代位)が少ないためなのですか。(答)被ばく者の子供に関する遺伝調査は世界中で実施されたこの種の調査としては最大規模のものですが、遺伝性の疾患や異常の増加は見つかっていません。354.放射線の人体への影響-15放射性プルームを浴びると放射性物質はどのように取り込まれるのですか。皮膚からも取り込まれるのですか。(答)放射性プルームとは、原子力施設等から放出された放射性物質が風下に向かって流れる煙状の一団のことです。放射性プルームから放出されるガンマ線による外部被ばくと、放出された放射性ヨウ素等の放射性物質の吸入による内部被ばくです。皮膚からの吸収は、上皮に傷がなければ極僅かで、内部被ばくは問題になりません。4.放射線の人体への影響-16放射線を一度に受けるのと、数回に分けて受ける場合の影響の違いはあるのですか。(答)放射線を全身に一度に大量に受けますと、身体内の放射線感受性の高い細胞(造血臓器、腸上皮、皮膚などの幹細胞)が大量に死滅します。そうすると残っている正常な幹細胞による分裂増殖が死んだ細胞の数を埋め合わせることができないため、3Gy~4Gy程度の放射線を受けると2カ月程度で約半数の人が急性障害(腸管出血、造血器障害など)を起こして死亡し、7Gy以上では即死となります。 また、部分的に大量の放射線を受けますとその部分の幹細胞が死ぬため、その部分に皮膚紅斑や脱毛などの障害が生じます。一方、少量の放射線(1Gy未満)を長期にわたって受けますと、細胞や遺伝子に傷が付きます。その傷は多くの場合、修復機構や修復遺伝子によって直されますが、時に修復間違いを起こします。この間違いを突然変異と言います。この突然変異が細胞分裂の際に、他の細胞へ受け継がれていくことによって、10~20年も経ってからがんが発症するのだと考えられています。急性障害を起こすような線量、数Svの放射線を長期にわたって受けた場合には、上述の修復遺伝子などが十分に働く期間があり、放射線を受け傷ついた細胞や遺伝子は修復されますので、影響は低くなります。 マウスの場合は、毛の色の違い、骨格の異常、目の色の変異などの指標で調べられています。ショウジョウバエを用いた実験では 50mGy 以上の線量で遺伝的影響があると報告されています。マウスの場合は、約1Gy以上で遺伝的影響があると報告されています。394.放射線の人体への影響-24幹細胞が放射線に対して感受性が高い理由は?放射線を被ばくするとなぜがんになるか。(答)細胞分裂が盛んな細胞は放射線致死感受性が高いことが分かっています。幹細胞は、絶えず自分と同じ細胞と血液細胞や皮膚細胞などになる細胞の2つを毎回の細胞分裂で作り出し、失われた細胞を補充しています。従って、放射線致死感受性が高いのです。放射線がDNAに障害を及ぼし、異常をきたしたDNAは、通常は修復されるか、死んでしまいますが、異常のまま生き残ったDNAの障害は遺伝子の障害に結びつき、その障害が細胞増殖遺伝子や細胞増殖抑制遺伝子に及んだ場合には、正常な細胞分裂ができなくなり、増殖異常となってがんになるのです。4.放射線の人体への影響-25専門機関以外では、被ばくしているかどうかの確認(測定)しかすることができないのか。被ばくしていたときの対処方法。(答)専門機関以外では、被ばくの有無の確認しかすることができません。高線量を被ばくした場合は自覚症状がありますが、放射線の被ばくによりどのような障害が生じているかは、専門の医療機関で検査することになります。しかし、低線量ばくでは急性障害は発生しませんので、専門機関といえども、検査だけで被ばくしていることの確認は困難です。0.25~0.5Sv 程度の被ばくをすると白血球の一時的減少が起こりますので、一般の医療機関でも血液検査をすれば 0.25SV を超えて被ばくしたことが推定されます。4.放射線の人体への影響-26水晶体の被ばく線量はどうやって求めるのか。また、水晶体を守るために目を保護する対策が必要か。(答)水晶体の被ばく線量は、サーベイメータで測定した水晶体付近の線量率(単位:Sv/h)に被ばく時間(単位:h)を乗じて簡易的に求められますが、事業所周辺で行う原子力防災業務では特に水晶体の被ばく線量を求めたり、保護する必要はありません。通常は、水晶体の被ばくを評価しなければならないような状況では、水晶体での吸収が大きい低エネルギーγ線及びβ線の被ばくを測定できる個人線量計を目の近くに着用することになります。また、このような作業での目の被ばく低減には、めがね、ゴーグル等が有効です。404.放射線の人体への影響-27プルーム中のKr、Xeを吸入して内部被ばくすることはないのか。(答)クリプトン、キセノンは不活性化ガスといわれ、他の原子(分子)と結合せず単独で存在します。そのため、肺に吸入しても血液中には取り込まれません。また、肺の組織に沈着することもなくすぐに排気されます。厳密に言うと、肺に滞在する時間ベータ線による被ばくはありますが非常に僅かです。問題となる被ばくは人体周辺にある放射性クリプトン及びキセノンのガンマ線による外部被ばくです。放射性のクリプトンやキセノン等の希ガスは「サブマージョン」核種と言われ、被ばく評価はガンマ線による外部被ばくだけを評価すればいいことになっています。4.放射線の人体への影響-28防護基準の50mSv、100mSvの線量を被ばくした場合、がんの発生確率はどの位になるのか。(答)放射線被ばくによるがんの発生確率は、100~200mSvを超えるとほぼ直線的に増加し、1Svの被ばくで自然発生率より約5%増加します。100mSv以下の被ばくではがんの発生が増加するというはっきりした結果は得られていません。しかし、100mSv を超えた被ばくでは被ばく線量とがんの発生確率の増加が比例するため、「100mSv以下の被ばくでも放射線被ばくに起因するがんが被ばく線量に比例して発生すると仮定して放射線管理をしましょう。」というのがICRPの考え方です。この考えからしますと、100mSvでは、0.5%、50mSvで0.25%増加することになります。415.放射線の防護と防護基準-1緊急時における被ばく線量限度とその根拠はなんですか。(答)原子力施設で災害が発生し又は発生するおそれがある場合、人命救助や災害の拡大防止等緊急かつやむをえない場合には、防災業務関係者を緊急作業に従事させることができます。その特別の作業に対して認められた被ばく線量限度は、職業人に定められている緊急時における被ばく線量限度と同じく、実効線量が100mSv、眼の水晶体の等価線量が300mSv、皮膚の等価線量が1Svです。これらの線量限度の指標は、ICRP勧告やIAEA及び放射線審議会の意見具申を考慮して定めたものです。5.放射線の防護と防護基準-2防災業務関係者が被ばくする作業から外れる線量はどのくらいですか。(答)防災業務関係者の線量限度は原子力防災指針に以下のように示されています。① 災害応急対策活動及び災害復旧活動を実施する防災業務関係者の被ばく線量は、1回の防災活動で50mSvが上限です。② ただし、防災業務関係者のうち、事故現場において緊急作業を実施する者が、災害の拡大防止、及び人命救助等緊急かつやむをえない作業を実施する場合の被ばく線量限度は、実効線量で、100mSvが上限です。また、作業内容に応じて、必要があれば、眼の水晶体については等価線量で300mSv、皮膚については等価線量で1Svを上限とします。これらの値が上限値として決められていますが、一般的には一個人に被ばく線量が片寄らないように、これらの値の数分の1に計画し、その後の作業等は交代要員に引き継ぎます。425.放射線の防護と防護基準 -3事故において消防関係者が管理区域に立ち入る際の線量限度は定められているのですか。また、定められている場合その値はいくらですか。(答)消防関係者が管理区域に立ち入る場合として、管理区域内での消防活動が想定されます。 「原子力施設等における消防活動対策マニュアル(総務省消防庁、平成26年3月)」においては、原子力防災指針に定められている防災業務関係者の放射線防護に係わる指標線量を考慮して、消防活動に従事する者の線量限度を下表のように定めています。活 動 の 分 類 被ばく線量限度通常の消防活動 10mSv 以下人命救助等の緊急時活動 100mSv繰り返し活動を行う場合決められた5年間の総量が100mSv(但し、任意の1年に50mSvを超えるべきではない。)通常の消防活動では、隊員の交代等を行い、隊員1人あたりの被ばく線量は、「消防活動対策マニュアル」に従い10mSv以下に抑えることになります。5.放射線の防護と防護基準-4原子力事故が発生して、警察活動する上で警察官が被ばくする放射線量は安全だということですが、どのような場合危険となるのですか。また、どのサーベイメータを携帯すればよいのですか。(答)被ばくが多くなると考えられる任務としては、必要に応じて行う避難区域内のパトロールですが、当該作業現場周辺の線量率等はモニタリング班などにより把握されており、災害対策本部の指示等により、50mSvを超えないように管理して作業することになります。このため、平常時の環境測定等の低線量率測定にはシンチレーション式あるいはGM計数管式サーベイメータが適していますが、原子力緊急事態に防災業務を実施する場合は、高線量率が測定できる電離箱式サーベイメータあるいは高線量率用GM計数管式サーベイメータが適切です。最後に、放射線被ばくの可能性がある作業には必ず個人線量計を装着してください。435.放射線の防護と防護基準-5女性がポケット線量計を誤って胸に付けた場合はどうするのですか。(答)着用部位の誤りに気がついた時点で腹部に着用するように指示します。なお、誤って付けていた期間の腹部の被ばくについては、その者の作業場所や作業内容等を調査して胸部の被ばくと比較して過大な被ばくがなかったかどうか評価します。過大な被ばくが考えられる場合は再現法などの手段を用いて、腹部の被ばく線量を再評価し、記録します。ただし、一般の作業では腹部と胸部では問題になるような大きい差はありません。5.放射線の防護と防護基準-6防護具の取扱いの実習で、使用した半面マスクで覆われていない部分の安全性は、どうなのですか。(答)半面マスクや全面マスク等を着用する目的は、汚染した空気を呼吸することによって生じる内部被ばくを防止するためです。高放射能濃度環境や汚染物が顔面等に付着するような環境で作業する場合には、全面マスクを着用します。もし、半面マスクを着用して作業した結果、万が一顔面等に汚染が検出された場合には、湿らせた綿布による拭き取りや、中性洗剤と流水を使った洗顔等によって付着した汚染を除去します。5.放射線の防護と防護基準-7防護服(例タイベックスーツ)を着用する目的及び作業内容はどのようなものですか。 また、放射線を遮へいする防護服はないですか。(答)タイベックスーツは空気汚染のおそれのある区域内での作業等、さらに、原子力事故時の防災業務関係者の活動時に、作業者の身体、作業着等の汚染を防護または予防する目的で、それらの上から着用します。タイベックスーツは薄い不織布製ですから汚染した水で濡れるような作業には不向きです。汚染区域での作業終了後はタイベックスーツが汚染している可能性が高いため、はさみで静かに切り裂いて汚染をまき散らさないように、内側から巻き取るように脱がせます。原子力防災時には機敏な動作が要求されますので、放射線を遮へいする実用的な防護服はないと考えていいでしょう。445.放射線の防護と防護基準-8防護服はどのようなものですか。また、防護服の着用基準、使用限度はどうなっているのですか。(答)防護服は基本的に人体等を放射性汚染から防護するために着用する保護衣類です。保護衣類には、下着、服(作業着、実験着、上下つなぎ服(ワンピース)、エプロン、タイベックスーツ、アノラック、エアラインスーツ、加圧服)、手袋、靴下、靴(短靴、長靴)、靴カバー、腕カバー、帽子(綿帽、ヘルメット)、防護眼鏡等が適時使用されます。使用限度は、手袋、腕カバー、靴カバー、タイベックスーツ等は使い捨てで放射性廃棄物となります。その他の防護衣類は汚染検査をし、破損等不具合のないことを確認して再使用します。実験着、ワンピース等は放射能汚染の検査をし、汚染のないことを確認し、汚れを洗濯して、再使用しています。455.放射線の防護と防護基準-9マスク等の着用の目安は。また、どの程度まで防護できるのですか。(答)原子力防災活動時使用される呼吸用保護具は次の2つに分類されます。1)浄気式呼吸用保護具口と鼻の部分のみをカバーする半面マスク、顔全体をカバーする全面マスクなど肺力によって作業場所の空気を面体に取り付けた粒子フィルタあるいは吸収缶でろ過しながら呼吸するもので、小型軽量であるため使用頻度が高いものです。この場合、マスク面体と顔との密着性が防護効果を大きく左右し、例えば、髭をよく剃っておくことが重要です。2)自給式呼吸用保護具いわゆる呼吸器と呼ばれるもので、ボンベに充填した圧縮空気を、あるいは化学反応で発生させた酸素を全面マスク内に供給するものです。吸い込む時に面体内部が負圧になるもの(デマンド型)と、常に陽圧に保たれているもの(プレッシャーデマンド型)があり、後者は大きな防護効果が得られます。呼吸用保護具を実際に着用したときに得られる防護効果は、個人の顔面と面体との密着性などで一概には決まりませんが、防護係数が1つの目安となっています。防護係数=作業場所の濃度/マスク内の濃度この係数が大きいほど防護効果は大きいことを表し、例えば、この係数が50であれば、マスクを着用すると体内への摂取量は1/50に低下することを意味しています。下表にマスクの防護係数を示します。表 防護マスクの防護係数空気中放射性物質マスクの種類塵 埃注)ヨウ素半面マスク(塵埃フィルタ) 10 1全面マスク(塵埃フィルタ) 50 1(ヨウ素用吸収缶) 50 20注):防護マスクの集塵能力は非常に高く、防護性能は通常顔とマスクの密着の度合いで決まる。465.放射線の防護と防護基準-10内部被ばく者は線源になりますか。内部被ばく者からは外部被ばくしないのですか。 また、内部被ばく者の搬送はどのようにすればいいのですか。(答)内部被ばく者は、体内に放射性物質を取り込んでいるため線源となります。しかし、内部被ばく者から他の人が受ける外部被ばく線量は非常に少なく、ほとんど問題になりません。従って、内部被ばく者を搬送するに当たっては、体表面汚染がない場合はシーツでくるむなどの措置は必要ありませんが、嘔吐物など体内からの排泄物には放射性物質が含まれている可能性を考慮し、搬送車の内部をプラスチックシートで養生することが必要でしょう。また、内部被ばく者やその体内からの排泄物に素手で直接触れないよう、ゴム手袋などをすることも必要でしょう。なお、内部被ばく線量の評価などの資料として使用するため、排泄物は出来るだけポリ袋等に回収し、氏名や日時などを記入しておいてください。5.放射線の防護と防護基準-11避難誘導をするときは夏でもカッパのようなものを着るのか。また、住民を避難させるときはビニールの袋のようなものを頭から被らせた方が良いのか。また、避難誘導の作業をするときに水を被った方が効果が良いのか。(答)住民の避難誘導では、長時間にわたり屋外にいることはありませんので、ご質問にあるような服装までは必要ないでしょう。ただし、放射性物質による汚染を避けるためには肌を露出しないことですので、長袖の服、長ズボンを着用し、頭には帽子を被るようにしてください。また、四つ折りにした木綿のハンカチや、タオル等をぬらし2~3回おりたたんで口と鼻を覆うことで、放射性物質の吸入を1/5~1/10に減らすことができます。なお、水を被る件ですが、放射性物質はプルームの中で塵と同じように漂っており、服や頭の上に降ってくる訳ですので、衣服等が濡れているとかえって付着しやすく、また落ちづらくなります。体や服はぬらさない方が良いでしょう。475.放射線の防護と防護基準-12船の中にいれば、放射線、放射性物質は止まるか。(答)一般の船舶は鉄板等の金属が使用されているのでα線及びβ線は遮へいされます。また、γ線も鉄板によりある程度遮へいされるので、外部被ばく低減の効果は十分あるでしょう。 特に大きな船舶の船底に近い部分では、途中に何重かの鉄板があることになりますし、船室の側面は水がありますので、γ線及び中性子線も遮へいされ、放射線による外部被ばくはほぼ防護できると思います。また、船舶は荒天時に雨や海水の進入を防ぐため、防水(気密)構造になっています。 防水扉を閉め、換気を止めて船室内にいれば、放射性物質の吸入は防止できるでしょう。5.放射線の防護と防護基準-13一般公衆の線量限度は1mSvの根拠はなにか。(答)一般公衆は、主に成人男性から構成される職業人とは異なり、放射線に感受性の高い胎児や乳幼児が含まれています。従って、一般公衆の線量限度は、これらの者が一生涯放射線を継続して受け続けた場合の死亡リスクを考えて設定されています。大地からの自然放射線による年被ばく線量は、ほとんどの国々で約1~2mSvです。国際放射線防護委員会は、これらの事を考慮して、人工放射線からの一般公衆の年線量限度を1mSvと勧告しているのです。5.放射線の防護と防護基準-14防災業務関係者の線量限度で「1回あたり50mSv」の、1回の意味は。(答)放射線取扱い等の業務を職業にしている人(放射線業務従事者という。)の線量限度は、50mSv/年及び100mSv/5年と定められています。防災業務関係者の線量限度もこれと同じ考えで提案されています。しかし、避難等の原子力防災対策を実施する必要があるような事故が起こる可能性は極めて低く、まして、ある個人が原子力事故に遭遇し、防災業務関係者として防災業務に携わるような事態が、1生の内に2度以上起こることは、可能性としてはほとんどないであろうと考えられます。このような理由で、防災業務関係者の被ばく限度は、1事故あたり50mSvという値が示されています。485.放射線の防護と防護基準-15中性子を遮へいする防護服はあるのですか。(答)中性子を遮へいする防護服は、現在のところありません。中性子を遮へいする場合には、これらの2次放射線の遮へいも合わせて考慮する必要があり、特にガンマ線の場合は鉛などの重い物質が必要となります。これらのことより、防護服の材料としては、軽い物質と重い物質を組み合わせた材料を使用する必要があり、形状が複雑で重いものとなり、実際の活動を考えた場合実用的とは言えません。5.放射線の防護と防護基準-16100mSv/hを越える区域に入って救助活動しなければならない時はどうするのか。 500mSv/h以上の線量率のエリアでは人命救助も出来ないのか。(答)ご承知のように、原子力防災関係者の被ばく限度は、緊急作業で100mSv以下という指標が示されています。このため、この指標を超える被ばくはさける必要があります。質問の100mSv/hの区域では1時間滞在すると、100mSvを被ばくするということです。 30分では50mSvの被ばくになります。作業が長時間に及ぶときは人が交代しながら救助作業等を続けることになります。500mSv/hを超える区域でも(数1000mSv/hを超えるような場所では難しいでしょうが)、基本的には同じ考えで人命救助は行えます。なお、高線量の区域で作業を行う場合は、必ずアラーム付きの線量計の装着を忘れないようにしてください。5.放射線の防護と防護基準-17救急救助で100mSvと言われてますが、アラームメータの設定は何mSvにしておけば良いのか。(答)数10mSv/hの区域では80~90mSvに設定しておけば大丈夫ですが、100mSv/hを超える区域で作業する場合は、アラームが鳴ってから退避するまでにかなりの被ばくをする場合がありますので、半分の50mSv程度に設定する方がよいでしょう。495.放射線の防護と防護基準-18原子力発電所の警戒に当たる機動隊員として、携帯している線量計がどの数値になったらいかなる行為を取るべきか。(答)防災関係者の事故時における防護指標として50mSv/回が提案されています。これは1回の事故あたり防災活動での被ばく線量を50mSv以下にすべきであるということです。活動中及び退避中の被ばく線量を合わせて50mSv以下にする必要がありますので、最大でも40mSvを超えたら退避することになるでしょう。原則的には、原子力緊急事態等に放射線被ばくのおそれのある区域での任務は、災害対策本部や県警本部等からの指示に基づいていて行動することになります。