史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託の一般競争入札公告
山梨県の入札公告「史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託の一般競争入札公告」の詳細情報です。 カテゴリーは役務の提供等です。 所在地は山梨県です。 公告日は2026/09/09です。
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史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託の一般競争入札公告
史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託に係る入札公告山梨県立考古博物館が発注する史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託契約は、一般競争入札により行いますので、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の6第1項の規定により公告します。
令和8年9月10日山梨県立考古博物館 副館長 谷口 順一1 一般競争入札に付する事項(1) 業務委託の名称及び数量史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託 1式(2) 業務委託の仕様等入札説明書及び仕様書で定める内容であること 。
(3) 委託期間契約日から令和9年3月19日まで(4) 納入場所甲府市丸の内地内2 一般競争入札の参加資格(1) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4の規定に該当しない者であること。
(2) 会社更生法(平成14年法律第154号)に基づき更生手続開始の申し立て、又は民事再生法(平成11年法律第225号)に基づき民事再生手続開始の申し立てがなされている者(更生手続開始又は民事再生手続開始の決定を受けた者を除く。)でないこと。
(3) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第 6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)でないこと又は法人にあってはその役員が暴力団員でないこと。
(4) 物品等に係る競争入札に参加する者に必要な資格 等(令和3年3月8日山梨県告示第67号)に規定する山梨県物品等入札参加資格者名簿に登載されている者であること。
※ 競争入札に参加する者に必要な資格等に関する事項の照会並びに申請書の提出先(郵便番号) 400-8501(所在地) 山梨県甲府市丸の内一丁目6番1号(機関名) 山梨県出納局管理課調度担当(電話番号) (055)223-1395(5) 入札公告の日から入札の日までの間に山梨県から「山梨県物品購入等契約に係る指名停止等措置要領」(平成10年4月1日)に基づく指名停止を受けている日が含まれている者でないこと。
3 入札手続等(1) 契約条項を示す場所、入札説明書の交付場所及び問い合わせ先郵便番号 400-1508 山梨県甲府市下曽根町923番地山梨県立考古博物館 総務課電話 055-266-3881(2) 入札説明書の交付方法この公告の日から令和8年9月17日(木)午後5時までの毎日、午前9時から正午まで及び午後1時から午後5時まで3の(1)の交付場所において交付、又は電子メールにて交付する。
なお、入札説明書の交付を希望する場合は必ず電話連絡をしたうえで、紙またはメールのどちらの交付を希望するかの旨を担当者に伝えること(3) 入札参加資格確認書の提出方法この公告の日から令和8年9月17日(木)午後5時までに3の(1)の場所に持参すること。
ただし、上記期間の毎日、午前9時から正午まで及び午後1時から午後5時までとする。
