指名停止とは
指名停止は、入札の世界における「退場処分」です。不正行為や重大な事故を起こした事業者に対し、一定期間、入札への参加を禁止する措置です。指名競争入札だけでなく一般競争入札への参加も制限されるため、公共事業に依存する企業にとっては経営を揺るがす重大な処分です。
どんなことをすると指名停止になるのか
最も重い処分を受けるのは談合と贈賄です。停止期間は6〜24ヶ月に及びます。公正取引委員会による課徴金や刑事罰に加えての措置なので、企業が受けるダメージは計り知れません。
そのほか、手抜き工事(粗雑工事)で3〜12ヶ月、重大な労働災害で1〜6ヶ月、無断下請けなどの契約違反で2〜6ヶ月、虚偽の申請で3〜12ヶ月といった処分があります。停止期間は違反の悪質さや社会的影響に応じて決められます。
一つの機関で止まっても、波及する
厄介なのは、ある発注機関で指名停止になると、他の機関でも連動して停止されるケースがあることです。国土交通省で指名停止を受けたら、他の省庁や自治体でも同様の措置を取られる可能性があります。
一度の不正で、ほぼ全ての公共調達から締め出されてしまうわけです。
情報は公表される
指名停止の情報は発注機関のWebサイトで公表されるのが通例です。企業名、理由、停止期間がオープンにされるため、社会的信用への打撃も大きい。取引先や金融機関からの評価にも影響します。
指名停止と資格取消しは別物
指名停止は一定期間が過ぎれば自動的に解除され、入札参加資格自体は維持されたままです。一方、入札参加資格の取消しは資格そのものが剥奪されるので、改めて取得し直す必要があります。
指名停止のほうが軽い処分ではありますが、停止期間中の売上減少は深刻で、特に公共工事への依存度が高い建設業者にとっては存続に関わる問題になりえます。
当たり前だけど大事なこと
指名停止を避けるには、法令遵守(コンプライアンス)を徹底するしかありません。
談合は「業界の慣行」として長年続いてきた歴史がありますが、公正取引委員会の摘発は年々厳しくなっています。競合他社との不適切な接触を禁止する、入札金額の社内管理を厳格にする、定期的にコンプライアンス研修を実施する。地道ですが、これが最大のリスク管理です。