なお、海上保安庁の防災活動においては「ポケット線量計のアラ-ム設定レベルを25mSvとし、この線量に達したときは即時退避する」ことが決められております。また、消防庁マニュアルでは消防活動時の被ばくは10mSvと規定してあります。5.放射線の防護と防護基準-19緊急出動した場合、どれだけの被ばくになるか分からないのでその判断はどうするのか。線量計から警察官退避時間等をどう予定して行けば良いか。(答)放射線による被ばくが予想される場合、線量計を必ず身に着けて出動することになります。緊急時の被ばく線量の指標は、50mSvです。線量が一定であるとは限りませんので、時々線量計の指示値を確認しながらが、余裕を持って活動することが重要です。例えば、測定時間が30分で被ばく線量が1mSvの場合、線量率は2mSv/h (1mSv÷0.5h)となります。活動現場での線量率が一定であると仮定すると約12時間で被ばく線量が25mSvとなります。従って活動出来る時間は12時間以内ということになります。505.放射線の防護と防護基準-20放射性物質の吸入を防ぐマスクのフィルターは、どういった性質のものが使われているのか。防護マスクに使用されているフィルターカートリッジには有効期限があるのか。全面マスクのフィルターは核種により使い分けるのか?(答)フィルターは放射性物質の性状により使い分けます。核種によって使い分ける訳ではありません。塵埃(プルトニウム等)に対しては、フィルター付カートリッジを用い、放射性ヨウ素などの揮発性物質に対しては活性炭カートリッジを用います。フィルター付カートリッジに使われるフィルターは、粒子捕集方式により、メカニカルフィルターと呼ばれるもの及び静電ろ過材と呼ばれるものと2種類あり、メカニカルフィルターの保存期間は製造日から10年です。静電ろ過材と呼ばれるものは同じく製造日から2年です。活性炭カートリッジは、2年(常温、常圧)の保存期間があります。これらはいずれも未開封の状態での期間です。5.放射線の防護と防護基準-21防災業務関係者が50mSvをすでに浴びた場合、何日ぐらいしたらまた浴びても問題ないのか。(答)防災指針では、防災業務関係者の事故時における防護指標として、実効線量で50mSvを上限として用いることが示されています。しかし、職業人に対する防護基準(被ばく限度値)は、「実効線量100mSv/5年(50mSv/年)」と規制されています。このことを考えると、問題に示された防災業務関係者の被ばくした50mSvは、特別な1年間の被ばく線量の上限値と解釈されます。従って、被ばくをしたその年度内において、さらなる被ばくはあり得ないと考えられます。次に被ばくが許されるのは翌年度以降となります。なお、100mSv被ばくした場合は5年間を経過した年度まで放射線に被ばくするような作業はできません。515.放射線の防護と防護基準-22巡視船で立ち入り禁止区域入域船の警戒を実施することとなったが、巡視船の空調設備を運転していたほうが良いのか。放射線を浴びたほこりを入れない為、空調及び送風機は完全に停止したほうが船内の被ばくを防ぐことができるのか。どちらが正しいのか教えて下さい。(答)核燃料加工施設の臨界事故等で放射性物質の放出がわずかで、γ線、中性子線の放出が主な場合は空調を止める必要はありません。原子力発電所の事故で、放射性プルームの中で警戒活動等実施する場合は、内部被ばく防護の観点で、放射性物質の侵入を防ぐために船室は閉め切り、空調も止める必要があります。もし、吸気側に高性能フィルターが設置してある場合は、空調を止める必要はありません。内循環式ならば、止める必要はありません。5.放射線の防護と防護基準-23避難住民の汚染に対する基準値はあるのか。また、表面汚染密度には人体に対する安全基準のようなものはないのか。(答)原子力施設から放射性物質等が異常に放出された場合に、放出された放射線あるいは放射性物質から放出される放射線により身体が被ばくします。また、身体が放射性物質を含む空気に囲まれると、放射性物質を吸入するとともに身体表面に付着します。身体に付着した放射性物質は比較的容易に除去出来ますし、付着による被ばくは健康に影響を与える程ではないので、身体表面における放射性物質の付着量(表面汚染密度)に関する直接的な安全基準のようなものはありません。しかしながら、避難又は一時移転の基準に基づいて避難等した避難者等に避難退域時検査を実施し、汚染が基準を超える場合は、迅速に簡易除染等を実施することになっています。その基準は、窓面積20cm2のGM管式サーベイメータを使用した場合、40,000cpm※(皮膚から数cmでの検出器の計数率)、事故より1か月を過ぎた場合は、同様に13,000cpmとなっています。525.放射線の防護と防護基準-24長時間作業する場合、フィルターカートリッジは交換しなくても良いか。(答)放射物質吸入防護マスクのフィルターは塵埃捕集用とヨウ素捕集用の2種類が有り、フィルターの種類により交換時期が異なります。塵埃捕集用フィルターは劣化に強く、長時間使用しても捕集効率は安定しています。 通常の環境においては、目詰まりを起こすことは考えられませんが、息苦しくなるようでしたら交換します。放射性物質が存在するような環境下での使用の場合、一度きりの「使い捨て」とします。長時間の作業の場合、一度着脱する場合には交換するようにします。ヨウ素捕集用には活性炭が一般的に使用されており、活性炭カートリッジは、塵埃捕集用フィルターと異なり湿気に弱く、開封すると劣化が進みます。使用する直前に開封するようにしてください。「使い捨て」とすることおよび長時間の使用に関する交換については塵埃捕集用フィルターと扱いは同じです。開封したものの再利用は行わないで下さい。5.放射線の防護と防護基準-25α線、β線の防護はできるが、γ線(X線)と中性子線にあっては、防護する事ができないので、どう対処するのか。そもそもγ線、中性子線が放射性プルームとして外に出ることが考えられるのか。(答)γ線、中性子線の被ばく低減は、外部被ばく防護の3原則、「遮蔽」、「距離」、「時間」によります。外部被ばくの原因になる、γ線やβ線を放出する放射性希ガスや、事故によっては、セシウム-137 等はプルームとして放出されますが、中性子線を放出する放射性核種は、ほとんどありませんのでプルームとして放出されることもありません。核分裂等の原子核反応により発生する中性子線は、事故施設から直接放射されることが考えられます。5.放射線の防護と防護基準-26100mSv被ばくした場合、その後の被ばく管理方法は?(答)対象者が防災関係者の場合は、健康診断を年2回継続して行うとともに、100mSv/5年の被ばく基準に基づき、5年間は放射線関連業務に就けないように管理します。対象者が一般住民の場合は、一端、緊急被ばく医療機関で健康状態を検査した後、継続して年1~2回健康診断を行うことになると思います。535.放射線の防護と防護基準-27放射線業務従事者と一般人で線量限度が異なるのはなぜか?(答)一般人の中には、放射線感受性の高い子供、妊婦が含まれています。また放射線測定器を用いて被ばく線量の管理を行っていません。そのため、知らずに高い被ばく線量を被ばくすることになる可能性があります。このような理由から放射線従事者と異なる線量限度を設けています。5.放射線の防護と防護基準-28汚染区域の中において消防活動をし、汚染区域の外に出る(患者の搬送のような)場合、汚染区域でない区域を汚染してしまうことも考えられる。このようなときどうしたらよいのか?(答)傷病者の状態にもよりますが、一刻を争うような状況の場合は、汚染している衣類を脱がせるか、脱がせられない場合はカッター等で切り裂いて汚染した衣類を身体から取り除きます。可能であれば濡れたタオル等で傷病者の身体の汚染を拭き取ります。搬送する場合は、傷病者の身体をシーツ等にくるみ搬送車両にのせます。汚染した傷病者の衣類は廃棄されます。病院に到着した後、傷病者をくるんだシーツあるいは搬送車両の養生に使用したポリエチレンシート等については、汚染が拡大しなしようにポリエチレン袋等に収納し廃棄します。搬送者も汚染する可能性がありますから衣類等に汚染がある場合は、同様に廃棄します。5.放射線の防護と防護基準-29100mSv以上ある場所での人命救助の際の服装はどのようなものか?(答)汚染がある場合と無い場合では服装が異なります。汚染がある場合は線量にかかわらずタイベックスーツなどの放射線防護服及び防護マスクの着用が必要になります。汚染が無い場合は、通常の活動服で問題はないと考えられます。線量計は必ず着用します。545.放射線の防護と防護基準-30防護服が汚染した場合再使用は可能か?(答)通常、汚染した防護服は廃棄されます。ただし、汚染核種が分かっていて、かつ、半減期が短い場合は、放射性物質が減衰した後、使用することは可能です。また、高価な防護服の場合、除染を行った後、再使用することも考えられます。5.放射線の防護と防護基準-31モニタリングしながらどのように現場に近づけば良いのか。また、どのようなレベルで(退避等の)判断すればよいのか?(答)モニタリングをする場合、線源から十分離れた場所から測定を始め、徐々に線源に近づいて行くのが原則です。消防隊員が車両で現場に急行するような場合は、車両に搭載した測定器のスイッチを出発時に入れ、測定しながら現場に近づくなどの配慮も必要です。可能であれば複数の種類の異なる測定器で測定するのが望ましいでしょう。消防活動では通常の消防活動及び人命救助等の緊急時活動についてそれぞれ線量限度が決められており、前者は10mSv、後者は100mSvとなっています。個人線量計の警報設定レベルは通常の消防活動では10mSv以下、緊急時活動については30mSv~50mSvとなっており、退避等の判断基準(レベル)は個人線量計の設定レベルに準じて決めて良いと考えられます。なお、退避の判断基準(レベル)は退避完了までの時間を考慮し、個人線量計の警報設定レベルより低めに決定すべきです。5.放射線の防護と防護基準-32放射線業務従事者の線量限度は100mSv/5年、一般公衆(周辺監視区域の外側)は、1mSv/年となっているが、一般公衆の人が発電所等に立ち入った場合線量限度を20mSv/年と考えてよいのか?(答)放射線業務従事者になるには、教育や放射線業務従事者手帳が必要となります。また、原子力施設(原子力発電所等)に立ちいるには、入構許可が必要になります。一般公衆が原子力施設に立ち入ることは出来ないことになっていますが、もし原子力施設に立ち入った場合でも線量限度が放射線業務従事者と同じように5年100mSv、1年50mSvになることはありません。原子力施設内で事務職として働かれているかたは、一般公衆と同じ1年で1mSvと決められています。555.放射線の防護と防護基準-33小児の予測甲状腺等価線量で予測される吸入時間が24時間の場合は、小児活動時、小児一日平均のうちどちらの値を採用したらよいか?(答)予測される吸入時間が24時間の場合は、小児一日平均を採用して方がいいと思いますが、安全側にたった場合、小児活動時を採用する方が良い場合があります。566.安定ヨウ素剤-1ヨウ素剤は備蓄しているのですか、また、代用物(ヨウ素系造影剤)はありますか。(答)原子力施設のある地方公共団体などでは、緊急時に備えて安定ヨウ素剤として、ヨウ化カリウム剤を必要量分、保管しています。 ヨウ素剤の代用として、ヨードチンキ、甲状腺ブロック剤、昆布などの使用が検討されましたが、やはり医薬品ヨウ化カリウムにかなうものはないようです。6.安定ヨウ素剤-2ヨウ素剤の保管方法(保存温度等)と有効期限はどのぐらいですか。また、事前に各家庭に配布されるのですか。(答)PAZの区域の、飲んではいけない人以外については、各家庭で配布を受け備蓄しています。保存は遮光された、湿気のない通常の薬品等の保管場所がよいでしょう。医薬品ヨウ化カリウムは非常に安定な化合物ですので、保管が適切に行われれば、かなり長期にわたり有効ですが、メーカにより保証期間が異なりますが3年間を保証期間としているのが一般的です。薬剤に記載された有効期限を確認して適切に交換してください。576.安定ヨウ素剤-3ヨウ素剤の服用で副作用はありますか。また、服用していけない病気はあるのですか。(答)放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを低減するために服用するわけですが、副作用などがありますので、服用にあたってはいくつかの注意事項を守らねばなりません。・服用対象者安定ヨウ素剤の服用は、すべての年代の方が対象となります。ただし、ヨウ素にアレルギー等がある服用不適切者や自らの意思で服用しない者を除きます。・服用回数服用回数は原則として1回です。安定ヨウ素剤の2回目の服用を考慮しなければならない状況では避難を優先させます・一般に成人の場合1回100mg(ヨウ素としては76mg)の経口投与では、副作用は起きません。服用後、じん麻疹、関節痛、発熱等の副作用が生じた場合は、医療関係者が対応します。・ヨウ素過敏症のある者、造影剤過敏症の既往歴のある者、低補体性血管炎の既往歴のある者又は治療中の者、ジューリング疱疹状皮膚炎の既往歴のある者又は治療中の者は、副作用発生のおそれがあるため、服用してはなりません・安定ヨウ素剤の服用によってアレルギーなどの副作用を起こす場合もある(ただし、副作用は軽度といわれています)。・大量に、もしくは頻回に服用すると、甲状腺機能低下症を発症することがあります。その他・新生児については、安定ヨウ素剤服用後に甲状腺機能低下症を発症することがあるので、その早期発見治療のために甲状腺機能を追跡調査する必要があります。・妊婦にも服用させること。その出生児については、甲状腺機能の追跡調査を行う必要があります。・授乳婦にも服用させ、母乳を飲んでいる乳児には、その代替えとして人工乳を与えてください。586.安定ヨウ素剤-4ヨウ素剤を飲み、尿を出して溜めておいた場合の放射線は問題ないのですか。(答)被災者が放射性ヨウ素を吸入し、甲状腺に3kBqを超える取り込みがある場合に安定ヨウ素剤を投与しますが、この場合の甲状腺表面の線量率は約0.1μSv/hになります。甲状腺に30kBqの放射性ヨウ素を取り込んだ被災者に安定ヨウ素剤ヨウ素剤投与した結果、放射性ヨウ素を全て排出したとして、排泄物を回収した容器表面線量率は1μSv/h以下ということになり、容器から数メートル離れればバックグラウンドと区別できないでしょう。6.安定ヨウ素剤-5ヨウ素剤の効果はどうなのですか。(答)安定ヨウ素剤による効果は、成人では少なくともヨウ化カリウムの製剤30mgの服用量で、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の95%を抑制することが出来ます。服用時期に関しては、放射性ヨウ素の吸入あるいは体内摂取される前24時間以内または直後に服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制することが出来ます。また、放射性ヨウ素の摂取後であっても、8時間以内の服用であれば約40%の抑制効果が期待できますが、24時間以降では約7%となります。この効果は、安定ヨウ素剤服用後、少なくとも1日は持続することが認められています。6.安定ヨウ素剤-6スリーマイル事故の時、ヨウ素剤は配られたのですか。(答)FDA(米国食品医薬品局)はTMI事故のためにヨウ化カリウム(KI)を服用することが甲状腺被ばく低減に有効であるとして、多くの製薬会社に依頼したところ、1社が緊急製造を引き受けました。これに要した費用は、35万ドルでした。5万本の小瓶に入った液体ヨウ化カリウム(20万人で10日分)が用意され州に送り込まれましたが、ヨウ化カリウムの配布による心理的な影響が考えられること、またその副作用もあることから、その使用には慎重を要するとして実際には配布されませんでした。596.安定ヨウ素剤-740歳以上の人は、何故ヨウ素剤を服用する必要がないのか。(答)以前は、40歳以上の人は、放射性ヨウ素を摂取しても甲状腺がんのリスクの増加が認められないことから服用の必要はないとしていましたが、甲状腺がんのリスクが高齢者でも残存し、安定ヨウ素剤の効果が認められるという報告もあり、副作用のある人や、拒否をする人を除き、服用することになっています。しかしながら、一方で、一時的な甲状腺機能低下等の副作用が生じる可能性は年齢が上がるとともに増加するとの報告もある。6.安定ヨウ素剤-8ヨウ素剤の服用は、事故が継続する場合、何回にも分けて服用することが必要なのではないか(答)ヨウ素剤の服用は1回限りで、原子力施設での事故が継続しており、ヨウ素剤の服用が2回以上必要となる場合は、別の地域への避難が優先さると防災指針に記載されています。従って、被災住民がヨウ素剤を何回にも分けて服用するという状況はなく、防災業務関係者の場合には必要に応じて、一回限り飲むということになると思われます。しかしながら、どうしても必要な場合は、24時間以上間をあけて服用します。6.安定ヨウ素剤-9現場に出動する人は、ヨウ素剤を飲んでから行ったほうがよいのか。(答)現時点では大気中放射性ヨウ素濃度は十分低いが、状況が急変する可能性のある場所で防護対策等に携わる必要がある場合、事前に安定ヨウ素剤を服用するケースがある可能性はあります。しかし、放射性ヨウ素等放射性物質の吸入はさける或いは極力低くするのが原則です。基本的には大気中放射性ヨウ素濃度が高い場所で作業する場合は、放射性物質吸入低減のために「防護マスク」の着用が原則です。 標準-防災-カリキュラム時間(分) 項目 内容・身の回りの放射線と被ばく・放射線と放射能・放射線と放射能の単位・放射線の人体への影響・被ばくの経路、被ばくの形態と防護・被ばく線量の測定と被ばくの管理・原子力災害対策指針に基づく緊急時対応の概要 ・緊急時対応時の防護措置・電子式個人線量計の取り扱い実習・防護装備の装着及び脱衣実習・距離による減衰効果、遮へい効果の確認実習・身の回りの放射性物質の確認実習60【実習】放射線測定器の取扱、防護装備の着脱等防災業務関係者研修標準カリキュラム40【講義1】放射線防護のために必要な基礎知識40【講義2】緊急時対応の概要と防護措置 内閣府令和6年度 防災業務関係者研修放射線防護のために必要な基礎知識・標準テキスト・研修指導要領令和7年2月公益財団法人原子力安全技術センター防災業務関係者研修標準テキスト講義1放射線防護のために必要な基礎知識令和7年2月放射線防護に必要な基礎知識【学習目的】原子力災害時に支援をする民間の防災業務関係者の方々が安全に活動できるよう、放射線に関する基本的な知識を習得すること。 正しい放射線の知識を身に着け、放射線から正しく身体を防護することが肝要です!・原子力災害では、放射性物質又は放射線の放出という事象が生じることがあります。この放射線は五感で感じることができません。 ・放射線は健康に影響を及ぼすことがあります。このため、用語や数値、健康影響が現れる線量などの知識を得ることによって、自分自身を守るための判断を身につけることができます。 1学習のねらい学習項目 タイトル No自然放射線などからの被ばく線量と身の回りにある放射線身の回りの放射線と被ばく 1放射性物質、放射線、放射能の違い、放射線の種類と放射性物質についての基礎知識放射線と放射能 2放射能の単位及び被ばく線量の単位 放射線と放射能の単位 3放射線の人体への影響 放射線の人体への影響 4放射性物質の放出による被ばくの経路、外部被ばくと内部被ばくの防護方法被ばくの経路、被ばくの形態と防護5放射線被ばく線量の管理 被ばく線量の測定と被ばくの管理621. 身の回りの放射線と被ばく31.1 日常生活と放射線出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」mSv:ミリシーベルト41.2 体内及び食品中の放射性物質の量5出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」一部改編1.3 世界と日本の被ばく線量の比較61.4 医療診断で受ける放射線量出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」原子力災害時に支援をする民間の防災業務関係者の被ばく管理の目安値:1mSv71.5 放射線の利用(出典) 一般財団法人日本原子力文化財団 原子力・エネルギー図面集20168工 業医 療農 業研 究工 業流速・流量の調査強化プラスチック熟成等の調整非破壊検査溶接検査ゲージング厚みの測定新薬開発化合物構造の研究アイソトープ電池品種改良発芽防止エックス線検査エックス線CTがんの治療2.