(4) 入札及び開札の日時及び場所令和8年9月24日(木)午前10時15分風土記の丘研修センター 研修室郵便番号 400-1507 山梨県甲府市下向山町1271番地(5) 入札方法落札者の決定に当たっては、入札書に記載された金額に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額(当該金額に1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てた金額)をもって落札価格とするので、入札者は、消費税 及び地方消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。
(6) 入札の無効この公告に示した一般競争入札の参加資格のない者の行った入札、入札条件に違反した者の行った入札、入札者に求められる義務を履行しなかった者の行った入札その他山梨県財務規則(昭和39年山梨県規則第11号。以下「規則」という。)第129条各号のいずれかに該当する入札は、無効とする。
(7) 落札者の決定方法規則第127条第1項の規定により定められた予定価格の範囲内で最低価格をもって有効な入札を行った者を落札者とする。
4 その他(1) 契約の手続において使用する言語及び通貨日本語及び日本国通貨(2) 入札保証金免除(3) 契約保証金契約を締結しようとする者は、入札説明書で定める契約保証金を納めなければならない。
ただし、規則第109条の2の規定に該当する者は、これを免除する。
(4) 契約書作成の要否要(5) 違約金の有無有(6) 最低制限価格の有無無(7) 前払金の有無無5 その他詳細は入札説明書による。
仕様書業 務 名:業務期間:業務場所:品名 規格・仕様 数量 単位 適用(設計業務) 直接費 1 式 打ち合わせ 着手・中間2回・完了時 1 業務 計画準備 業務計画書作成・資料収集 1 業務 合同現地踏査 1 業務 変位計設置 10 箇所 一次調査・点検全石垣目視点検(366箇所)全ゲージ計測含む1 回 一次点検結果まとめ全石垣目視点検(366箇所)全ゲージ計測含む1 回 一次調査・点検(主要石垣) 主要石垣目視点検(233箇所) 3 回 一次点検結果まとめ 主要石垣目視点検(233箇所) 3 回 変位計ゲージ計測22箇所+新規3箇所=25箇所(ゲージ19箇所+傾斜計6箇所)3 回 変位計ゲージ計測結果とりまとめ22箇所+新規3箇所=25箇所(ゲージ19箇所+傾斜計6箇所)3 回 二次調査・点検 重要箇所詳細点検(550㎡) 1 回 二次点検結果まとめ 重要箇所詳細点検(550㎡) 1 回 石垣補修業務とりまとめ 重要箇所詳細点検(550㎡) 1 回 照査・点検 1 回 報告書作成 1 回甲府市丸の内地内契約日から令和9年3月19日史跡甲府城跡石垣維持管理業務委託 直接経費(報告書等) 機械経費 リフト車 4 日 変位計 10 本 電子成果品作成費 その他 1 式 その他原価 1 式 一般管理費等 1 式(石垣補修業務) 直接工事費 石垣補修 800 ㎡ 交通誘導警備員B 7日間×2人/日 10 人 仮囲い設置・撤去 20 ㎡ 共通仮設費 1 式 現場管理費 1 式 一般管理費 1 式この契約において変更が必要になった場合は、原則として県の変更後の積算額に落札率を乗じた額を変更契約額とする
1史跡甲府城跡石垣維持管理業務特記仕様書第1条 適用範囲1 この特記仕様書は、山梨県立考古博物館(以下、「甲」という)が、請負者(以下、「乙」という。)に、委託する史跡甲府城跡石垣維持管理業務(甲府市丸の内地内)(以下、「本業務」という。)に適用するものであり、本特記仕様書に明記なき一般事項は、共通仕様書によるものとする。
2 本特記仕様書は、共通仕様書を補完する。
第2条 用語の定義業務内容における用語の定義「点検・調査」…現存する石垣の状況確認を行い、史跡構造物としての現状を把握し、健全度等を評価判定のうえ、その記録を管理活用するために行う。
作業は一次点検、二次点検に分けて実施する。
