上場企業の落札金額と企業規模の関係 - 27,000件の入札データを分析
入札用語集•6分で読める•編集部
はじめに
官公需の落札結果には「どんな規模の企業が、どの程度の金額の案件を受注しているか」という情報が含まれています。しかし、個別の落札情報だけでは全体像が見えません。
本記事では、会社情報DXが保有する落札データ27,461件と上場企業736社の財務データを結合し、落札金額帯と企業規模の関係を分析しました。
分析対象データ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 分析対象の落札件数 | 27,461件 |
| 対象企業数(上場企業) | 736社 |
| 財務データの出典 | EDINET有価証券報告書(連結決算) |
| 落札データの出典 | 政府電子調達システム(調達ポータル) |
| 落札データ取得日 | 2026年3月25日時点 |
| 財務データ対象期間 | 各社直近の連結決算(〜2025年12月期) |
分析上の注意点:
- 対象は連結決算データが存在する上場企業のみです。中小企業は含まれません
- 以下の表の「企業数」は、各金額帯で1件以上落札した企業数です。1社が複数の金額帯で受注している場合、帯間で重複計上されます
落札金額帯別の総資産(中央値)
落札金額帯が上がるにつれ、企業の総資産中央値も大きく増加します。特に1億円以上の案件では急激に規模が拡大し、10億円以上を受注する企業の総資産中央値は2兆8,970億円に達します。
落札金額帯別の資本金(中央値)
資本金でも同様の傾向が見られます。10億円以上の案件を受注する企業の資本金中央値は1,425億円で、100万円未満の帯(114億円)の約12.5倍です。
詳細データ
| 落札金額帯 | 企業数 | 落札件数 | 総資産(中央値) | 資本金(中央値) | 売上高(平均) |
|---|---|---|---|---|---|
| 100万未満 | 245社 | 1,769件 | 2,244億円 | 114億円 | 7,126億円 |
| 100万〜1000万 | 591社 | 11,727件 | 2,208億円 | 105億円 | 8,172億円 |
| 1000万〜1億 | 503社 | 10,611件 | 2,320億円 | 120億円 | 1兆159億円 |
| 1億〜10億 | 240社 | 2,820件 | 7,010億円 | 476億円 | 1兆6,957億円 |
| 10億以上 | 67社 | 534件 | 2兆8,970億円 | 1,425億円 | 2兆3,935億円 |
ボリュームゾーンは「100万〜1億」帯
上場企業の落札案件のうち、約81%が100万〜1億円の範囲に集中しています。10億円以上の大型案件は全体の2%未満で、一部の超大企業に限られます。
まとめ
- 落札金額と企業規模には正の相関がある。 特に1億円を超える案件では、総資産・資本金ともに急激に規模が拡大する
- 資本金で見ると約12.5倍の差。 10億円以上の案件を受注する企業と100万円未満の企業の間に大きな開きがある
- ボリュームゾーンは100万〜1億円。 上場企業の官公需受注の約81%がこの価格帯に集中
- 10億円以上の大型案件は、総資産2〜3兆円・資本金1,400億円規模の超大企業が中心
なお、この分析は上場企業の連結決算に限定したものです。官公需全体では中小企業が大きな割合を占めています。
会社情報DXでは、落札実績の検索から個別企業の受注状況を確認できます。