放射線と放射能9放射性物質:放射線を出す物質放射線:放射性物質から出てくる粒子線又は電磁波放射能:放射線を出す能力放射性物質から放出される放射線を受けることを被ばくするという。 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.1 放射性物質、放射線、放射能とは(Sv)102.2 放射線と放射性物質の違い11出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編1~10cm1㎝~10m数10m~空気中で飛ぶ距離2.3 放射線の種類と透過力12132.4 放射性物質の性質-放射能の減衰と半減期-放射能の寿命は、半減期で表します。 出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」2.5 放射性物質の半減期半減期の長さは放射性物質の種類により決まっています。 また、半減期は温度や圧力など外界の影響を受けない放射性物質固有のものです。 14出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」3.放射線と放射能の単位15・土壌 Bq/m2, Bq/kg・水 Bq/m3, Bq/ℓ・食品 Bq/kgベクレルの使用例(単位当たりの放射能を示す)3.1 放射能の単位出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」ベクレル(Bq)放射能の量を表す単位163.2 放射線被ばく線量の単位Sv(シーベルト)人体への影響はどのくらいかを表します。 放射性物質被ばく線量放射線173.3 空間放射線量率の単位空間線量率 20μSv/h放射性物質作業時間1時間被ばく線量20μSv2時間 40μSv3時間 60μSv1000μSv(1mSv)50時間単位・・・ 0.001Sv=1mSv=1000μSv空間放射線量率(放射線の強さ)は、μSv/h (マイクロシーベルトパーアワー)で表します。 184.放射線の人体への影響194.1 放射線による人体への影響20※原爆被爆者の追跡調査によると、人では遺伝性障害は確認されていない。 ※出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編4.2 放射線の人体への影響(放射線防護での考え方)放射線による健康影響21概ね100mSv線量と影響の関係白血病、がん概ね100mSv224.3 100mSv以下の被ばく出典:一般財団法人原子力文化財団 原子力エネルギー図面集2016より改編原子力災害時に支援をする民間の防災業務関係の被ばく管理の目安値:1mSv100ミリシーベルト以下1人当たりの自然放射線(年間) 2.41.0 一般公衆に対する制限(医療は除く)(年間)1人当たりの自然放射線(年間) 2.1自然放射線人工放射線単位:mSv(ミリシーベルト)1001010.10.010.0010.06 胸のエックス線集団検診(1回)0.01 歯科撮影0.001未満 原子力発電所からの放出実績(年間)0.022 再処理工場(六ヶ所村)の線量評価(年間)0.05 原子力発電所周辺の線量目標値(年間)3.0 胃のX線検診(1回)2.0~10 PET検査(1回)2.4~12.9 CT(1回)50 発電所などで働く作業者に対する制限(年間)100 緊急作業に対する制限被ばくによる発がんリスクに統計的な差はない(住民の方の健康への影響は確認されていません。)ラムサール(イラン)、ケララ、チェンナイ(インド)大地からの自然放射線(年間) 0.5~613.2(世界平均)(日本平均)東京~ニューヨーク航空機旅行(往復) 0.08~0.11クリアランスレベル0.01(年間)100mSv以下では、放射線による、白血病やがんの増加を証明することは難しい。 4.4 がんのリスク(放射線と生活習慣)出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」235.被ばくの経路、被ばくの形態と防護245.1 被ばくの経路 プルームの通過時255.2 被ばくの種類26出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」改編宇宙線浮遊じん汚染物地表呼吸飲食傷体表面汚染●体外から放射線を受ける ●体内から放射線を受ける:放射性物質①放射性物質による汚染から身体を保護するための防護服等を装着する②早期に除染する5.3 被ばくの防ぎ方外部被ばくの防護(放射線を受ける量を減らす)外部被ばく防護の三原則①距離による防護 :放射性物質から離れる②遮へいによる防護:人と放射性物質の間に遮へい物を置く③時間による防護 :放射性物質に近づく時間を制限する内部被ばくの防護(放射性物質を身体の中に入れない)放射性物質を体内に取り込まない①口から:放射性物質に汚染された物を口に入れないようにする②鼻から:放射性物質を吸い込まないようにする③傷口から:放射性物質を取り込まないようにする体表面汚染の防護(放射性物質を身体に付けない)民間の防災業務関係者は、放射性プルームが過ぎ去った後に、20μSv/hを超える放射線量率の区域に入ることがあります。 27放射線は距離の2乗に反比例して減衰します。 距離-線量率00.20.40.60.81.00 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11距離 (m)線量率5.3 外部被ばくの防ぎ方①③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護距離285.3 外部被ばくの防ぎ方②③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護遮へい厚-線量率00.20.40.60.81.00 1 2 3 4 5 6 7 8 9厚さ (cm)線量率放射線は、同じ材質の遮へい体ならば、厚いほど減衰する。 遮へい体放射線の種類により材質を変える。 2930被ばく線量は、時間をみじかくすれば減ります時間-線量00.510 0.5 1 1.5 2 2.5時間 (h)線 量0.5mSv/hの場合5.3 外部被ばくの防ぎ方③③時間による防護 ①距離による防護 ②遮へいによる防護5.4 内部被ばくの防ぎ方1. 放射性物質を吸い込まない(1)車両①車内に留まる。 ②車内エアコン:換気モード(外気導入)を車内モード(内気循環)にする。 ③窓を閉める。 (2)マスクをする。 312. 放射性物質に汚染されたものを口に入れない(1)喫煙・飲食の禁止(2)喫煙・飲食の前には手洗い・うがいを実施する。 (3)必要な飲食物は、車両の出発地点で積み込み、OIL2の域内では飲食物を車両内に持ち込まない。 防塵マスク 全面マスクマスクの種類(例)半面マスク5.5 安定ヨウ素剤の服用①事故により発生する放射性物質のうち、「放射性ヨウ素」は人が体内に取り込むと甲状腺に集積するため、内部被ばくによる甲状腺がんなどを発生させるリスクが上昇する放射性ヨウ素による内部被ばく安定ヨウ素剤の服用安定ヨウ素剤(放射性でないヨウ素を製剤化したもの)を適切なタイミングで服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積を防ぐことができるため、甲状腺への被ばくを予防または低減させる効果がある32出典:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(R3.7.21一部改正)原子力規制庁335.5 安定ヨウ素剤の服用②ヨウ化カリウム(安定ヨウ素剤)を投与しないときの甲状腺への放射性ヨウ素の集積量を1とし、ヨウ化カリウムを投与したときの放射性ヨウ素の甲状腺への集積量から投与時期に対する阻害率を計算したもの。 出典:Health Phys., 78. 2000安定ヨウ素剤による放射性ヨウ素の阻害ゼリー剤(16. 3mg) 丸剤(50mg)ヨウ化カリウム製剤 対象者ゼリー剤(16.3mg)1包 生後1か月未満ゼリー剤(16.3mg)2包又はゼリー剤(32.5mg)1包生後1か月以上3歳未満丸剤(50mg)1丸 3歳以上13歳未満丸剤(50mg)2丸 13歳以上服用量 服用のタイミング安定ヨウ素剤の適切な服用量(1回分)服用のタイミングは、原子力規制委員会の判断に基づき、原子力災害対策本部又は地方公共団体が服用を指示する。 出典:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(R3.7.21一部改正)原子力規制庁防護服は、外部被ばくを防ぐことはできません。 体表面汚染(身体汚染)汚染防護服(例)シール直接皮膚に放射性物質を付着させないために、防護服を着る5.6 体表面汚染の防ぎ方346.被ばく線量の測定と、被ばくの管理35366.1 個人の被ばく線量測定器電子式個人線量計個人被ばく線量実際に被ばくした線量は、どれくらいか?γ線(中性子線)※【外部被ばく】電子式個人線量計γ線【内部被ばく】ホールボディカウンター(核種を確定)「どれぐらい被ばくしたか」の測定は、個人線量計などを使用する。 警報機能付き電子式個人線量計ホールボディカウンター(例) ※臨界事故等の場合6.2 放射線被ばくの管理①37等価線量 実効線量眼の水晶体:5年間100mSvかつ1年間で50mSv(*2)皮膚:1年間で500mSv5年間で100mSvかつ1年間で50mSv男性・妊娠する可能性がないと診断された女性3ヶ月で5mSv 女性(*1)上記に加え腹部表面2mSv 内部被ばく 1mSv 妊娠中の女性(参考)放射線業務従事者の被ばく限度指標の設定に当たっては、放射線業務従事者の平時における被ばく限度を参考とすることを基本とし、人命救助等緊急やむを得ない活動に従事する場合に限り、緊急作業時の限度を参考とする等価線量 実効線量眼の水晶体:300mSv皮膚:1Sv100mSv 男性・妊娠する可能性がないと診断された女性緊急作業時平時*1 妊娠する可能性がないと診断された女子及び妊娠と診断された時から出産までの間(「妊娠中」)の女子を除く。 *2 ICRP勧告「組織反応に関する声明」を踏襲し、2021年4月1日より電離放射線障害防止規則等が改正施行された。 放射線防護に係る指標出典:原子力災害対策指針(令和4年7月6日 原子力規制委員会)より引用し作成1mSv = 1000μSv 被ばく管理目安値業務可能な時間 空間線量率50時間 20μSv/h20時間 50μSv/h10時間 100μSv/h5時間 200μSv/h6.2 放射線被ばくの管理②38参 考3940参考1 低線量率被ばくによるがん死亡リスク(確率的影響)出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料令和5年度版」参考2 低線量被ばくのリスク低線量(100ミリシーベルト以下)被ばくのリスク(現在の科学でわかっている健康影響)広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、被ばく線量が100ミリシーベルトを超えるあたりから、被ばく線量に依存して発がんのリスクが増加することが示されている。 国際的な合意に基づく科学的知見によれば、放射線による発がんリスクの増加は、100 ミリシーベルト以下の低線量被ばくでは、他の要因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さく、放射線による発がんのリスクの明らかな増加を証明することは難しい。 (出典)低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ報告書平成23年12月22 日(内閣官房)より抜粋しかしながら、放射線防護の観点からは、100 ミリシーベルト以下の低線量被ばくであっても、被ばく線量に対して直線的にリスクが増加するという安全サイドに立った考え方に基づき、被ばくによるリスクを低減するための措置を採用している。 41内閣府令和6年度 防災業務関係者研修住民防護活動の概要と防護措置・標準テキスト・研修指導要領令和7年2月公益財団法人原子力安全技術センター防災業務関係者研修標準テキスト講義2緊急時対応の概要と防護措置【X県版】令和7年2月注)本テキストは、原子力災害時に支援をする民間の防災業務関係者のうち、住民輸送を担うバス・タクシー・船舶の運転業者向けに、作成したものである。 1学習項目 タイトル No原子力災害対策指針の考え方、特に原子力災害対策重点区域(PAZ、UPZ)や緊急事態における防護措置の判断基準(EAL、OIL)について理解する。 原子力災害対策指針に基づく緊急時対応の概要1原子力災害対策指針の考え方に基づき、各段階で実施される緊急時対応や放射線防護方法について理解する。 緊急時対応時の防護措置(緊急事態の区分に応じた防護措置等)2(注) 当テキストは、「○○地区の緊急時対応(全体版)平成○○年○月○日:内閣府(原子力防災)、○○地域原子力防災協議会」を参考にしています。 学習のねらい[バス等運転業者の主要業務:避難等住民の緊急輸送]21.原子力災害対策指針に基づく緊急時対応の概要原子力災害対策指針等に基づく原子力災害時における事態の進展に応じた段階的避難の概要を説明する。 3関係機関が緊急事態の時間的進展に対して共通の意思決定戦略を策定防護措置の事前行動計画・オフサイトセンター(OFC)で国、関係者が対応を協議・予防的防護措置の概念がなかった・時間がかかり、急速な進展に対処できず。 ・国際的知見の取り入れ1.1福島第一原発事故を踏まえた「原子力災害対策指針」教訓反映放射線量等の実測値に基づく防護措置 計測可能な判断基準(OIL)予測システムを用いた防護措置検討 ・予測の不確実性が顕在化 教訓反映想定外の放射性物質の大規模放出 緊急時計画区域EPZ(10km)では不十分 教訓原子力災害対策重点区域の範囲の拡大 PAZ(概ね5km)、UPZ(概ね30km)反映放射性物質放出前に防護措置を実施施設状態に基づき意思決定 施設における判断基準(EAL)予防的防護措置41.2原子力災害対策指針に基づく緊急時対応の概念原子力災害対策重点区域の範囲の拡大PAZ(概ね5km)・UPZ(概ね30km)緊急事態区分に該当する状況か否かを判断するための基準(EAL)に基づき、住民の防護措置(屋内退避、避難等)を決定原子力施設外に放射性物質が放出される前まで屋内退避、放射性物質が放出されたら、放射線量等から判断(OIL)し、施設外の住民の防護対策(一時移転、避難等)を決定事前行動計画とは、「いつ」「どこで」「何をする」かを、事前に決めておくこと。 事前行動計画は「地域原子力防災計画」で定められている。 PAZUPZ51.3原子力災害対策重点区域の範囲原子力災害対策重点区域(PAZ及びUPZ )PAZ:Precautionary Action Zone:予防的防護措置を準備する区域緊急時活動レベル(EAL)に応じて、放射性物質放出前からの避難や安定ヨウ素剤の服用などの予防的防護措置の準備を行う区域UPZ:Urgent Protective action planning Zone:緊急防護措置を準備する区域緊急時活動レベル(EAL)及び運用上の介入レベル(OIL)に基づく避難等の緊急防護措置の準備を行う区域再処理施設、燃料加工施設、試験研究炉等は、その施設の特性や影響の及ぶ可能性等を踏まえて、PAZは設定せず、UPZのみを設定する。 再処理施設、試験研究炉(1~10万kW)ウラン加工施設、試験研究炉(2千~1万kW)原子力発電所6<概ね5~30km圏内> UPZ⇒放射線影響のリスクを最小限に抑えるために、屋内退避や避難等を準備する区域1町2市・X県A町、B市、C市住民数:○○,○○○人<概ね5km圏内> PAZ⇒急速に進展する事故を想定し、放射性物質が放出される前の段階から、予防的に避難等を実施する区域1町(A町)住民数:A町○○○人○○地域における原子力災害対策重点区域は、PAZはA町(X県)、UPZはX県の1町2市である。 PAZUPZ5km30kmB市A町1.4 ○○地域の原子力災害対策重点区域の概要X県Y県【避難の単位】避難行動は、原則、自治会区単位C市D村Q市P町原発海7警戒事態 施設敷地緊急事態 全面緊急事態 事象発生緊急事態区分に該当する状況であるかを判断するための基準緊急時活動レベル( EAL: Emergency Action Level )緊急事態区分初期対応段階において適切に防護措置を実施するために以下の3区分を設定1.5 緊急時活動レベル(EAL)EALは、対象の原子力施設の状況によって緊急事態区分を判断する基準対応初期対応段階危機管理 事故発生/初期対応放射性物質放出EAL例:震度6弱以上の地震 全交流電源喪失 冷却機能喪失・東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓、国際的な知見を踏まえたEALの枠組みを原子力規制委員会が策定・枠組みに基づき各発電用原子炉の特性及び立地地域の状況に応じた基準を事業者が設定8放射性物質放出後の防護措置の実施を判断するための基準運用上の介入レベル( OIL: Operational Intervention Level )計測可能な値を基準値として設定*空間放射線量率*環境試料中の放射性物質の濃度 等*緊急時モニタリング*避難退域時検査等OILは、放射性物質放出後、防護措置を「計測可能な値から」判断するための基準緊急防護措置早期防護措置飲食物摂取制限初期対応段階危機管理 事故発生/ 初期対応警戒事態 全面緊急事態事象発生施設敷地緊急事態放射性物質放出1.6 運用上の介入レベル(OIL)9警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)平常空間放射線量率大気、土壌中放射性物質濃度飲食物等の放射性物質濃度避難 避難準備施設敷地緊急事態要避難者 PAZ(概ね5km)避難 * 避難準備 一般住民OILに基づく避難・一時移転等の防護措置屋内退避 (屋内退避の準備) UPZ(概ね30㎞)住 民*安定ヨウ素剤の服用緊急時原子力施設平常時災害の進展全面緊急事態(放射性物質放出後)防護措置放射線測定無し 有り(被ばく・汚染) 放射線影響・震度6弱・使用済燃料貯蔵槽の水位低下等・全交流電源喪失・原子炉への注水機能の一部が不能等・全ての非常用炉心冷却装置等による原子炉への注水機能が不能等情報収集1.7 緊急事態の進展に応じた避難の開始タイミングの概要EAL例:10条通報 15条報告10原発30㎞圏外の避難先屋内退避【要避難者】施設敷地緊急事態で避難【一般住民】全面緊急事態で避難PAZUPZ UPZ1.8 避難の一般的な概念(放射性物質放出前)PAZ1130㎞圏外の避難先OIL2(20μSv/h超過)⇒1週間程度内に一時移転屋内退避OIL1(500μSv/h超過)⇒直ちに避難UPZ UPZ※原子力災害時、UPZの住民全員が、一斉に避難するわけではない。 1.9 避難の一般的な概念(放射性物質放出後)原発自衛隊等PAZ原子力災害時に支援をする民間の防災業務関係者の被ばく管理目安値の範囲では活動が困難な場合、実動組織(自衛隊等)が対応する。 12原子力発電所★地方公共団体災害対策本部・現地本部 通報警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態X県バス・タクシー・船舶協会一時集合場所等会員各社避難所1.10 災害対策本部における連絡・通報・要請の流れ協力要請連絡・通信手段の確保EAL13PAZUPZ5km30kmB市A町X県Y県C市D村Q市P町原発1.11 県内各市町の避難先イメージの俯瞰図PAZ、UPZにあるX県各市町の住民の避難先は、X県内及び県外(Y県)において避難先を確保。 避難先を選定する際には、避難先の準備状況、避難先までの道路状況などを考慮して選定。気象情報についても活用。 