調査方法は、目視を基本とし、変状を把握するため計測器を用いた計測を行う。
「補 修」…改修補修工事等を行った石垣に対して、表面剥離部分等の除去や詰石の締固めなど日常的に行う作業をいう。
文化財側では「維持管理」と呼称する。
尚、詰石交換等を行う補修は含まれない。
「改 修」…文化財石垣の傷み(崩壊、孕み出しなど変位変形等)に対して、解体調査等のうえ旧石材を可能な限り原位置に戻すことを目的に行うもの。
今回の業務には含まれない。
第3条 業務目的本業務では、文化財である石垣の長期に渡る構造物の安定と、その状態を保存するため、必要となる点検調査及び一部修繕を行い、記録することにより、継続した維持管理を行うことを目的とする。
第4条 業務内容1 点検・調査石垣の現状把握及び異常箇所の発見を目的として、一次・二次点検を行う。
尚、点検方法・箇所等の評価の詳細については、別途業務要領に定める。
(1) 一次点検① 図1に示す史跡甲府城跡の範囲のうち、「全石垣(366箇所)」(図2)について、業務要領に定められた外観目視を基本とする方法にて年1回行う。
なお「全石垣」から階段や側溝、腰留壁的な用途として構築された石垣を除いた石垣を「主要石垣(233箇所)」(図3)とし、別途3回点検する。
② 点検結果は帳票【様式1-1】に記録し、業務要領に定められた基準により評価を行う。
「主要石垣」の中で、城内の重要な位置にあり比較的に面積規模が大きく、顕著な劣化損傷や変状の発生が見られる石垣を「重点看視石垣(43箇所)」(図4)とし、これらについては帳票【様式1-2】に記録する。
③ 定点観測による石垣の点検2a.石垣に設置した160個の計測器(ゲージⅠ~Ⅳ型、傾斜計プレート)について、高所作業車等を利用して、外観目視と同様に年1回計測する。
また、「重点看視石垣(43箇所)」については25個の計測器について別途3回計測する。
b.計測器の位置は配置図による(図5)。
c.計測結果は、帳票【様式2~5】に記録し、業務要領に定められた基準により評価を行う。
(2)二次点検① 範囲を定めた石垣に対して近接目視及び打音検査を基本とする詳細点検を行い、石積み技能者による石垣の変状箇所の位置や規模について変状度合いを確認し、その記録を保存する。
② 点検は、梯子・ロープ足場・高所作業車を利用して年1回行う。
③ 二次点検結果は、帳票【様式6、7】に記録し、業務要領に定められた基準により評価を行い、保存する。
④ 点検箇所は、稲荷曲輪周辺石垣(I-36,-37,-39,-61,-63,-65,-66,-67,-68,-70,-72,-73,-74,-76,-79,-80)の約800㎡とする(図6)。
ただし、一次点検結果により、点検箇所を変更することがある。
⑤ 点検結果による合計点を踏まえ1安全、2経過要注意、3警戒の指標をもとに変状評価の段階区分を行い、これに対し対策につなげる判定区分を行う。
2 補修(1)対象の石垣について、補修作業を実施し、その記録を保存する。
(2)二次点検と同時に実施する。
(3)作業範囲は、二次点検において、落石の危険のある変状項目の浮石及び剥離に対して締固めと除却が必要と確認された箇所(約800㎡)である。
ただし、一次点検結果により、補修箇所を変更することがある。
(4)補修作業は、梯子・ロープ足場・高所作業車を利用して実施する。
(5)補修作業は、対象石垣に対して業務要領に定められた基準により下記の作業を行い、帳票【様式8】に記録する。
(6)築石の石材表面で風化・剥離し、崩落する可能性がある部分を取り除く。
(7)詰石に動きが認められ、締固めで固定が可能な場合には、ハンマー等を用いて締め作業を行う。
※文化財石垣の崩壊や孕み出しなど変位変形等の傷みに対して、解体調査等のうえ旧石材を可能な限り原位置に戻すことを目的に行う業務は含まない。
(8)その他① 補修を行うにあたり、石垣は文化財として非常に重要であることから、城郭石垣修繕工事の作業従事者は特殊石工以上の者とする。
ただし、補助的な作業者で特殊石工以上の者の指示により作業する場合はこの限りではない。
