予定価格とは
入札の世界で最も重要な数字の一つが予定価格です。発注機関が「この契約にはこのくらいかかるだろう」と事前に設定する金額の上限で、これを超える入札は問答無用で無効になります。
何のためにあるのか
税金を使う以上、「いくらでもOK」というわけにはいきません。予定価格を設定することで契約金額に上限を設け、無駄な支出を防ぐ。これが最大の役割です。
同時に、予定価格は落札者を決める基準にもなります。予定価格以下の入札のうち、最も低い価格を出した者が落札者です(最低価格落札方式の場合)。
どうやって決めるのか
予定価格は「なんとなく」で決めるわけではありません。予算決算及び会計令第80条に基づき、取引の実例価格、需給の状況、履行の難しさなどを考慮して設定します。
実務では、類似品の市場価格を調べたり、材料費・労務費・経費を個別に積み上げたり、複数の事業者から見積書を取ったりして決定します。
公表するかしないか
ここは国と自治体で考え方が分かれるところです。
国の入札では予定価格は原則として非公表です。事前に公表すると、予定価格ぎりぎりの入札ばかりになって競争が形骸化するという理由です。ただし、落札後に予定価格を公表するのは一般的です。
一方、自治体では事前公表をしているケースも多くあります。透明性の向上や談合防止に効果があるとされる一方で、やはり予定価格付近に入札が集中するという批判もあります。
3つの価格基準
入札には予定価格のほかにも価格の基準があります。上から順に並べるとこうなります。
予定価格(上限):これを超えたら無効。 低入札価格調査基準価格(中間):これを下回ると「本当にその金額でできるの?」と調査される。 最低制限価格(下限):これを下回ったら失格(自治体の場合)。
予定価格を超えてもダメ、安すぎてもダメ。入札の価格設定は意外と狭い範囲でのバランスゲームです。
もし誰も予定価格以下で入札しなかったら
全員の入札が予定価格を超えてしまった場合は「入札不調」となります。再度入札をやり直すか、随意契約(不落随契)に移行するかが検討されます。