X県内の避難先D村X県外の避難先Y県:Q市、P町海142.緊急時対応時の防護措置原子力災害対策指針等に基づき、原子力災害時においては、事態の進展(警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態)に応じた段階的避難の詳細と防護措置を説明する。 15原子力発電所【環境状態】公衆への放射線による影響のおそれがない状態・準備段階X県またはA町などの要請に備え、バスの配車準備を開始。 (資機材の準備等含む)福祉施設等★PAZ UPZ警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後):住民の行動2.1 警戒事態における防護措置要避難者の避難準備準備・待機16原子力発電所【環境状態】放射線による影響はないが、避難等の防護措置の準備を行う状態○PAZ、要避難者への対応①学校、保育所等の児童等(引き渡しできなかった児童等)②医療機関及び社会福祉施設の入所者③在宅の避難行動要支援者 等★屋内退避準備PAZ UPZ:住民の行動避難先X県D村要避難者の避難実施施設敷地緊急事態2.2 施設敷地緊急事態における防護措置UPZ外警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後)【バス運転手の放射線防護に係る留意点】・個人線量計の装着・安定ヨウ素剤(携帯)バス●台支援者在宅避難行動要支援者病院、福祉施設等小学校等A町(陸路)バス避難想定対象人数約●●●人安定ヨウ素剤の携行17【環境状態】・放射線による影響をもたらす可能性が高い状態★屋内退避安定ヨウ素剤服用安定ヨウ素剤服用準備避難準備 PAZUPZ:住民の行動一般住民の避難・PAZ、一般住民の避難2.3 全面緊急事態(放射性物質放出前)における防護措置原子力発電所UPZ外警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後)全面緊急事態(放出前)【バス運転手の放射線防護に係る留意点】・個人線量計の装着・安定ヨウ素剤(携帯し、指示があれば服用)避難先X県D村バス●台A町(陸路)A町(陸路)バス避難想定対象人数約●●●人18原子力発電所★UPZ住民の屋内退避プルームからの外部被ばくのおそれ(Xe-133、Kr-85、I-131、Cs-137等)緊急時モニタリングにより、OIL1、OIL2の区域を特定【環境状態】放射性物質放出後、プルーム通過時は、UPZ住民は屋内退避PAZ UPZ:住民の行動・屋内退避・待機2.4 全面緊急事態(放射性物質放出時)における防護措置警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後)全面緊急事態(放出中)放射性物質の吸入のおそれ(I-131、Cs-137等)192.5 全面緊急事態(放射性物質放出後)における防護措置警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後)※原子力災害時、UPZの住民全員が一斉に避難するわけではない。 屋内退避UPZの防護措置の基本的な流れ1週間程度内に一時移転緊急時モニタリング20μSv/h超過(OIL2)と特定された区域500μSv/h超過(OIL1)と特定された区域直ちに避難放射性物質の放出全面緊急事態PAZUPZ5km30kmB市A町X県Y県C市D村Q市P町原発海PAZは避難済みUPZは屋内退避20【バス運転手の放射線防護に係る留意点】・バス内エアコンは室内モード・個人線量計の装着・防塵マスクの装着・指示があれば、安定ヨウ素剤予防服用・指示があれば、防護服を着用・雨に濡れないように原子力発電所★避難退域時検査OIL2超一時移転PAZ UPZ:住民の行動避難先【環境状態】プルーム通過後(放射性物質の沈着後、追加的な放出がない状態)、モニタリングの結果に基づき、一時移転等を実施。 UPZ外警戒事態 施設敷地緊急事態全面緊急事態(放射性物質放出前)全面緊急事態(放射性物質放出後)2.6 全面緊急事態(放射性物質放出後)における防護措置【UPZ OIL2】①集合場所で住民を乗せ、避難退域時検査場所へ②避難退域時検査場所から避難先へ○避難終了後、営業所へ帰還(若しくは別の集合場所へ)指示があれば安定ヨウ素剤服用212.7 UPZの一般住民の避難先マッチングと避難退域時検査場所原子力災害対策本部の指示に基づき、当該区域の市町災害対策本部より、防災行政無線、緊急速報(エリアメール等)、TV、ラジオ等を用いて一時移転等の指示を伝達。 当該住民は避難計画で定めている避難先へ一時移転等を実施。 <UPZ市町の避難先>X県外避難先 X県内避難先 市町名- D村A町○○○人Y県P町 ○○体育館Y県Q市 ○○公園-B市○○○人- D村C市○○○人PAZUPZ5km30kmB市A町X県Y県C市D村Q市P町原発海避難退域時検査場所の候補地避難退域時検査の対象となる住民とは、OILに基づく防護措置としての一時移転等の指示を受けた住民。 22避難退域時検査は車両の検査から始まる。 2.8 緊急時対応時の防護措置(避難退域時検査)避難住民を受け入れる地方公共団体には、円滑かつ確実な受け入れをお願いする必要があるため、重点区域内を運行した車両は、避難退域時検査場所で、検査を受ける。 出典:「原子力災害時における避難退域時検査及び簡易除染マニュアル 内閣府(原子力防災担当)、原子力規制庁(令和4年9月28日)」より引用・作成232.9 緊急時対応の実際(避難退域時検査)車 両 の 検 査住民 検査避難退域時検査は、自治体職員、原子力事業者、診療放射線技師等により実施される。民間の運転手等は自ら検査しない。 内閣府令和6年度 防災業務関係者研修実習・標準テキスト令和7年2月公益財団法人原子力安全技術センター防災業務関係者研修標準テキスト実習放射線測定器の取扱、防護装備の着脱等平成6年9月実習の進め方・実習は、班別に進めます。 ・所属する班は、名簿に記載されています。 ・指導員が配置されています。手順や不明な点はドシドシ指導員に質問して下さい。 1実習の内容実習1:①電子式個人線量計の取り扱い②防護装備の装着及び脱衣実習2:③距離による減衰効果、遮へい効果の確認a:NaIシンチレーション式サーベイメータを用いた距離によるγ線の減衰効果の確認b:遮へい材(アクリル板、鉄板、鉛板)によるγ線の減衰効果の確認④身の回りの放射性物質の確認a:GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータを用いた自然放射線の測定b:遮へい材(アクリル板)によるβ線の減衰効果の確認2防災業務関係者研修実習のタイムスケジュール(計60分)4班 3班 2班 1班 時間実習2④a・④b実習2③a・③b実習1①・②15分実習2③a・③b実習2④a・④b15分実習1①・②実習2④a・④b実習2③a・③b15分実習2③a・③b実習2④a・④b15分3目的:・電子式個人線量計の正しい取り付け方を学ぶ。 注意事項:○装着は男性が胸部、女性は腹部。 ○データ表示のある側を体に向け、メーカー名のある側(センサー)を外側にする。 ○携帯電話と個人線量計(電子式)を同時携帯する場合、両者を25cm以上離す。 電源センサー4①電子式個人線量計の取り扱い②防護装備の装着及び脱衣目的:・身体汚染の防止や吸入による内部被ばくの防止のために、防護装備を着用することを理解する。 ・防護装備の装着の仕方および汚染の拡大を防止する脱衣の仕方を学ぶ。 注意事項:○車外や屋外へ出る時に、必要に応じて、また、指示がある場合に着用する。 ○マスクは「防塵マスク」とする。 5②防護装備の装着及び脱衣防護装備を装着する。 ①電子式個人線量計を装着する。 ②防護服を着る。ファスナーを閉める。 ③帽子をかぶる。 ④綿手袋をつける。 ⑤靴カバーを履く。 ⑥防護服と靴カバーの境目をテープでシールする。 ⑦防塵マスクを装着する。正しく装着されていることを確認する。 ⑧ゴム手袋をつける。ゴム手袋は防護服の上になるようにする。 ⑨防護服とゴム手袋の境目をテープでシールする。 ⑩防護服のフードをかぶる。 6防護服靴カバー○防護装備の装着②防護装備の装着及び脱衣○防護装備の脱衣防護装備を取り外す。 ①靴カバーのテープをはがす。 ②靴カバーを裏返しながら静かに脱ぐ。 ③ゴム手袋のテープをはがす。 ④綿手袋を残し、ゴム手袋を脱ぐ。 --この際、一方の手で他方のゴム手袋の手首外側をつかみ、裏返しになるように静かに脱ぐ--⑤防護服のフードを外す。 ⑥防護服を裏返しながら静かに脱ぐ。 ⑦防塵マスクを静かに外す。 ⑧帽子を脱ぐ。 ⑨綿手袋を脱ぐ。 ⑩電子式個人線量計の数値を読み、記録する。 ⑪避難退域時検査場所において汚染検査を受検すること。 7③距離による減衰効果、遮へい効果の確認目的:• NaIシンチレーション式サーベイメータを用いてγ線(空間放射線量率μSv/h)を測定する。 • γ線源からの距離及び遮へいにより、空間放射線量率が減衰することを確認する。 8③a NaIシンチレーション式サーベイメータを用いた距離によるγ線の減衰効果の確認① 線源のない状態でバックグラウンド(μSv/h)を測定する。 ② 検出器支持台及び線源支持台に検出器及びγ線源(Ba-133;バリウム)をセットする。(線源の向きに注意)③ 検出器と線源との距離を10cm、20cm、30cmとして、それぞれ測定する。 0 10 20 30cm9○距離による減衰の確認③b 遮へい材(アクリル板、鉄板、鉛板)によるγ線の減衰効果の確認① 線源のない状態でバックグラウンド(μSv/h)を測定する。 ② γ線源(Ba-133;バリウム)を線源支持台にセットする。 ③ サーベイメータの検出器を検出器支持台にセットする。 ④ 検出器と線源との距離を約10cmになるように線源と検出器を配置する。なお、検出器と線源の距離は全ての測定が終了するまで変えない。 ⑤ 遮へい材を置かない状態で線量率(μSv/h)を測定する。 ⑥ 検出器と線源との間に、アクリル板、鉄板、鉛板の遮へい材を順次置き、それぞれの線量率(μSv/h)を測定する。 ○遮へい材による減衰の確認10④身の回りの放射性物質の確認目的:• GM計数管式放射性表面汚染サーベイメータを用いてβ線を測定する。 • 自然の物質の中には放射性物質があり、放射線が放出されていることを学ぶ。 • 遮へい材が同じであれば、厚いほど遮へい効果が高いことを学ぶ。 11①サーベイメータはビニール袋等で養生する。 ②バックグラウンド(計数率:min-1)を測定する。 ③検出器を試料に密着し、指示値(計数率:min-1)を読みとる。 ④試料:塩化カリウム、リン酸カリウム、湯ノ花、乾燥昆布、御影石、マントル、TIG溶接の電極、等○自然の放射性物質の測定手順④a GM計数管式放射性表面汚染サーべイメータを用いた自然放射線の確認12① 線源のない状態でバックグラウンド(min-1)を測定する。 ② β線源(Sr-90;ストロンチウム)を線源支持台にセットする。 線源の向きに注意③ サーベイメータの検出器を検出器支持台にセットする。 ④ 検出器と線源との距離を約10cmになるように線源と検出器を配置する。なお、検出器と線源の距離は全ての測定が終了するまで変えない。 ⑤ 遮へい材を置かない状態で計数率(min-1)を測定する。 ⑥ 検出器と線源との間にアクリル板(厚さ3mmと10mm)を置きそれぞれの計数率(min-1)を測定する。 ○遮へい材による減衰の確認④b 遮へい材(アクリル板)によるβ線の減衰効果の確認13 防災業務関係者研修指導要領講義1放射線防護のために必要な基礎知識令和7年2月1. 身の回りの放射線と被ばく① 指導のポイント・日常から自然放射線や人工放射線を受けており、自然放射線、人口放射線にはそれぞれどのようなものがあるかを説明する。・世界と日本の日常生活における被ばく線量の比較を説明する。・放射線は工業、農業、医療、研究等様々な分野で利用されていることを説明する。② 留意点専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。我々は日常から放射線により被ばくしていることを理解してもらう。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安6分程度2. 放射線と放射能① 指導のポイント・放射線と放射線の違いを説明する。・放射線と放射線を出す放射性物質の違い、放射線の種類を説明し、放射線の種類によって透過力に違いがあり、遮蔽できる物質も異なることを説明する。・放射性物質には半減期があり、種類や質量数によって半減期が異なることを説明する。② 留意点放射線に関する専門用語が多く使われるので、受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安7分程度3. 放射線と放射能の単位① 指導のポイント・放射線と放射能に関連した基本的な単位として、Bq、Sv、Sv/hの3つの単位があることを説明する。・放射能の単位はBq、放射線の単位はSvであることを説明する。空間放射線量率は1時間あたりの放射線量なので/hとなることを説明する。② 留意点各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安4分程度4. 放射線の人体への影響① 指導のポイント・放射線による人体への影響は「確定的影響」と「確率的影響」があることを説明する。・確定的影響、確率的影響にはそれぞれどのような障害があるかを説明する。・自然放射線、人口放射線による被ばく量を説明し、がんの相対リスクと比較して100mSv以下に至っては発がんリスクを検出するのが極めて難しい状況であることを説明する。② 留意点放射線に関する専門用語が多く使われるので、受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安6分程度5. 被ばくの経路、被ばくの携帯と防護① 指導のポイント・原子力災害における被ばくの経路を説明する。・被ばくの種類には、「外部被ばく」「体表面汚染」「内部被ばく」があることを説明し、それぞれがどのように被ばくするか、被ばくの経路と被ばくの種類の関連性についても説明する。・各被ばくの防ぎ方を説明し、被ばくの種類ごとに被ばくの防ぎ方を説明する。・放射性ヨウ素による内部被ばくを防ぐための安定ヨウ素剤について説明し、服用タイミング、服用量を説明する。安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素による内部被ばくのみに効果があることを説明する。・体表面を防ぐために汚染防護服を着ることを説明する。汚染防護服は外部被ばくの防護には効果がないことを説明する。② 留意点放射線に関する専門用語が多く使われるので、受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安10分程度6. 被ばく線量の想定と被ばくの管理① 指導のポイント・個人の外部被ばく線量を把握するために個人被ばく線量計が用いられることを説明する。・放射線業務従事者には被ばく限度が決められていることを説明し、被ばく管理の重要性を説明する。② 留意点各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安5分程度7. 参考① 留意点各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。② 講義時間目安時間が許す限り。講義時間がなければ割愛可。防災業務関係者研修指導要領講義2住民防護活動の概要と防護措置令和7年2月1. 新しい防護対策に基づく住民防護活動の概要① 指導のポイント・福島第一原発事故を教訓として、原子力規制委員会が「原子力災害対策指針」策定したことを説明する。・指針の改定による住民防護活動の概要を説明する。・開催地域の原子力災害対策重点区域の概要を説明する。・緊急時活動レベル(EAL)と運用上の介入レベル(OIL)の概要を説明する。緊急時活動レベルでは、事態の進展にてレベルがALからSE、GEに変化し、どの段階で避難や屋内退避の防護措置が必要かを説明する。② 留意点OILやEAL、AL、SE、GEの略語や正式名称は防護措置を実施するうえで重要であることから、時間をかけて要点を絞って説明する。専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安20分2. 住民防護活動時の防護措置① 指導のポイント・EALの各段階における防護措置の内容を説明する。・警戒段階(AL)では放射性物質の放出は無いが、事態の進展に備えての準備段階であること、施設敷地緊急事態(SE)では放射性物質の放出は無いが避難や屋内退避等の予防的防護措置が行われること、全面緊急事態(GE)の放出前、放出中、放出後のそれぞれの事態で防護措置を実施することを説明する。特に、全面緊急事態(GE)では、OILの基準から避難や一時移転の防護措置を行うことを説明する。・全面緊急事態(GE)では、OILの基準から避難や一時移転が行われた場合は避難帯域時検査を「原子力災害時における避難帯域時検査及び簡易除染マニュアル」に従って検査や除染が必要であることを説明する。・簡易除染の方法を説明する。② 留意点OILやEAL、AL、SE、GEの略語や正式名称は防護措置を実施するうえで重要であることから、時間をかけて要点を絞って説明する。専門用語を使うと受講者が理解できない場合があるので受講者がわかりやすい表現にて説明する。各スライドの解説の内容を事前に確認し、ポイントを絞ってわかりやすい説明を行う。③ 講義時間目安20分程度 内閣府平成29年度 防災業務関係者研修Q&A集新 潟 県目 次原子力発電のしくみ ・・・・・・・・ 1放射能と放射線の基礎 ・・・・・・・ 3放射線の測定 ・・・・・・・・・・・17放射線の人体への影響 ・・・・・・・26放射線の防護と防護基準 ・・・・・・43安定ヨウ素剤 ・・・・・・・・・・・50福島原発事故後の新しい防護対策 ・・5411.原子力発電のしくみ-1原子力発電の種類は。また、構造はどうなっているのか。(答)日本の原子力発電に用いられる炉型は軽水炉が主体になっていて、沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)の2つの型があります。発電の原理は、原子炉で水を加熱して蒸気を作り、その蒸気でタービンを回転させ、タービンに直結した発電機で発電します。蒸気を原子炉で直接作るのがBWRで、蒸気発生器で間接に作るのがPWRです。原子力発電には、この他にガス炉、重水炉などがありますが、軽水炉はこれらの炉型に比べて経済性がよく、また炉心部分がコンパクトで、炉心部分を原子炉圧力容器、さらにその外側を原子炉格納容器などで囲い、安全性を高める設計が可能など有利な点が多いことが評価されて原子力発電の主流となっています。沸騰水型(BWR)原子力発電の仕組み加圧水型(PWR)原子力発電の仕組み21.原子力発電のしくみ-2原子力発電所のスタック(排気筒)から普段は何が出ているのか。(答)原子力発電所のスタックからは、管理区域内の空気が放出されています。原子力発電所が運転されると、原子炉の中では放射性希ガス、揮発性のヨウ素の他にさまざまな放射性核種が発生します。これらの放射性核種は、燃料棒の被覆管内に保持されますが、その極一部は一次冷却水中に漏れ出し、管理区域内の空気が汚染されることがあります。このため、原子力発電所では、管理区域内の空気をフィルタ等を介してスタックから大気中に放出しています。この際、放射性ヨウ素はチャコールフィルタで95%以上が捕集され、粒子状放射性物質は高性能フィルタで99.9%以上が捕集されます。一方、放射性希ガスは、化学的な方法で取り除くことができないので、排ガス減衰設備(PWR)または活性炭希ガスホールドアップ設備(BWR)で効率よく減衰させます。このためスタックから排出される放射性物質は極僅かで、燃料棒の被覆管が健全であれば放射性物質が環境中に放出されることはほとんどありません。発電用原子炉は原子炉圧力容器と原子炉格納容器で護られており、原子炉事故時には外部から遮断されます。この2重の容器は原子炉の全ての想定された事故にも対応出来るよう設計されているので、固体状、液体状の放射性物質はこの容器内に閉じこめることができます。