また、作業従事者は、甲府城跡における野面積み石垣の特性を十分に把握し熟練した者であること。
② 特殊石工とは、国指定若しくは都道府県指定(山梨県以外も含む)の史跡文化財石垣修繕工事に従事した経験及び文化財石垣工に相当程度の技能を有し、主として石材の加工・補修・補強、石積みまたは石張り・詰め石、構造物表面のはつり仕上げの作業について主体的に工事を行う者をいう。
3③ 補修における不明な点については監督員と協議する。
④ 除去した石材は、指定した場所に監督員立会のもと運搬集積すること。
補修作業を行う場合は、監督員が常駐する。
3 その他業務内容に疑義が生じた場合は、監督員と協議のうえ決定する。
第5条 管理技術者(現場代理人)管理技術者は、業務遂行にあたり、技術士またはこれと同等の能力と経験を有する技術者、あるいはシビルコンサルティングマネージャー(以下、「RCCM」という)の資格保持者であり、日本語が堪能でなければならない。
なお、当石垣は、1590年代の近世初期に築城された国指定史跡の文化財石垣であることから、石材の取り扱い、補修方法等についての調査・検討の実績を有する技術者を配置すること。
管理技術者は常駐配置とする。
RCCM…建設コンサルティング業務の管理技術者・照査技術者になるための資格であり、(一社)建設コンサルタンツ協会が実施する民間資格である。
第6条 照査技術者照査技術者は業務遂行にあたり、技術士またはこれと同等の能力と経験を有する技術者、あるいはRCCMの資格保持者であり、日本語が堪能でなければならない。
第7条 点検・調査作業に従事する労務種別条件本業務の労働種別は、次のものを基本とする。
技術士…技術士法に基づく国家資格保持者である。
これと同等の能力と経験を有する技術者…設計業務の経験を20年以上有する技術者である。
第8条 業務項目1 計画準備業務計画書は、本特記仕様書の記載事項に注意し、契約締結後15日以内に提出すること。
2 工程管理(1)維持管理業務については、十分な計画のもとに実施工程表を作成し、業務進捗管理(計画と実施の対比及び出来形管理)を行う。
(2)公園内は複数のイベントが実施されるので、イベントの開催に支障が出ないよう配慮し、必要に応じて関係者との協議を行う。
第9条 その他1 各作業を行う際は、安全管理を十分に行うこと。
また、仮囲い等を設置する場合には、事前に配置図を提出する。
2 公園内であり、多くの利用者が訪れることから、交通誘導員を必要に応じて配置する。
3 各作業において、現状変更許可・道路占用許可・道路使用許可が必要な場合、乙は必要な書類を4準備し甲に提出し、甲が申請を行う。
4 各作業において、公園使用許可等が必要な場合、乙が申請を行う。
5 点検結果について関係機関等協議のための資料を作成し、必要に応じて会議に出席する(年1回程度)。
6 疑義が生じた場合は、監督員との協議により決定する。
7 業務を履行するにあたり、文化財保護法、都市公園法等の関連法令及び本県の定める条例、規則などを遵守するとともに、設計成果においてもこれらに適合するものとすること。
8 業務上知り得た秘密を漏らさないこと。
業務委託契約が終了した後も、また同様とする。
9 契約の履行または不履行により県または第三者に損害を及ぼしたときは、受託者がその損害を賠償しなければならない。
10 本業務で必要となる歴史資料について、甲は情報提供の協力を行う。
ただし、貸与する資料については、取り扱いに十分注意するとともに、破損・紛失等の重大な過失が生じた場合は、乙がその責任を負うものとする。
11 その他、この仕様書に定めのない事項については、乙は甲と協議のうえ、決定するものとする。
12 再委託体系図の作成及び提出「山梨県暴力団排除条例の施行に伴う公共工事からの暴力団排除」を目的として、乙は再委託をおこなう場合には、金額・工種の如何にかかわらず、末端の再委託業者まで反映させた、「再委託体系図」を作成し、遺漏・誤謬が無いよう記載内容を十分確認の上、遅滞なく監督員へ提出するものとする。
提出した「再委託体系図」の内容に変更が生じた場合は、その都度変更するものとし、遅滞なく監督員へ提出するものとする。
尚、提出は打合せ簿により提出すること。
また、本条項による「再委託体系図」の提出は、再委託届とは別事項であるので留意すること。
第10条 電子納品乙は、成果品を以下のとおり納品する。
1 成果品正・副 計2冊2 成果品電子データ正・副 計2部第11条 設計変更について1 本特記仕様書に定めない事項については、「山梨県 設計業務等共通仕様書」によるものとする。
そのため平成30年度より少数点以下1桁(0.1mm)単位で読み取ることとし、本ゲージ箇所における観測を細密化させ、変状変動の把握に努めている。
②傾斜プレートの計測方法傾斜プレートについては、電子水平器を用いて観測を実施する。
(6)定点観測による点検結果に基づく評価区分、判定区分及び対策区分①評価区分ゲージ(Ⅰ~Ⅳ型)と傾斜プレートについて以下の要領で5段階の評価区分を設定する。
<ゲージⅠ型>初期値および計測時のクラックについて、幅とクラックの進展拡大について下記の5段階で4評価する。
・レベル1:1mm以下・レベル2:1~2mm(1mm程度を標準とする)・レベル3:2~3mm(2mm程度を標準とする)・レベル4:3~5mm(3mm程度を標準とする)・レベル5:5mm以上なお、計測初期値に対し進展の著しい拡大(範囲、長さに変化)がある場合、評価レベルを1上昇させる。
*クラック範囲の拡大について計測箇所から派生したクラック(直角方向クラック数等)を顕著に確認計測箇所以外に同等幅以上のクラックを確認*クラック長さの進展について初期値に対し明らかに進展を確認(対象石の全長に対する比率増加)初期値30%→50%に増加等(10%以上増加の場合を基本とする)<ゲージⅡ型>初期条件によって計測基準値を設定する(積石間の不陸不整、隙間の大きさ等の現地状況に応じて適宜基準値を読み取る)。
これをもとに隙間の変動量(拡大もしくは縮小の絶対値)を計測し、その傾向も踏まえて下記の5段階で評価する。
・レベル1:3mm以下(2mm程度を標準に読み取り誤差を考慮して設定)・レベル2:3~5mm(4mm程度を標準)→5mm以内を目安とする・レベル3:5~7mm(6mm程度を標準)→5mm超えを対象とする・レベル4:7~10mm(8mm程度を標準)・レベル5:10mm以上<ゲージⅢ・Ⅳ型>ゲージⅡ型と同様に初期値として計測基準値を設定する。
これをもとに孕み出しの変動量を計測し、その傾向も踏まえて下記の5段階で評価する。
・レベル1:2mm以下(1mm程度を標準に読み取り誤差を考慮して設定)・レベル2:2~4mm(3mm程度を標準)・レベル3:4~6mm(5mm程度を標準)→5mm超えを目安・レベル4:6~10mm(8mm程度を標準)・レベル5:10mm以上*基本的に積石間の相対変位を計測することになるが、孕み出しは壁面外側(面外)への変形となり隙間変動(面内の変形)よりも危険性の高い変状である(孕み出しに比べて隙間変動では積石間の噛合い抵抗がより強く期待でき、外力に対しては壁面としての一体構造的な挙動をより期待できるものと考えられる)。
また、対象とする石に変動は少ないが、計測起点側の石が孕み出し、その結果相対的な差が縮まるケースも想定される。
計測箇所付近の全体的な変状も捉え記録したうえで、総合的な判断により評価判定を行う。
5<傾斜プレート>計測値と初期値の差の絶対値について下記の5段階で評価する。
・レベル1:0.20°以下・レベル2:0.20°~0.30°・レベル3:0.30°~0.40°・レベル4:0.40°~0.50°・レベル5:0.50°以上②判定区分①と対象箇所の全体変状も考慮し、下記の判定区分を設ける。
安全=評価レベル1~2経過要注意=評価レベル2~4警戒=評価レベル4~5③対策区分②に基づき、対象箇所の全体変状も考慮し、下記の対策区分を設ける。