従って、事故時に放出され被ばくに寄与する可能性があるのは、希ガスとヨウ素の気体状の放射性核種ですが、これも非常用気体廃棄物処理系で除去され、放出量が最低量に抑えられます。32.放射能と放射線の基礎-1X線とγ線の違いは何か。(答)X線もγ線も光やTV、携帯電話に使われている電波と同じ電磁波の仲間で、本質的には違いはありません。しかし、X線とγ線は発生機構の違いによって区別しており、原子核の外側から放出される光より短い波長の電磁波をX線、原子核の内側から放出される電磁波をγ線と呼んでいます。レントゲン教授は陰極線管という真空管の中で、電子を勢いよく電極(対陰極)に当てると電極から未知の光線が出ることを発見しました。この未知の光線をX線と名付けました。電子を加速して電極に当てると、電極の材質によって定まる特殊なX線と、電子を加速する電圧によって定まる連続エネルギーのX線の二つが出ます。一方、原子核が壊れて他の原子核になるとき、α線、β線が出ますが、そのとき、不安定な状態の原子核は余分なエネルギーをγ線として放出します。X線とγ線の発生機構の違いがここにあります。この発生機構の違いにより、放射線エネルギーと線量率の可変性に違いがあります。・エネルギーの可変性についてX線のエネルギーは電子を加速する電圧の大きさで変わります。ですから、同じX線管でも加速電圧を変えれば、違ったエネルギーのX線がでます。医療では、1000万電子ボルト(10MeV)以上のエネルギーを持ったX線が使われることもあります。一方、γ線は放射性核種固有の単色(放射線のエネルギーが単一)、または数種類のエネルギーの放射線が放射性核種から放出されますが、そのエネルギーは最大のもので数MeVです。 ですから、一概に、γ線の方がエネルギーは高いとはいえません。・出力の可変性と半減期についてX線は同じ加速電圧であれば、流す電流の大きさで自由に線量率を変えることができます。また、X線管に掛ける電圧を切れば、X線は発生しません。人為的に線量率とエネルギーを制御できるのがX線です。しかし、放射性核種から出るγ線の量を決めるのは、放射性核種の放射能の強さです。また、放射性核種がある限り、常に放射線は出ていて止めることはできません。ただ、時間経過とともに放射線の量は半減期に従って自然に減少し、減少の速さは放射性核種によって決まっています。42.放射能と放射線の基礎-2放射能・放射線の単位、Bq・Sv等の関係は。(答)放射能と放射線はよく似た言葉ですが、大いに異なります。これらには、それぞれに対応した単位のBq、Gy、Svがあります。Bq(ベクレル)は放射能の単位で、放射性核種が1秒間に壊れる(壊変と言います。)数を表します。100Bqとは1秒間に100個の原子核が壊れることで、1壊変で1~数本の放射線が放出されます。Bqは放射線を出す能力を表す単位で、放出される放射線の数を表しているわけではありません。Gy(グレイ)は線量の単位で、放射性核種からでる放射線が物質に当たったときに、物質が放射線のエネルギー(ジュール:J)を吸収した量(吸収線量)を表します。物質1kg当たりが1Jのエネルギーを吸収したとき、1Gyになります。同じ位置で同じように放射線にさらされても、物質の構成元素によって吸収線量は異なります。放射線の種類やエネルギーにより、吸収線量(Gy)が、同じでも人体への影響の大きさが変わります。そこで、放射線の種類ごとに影響の大きさの重み付けをし(放射線加重係数)、その線量を等価線量といい、単位はSv(シーベルト)です。また、全身の被ばく線量は実効線量と言い、放射線防護のために考案されたもので、単位はSvです。等価線量に対して、臓器や組織の感受性の違いによる重み付け(組織荷重係数)をしてそれらを合計することで全身の影響を表します。例えば、γ線、β線の1Gyは1Svになります。同じ吸収線量でも、α線、中性子線の場合は、5倍から20倍(1Gy=5~20Sv)になります。実効線量=等価線量×組織荷重係数組織名 生殖腺 骨髄 結腸 肺 胃 膀胱 乳房組織荷重係数 0.20 0.12 0.12 0.12 0.12 0.05 0.05組織名 肝 食道 甲状腺 皮膚 骨表面 残り組織組織荷重係数 0.05 0.05 0.05 0.01 0.01 0.05(ICRP Publication90)組織名 生殖腺 骨髄 結腸 肺 胃 膀胱 乳房組織荷重係数 0.08 0.12 0.12 0.12 0.12 0.04 0.12組織名 肝 食道 甲状腺 皮膚 骨表面 残り組織組織荷重係数 0.04 0.04 0.04 0.01 0.01 0.12(ICRP Publication103)等価線量=吸収線量×放射線加重係数ガンマ線 ベータ線 アルファ線 中性子線放射線加重係数 1 1 20 5~20**中性子線のエネルギーによって異なる。(ICRP Publication90)52.放射能と放射線の基礎-3cpmとmSv/hは同じか。(答)cpmとは測定した位置でその計測器が毎分いくつの放射線を検知したかを表すもので、計数効率等から放射能の強さを計算することができます。なお、平成4年5月20日の計量法が改訂され7年の猶予を持って、平成11年10月1日よりmin-1と標記することになりました。一方、mSv/hは測定した位置での1時間あたりの空間線量です。人に対する実効線量(または等価線量)を評価するため指標になります。cpm (min-1)は同じではありませんし、直接的には関連しません。cpm値を時間当たりの実効線量に換算するには、γ線、X線は放射線のエネルギーが解れば当該エネルギーの1cm線量当量率を使用し、比較的簡単にmSv/hに換算できます。しかし、α線、β線等の粒子線は、放射線の種類、エネルギーの他に吸収線量に影響する種々の因子を評価または仮定し複雑な計算をする必要があります。2.放射能と放射線の基礎-4表面汚染密度と被ばく線量との関係はどうなっているのか。(答)表面汚染は、溶液や液中の微粒子の飛散や放射性塵埃の付着により発生します。付着している汚染物質は通常は微粉末状の放射性粒子であり、固着性のものと空気汚染の原因になる遊離性のものとがあります。表面汚染は、表面から舞い上がって吸入摂取されることあるいは手を経て口から摂取されることなどによる内部被ばく、および汚染部に触れた場合の外部被ばくなどをもたらしますが、遊離性の汚染による内部被ばくが最も問題となります。表面汚染の測定には、原則としてすべての汚染に対してはサーベイメータなどによる直接測定法、遊離性汚染に対してはスミア法などによって採取された試料の放射能を測定する間接測定法があります。皮膚が汚染した場合(放射性物質が皮膚に付着)には、そのβ線により皮膚(真皮)が外部被ばくします。その場合、皮膚が受ける等価線量は放射線エネルギーにより異なりますが、汚染密度に比例します。表面汚染に起因する内部被ばくや外部被ばくによる線量は、汚染密度や汚染核種などだけでなく、空気やその他の物質などを介し、どのようにして人体に取り込まれたかなどいろいろな状況や因子に関係します。そのため、表面汚染による線量評価は非常に複雑であり、専門家に頼る必要があります。62.放射能と放射線の基礎-5放射性核種で半減期が短いのは安全で、長いのは危険であると聞いたことがあるが本当か。(答)放射性物質は、人体に取り込まれるとき、吸入の場合は肺から、飲食物の場合は腸から、さらに傷口から直接末梢血管にというように血液を介して全身に分布し、化学形等その物質の形状や性質などによって、特定の臓器や組織などに取り込まれ、それらに放射線被ばくを与え、人体に健康影響をもたらします。臓器等に滞留した放射性核種は壊変し、放射線を放出することにより時間とともに放射能が弱くなっていくだけでなく、代謝や排泄などの生体機構により排出されるために量が減っていきます。生体中に取り込まれた放射性核種は前述の両方の作用により放射能が弱くなってゆき、体内に取り込まれた放射能の強さが半分になる時間を実効半減期Teffといい、次式で求めることができます。1/Teff = 1/Tp + 1/Tb実効半減期は、壊変による物理学的半減期(Tp)より短く、また代謝や排泄などによる生物学的半減期(Tb)よりも短くなります。(7.放射線の人体への影響-9参照)人体への影響を考える場合には実効半減期が重要になりますが、体内に取り込んだ放射性核種による影響は、実効半減期だけではなく放出される放射線の種類やエネルギーなどによっても異なります。従って、物理学的半減期が長いから危険だとは一概には言えません。 2.放射能と放射線の基礎-6放射性ヨウ素はどのようにしてできるのか。(答)放射性ヨウ素には、ヨウ素-121からヨウ素-133まで11種類の放射性核種があります。それらの内ヨウ素-129、ヨウ素-131、ヨウ素-133の3核種はウランなどの核分裂によって生成される、いわゆる核分裂生成物です。医療関係で用いられる短半減期のヨウ素-123、低エネルギーの光子を放出するヨウ素-125、甲状腺治療に使われるヨウ素-131は、サイクロトロンや原子炉を用いた核反応によって生成されます。2.放射能と放射線の基礎-7原子力防災において外部被ばくを低減するために、距離、時間、遮へいの3要素はどのように係わっているのか。(答)原子力施設の緊急時において、周辺住民の外部被ばくを低減するために講じられる防護7対策として、屋内退避、コンクリート屋内退避及び避難の3つが挙げられます。屋内退避は、建物の屋根、壁等の構造材による遮へい効果による外部被ばくを低減する措置です。通常木造建家では10%程度の外部被ばくの低減が期待され、また、コンクリート屋内退避では、主要構造材であるコンクリートの遮へい効果により40~80%の低減が期待されます。避難は、放射性プルーム又は放射線源から距離をとることにより外部被ばくの大幅な低減を図る措置です。もちろん、屋内退避もコンクリート屋内退避も放射性プルームや線源にさらされている時間が短ければ短いほど被ばくは少なくなります。緊急時の防災業務関係者の被ばく低減対策として、高放射線量率の場所には放射線遮へい体を設置し作業するのが有効です。また、距離を取る観点からロボットを導入することも検討されています。しかし、放射線遮へいがままならない状況での業務が多いと予想されます。このような場合は、業務を効率的に進める、或いは、人員の交代を行う等により放射線にさらされる時間を短くし、被ばく低減化に努めることが重要です。2.放射能と放射線の基礎-8全国的に自然放射線量の分布を見ると四国地方(西日本)が高いのはどうしてか、また、地域分布と原子力施設のある地域との関係はあるか。(答)自然放射線の線量は大地と宇宙からの放射線に起因しています。大地からの線量は大地を形成している元素のうち、自然放射性核種の存在量で左右されます。一方、宇宙からの放射線量は、その土地の高度や緯度が高いほど増えますが、日本各地であまり差はありません。平均して、四国地方(西日本)の自然放射線量が高いのは緯度、高度からみて宇宙線の線量よりもむしろ大地からの線量が影響しているものといえます。花崗岩地帯といわれる地方の大地からの放射線量は、関東ローム層で覆われた地方よりも高いといわれています。これは花崗岩に含まれる自然放射性核種の量が多いからです。全国の原子力施設がある地方の自然放射線量をみると、決して、施設設置と自然放射線量とは関わりがないことが分かります。2.放射能と放射線の基礎-9γ線の被ばくは、遮へい材がどのくらいの厚さがあれば防げるのか。また、物質によりどのくらい放射線が遮へいされるかの指標は何を見れば解るのか。(答)γ線と中性子線の線量を1/100にするために必要な遮へい材とおよその厚さの例を以下に示します。核種 エネルギー 線量を1/100にするために必要な厚さ(cm)8(MeV) 水 コンクリート 鉄 鉛γ 線Kr-85 0.52 90 43 11 3.5Co-60 1.171.33110 60 16 8.5Cs-137 0.66 95 46 12 4.5n 線― 0.4 30 75 185 ―― 1.0 28 70 180 ―このように、遮へいする放射線の種類とエネルギーによって、有効な遮へい材と必要な厚さが異なります。放射線の遮へいに関するデータ等は「放射線施設の遮へい計算実務マニュアル1」」に詳細に記載されています。また、放射性核種のエネルギー等のデータを知るには「アイソトープ手帳2」」」が手軽でしょう。1) 発行元:公益財団法人 原子力安全技術センター 定価:5,500円2) 発行元:公益社団法人 日本アイソトープ協会 定価:2,100円2.放射能と放射線の基礎-10人体への汚染の観点から放射性核種の半減期と放射能の強さの関係は。(答)人体表面、即ち、皮膚に放射性物質が付着することを人体汚染と云います。付着した放射性物質から出る放射線で外部被ばくするだけでなく、傷口や手で触って口から体内に入り内部被ばくの原因にもなりますので、できるだけ速やかに汚染を除去(除染)することが大切です。しかし、拭ったり、洗っても完全には除染できない場合、皮膚の汚染が続くことになります。しかしながら、放射能、即ち、放射線を出す能力は、懐中電灯の電池がいつまでも電球を光らせ続けられないと同様に、徐々に(だんだんに)低下します。この放射線を出す能力が半分になる時間を半減期といっていますが、放射性核種の半減期は常に一定で、電池や人間のように急激に能力が低下し、全く能力を失うことはありません。このため、皮膚の汚染の量、即ち放射能も徐々に低下してやがて問題の無い(放射線が検出されることの)ない量になります。また、皮膚は常に新しいものと入れ変わっており、死んだ皮膚はアカとしてとれてしまいます。このため、皮膚表面の汚染が完全に除染できないからと云って、一生放射能を持ちつづける、即ち放射能人間になってしまうのではないかなどと心配することはありません。なお汚染が続いている間の被ばく線量は、この半減期による放射能の低下を考慮して計算されます。2.放射能と放射線の基礎-119放射線はなぜ遮へいできるのか。(答)放射線には種々の特性があります。まず、α線はヘリウム原子核の流れであり、正の電荷を持っています。β線は、電子の流れで殆どは負の電荷(プラスの電荷を持ったβ(陽電子)線を放出する核種もあります。)を持っています。γ線は電磁波のため電荷も質量もありません。さらに、中性線は電荷を持たない粒子の流れです。このため、放射線が遮へいされるメカニズムは放射線の種類によって異なります。α線やβ線のように電荷を持った粒子(荷電粒子と呼びます。)は、遮へい材を構成する物質の電荷と引き合ってエネルギーを失っていき、やがて遮へい材の中で止まってしまいます。γ線は、電磁波のため電荷を持っていませんので、α線やβ線のように、電荷による力(クーロン力)が作用する事はありませんが、遮へい材を構成する物質の原子と相互作用(光電効果、コンプトン散乱、電子対生成)を引きおこしてエネルギーを失います。中性子は、遮へい材を構成する原子核と衝突を繰り返して、少しずつエネルギーを失います。また、一部は原子核と核反応を起こしてとまります。 2.放射能と放射線の基礎-12γ線が鉛で遮へいできる理由は。(答)ガンマ線は光と同じ電磁波(光子)のため、電荷を持たないので電子や陽子の電気力によるクーロン力は働きません。ガンマ線は原子と以下のような相互作用でエネルギーを失います。・光電効果光子が原子核に束縛されている軌道電子にぶつかり、運動エネルギーを電子に与えて消滅する現象。0.1~0.5MeVの光子は、主に光電効果によりエネルギーを失います。・コンプトン散乱光子が電子に衝突して、弾性散乱(衝突後の光子の運動エネルギーと衝突した相手(この場合は電子)の運動エネルギーの和が、衝突前の光子の運動エネルギーと等しくなるような散乱)をし、この繰り返しでエネルギーを失う現象。光電効果でエネルギーを失う領域より高いエネルギーを持つ光子は主としてこれによりエネルギーを失います。・電子対生成1.022MeV以上のエネルギーを持った光子が原子核のそばを通過するとき、プラスとマイナスの電子の対を作り自分は消滅する現象。以上のような現象を起こす確率が(本当はもう少し複雑なのですが、簡単にいうと)原子番号の大きい原子(重い原子)ほど高いのです。10鉛は比重が11.3と重い上に比較的廉価なため、ガンマ線の遮へいによく使用されます。2.放射能と放射線の基礎-13バスのガラスは放射線の遮蔽になるか。(答)窓ガラス等は、外部からのγ線については、ほとんど遮蔽できません。2.放射能と放射線の基礎-14距離による防護(距離の逆二乗)はγ線でもβ線でも同じと考えてよいのか(答)放射性核種から放出される放射線は、360度方向に平均的(放射線放出の等方性)に放出されます。これは、放射線源からの距離が同じであればどの方向でも放射線の数が等しいということです。ここで、放射線源を中心として半径1mと半径2mの球を考えてみましょう。この2つの球の表面を通過する数は、途中で放射線が止まってしまわなければ同じです。球の表面積は4π×半径の2乗(4πr2)ですので、半径1mと2mの球の表面積はそれぞれ、4π×12 m2と4π×22m2となり、放出される放射線の数をAとすると1m2の面積の中を通過する放射線の数は、半径1mと2mの球では、それぞれA/4πとA/4π×22となり、2mの球の表面では半径の2乗分の1になります。すなわち、放射線量は距離の二乗に反比例することになり、これを逆二乗則と呼んでいます。この法則は真空中では全ての放射線に共通です。ところが、地球上には空気が存在します。このため、電荷持っているために物質との相互作用の大きいα線やβ線は空気との相互作用で停止してしまいますので遠くまでは届きません。一方、物質との相互作用が弱いγ線と中性子はほぼ逆二乗則に従って減衰します。2.放射能と放射線の基礎-15α線、β線、γ線がそれぞれどのような物質(核種)から出るのか。(答)元素の基である原子核は陽子と中性子で出来ており、エネルギー的に安定な原子核であるための陽子と中性子の数は元素毎に決まっています。ところが同じ元素でも中性子の数が多い原子核や少ない原子核が存在しています。中性子の数が多い原子核や少ない原子核は核分裂等により生成されます。これらの原子核はエネルギー的に不安定なため、中性子の割合が多い元素はβ線を放出して安定な原子核を持つ別の元素に変わります。逆に中性子の割合が少ない原子核は原子核の周りの軌道電子を原子核内に取り込むか(軌道電子捕獲)、あるいは、α線を放出して安定な原子核に変わります。α線壊変は鉛-210 より重い(質量数が大きい)元素でしか起こりません。さらに質量数が大きい元素では、カリホルニウム-252 のように自発的に核11分裂を起こし中性子を放出します。ウランも極まれに、自発核分裂を起こし中性子を放出ます。このため、ウランを大量に集めた場所に水などの中性子減速材が存在すると、核分裂の連鎖反応を起こす危険があります。JCOの臨界事故はこれに該当します。γ線はα壊変、β壊変、自発核分裂に伴って発生します。γ線だけを放出する核種はありません。自然界に存在する元素のうち,原子番号 83 番のBi(ビスマス)以上の元素は,すべて放射性核種が存在します。現在,天然放射性核種は63 核種,人工放射性核種は約2,500 核種が発見されています。123.放射線の測定-1放射線の測定を行うとき、測定器のレンジはどの位置にあわせれば適正か。(答)通常、サーベイメータなどでは、測定器のレンジ切り替えスイッチを最大レンジの位置にして、電源を入れます。その後、つまみを回してバッテリーなどのチェックを行い、つまみを測定の位置にして測定可能となります。そのときメータの針が振れなければ、レンジを感度の高い方にまわしていきます。フルスケールの中位のところ(針が読みやすい位置)で測定するのが適切です。メータによっては、そのレンジでのゼロ点をチェックすることが必要です。測定器によって取扱方法が異なることがありますので、測定器に附属しているマニュアルなどをよく読んでから、測定器を扱うよう心がけて下さい。3.放射線の測定-2サーベイメータのプロ-ブ(検出部)にポリ袋をかぶせる必要性は何故か。(答)サーベイメータは、空間放射線量(率)測定、或いは、その付近に放射性物質などの放射線源が存在するか否かを調べるのに使用します。この時、β線、γ線の発生源である放射性物質がサーベイメータを使う場所に浮遊して、ほこり、土壌等が汚染している可能性がある場合には、プロ-ブが放射性物質で汚染される可能性があります。