(Ⅰ)健全A1)「評価レベル1」:安定性を保持しており問題なしA2)「評価レベル2」:特に大きな異常はないが計測を継続(Ⅱ)観察予防B1)「評価レベル3」:注意すべき変状(傾斜拡大等)があり経過を詳細観察B2)「評価レベル4」:重大な注意すべき変状で経過観察を強化必要に応じて補修(Ⅲ)早期措置C1)「評価レベル4」:緊急性はないが予防の観点から補修を実施C2)「評価レベル5」:危険性が高く速やかに補修を実施(Ⅳ)緊急措置【警戒】E)「評価レベル5」:緊急性危険性が極めて高く早急に補修を実施(7)一次点検記録様式①外観目視様式1-1:一次点検対象石垣記録表様式1-2:一次点検重点看視石垣記録簿、重点看視石垣写真帳②変位計測様式2:孕みゲージ・点検記録簿様式3:隙間ゲージ・点検記録簿様式4:割れゲージ・点検記録簿様式5:築石面傾斜調査・点検記録簿※一次点検では、原則として数値による評価を行うが、石垣の諸条件を鑑みる必要がある。
そのため、評価区分の数値が同様であっても評価レベルが変わる場合がある。
※対策区分は、文化財石垣に変状を加える可能性をもつ判断であるため、受託業者との十分な協議をもって決定する。
64 二次点検(1)概要年次計画に基づき「詳細な点検の必要な箇所」として検討会議の承認を受けた区域について実施する。
尚、一次点検結果から特に顕著な変状や危険度の高い変状が見られた場合は、検討会議の承認を経て、年次計画とは異なる箇所を実施することがある。
二次点検では、一次点検よりも限定した範囲を対象として、より詳細に着目変状の位置や規模、大きさを把握すると共に、経験がある石積み技能者の近接目視による変状の観察、打音(タタキ)検査による変状度合の調査を実施する。
変状は一次点検をカバーできる項目として、「孕み出し、隙間、浮石、欠落、割れ、剥離、出水」の7種類とする。
顕著な変状発生箇所が確認できた場合、変状量把握のため必要に応じて新たに計測器(ゲージ)の設置を行う。
(次回の一次点検対象箇所として追加する。)また、特に人的被害の危険性が高い「落石」につながる可能性がある「浮石」「剥離」に対して簡易補修作業を行う。
この補修作業は点検・調査の一環として対応できる軽微な補修を前提として、「除去、叩締、残置、押込、据直」の方法で危険性の軽減を目的とする。
(2)評価方針二次点検では、発生変状の内容・状況をより具体化し、対象石垣壁面の構造上の危険性を把握すると共に、措置対策の要否や今後の維持管理レベルの検討に反映させることが目的となる。
そのため、各変状別にその特性を踏まえた評価(点数付)を行い、これらを総括した壁面全体としての変状評価(安全、要注意、警戒)や対策区分(健全、観察要望、早期措置、緊急措置)の判定を行う。
尚、維持管理業務の中では詰め石を対象とした補修作業も行うため、特に落石の危険度の高い変状(浮石、剥離)を適確に捉える必要があり、これを補修要否の判定に繋げるよう評価を行う。
(3)評価項目①外観目視の評価項目:孕み出し、隙間、浮石、欠落、割れ、剥離、出水②定点観測の評価項目:孕み出し量、隙間量、割れ幅なお、石積様式の違いにより、発生変状の石垣安定性に及ぼす重要度や影響度が異なる。
このため二次点検においては、対象壁面毎の石積様式から以下の2ケースに分けて変状評価を行う。
・野面積石垣面:石垣構成上から隙間は常に確認でき、「異常」に繋がる変状としては間詰石の欠落箇所である。
従って詰石の欠落箇所と考えられる「隙間」のみ「欠落」として評価を行う。
・その他石垣面:切石、割石による布積みや乱積み石垣面では全ての変状を対象とし、評価を行う。
(4)変状評価の方法①対象石垣面の区分(ブロック・エリア分割)発生した変状の記録を容易にするため、ブロック分割とエリア分割を行う。
対象石垣の壁面1ブロックを原則として全9エリアに区分し、観察評価を行う。
7エリアは高さ鉛直方向「上( U )~中( C )~下( L )」及び延長水平方向「右( R )~中央( C )~左( L )」にそれぞれ分割される。
各エリアには位置記号を付記し、該当エリア毎に発生変状を記録する。