プローブが汚染された場合、正確な測定が行えません。事前に薄いポリ袋等をプロ-ブにかぶせることにより、たとえ袋が汚染してもプローブの汚染は防止され、この袋を取り替えれば、サーベイメータを正常に使用できます。これがプローブにポリ袋等をかぶせる理由です。3.放射線の測定-3サーベイメータ等の点検・校正はどの位の頻度で行うべきか。(答)一般にサーベイメータは、放射線の種類やエネルギーに応じて種々の機種が使用されています。従って、点検・校正についても各形式で異なる点がありますが、年に1回は行ったほうが良いと思われる点検項目は、外観検査(損傷、劣化などのチェック)、測定・回路系の検査、および既知量の放射線源による校正などです。放射線のエネルギーや入射方向によるサーベイメータの感度の依存性、線量や線量率による感度の直線性などについては製造業者の仕様書や取扱説明書に記載されています。 しかし、修理などにより検出器系や測定系に手が加えられた場合などには、専門の校正機関での点検・校正が必要です。133.放射線の測定-4GMサーベイメータの時定数とは何か。何故3秒の時定数では6~9秒後に読むのか(答)時定数は電気回路に伴う定数です。サーベイメータのような放射線の計測器もまた電気回路からなる計測器の一つです。この計測器に放射線が入ると電気信号が発生し、その信号の発生量は時間経過とともに増加します。信号量が真の値の約37%になるまでの時間が、時定数と同じになります。この時定数の3倍の時間が経過すると信号量は約95%になり、真の値に近いものが得られるのです。すなわち、時定数が小さければ短時間で真の計数が得られ、時定数が大きければ真の計数を得るためには長い時間待つ必要があるということになります。しかし、時定数を小さくして、自然放射線を測定した場合、測定器の針が大きく揺れ動き、安定しません。測定器の計測表示は設定した時定数の時間内に感知した放射線の数を単位時間あたりに換算し、不規則に入射する放射線に対応して表示するためです。一方、時定数を大きく設定すると、小さく設定した場合より長い時間にわたり、入射放射線を測っており、入射放射線のばらつきが緩和されるため、針が安定して、測定値が読みとりやすくなります。一般的には、バックグラウンドのように少ない放射線量を測るときは時定数は大きく、多い放射線量を測るときは時定数を小さく設定します。01 02 03 04 05 06 07 08 09 01 0 00 1 0 2 0 30 4 0 5 0 60 7 0 8 0 9 0 1 0 0経過時間(秒)真の指示値に対する割合(%)3秒10秒30秒時 定 数143.放射線の測定-5内部被ばくでは重要になる、体内に入ったα線・β線を出す放射性物質はどのように測定するのか。(答)α線、β線は透過力が弱いので、体外から直接計ることは困難です。しかし、90Sr等ごく一部の核種を除いて、α線、β線を放出する核種は、同時にγ線を放出します。このγ線を測ることにより、体内に取り込んだ放射性核種の量を知ることができます。体外でγ線を測定して体内の放射能量を知るための測定装置がホールボディカウンタです。また、体内に取り込まれた放射性物質の量を糞尿、血液等の人体から採取した試料から間接的に評価する「バイオアッセイ法」があります。この方法は、一般に、次の手順で行われます。① 試料採取 :核種、化学形、摂取径路に対して最も適した試料を選ぶ必要があります。試料採取の容易さ、分析結果の信頼性、利用目的を考慮して、試料の種類や量を決めます。② 前処理 :化学的処理を行う前に試料の蒸発、灰化、沈殿などの前処理を行います。③ 化学的処理 :共沈法、イオン交換法、溶媒抽出法などにより問題としている放射性核種を化学的に分離します。④ 放射能測定 :化学的に分離された試料の放射能測定を行います。旧ロシアのマヤック工場での汚染測定では、特殊なプラスチックシンチレーションカウンタを用いたβ線体外全身カウンタが開発され、精度の高いデータが得られています。3.放射線の測定-6地表1mをサーベイする根拠は何か。(答)地表1mとは、立っている人の体のほぼ中心にあたり、また、放射線感受性の高い生殖腺をはじめ主要臓器が集まっています。このため、空間放射線量率は地表1m近辺の高さで測定し、人の実効線量を評価することになっています。153.放射線の測定-7シンチーション式サーベイメータはγ線しか測れないのか。また、測定器は用途によって使い分けた方がよいのか。(答)一般的に使用されているシンチーション式サーベイメータには、NaI(Tℓ)式とZnS(Ag)式の2種類のサーベイメータがありますが、NaI(Tℓ)式はγ線しか測定できませんし、ZnS(Ag)式サーベイメータはα線しか測定できません。測定器は、使用目的と測定する放射線の種類によって使い分ける必要があります。以下に、使用目的に応じた測定器の例をまとめておきます。使用目的 放射線の種類 測定器の種類 備 考空間放射線量の測定・1時間あたりの線量の測定・積算線量の測定γ線 NaI(Tℓ)シンチレーション式 低線量の測定GM計数管式 低線量から中線量までの測定電離箱式 低線量から高線量までの測定中性子線 3He計数管式BF3計数管式中性子の測定表面汚染の測定身体・機材等の表面汚染測定α線ZnS(Ag) シンチレーション式α線は自然界に存在する量が少ないため、微量の放射能が測定できる。β(γ)線 GM計数管式個人被ばく線量の測定 積算線量の測定 γ線中性子線電子式ポケット線量計 個人被ばくの管理警報機付ポケット線量計アラームの設定により、過剰被ばくの防止。主に高線量の場所での使用(財)原子力安全技術センター 原子力防災研修副読本 緊急時モニタリング機材取扱いポケットブック参照3.放射線の測定-8放射線の種類を見分ける方法はあるのか。(答)異なった放射線を測定するサーベイメータを用意して、同時に測定すれば放射線の種類を見分けることができます。サーベイメータは測定目的に応じて作られていますので、α線測定用のサーベイメータで測定しBG値より高い値が検出されればα線が存在しています。その他の測定器も同様です。但し、GM計数管式表面汚染測定用のサーベイメータはγ線にも感度がありますので、γ線測定用サーベイメータの測定値と比較する必要があります。比較した結果、十分に高い値が計測された機器が対応している放射線が存在していると判定します。163.放射線の測定-9GM計数管式サーベイメータでヨウ素の付着は分かるのか?(答)人体等が放射性物質で汚染している場合、どういう核種で汚染しているかを判別するためには、放射線のエネルギーを分析できる放射線測定機器が必要です。しかし、原子力発電所の事故では人体や機器の汚染は、ほとんど全てが放射性ヨウ素により汚染していると考えて問題有りません。原子力発電所の事故で問題となるI-131は606keVのβ線を放出しますので、β線を測定できるサーベイメータで測定可能です。GM計数管式サーベイメータには、γ線測定用とβ線測定用の2種類がありますが、原子力発電所の事故時の住民や防災業務関係者の汚染検査にはβ線測定用のGM計数管式サーベイメータを使用します。この測定により放射線が検出されたら放射性ヨウ素が付着していることになります。3.放射線の測定-10サーベイメータが汚染した場合水洗いしてよいか(答)サーベイメータは水洗いをしないで下さい。サーベイメータは防水性を有していません。 そのため同じ検出器で、すべての放射線を検出することは出来ません。放射線と物質(サーベイメータのプローブの中にある狭義の検出器)が相互作用した後、放射線は電気信号として出力されます。電気信号は、次にメータや数字で放射線の量として表示されます。いったん電気信号に変えますと、その後は指示装置の中での電気的な処理ですのである程度共用化を図ることが出来ます。このように指示装置を共用化している17サーベイメータもあります。質問にあるような 5 種類の放射線を一度に測定できるようなサーベイメータはありません。しかし、β線、γ線の両方を測定できる検出器や指示装置を共用化したものであればあります。また、最近では、汚染測定として、α線、β線、X線、γ線の表面汚染測定ができるサーベイメータもあります。サーベイメータを使用するときは、用途に合わせ放射線の性質により最適なものを選定することが必要です。3.放射線の測定-12GMサーベイ以外に、空港のゲート(金属探知機)のようなものはないか。とりあえず、被ばくしているかどうかを検査するため。(答)着衣や人体表面が汚染しているかどうかを短時間で測定する測定器としては、ハンドフットクロスモニターがあります。この測定装置は、人体等が汚染する可能性のある原子力発電所等の放射性物質取り扱い施設の出口に必ず設置されています。しかし、放射線に被ばくしているかどうかを即座に測定できる機器はありません。被ばく線量は、作業した場所の放射線量率及び体表面等の汚染状況から計算で求める必要がありますが、ポケット線量計のような個人線量計を付けていれば、外部被ばく線量は計算等することなく簡単に分かります。被ばくの可能性がある作業等を行う場合は個人線量計を装着します。なお、内部被ばくは、ホールボディカウンターで体内に取り込んだ放射性核種を測定することにより、計算で求めることが可能です。3.放射線の測定-13α線、β線用の空間線量率用のサーベイメータがないのはなぜか?(答)空間線量率用のサーベイメータは、空間に飛び交っている放射線量が、人体にとってどの程度影響があるか、その影響の度合いを指示する測定器です。放射線防護上、指示値は外部被ばく線量の値を示すものとして使われます。アルファ線の場合、皮膚で遮へいされるため、外部被ばくは考慮しなくてもよいとされています。ベータ線の場合、透過力はあまり強くないため、皮膚、目の水晶体※1の被ばくが問題となります。皮膚や目の水晶体への大量の被ばくが考えられる作業をするとき、皮膚や目の近くに個人線量計を着け、被ばく線量をモニタリングします。透過力の弱い放射線は減衰により、正確な値が出せないため、被ばくする組織の近くで測定しないと、被ばく線量を評価できません。このため装置が大きくなるサーベイメータでは、作業が煩雑になり、有効ではないと考えます。18※1:体の他の部分は手袋、帽子や作業服で覆うので、ベータ線もかなり遮へいされるため、問題にはなりません。6.放射線の測定-14ポケット線量計の操作及び性能は吹雪などの低温状態で問題ないか。(答)お使いになっているポケット線量計の取扱説明書を確認してください。使用温湿度範囲、温湿度等の使用条件などの欄に、その線量計の動作するための温度及び湿度条件が書かれています。その条件の範囲内であれば、動作については問題はありません。注意することは、条件の欄に「ただし、結露しないこと。」と付記されていると思います。温度、湿度条件を守っていても、冷たいところから急激に暖かいところに環境が変わると、結露します。 ポケット線量計の外部が結露する分にはよいのですが、内部が結露すると、問題が出る場合があります。冷たいところで保管していたものを室温など暖かいところで使用するなどの場合、暖かいところで時間をおいてから電源を入れるようにしてください。3.放射線の測定-15セシウム-137からはガンマ線とベータ線が出るが個人線量計ではガンマ線のみ計量するが、それでよいのか。(答)外部被ばく線量を測定するためには、個人線量計を使います。個人線量計には、様々な種類があり、測定する放射線の種類などにより使い分ける必要があります。通常放射線業務従事者の方は、ガラス線量計やフィルムバッジを使用しています。これらの線量計は、ベータ線も測定できます。緊急時の個人用の線量計として、測定値が直読できる電子式ポケット線量計があります。被ばく線量の途中経過が現場作業中に確認でき、便利な線量計ですが、この線量計はベータ線は測定できません。緊急時において防災業務関係者が被ばくする原因は、放射性プルームの下での作業などがありますが、この場合ガンマ線による全身被ばくが問題になります。ベータ線については、透過力がガンマ線ほど強くないため、特に被ばく線量を測定し、管理する必要はありません。ベータ線源がある近くで作業する必要が生じ、皮膚や目の水晶体の被ばくを考える必要がある場合、ベータ線を測定します。個人線量計は、ガンマ線による外部被ばくを考慮しているため、通常1cm線量当量で測定していますが、ベータ線の場合70μm線量当量で測定します。目の水晶体については、1cm線量当量又は70μm線量当量のうち安全側の値で評価することになります。皮膚については、70μm線量当量で測定することになります。70μm線量当量で測定することは、1cm線量当量の10倍を超える恐れのある場合に義務付けられています。1970μm線量当量での測定は、70μm線量当量率測定用のサーベイメータ又はガラス線量計、熱ルミネッセンス線量計(TLD)などで測定することになります。204.放射線の人体への影響-1外部被ばくと内部被ばくでは、どちらが危険か。(答)放射線を体の外から受ける場合を外部被ばく、体の中から受ける場合を内部被ばくと区別しています。レントゲン撮影の時にX線を受けるのは外部被ばくの一例です。ヨウ素-131やセシウム-137等を呼吸や飲食物により体内に取り込み、それらからの放射線を受けるのが内部被ばくです。人体への影響を考えるとき、外部被ばくで問題になるのは、X線やγ線のように透過力の強い放射線です。α線は飛程が短いため、外部被ばくでは放射線に感受性の高い生体組織が障害を受けることはありません。これに対して、内部被ばくの場合は線源が体内にあるのでα線の場合も組織に障害をもたらす可能性が高くなります。内部被ばくの場合には、放射性核種によって体内分布が違います。ヨウ素の場合は、ほとんどが甲状腺に集まり、セシウムは筋肉をはじめとして体を構成している細胞に広く分布します。また、ラドンは吸入によって肺に取り込まれ、壊変して生成した放射性核種は、主に肺気管支組織に沈着します。さらに、取り込んだ放射性核種がどの様な放射線を放出するのか、α線か、β線か、或いはγ線か、時にはその混合で、また、それらの放射線がどのくらいのエネルギーを持っているかなどで、沈着した組織への障害を与える範囲が異なります。一概には外部被ばくと内部被ばくの何れが危険であるとかは言えません。吸収線量、或いは、実効線量が同じであれば外部被ばくも内部被ばくも人体に与える放射線の影響は同じと考えられています。何れにしても放射線の種類と被ばく量、そして内部被ばくの時は核種が問題になります。4.放射線の人体への影響-2α線・β線・γ線と放射線の種類があるが、被ばくしたときの影響は同じか。(答)人体の組織・臓器の吸収線量が同じであれば確定的影響は同じといえます。しかし、将来がんが発生する等の確率的影響は放射線の種類とエネルギーによって異なります。例えば、同一吸収線量のβ線とγ線による確率的影響は同じですが、α線ではがん等の発生確率は20倍になります。この放射線の種類等による確率的影響の違いを補正する係数を放射線荷重係数といいます。そして、吸収線量に放射線荷重係数を乗じ、全ての放射線に対して、組織や臓器の確率的影響を共通の尺度で評価できるようにした線量の単位の呼称がシーベルト(Sv)です。(5. 放射能と放射線の基礎-2参照)214.放射線の人体への影響-3全身被ばくと局部被ばくは実際分けることはできないのではないか。(答)放射線を全身に受けた場合を全身被ばく、身体の一部だけに受けた場合を局部被ばくと言っています。内部被ばくの場合は、人体に取り込んだ元素が特定の臓器等に沈着する特性から局部被ばくと言えます。また、放射線源の汚染による被ばくは局部被ばくです。しかし、γ線・中性子線による外部被ばくの場合は厳密な区分は困難な場合がありますが、ビーム状の放射線による被ばく、及び放射線源の直近での被ばくは局部被ばくと考えられます。また、放射線源から数メートル以上離れた場所での被ばくは全身被ばくと考えて差し支えないでしょう。4.放射線の人体への影響-4テキスト中の図「医療診断で受ける放射線量」において胃と胸部の被ばく線量が異なるのはなぜか。(答)胸部撮影では、X線が透過しやすい空気の充満している密度の低い肺が被写体であるため、比較的少量のX線で撮影が可能で、撮影も背面から腹面方向に投影した1枚のX線写真と時には胸部の側面から投影した1枚のX線写真の合計2枚のみで、撮影位置の確認などのための透視検査を行う必要はありません。これに対して、胃の検査ではバリウム造影剤を嚥下しながら、またバリウムで充満した胃を圧迫させたり、身体の斜め方向あるいは正面方向などいろいろな方向から透視によって撮影部位を検索しながら、10数枚から時には20数枚の撮影が行われます。透視はイメージ増倍管やテレビジョンシステムが用いられて、以前に比べて被ばく線量は低減されていますが、胃のX線検査では、撮影枚数が少ない胸部撮影とは比較にならない多量の線量を受けることになります。4.放射線の人体への影響-5がんの治療で大量の放射線を当てるが、大丈夫か。(答)がんの治療の標準的分割照射スケジュールは、1日1回2Gy、週5回で、総線量の決定は腫瘍組織学的種類、部位、大きさを参考に臨床経験に基づいて決められていますが、大体60Gy相当の線量を照射します。 1回に60Gyもの線量を当てれば、完全に致死線量を遙かに越えてしまいます。実際にはこのように分割照射をし、さらに他の健康な臓器に放射線が当たらないように、がんの部位のみに照射します。密封線源治療の場合は普通連続して数日間照射します。22放射線治療においては、がん組織ばかりでなく周辺の正常組織も同時に照射されますので、なるべく正常組織を痛めないように、いろいろな工夫がなされています。たとえば、放射線を発生する装置をがんの組織を中心に回転しながら放射線を照射します。こうすることにより、中心のがん組織は常に放射線が照射されていますが、まわりの正常な組織の被ばくは低減されます。最近では、重イオン粒子線を用いてがんの部位に的を絞って照射する方法が導入されています。従来のX線やγ線等の低LET放射線ではどうしても周辺の健常組織まで照射されるのですが、粒子線では飛程の終点の手前に最大のエネルギーを与え、ブラッグピ-クを形成します。この性質は身体の表面より深部に高い線量を与え、体表面の正常組織を余り傷つけず、深部にある腫瘍にエネルギーを集中的に与えることができるので、非常に効率が良いといえましょう。また、粒子線は生物学的効果比が高く、X線やγ線に較べて同じ線量で大きな細胞致死効果をもたらします。しかし、あまりLETが高くても細胞を殺すためのエネルギーロスが生じるので、適当なエネルギーを用います。4.放射線の人体への影響-6妊娠中のレントゲン撮影による胚や胎児ヘの健康影響はどのように考えているか、また、その影響や被ばくを防ぐためにどのような対策が講じられているのか。(答)細胞増殖が盛んな細胞は放射線致死感受性が高いため、従来、胚や胎児は放射線感受性が高いとされ、放射線による奇形や小児がんなどの生後の赤ちゃんへの影響を重視してきました。そのため、1962年にICRPは、胎児への放射線影響を防止するため、妊娠可能な女性のX線診断は妊娠している可能性のない月経開始後の10日以内に行うよう勧告しました。これを「テンディルール(10日間則)」といいます。しかし、ヒトの胎児に対する放射線影響として「妊娠8-15週における胎児の放射線被ばくが生後の知能のおくれ(精神遅滞)などを生じる確率が高いこと」が明らかになったことから、1983年のICRPのワシントン会議で「月経開始後4週間においても胎児に対するリスクは、被ばくに関する特別の制限をする必要がないほど小さい」としました。その後、2000年にICRP Publication83で妊婦の医療被ばく問題を取り扱っていますが、精神遅滞児の発生が約100mSv以上であることからすれば、通常のX線診断における胎児の被ばく線量は、母体の骨盤CT検査でさえ25mSvであり、胎児に重篤な影響を与える線量ではないとしています。しかし、胎児に対する放射線影響については、一般的に十分理解されていません。胎児が直接被ばくするようなX線診断では、医療関係者は、特に事前に患者に被ばくによる影響について納得のいく説明をし、患者の不安を和らげることが必要です。現在、医療機関では、胎児に被ばくの危険を伴うX線診断の際には、患者に対する説明を行うことになっています。