なお、このようなブロック分割とエリア分割が難しい場合は、壁面状況の把握と、発生した変状の記録を容易にする程度のブロック分割とエリア分割を適宜行う。
ブロック・エリア分割の例②変状評価の詳細下記に該当する変状が無い場合は、評価(点)を「零(0点)」とする。
a.孕み出し: 0~10点(各エリア別)孕み出しは、下記の基準で評価する。
・位置:孕み出しピークの位置がエリア区分横列(U, C, L)のどこに発生しているか着目し、評価する。
⇒上段部( U ) 1点、下段部( L ) 2点、中段部( C ) 3点・発生数:エリア内の孕み出し箇所数(ピーク点数)を計上し評価する。
⇒1箇所1点、2箇所2点、3箇所以上3点・発生範囲:エリア内で、孕み出しが最も生じている箇所で、「石垣高さ」に対する「孕み出しの長さ(高さ)」の比を百分率で算出し評価する。
尚、エリア境界を越えて孕み出しが生じている場合は、範囲全高さを対象とする。
⇒10 %未満1点、10~19 % 2点、20~29 % 3点、30 %以上4点( 30 %程度で各エリアの全範囲相当になるためこれを危険分岐点とした)・発生量:既設ゲージによる計測(もしくは最大箇所の新設ゲージによる計測)の値を一次点検評価に準じて評価する。
b.隙間:0~9点 ※野面積みでは評価しない隙間は、当該築石間で相互に接点を持たない完全に分離した変状とする。
これを一次点検では主にゲージⅡ型を用いて測定し評価している。
大きな隙間を有する築石は、石垣を壁面構造体として捉えたとき重大な不安定要因となりうる。
二次点検では、築石と周辺築石との接触状態を確認し、「築石間の明らかに異常な大きさの隙間」を検出し、下記の基準で評価する。
・位置:特に評価しない。
・発生範囲:発生箇所数と発生箇所における周辺石との接触面数を評価する。
発生箇所数の評価⇒1~2箇所1点、2~3箇所2点、3箇所以上3点周辺石との接触面数の評価(最大3箇所を評価)8⇒上下左右のうち3面0点、上下左右のうち2面1点、下1面のみ2点※隙間両側石の接触面数の少ない方で評価する。
・発生量:既設ゲージによる計測(もしくは最大箇所への新設ゲージによる計測) の値を一次点検評価に準じて評価する。
c.欠落(詰石):0~5点(各エリア別)欠落は築石間の隙間の大きさ、裏込め栗石の露出等から発生の有無を検出し、下記の基準で評価する。
・位置:特に評価しない。
・発生範囲:大きさが顕著な欠落を対象として発生箇所数で評価する。
⇒1~2箇所1点、2~3箇所2点、3~4箇所3点、4~5箇所4点、5箇所以上5点※重複する箇所数の評価点については、その大きさや影響度を考慮して配点する。
d.浮石(詰石):0~5点近接目視や打音(タタキ)検査により浮石の有無を検出し、「c.欠落(詰石)」と同様の基準で評価する。
e.割れ主たる変状は築石の割裂とし、「c.欠落(詰石)」と同様の基準で評価する。
尚、端部での大きな欠損がある場合はこれも評価する。
また、亀裂も「割れ」として評価する。
f.剥離:0~5点近接目視や打音(タタキ)検査により剥離の有無を検出し、「c.欠落(詰石)」と同様の基準で評価する。
g.出水:0~8点出水は、その発生位置の有無および発生程度を対象として下記の基準で評価する。
・発生の有無:有1点、無0点・位置:上段部(U) 1点、中段部(C) 2点、下段部(L) 3点・流出度合:滲み出し1点、流出2点・発生範囲:当該エリア内での発生箇所数で評価⇒ 1~2箇所1点、3箇所2点、4箇所以上3点(5)判定区分・対策区分の設定①エリアの評価区分・判定区分・対策区分の設定評価点と特記事項に基づき、「評価区分」「判定区分」「対策区分」を設定する(表-1)。
尚、特記事項等の内容を参考にするため、同一の評価点であっても異なる判定区分になることがある。