この問題については、医療関係者への教育も実施されているようですが、ICRPの考え方が一般の23医療関係者に十分浸透するよう専門機関による対策が望まれます。4.放射線の人体への影響-7γ線による内部被ばくを考える必要があるか。(答)放射性核種を体内に取り込んだ場合を内部被ばくといいますが、内部被ばくの影響も、どのくらいの被ばく線量かにより異なります。取り込んだ核種は、核種ごとに壊変する際にどの様な壊変形式をとるか、即ち放出される放射線がα線か、β線か、γ線か或いはその混合の場合もあり、ほとんどの核種はα線やβ線とともにγ線を放出します。放射線の種類によっても影響が異なります。線量評価は線質ごとに評価されるのではなく、体内に取り入れた各核種についてまとめて評価されます。しかし、Svという単位で表される場合は、がんの発生のリスクは放射線の種類によって変わりません。どの様な核種が、どの位の量体内に取り込まれたか、その物理的性質と生物学的性質が重要です。4.放射線の人体への影響-8放射線の人体に対する健康影響、発病率はどうなっているのか。(答)放射線が人体に当たった場合、ある程度の線量を受けると症状が現れ、かつその重篤度が受けた線量に依存するしきい値のある確定的影響(血液の変化、脱毛、皮膚紅斑等)と、がんや遺伝的影響のように影響の現れる頻度が線量に依存するしきい値のない確率的影響に分けることができます。確定的影響は、しきい値以下の線量では影響の無いことがはっきりしているもので、ある線量以上になると影響が出る現象を言います。これは多くの細胞が放射線によって損傷を受けた場合に起きるもので、白血球の数が減ったり(200mGy以上)、毛が抜けたり(2,000~3,000mGy以上)、皮膚が赤くなったり(5,000mGy以上)するという障害が起きます。 すなわちしきい線量を超えれば発病率は100%であると言うことが出来ます。また、10,000mGy程度を受けたような場合は100%の人が確実に死亡します。一方、確率的影響は必ずしも影響が出るというのではなく、受ける線量が多くなるほど影響の出る確率が高くなる場合を言い、がんと遺伝的影響がこれに相当します。言い換えますと、がんや遺伝的影響は放射線によってわずか1個の細胞が変化しても発現する可能性があると考えるものです。この場合、確定的影響とは異なり、線量が高いからと言って全ての人ががんになるというものではなく、また、がんの症状が重くなると言う性質のものではありません。発病する確率が受けた線量が多ければ高くなるということで、これを線量反応関係があると言います。24原爆被ばく者の50年にわたる調査では、がんの種類や白血病では被ばくしたときの年齢、被ばく後の経過年数によっても異なりますが、1,000mSvを受けると白血病では自然発生率の4.4倍、白血病以外のがんでは自然発生率の1.6倍、乳がんでは1.6倍増加します、肺がんでは自然発生率の2倍となります。4.放射線の人体への影響-9放射線障害は何故しきい値以下では起こらないのか。また、がん等の影響はどうなのか。(答)人体が放射線を受けると、ある線量を超えた場合に症状が現れ、かつ影響の重篤度が受けた線量に依存するというしきい値のある確定的影響(血液の変化、脱毛、皮膚紅斑等)と、がんや遺伝的影響のように影響の現れる頻度が線量に依存するしきい値のない確率的影響に分けることが出来ます。確定的影響はしきい値以下では影響の無いことがはっきりしているもので、ある線量以上になると影響が出る現象を言います。これは多くの細胞が放射線によって損傷を受けた場合に起きるもので、白血球の数が減ったり(200mSv以上の局所被ばく)、毛が抜けたり(2,000~3,000mSv以上の局所被ばく)、皮膚が赤くなったり(5,000mSv以上の局所被ばく)するという障害が起きます。しかしながら、このような線量以下であればこれらの障害は生じないことが実例で証明されています。一方、がん等の確率的影響は必ずしも影響が出ると言うのではなく、受ける線量が多くなるほど影響の出る確率が高くなる場合を言い、がんと遺伝的影響がこれに相当します。 言い換えますと、がんや遺伝的影響は放射線によってたった1個の細胞が変化してもがんになる可能性があると考えるものです。この考え(しきい値無しの直線仮説、LNT説)によれば、線量に応じてそれなりの影響がある、すなわちしきい値がないと言うことです。 しかしながら、原爆被ばく者の50年にわたる調査では、200mSv以下というような低い線量ではがんによる死亡者が増加したという明確な結果は出ていません。遺伝的影響に関しては被ばく者全体についても現時点では確認されていません。参考最近、放射線ホルミシスといって、少量の放射線は害になるどころかかえって体に良いような現象があるという研究結果が報告されています。確かに、マウスなどの実験で少量の放射線(50~100mSv)を先に当ててから、後に大量(7,750mSv)の放射線を当てると前照射しなかった場合より生存率が高まったという結果が得られています。何らかの防御機構或いは抵抗性を獲得したのかもしれません。しかし、高い自然バックグラウンド地域に住む住民のがん死亡率や寿命について疫学調査が幾つかなされていますが、統計学的信25頼性をもって有意にホルミシス効果があるといえるような結果は得られていません。このため、ICRPの1990年勧告では、「現在入手しうるホルミシスに関するデータは、放射線防護において考慮に加えるには十分でない。」としています。今後の研究が待たれるところです。4.放射線の人体への影響-10広島・長崎では遺伝的障害の事例は無いとのことであるが、データ(3世代位)が少ないためなのか。(答)被ばく者の子供に関する遺伝調査は世界中で実施されたこの種の調査としては最大規模のものですが、遺伝性の疾患や異常の増加は見つかっていません。両親の被ばく線量の合計(Sv)0.005未満 0.005以上出生時の調査数 (1948~1954年)出生時障害を含む妊娠終結異常出生時障害を含む妊娠終結異常の割合57,3222,880(5.0%)12,384618(5.0%)調査した子供の数 (1946~1985年)白血病による死亡固形がん(白血病以外のがん)による死亡がん以外の疾患による死亡がんによる死亡の割合40,69227481,852(3.9%)26,8941723914(4.2%)調査した子供の数染色体異常をもつ子供の数染色体異常をもつ子供の数の割合7,97651(0.64%)8,32243(0.52%)動物実験(ショウジョウバエ、マウス)では確かに放射線により遺伝的影響のあることが知られています。しかし、このような動物は1匹の親から産まれる子供の数は数十から数百と非常に多く、一方、ヒトでは多くても子供の数は数人で、もし遺伝的障害があったとしても、自然に発生する遺伝的障害がかなりあるので、それにかくれてしまい、おそらく検出できないでしょう。264.放射線の人体への影響-11放射性プルームを浴びると放射性物質はどのように取り込まれるのか。皮膚からも取り込まれるのか。(答)放射性プルームとは、原子力施設等から放出された放射性物質が風下に向かって流れる煙状の一団のことですが、このプルームによる被ばくは放出の様相、気象条件、地勢、居住区域までの距離によって異なります。このプルームの中にある放射性物質は雨等により地上に落ちて地表を汚染します。原子力施設事故により周辺環境に多量に放出される可能性のある放射性物質は、キセノン、クリプトンなどの放射性同位体の希ガスと、蒸気またはエアロゾル化した放射性ヨウ素の二種類が考えられています。キセノンは生理学的に不活性であり、クリプトンは身体に吸収されないので、実際上内部被ばくは余り問題にはなりません。これらの希ガスはむしろ外部被ばくをもたらし、ヨウ素は内部被ばくをもたらします。住民の被ばくは、放射性プルームから放出されるガンマ線による外部被ばくと、放出された放射性ヨウ素等の放射性物質の吸入による内部被ばくです。皮膚からの吸収は、上皮に傷がなければ極僅かで、内部被ばくは問題になりません。したがって、危険の程度は放射性ガスの放出量、大気安定度(無風に近いほど安定)、風向、風速、放出点からの距離等によって決まり、風下側の区域を中心に防護対策が講じられます。4.放射線の人体への影響-12放射線を一度に受けるのと、数回に分けて受ける場合の影響の違いはあるのか。(答)放射線を全身に一度に大量に受けますと、身体内の放射線感受性の高い細胞(造血臓器、腸上皮、皮膚などの幹細胞)が大量に死滅します。そうすると残っている正常な幹細胞による分裂増殖が死んだ細胞の数を埋め合わせることができないため、3Gy~4Gy程度の放射線を受けると2カ月程度で約半数の人が急性障害(腸管出血、造血器障害など)を起こして死亡し、7Gy以上では即死となります。また、部分的に大量の放射線を受けますとその部分の幹細胞が死ぬため、その部分に皮膚紅斑や脱毛などの障害が生じます。一方、少量の放射線(1Gy未満)を長期にわたって受けますと、細胞や遺伝子に傷が付きます。その傷は多くの場合、修復機構や修復遺伝子によって直されますが、時に修復間違いを起こします。この間違いを突然変異と言います。この突然変異が細胞分裂の際に、他の細胞へ受け継がれていくことによって、10~20年も経ってからがんが発症するのだと考えられています。急性障害を起こすような線量、数Svの放射線を長期にわたって受けた場合には、上述の修復遺伝子などが十分に働く期間があり、放射線を受け傷ついた細胞や遺伝子は修復されますので、影響は低くなります。 274.放射線の人体への影響-13外部被ばくを受けた場合、影響は蓄積しないのか。また、被ばくした人の線量は、時間がたてば減少するのか。(答)放射線に被ばくすると細胞が傷つけられ、一部の細胞は死んでしまいますが、時間が経過すれば死んだ細胞は新しい細胞と置き換わり、傷ついた細胞も修復されます。このように異常をきたした組織を元に戻す力は、人間に限らず全ての生物が本来備えている能力です。このことからは、放射線被ばくによる影響は蓄積されないといえます。しかし、傷ついた細胞の全てが修復される前に、くり返し放射線に被ばくすると傷ついた細胞が徐々に増えていきます。このような状況では、放射線の影響は蓄積するといえるでしょう。このように、放射線被ばくによる影響は被ばく量と被ばくのしかたによって異なります。一方、個人の被ばく線量は、被ばくする毎に単純に積算します。被ばく履歴として記録するわけですので時間がたっても減少するわけではありません。このため、積算した被ばく線量がそのまま放射線影響の程度を表している訳ではありません。4.放射線の人体への影響-14半減期が同じ物質でも人体への影響は異なるのか。(答)外部被ばくは放射線の種類とエネルギーによって決まりますので、同じ半減期の放射性核種でも影響は異なります。一方、内部被ばくは、取り込んだ放射性核種の放射線が人体の組織・臓器に影響を与えるわけですので、放射性核種の半減期が短ければ、体内の放射性核種が早くなくなるので放射線による人体への影響は当然少なくなります。しかし、人体の組織臓器に与える影響は放射線の種類とエネルギーによって決まります。また、人体に取り込んだ放射性核種は、代謝作用により体外へ排出されますが、この代謝速度は元素によって異なります。このように、内部被ばくは取り込んだ放射性核種の半減期だけで決る訳では有りませんので、外部被ばく、内部被ばくとも、半減期が同じでも人体への放射線影響は必ずしも同じではありません。4.放射線の人体への影響-15放射線の遺伝的影響について人では確認されていないとの事だが、人以外の知見も知りたい。(答)放射線の遺伝的影響については、ショウジョウバエとマウスなどを使った実験があります。28ショウジョウバエの場合には、羽が短い、目の色の変異などの指標で調べられています。 マウスの場合は、毛の色の違い、骨格の異常、目の色の変異などの指標で調べられています。ショウジョウバエを用いた実験では 50mGy 以上の線量で遺伝的影響があると報告されています。マウスの場合は、約1Gy以上で遺伝的影響があると報告されています。4.放射線の人体への影響-16放射線により被ばくするとなぜがんになるか。(答)過去の多くの実験研究の結果から、細胞分裂が盛んな細胞は放射線致死感受性が高いことが分かっています。身体内で細胞分裂が盛んな組織は、造血組織、皮膚組織、生殖組織などで、それらの組織を作っている細胞を補充しているのが、幹細胞なのです。血液細胞や皮膚細胞などは一定の割合で死んで行きますので、幹細胞は、絶えず自分と同じ細胞と血液細胞や皮膚細胞などになる細胞の2つを毎回の細胞分裂で作り出し、失われた細胞を補充しています。従って、放射線致死感受性が高いのです。がんは、遺伝子病と言われているように、遺伝子の異常ががんの原因と考えられています。放射線を被ばくすると身体を構成している細胞に放射線が当たることになります。細胞は、核と細胞質とからできていて、核の中には遺伝子情報を構成しているDNAがあります。放射線は最終的にこのDNAに障害を及ぼします。異常をきたしたDNAは、通常は修復されるか、死んでしまいますが、異常のまま生き残ったDNAの障害は遺伝子の障害に結びつき、その障害が細胞増殖遺伝子や細胞増殖抑制遺伝子に及んだ場合には、正常な細胞分裂ができなくなり、増殖異常となってがんになるのです。4.放射線の人体への影響-17専門機関以外では、被ばくしているかどうかの確認(測定)しかすることができないのか。被ばくしていたときの対処方法。(答)ご質問のように、専門機関以外では、被ばくの有無の確認しかすることができません。高線量を被ばくした場合は自覚症状がありますが、放射線の被曝によりどのような障害が生じているかは、専門の医療機関で検査することになります。しかし、低線量ばくでは急性障害は発生しませんので、専門機関といえども、検査だけで被ばくしていることの確認は困難です。0.25~0.5Sv 程度の被ばくをすると白血球の一時的減少が起こりますので、一般の医療機関でも血液検査をすれば 0.25SV を超えて被ばくしたことが推定されます。防災業務関係者の被ばく限度指標 50mSv を超えて被ばくしていることが分かった場合は、血液検査及び目、皮膚、爪等の目視検査を実施し、特別な異常が無ければ、定期的な健康診断により、身体に異常が生じていないかどうかを継続観察することになります。こ29の健康診断は専門機関ではなく、産業医等により実施されることになります。なお、人命救助等の緊急作業に伴う計画被ばく以外では、ルールを無視して個人行動をしない限り、防災業務関係者が50mSvを超えて被ばくすることはないと言えます。4.放射線の人体への影響-18水晶体の被ばく線量はどうやって求めるのか。また、水晶体を守るために目を保護する対策が必要か。(答)水晶体の被ばく線量は、サーベイメータで測定した水晶体付近の線量率(単位:Sv/h)に被ばく時間(単位:h)を乗じて簡易的に求められますが、事業所周辺で行う原子力防災業務では特に水晶体の被ばく線量を求めたり、保護する必要はありません。防災業務関係者が被ばくする原因のひとつは、身体の外部からの放射線、特にガンマ線による外部被ばくです。この場合、放射線を身体全体で受ける(全身被ばく)こととなり、特定の組織・臓器が集中的に被ばく(局部被ばく)することは考えられません。従って、防災業務における被ばく状況では水晶体の被ばくを特に考慮する必要はありませんし、水晶体の保護を考える必要もありません。しかし、身体の近くに放射線源があるような場合、特定の組織・臓器が集中的に被ばくすることとなり、その部位(組織・臓器)に着目した被ばく線量の評価が必要になります。水晶体の等価線量は 1cm線量当量又は 70μm線量当量のうち安全側の値で評価することになっています。一般的なサーベイメータは1cm線量当量率を計るように設計されていますので、70μm線量当量率が測定できるサーベイメータを併用し、高い方の値を水晶体の等価線量として適用します。しかし、70μm線量当量率測定用のサーベイメータは一般的ではないため、通常は、水晶体の被ばくを評価しなければならないような状況では、水晶体での吸収が大きい低エネルギーγ線及びβ線の被ばくを測定できる個人線量計を目の近くに着用することになります。また、このような作業での目の被ばく低減には、めがね、ゴーグル等が有効です。4.放射線の人体への影響-19プルーム中の希ガス(Kr、Xe)を吸入して内部被ばくすることはないのか。(答)クリプトン、キセノンは不活性化ガスといわれ、他の原子(分子)と結合せず単独で存在します。そのため、肺に吸入しても血液中には取り込まれません。また、肺の組織に沈着することもなくすぐに排気されます。厳密に言うと、肺に滞在する時間ベータ線による被ばくはありますが非常に僅かです。問題となる被ばくは人体周辺にある放射性クリプトン及びキセノンのガンマ線による外部被ばくです。30放射性のクリプトンやキセノン等の希ガスは「サブマージョン」核種と言われ、被ばく評価はガンマ線による外部被ばくだけを評価すればいいことになっています。315.放射線の防護と防護基準-1被ばく管理目安値1mSvの根拠はなにか。(答)内閣に設置されている原子力防災会議、その連絡会議のコアメンバー会議で、住民避難のための搬送等への支援をしていただく民間企業の運転手等の被ばく線量の目安の考え方が示されています(共通課題についての対応方針:平成25年10月9日)。それによると以下のように記載されています。○民間企業の運転手等の被ばく線量の目安民間企業等から車両等と共にその運転手等を提供してもらう際、運転手等の被ばくの線量の目安と、被ばくした場合の責任を明確化してほしいという要望があることから、これを整理すると次のとおり。民間企業の運転手等は、放射線業務従事者や防災業務関係者とは異なり一般公衆の被ばく線量管理の考え方の適用が適当であることから、道府県及び市町村が民間企業との協力協定を締結する際に前提とする運転手等の被ばく線量の管理の目安は、ICRP勧告における平時(計画被ばく状況)の一般公衆の被ばく線量限度である1ミリシーベルトを基本とする。 管理の目安を超えて被ばくすることがないよう、運転手等には、防護服や個人線量計等の装備を自治体から提供し、運転手等の雇用者は、個人線量計による被ばく線量が1ミリシーベルトを超えないよう管理する。5.放射線の防護と防護基準-2女性の場合はなぜ線量計を腹に装着するのか。(答)女性は妊娠の可能性があるからです。労働安全衛生法に基づき定められた電離放射線障害防止規則によると、線量計の装着箇所については、妊娠する可能性がないと診断された女性にあっては胸部、その他の女性にあっては腹部、とされています。5.放射線の防護と防護基準-3女性がポケット線量計を誤って胸に付けた場合はどうするのか。(答)① 妊娠する可能性がないと診断された女性及び妊娠の意志のない旨を使用者に書面で申し出た女性は、胸部に個人線量計を着用しますから、問題ありません。② ①以外の女性は妊娠した事実が直ちには分からないため、個人線量計の着用部位は腹部と決められていますから、着用部位の誤りに気がついた時点で腹部に着用するように指示します。32なお、誤って付けていた期間の腹部の被ばくについては、その者の作業場所や作業内容等を調査して胸部の被ばくと比較して過大な被ばくがなかったかどうか評価します。過大な被ばくが考えられる場合は再現法などの手段を用いて、腹部の被ばく線量を再評価し、記録します。ただし、一般の作業では腹部と胸部では問題になるような大きい差はありません。5.放射線の防護と防護基準-4防護具の取扱いの実習で、マスクで覆われていない部分の安全性はどうなのか。(答)マスクを着用する目的は、主に汚染した空気を呼吸することによって生じる内部被ばくを防止するためです。もし、マスクを着用して作業した結果、万が一顔面等に汚染が検出された場合には、湿らせた綿布による拭き取りや、中性洗剤と流水を使った洗顔等によって付着した汚染を除去します。5.放射線の防護と防護基準-5防護服の一つであるタイベックスーツを着用する目的及び作業内容はどのようなものか。また、放射線を遮へいする防護服はないか。(答)(1)タイベックスーツタイベックスーツは空気汚染のおそれのある区域内での作業等、さらに、原子力事故時の防災業務関係者の活動時に、作業者の身体、作業着等の汚染を防護または予防する目的で、それらの上から着用します。タイベックスーツは薄い不織布製ですから汚染した水で濡れるような作業には不向きです。汚染区域での作業終了後はタイベックスーツが汚染している可能性が高いため、はさみで静かに切り裂いて汚染をまき散らさないように、内側から巻き取るように脱がせます。(2)放射線遮へい防護服放射線を遮へいする防護服として比較的なじみのあるものは、歯科等でレントゲン写真撮影の際に使用する含鉛防護エプロンです。また、消火作業時に着用する目的でつくられた防護服RI-100は、0.3mm含鉛アクリル面体、0.3mm含鉛シート製パンツ内装となっており、空気呼吸器の着用が必要です。いずれにしてもこの程度の遮へいではエネルギーが150keV以下のX線やγ線しか遮へいすることができません。原子力防災時に問題となる放射性希ガスや放射性ヨウ素からでるγ線は、平均でエネルギーが0.5MeV程度で、放射線遮へいに重点を置くとその防護服の重量(被ばく線量を半分にするためには100kgぐらいの重量となります。)で身動きできなくなるおそれがあります。33原子力防災時には機敏な動作が要求されますので、放射線を遮へいする実用的な防護服はないと考えていいでしょう。5.放射線の防護と防護基準-6防護服はどのようなものか。また、防護服の着用基準、使用限度はどうなっているのか。(答)防護服は基本的に人体等を放射性汚染から防護するために着用する保護衣類です。保護衣類には、下着、服(作業着、実験着、上下つなぎ服(ワンピース)、エプロン、タイベックスーツ、アノラック、エアラインスーツ、加圧服)、手袋、靴下、靴(短靴、長靴)、靴カバー、腕カバー、帽子(綿帽、ヘルメット)、防護眼鏡等が適時使用されます。使用限度は、手袋、腕カバー、靴カバー、タイベックスーツ等は使い捨てで放射性廃棄物となります。その他の防護衣類は汚染検査をし、破損等不具合のないことを確認して再使用します。実験着、ワンピース等は放射能汚染の検査をし、汚染のないことを確認し、汚れを洗濯して、再使用しています。下表に防護服、マスク等の着用基準の例を示します。表.呼吸用保護具及び身体保護具の着用基準(例)作業環境中の汚染濃度作業場の表面密度*1(Bq/cm2)使用する保護具*2呼吸用保護具 身体保護具<1(濃度限度)*) α:<0.4β(γ):100×(濃度限度)α:>40β(γ):>400浄気式空気呼吸器(自給式加圧服)エアラインスーツ*1 広範囲に汚染した場所で、乾燥状態で作業を行う場合の指針。*2 半面および全面マスクの場合、塵埃にはフィルタ付カートリッジ(キャニスタ)を、トリチウム水蒸気、ヨウ素などのガスには活性炭付キャニスタを用いる。*3 酸欠のおそれのある雰囲気中で作業を行う場合、空気汚染濃度、表面汚染密度のレベルにかかわらず自給式空気呼吸器を用いる。*) 平成12年度科学技術庁告示第1第四欄、別表第2第二欄の空気中濃度限度をいう。345.放射線の防護と防護基準-7マスク等の着用の目安は。また、どの程度まで防護できるのか。(答)研修では直接触れませんでしたが、参考として原子力防災活動時使用される呼吸用保護具について示します。次の2つに分類されます。1)浄気式呼吸用保護具口と鼻の部分のみをカバーする半面マスク、顔全体をカバーする全面マスクなど肺力によって作業場所の空気を面体に取り付けた粒子フィルタあるいは吸収缶でろ過しながら呼吸するもので、小型軽量であるため使用頻度が高いものです。この場合、マスク面体と顔との密着性が防護効果を大きく左右し、例えば、髭をよく剃っておくことが重要です。2)自給式呼吸用保護具いわゆる呼吸器と呼ばれるもので、ボンベに充填した圧縮空気を、あるいは化学反応で発生させた酸素を全面マスク内に供給するものです。 吸い込む時に面体内部が負圧になるもの(デマンド型)と、常に陽圧に保たれているもの(プレッシャーデマンド型)があり、後者は大きな防護効果が得られます。呼吸用保護具を実際に着用したときに得られる防護効果は、個人の顔面と面体との密着性などで一概には決まりませんが、防護係数が1つの目安となっています。防護係数=作業場所の濃度/マスク内の濃度この係数が大きいほど防護効果は大きいことを表し、例えば、この係数が50であれば、マスクを着用すると体内への摂取量は1/50に低下することを意味しています。下表にマスクの防護係数を示します。表 防護マスクの防護係数空気中放射性物質マスクの種類塵 埃注)ヨウ素半面マスク(塵埃フィルタ) 10 1全面マスク(塵埃フィルタ) 50 1(ヨウ素用吸収缶) 50 20注):防護マスクの集塵能力は非常に高く、防護性能は通常顔とマスクの密着の度合いで決まる。355.放射線の防護と防護基準-8内部被ばく者は線源になるか。内部被ばく者からは外部被ばくしないのか。また、内部被ばく者の搬送はどのようにすればいいのか。(答)内部被ばく者は、体内に放射性物質を取り込んでいるため線源となります。しかし、内部被ばく者から他の人が受ける外部被ばく線量は非常に少なく、ほとんど問題になりません。例えば、ヨウ素-131をスクリーニング振分け基準である30kBq取込んだ人からの外部被ばく線量は、その人から30cmの位置に8時間居たとしても0.02μSv程度です。従って、内部被ばく者を搬送するに当たっては、体表面汚染がない場合はシーツでくるむなどの措置は必要ありませんが、嘔吐物など体内からの排泄物には放射性物質が含まれている可能性を考慮し、搬送車の内部をプラスチックシートで養生することが必要でしょう。また、内部被ばく者やその体内からの排泄物に素手で直接触れないよう、ゴム手袋などをすることも必要でしょう。なお、内部被ばく線量の評価などの資料として使用するため、排泄物は出来るだけポリ袋等に回収し、氏名や日時などを記入しておいてください。5.放射線の防護と防護基準-9船の中にいれば、放射線、放射性物質は止まるか。(答)一般の船舶は鉄板等の金属が使用されているのでα線及びβ線は遮へいされます。また、γ線も鉄板によりある程度遮へいされるので、外部被ばく低減の効果は十分あるでしょう。 防水扉を閉め、換気を止めて船室内にいれば、放射性物質の吸入は防止できるでしょう。5.放射線の防護と防護基準-10一般公衆の線量限度は1mSvの根拠はなにか。(答)一般公衆は、主に成人男性から構成される職業人とは異なり、放射線に感受性の高い胎児や乳幼児が含まれています。従って、一般公衆の線量限度は、これらの者が一生涯放射線を継続して受け続けた場合の死亡リスクを考えて設定されています。国際放射線防護委員会(ICRP)は、原爆被爆者の疫学データ等から導かれたリスク係数を用いて放射線に被ばくした場合の死亡リスクを計算により求め、一般公衆及び職業人の線量限度を算出しています。一般公衆の場合は、年間の被ばく線量が1mSvで生涯継続するときの死亡リスクは、男性80歳では1万人当り3人、女性80歳では1万人当り2.5人と計36算され、また、年間の被ばく線量が5mSvで生涯継続するときの死亡リスクは、男性80歳では1万人当り15人、女性では13人と計算されています。この両者の年齢別死亡リスクの増加率を比較すると、変化は非常に小さいことが判りました。大地からの自然放射線による年被ばく線量は、ほとんどの国々で約1~2mSvです。国際放射線防護委員会は、これらの事を考慮して、人工放射線からの一般公衆の年線量限度を1mSvと勧告しているのです。5.放射線の防護と防護基準-11放射線業務従事者と一般人で線量限度が異なるのはなぜか。(答)一般人の中には、放射線感受性の高い子供、妊婦が含まれています。また放射線測定器を用いて被ばく線量の管理を行っていません。そのため、知らずに高い被ばく線量を被ばくすることになる可能性があります。このような理由から放射線従事者と異なる線量限度を設けています。放射線は五感では感じないため、放射線の測定器を用いて被ばく線量を決定する必要があります。このような管理を行っていない場合、線量限度に余裕を見る必要があります。5.放射線の防護と防護基準-12防護服が汚染した場合再使用は可能か。(答)通常、汚染した防護服は廃棄されます。ただし、汚染核種が分かっていて、かつ、半減期が短い場合は、放射性物質が減衰した後、使用することは可能です。また、高価な防護服の場合、除染を行った後、再使用することも考えられます。376.安定ヨウ素剤-1ヨウ素剤は備蓄しているのか、また、代用物(ヨウ素系造影剤)はあるか。(答)原子力施設のある地方公共団体などでは、緊急時に備えて安定ヨウ素剤として、ヨウ化カリウム剤を必要量分、保管しています。東京電力福島第一原子力発電所事故後には、原子力発電所よりおよそ5km以内(PAZ)の住民に対しては、医療関係者等による説明会を開催し、問診票を提出させ、必要数の事前配布を行っています。ヨウ化カリウム剤は、災害対策本部より服用指示があった場合、服用し、避難等を行います。ヨウ素剤の代用として、ヨードチンキ、甲状腺ブロック剤、昆布などの使用が検討されましたが、やはり医薬品ヨウ化カリウムにかなうものはないようです。特に、ヨードチンキには、メタノールなどが含まれており、服用したとき健康を損なう可能性があるのでとても代用はできません。甲状腺ブロック剤にしても、必要とされる100ミリグラムのヨウ素を摂取するには相当量が必要であり、ブロック剤に含まれる混合物による副作用が心配です。また、乾燥昆布では100グラムを一度に食べる必要がありますが、対象者が集団的にヨウ素を摂取するには、現実的には困難です。6.安定ヨウ素剤-2ヨウ素剤の保管方法(保存温度等)と有効期限はどのぐらいか。また、事前に各家庭に配布されるのか。(答)安定ヨウ素剤として使用される医薬品ヨウ化カリウムは、ヨウ化カリとも呼ばれ、臭いはなく、水にはきわめて溶けやすい製剤です。日本の丸薬は非常に硬く、粉末を溶かしたものは、保管ができないため、小児用にゼリーが開発されました。上記に示した通り、PAZの区域の、飲んではいけない人以外については、各家庭で配布を受け備蓄しています。保存は遮光された、湿気のない通常の薬品等の保管場所がよいでしょう。医薬品ヨウ化カリウムは非常に安定な化合物ですので、保管が適切に行われれば、かなり長期にわたり有効ですが、メーカにより保証期間が異なりますが3年間を保証期間としているのが一般的です。薬剤に記載された有効期限を確認して適切に交換してください。6.安定ヨウ素剤-3ヨウ素剤の服用で副作用はあるか。また、服用していけない病気はあるのか。(答)放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを低減するために服用するわけですが、副作用などがありますので、服用にあたってはいくつかの注意事項を守らねばなりません。1.適用の注意事項38① 食事直後の経口投与により、胃内容物に吸着されることがある。制酸剤・牛乳などとの併用により胃障害が軽減することができる。2.服用上の注意事項① 投与禁忌 ― ヨウ素過敏症の患者及び肺結核の患者② 慎重投与 ― ①ヨード造影剤過敏症②甲状腺機能異常症③腎機能障害、先天性筋硬直症、高カリウム血症④低補体血症性蕁麻疹様血管炎、ジューリング疱疹状皮膚炎⑤肺結核③ 相互作用 ― ①カリウム含有製剤②リチウム製剤③抗甲状腺薬:甲状腺機能低下症④カリウム貯留性利尿剤:高血圧症⑤ACE阻害剤:高血圧症⑥アンジオテンシンⅡ阻害薬:高血圧症⑦降圧剤:高血圧症※ ②併用により、甲状腺機能低下作用、甲状腺腫発症作用を増大させることがある①④併用により高カリウム血症を起こすことがある④ 副作用イ.過敏症 発疹などの過敏症状があらわれることがある。この症状が出たら、投与を中止すること。ロ.長期連用 長期連用により次のような症状がでたら、投与を中止して、適切な処置をとること。a.ヨウ素中毒 結膜炎、鼻炎、咽頭炎、気管支炎、耳下腺炎、胃炎など。b.ヨウ素悪液質 皮膚の粗荒、体重減少、全身衰弱、不眠、神経過敏など。c.消化器 悪心・嘔吐、胃痛、下痢、血便など。d.その他 かぜ症状、不規則心拍、原因不明の発熱など⑤ 妊婦等の服用イ. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人にも、服用が必要である。安定ヨウ素剤を服用した妊娠後期の妊婦より生まれた新生児については、甲状腺機能をモニターする必要がある。ロ. 授乳婦についても服用が必要。ただし、ヨウ素の母乳への移行により、乳児に甲状腺機能抑制を起こすことがあるので投与期間中は授乳を避ける。授乳児については人工栄養に変え、安定ヨウ素剤を服用させる。 39⑥ 小児の服用小児の服用にあたっては、皮疹や甲状腺機能抑制を引き起こすことがあることに注意が必要であり、甲状腺機能をモニターする必要がある。⑦ 過剰服用安定ヨウ素剤を規定量以上に服用することは、防護効果を高めることにはつながらず、逆に甲状腺機能低下症等の副作用を生じる可能性が高くなるので、定められた量以上に服用させてはならない。誤って、規定の服用量以上に服用した場合、吐かせる等の処置までは必要ないが、体調に異変が見られないかどうかを確認し、医師等に相談することを勧める。6.安定ヨウ素剤-5安定ヨウ素剤の効果はどうなのか。(答)安定ヨウ素剤による効果は、成人では少なくともヨウ化カリウムの製剤30mgの服用量で、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の95%を抑制することが出来ます。服用時期に関しては、放射性ヨウ素の吸入あるいは体内摂取される前24時間以内または直後に服用すれば、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制することが出来ます。また、放射性ヨウ素の摂取後であっても、8時間以内の服用であれば約40%の抑制効果が期待できますが、24時間以降では約7%となります。この効果は、安定ヨウ素剤服用後、少なくとも1日は持続することが認められています。407.福島原発事故後の新しい防護対策-1福島原子力発電所事故の原因は何か。(答)・すでに各種事故調査報告に述べられているところです。・直接的な原因としては津波により電源喪失が発生し、原子炉を冷やす機能を喪失したことによります。・詳細については各種報告書等をご覧下さい。[参考:主な事故調査報告書]政府事故調報告書:東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会国会事故調報告書:東京電力福島原子力発電所事故調査委員会民間事故調報告書:福島原発事故独立検証委員会7.福島原発事故後の新しい防護対策-2事故後どのような防災対策がとられることとなったのか。(答)・カリキュラム2の中の「福島第一原発事故を踏まえた原子力災害対策指針」で述べたように、「原子力災害対策指針」が定められる等技術的な検討が進められています。・この中で新たな「原子力災害対策重点区域」が示される等の対応がとられています。様々な対策がなされていますが、おおまかには以下の通りです。① 原子力災害対策重点区域の拡大② 防護措置の事前行動計画の策定③ 放射性物質の放出前の予防的な防護措置④ 施設状態に基づき意思決定できる判断基準⑤ 放射線量等の実測値に基づく防護措置7.福島原発事故後の新しい防護対策-3新しい防災体制に、事故の教訓は生かされているのか。(答)・「原子力災害対策指針」の策定に当たっては福島原発事故に対する各種報告書の指摘や国際機関の資料が参考にされていると承知しています。・また、予測ではなく、実測に基づく迅速な対策実施のため、固定モニタリングシステムの増設等の対策も進められていると承知しています。・なお、この現在の測定値については、各自治体のホームページや規制庁のホームページにて確認することができます。417.福島原発事故後の新しい防護対策-4PAZ、UPZの範囲の根拠は何か。(答)・これらの区域は、あらかじめ原子力施設での異常事態の発生を仮定して、その影響が及ぶ区域を定めておいて、その区域に対し重点的に対策を講じておくために設定されています。・PAZ は、急速に進展する事故においても放射線被ばくによる確定的影響(一定の被ばく線量を超えると症状が現れる影響)等と避けるために、即時避難を実施する等放射性物質の放出前の段階から予防的に防護措置を準備する区域のことです。発電用原子炉における PAZ の具体的な範囲は、IAEA の国際基準において、PAZ の最大半径を原子力施設から 3~5km の間で設定すること(5km を推奨)とされていること等を踏まえ、「原子力施設から概ね半径5km」を目安とするものです。・UPZ は、確率的影響(がん等の発生確率が被ばく線量の増加により上昇する影響)のリスクを最小限に抑えるために、防護措置を準備する区域のことです。発電用原子炉のUPZの具体的な範囲については、同じくIAEAの国際基準において、UPZの最大半径は原子力施設から5~30kmの間で設定されていること等を踏まえ、「原子力施設から概ね30km」を目安とするものです。[参考] 原子力災害対策指針(平成29年3月22日全部改正)7.福島原発事故後の新しい防護対策-5OIL1、OIL2の値はどのように設定されたのか。(答)・OIL1は、放射性物質の放出後に、一部に放射線量の高い地域が生じた場合に、即時の避難を判断する基準の値です。また、OIL2は同様に一時移転を判断する基準の値です。 放射性物質が放出される前に予防的に避難した住民は対象に含まれません。[参考] 原子力災害時における避難退域時検査及び簡易除染マニュアル(平成28年9月30日修正)7.福島原発事故後の新しい防護対策-11汚染検査する車両としない車両は、どのように区別するのか。(答)避難退域時検査は、放射性物質の放出があった場合に実施されます。放出がなければ実施しません。PAZの住民は、放出の段階では、既に30km圏外に避難しているので汚染検査の必要はありません。UPZ の住民がOIL に基づいて避難や一時移転をする際には汚染検査が必要となり、検査が済めば証明書が発行されます。検査を終えたバスはその証明書を持っていることになります。つまり汚染検査をするトリガーは、放出があった時ということです。7.福島原発事故後の新しい防護対策-12バスが汚染されて、除染しても基準をクリアできないときは、そのバスはどうするのか。(答)避難退域時検査の結果、除染しても基準値(事故直後40,000cpm等)以下にならない車両は、検査場所に一時保管されると考えられます。7.福島原発事故後の新しい防護対策-13避難退域時検査の除染の基準の根拠は何か。(答)除染を講じるための基準は OIL4 であり、初期設定値は 40,000cpm、1 ヶ月後には13,000cpmとなっています。福島原発事故時には、汚染密度40Bq/cm2に対応する20cm2の有効窓面積を持つGMサーベイメータによる計測値で除染レベルとして 13,000cpm が用いられました。その後事故進展に伴いバックグラウンドレベルが上がり、実効的な運用ができない状況となり、100,000cpmに引き上げられました。これを踏まえて、OIL4では、100,000cpm以下で、かつ、バックグラウンドの影響が相対的に小さくなる数値のうち最低の水準として、13,000cpm の 3 倍程度として40,000cpmが適当と考えられました。また、福島原発事故時に初期段階ではセシウムの寄与より10倍以上大きかったヨウ44素131の寄与は、半減期が8日と短いため、1ヶ月程度でセシウムの寄与より小さくなっており、もっと早い段階で基準値を低くする変更が必要であったと考えられました。 このことから、1ヶ月後には13,000cpmに引き下げることが必要であると考えられました。[参考] 平成25年2月の原子力災害対策指針改定における防護措置の実施の判断基準(OIL:運用上の介入レベル)の設定の考え方 平成25年3月

新潟県の他の入札公告

新潟県の役務の入札公告

案件名公告日
胎内市立保育園等通園バス運転業務委託2026/03/18
4(18)鹿瀬地区 水道施設維持管理業務委託2026/03/15
6(20)三川地区 水道施設維持管理業務委託2026/03/15
5(19)上川地区 水道施設維持管理業務委託2026/03/15
18(14)鹿瀬支所 清掃管理業務委託2026/03/15
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