9表-1 エリアの評価区分・判定区分・対策区分の設定評価点 評価区分 判定区分 対策区分 対策区分0~18(野面積0~16) 1,2 安全 健全 A1 健全(安定)性を保持し問題なしA2 特に異常ないが観察計測を継続19~35(野面積17~29) 2~4 要注意 観察予防 B1 注意箇所あり変状経過を詳細観察B2 重大注意、変状観察を強化36~47(野面積30~38) 4,5 警戒 早期措置 C1 緊急性少だが予防観点から補修C2 危険性少だが速やかに補修緊急措置 D 緊急性・危険性大で早急に補修②ブロックの判定区分・対策区分の設定各エリアの判定区分を集計し、ブロックの判定区分を設定する(表-2)。
ブロックの判定区分に基づいて、ブロックの対策区分を設定する(表-3)。
なお対策区分のC1・C2・Eでは、補修工や緊急の対策施工が必要となるが、施工法については、甲府城への適用性を踏まえ検討協議を行う。
表-2 ブロックの判定区分ブロックの判定区分エリアの判定区分の割合 安全 要注意 警戒安全の割合 80%以上 50%以下 20%以下要注意の割合 20%以下 40%以上 60%以上警戒の割合 0% 10%以下 20%以上表-3 ブロックの対策区分判定区分 対策区分 対策区分安全 健全 A1 健全(安定)性を保持し問題なしA2 特に異常ないが観察計測を継続要注意 観察予防 B1 注意箇所あり変状経過を詳細観察B2 重大注意、変状観察を強化警戒 早期措置 C1 緊急性少だが予防観点から補修C2 危険性少だが速やかに補修緊急措置 D 緊急性・危険性大で早急に補修なお、ブロック内のエリアの判定区分の集計結果に分散傾向がある場合は、下記の(Ⅰ)~(Ⅲ)に基づいて、ブロックの「判定区分」「対策区分」を設定する。
(Ⅰ)「警戒」の区分の判定を優先する(Ⅱ)エリア内の「要注意」区分の状況と「安全」区分の状況とを対比し、より厳しい(安全側)判定区分を選定する(Ⅲ)これらの評価点の他に、変状に関する注記や特記事項を十分に考慮する10例)ブロックの判定区分の算出例安全: 5箇所、注意: 2箇所、警戒: 2箇所⇒・安全5箇所は「要注意」に区分・注意2箇所は「安全」に区分・危険2箇所は「警戒」に区分⇒「警戒」判定を優先する。
※二次点検では、原則として数値による評価を行うが、石垣の諸条件を鑑みる必要がある。
そのため、評価区分の数値が同様であっても評価レベルが変わる場合がある。
※最終的な対策区分については、文化財石垣に変状を加える可能性がある判断であるため、受託業者との十分な協議をもって決定する。
(6)補修作業二次点検結果から、特に人的被害に繋がる危険性の高い「落石」につながるおそれがある「浮石、剥離」の2種類に対して補修作業を行う。
補修作業は、石垣改修工事とは異なり、点検調査の一環として対応できる範囲の軽微な作業を前提とし、「除去、叩締、残置、押込み、据直」のような方法の中で適宜対応することで、危険性の軽減を図ることを目的としている。
このため以下の変状は対象外とする。
・孕み出し、隙間:基本的に積み直す必要があり規模が大きい。
・欠落、落石:新材の導入などの必要があり規模も大きい。
・割れ(亀裂・割裂):新材の導入やボンド、アンカーによる連結が必要で規模が大きい。
・出水:裏込め、盛土の対応が必要になり規模が大きい。
①補修作業時の留意点二次点検時の留意点と同様に実施する。
本業務は石材の重量により制約を受けるため、適切な作業方法を選択する。
作業の際は、安全管理面から、上下作業にならないよう注意する。
また、点検開始前に通行者や園路利用者の影響を確認するとともに、落石防護柵や園路木柵への養生を行う。
②対象石垣面の区分(ブロック・エリア分割)補修作業においても二次点検と同様に、補修作業実施の既済確認や作業記録、写真管理等を容易にするためブロック分割とエリア分割を行う。
なお、補修作業においては、基本的に二次点検で把握した変状の「種類」「数」「位置」を基に補修作業を実施するため二次点検のブロック割り及びエリア分けを踏襲する。
③補修方法の識別と記録補修作業は変状識別表(表-4)の色マーキングの指示の通りに行う。
作業終了後に補修の完了を確認のうえ、補修箇所を記録する。
11表-4 変状識別表④作業方法作業に当たっては、それぞれの変状毎に下記の点に留意し、実施する。
尚、変状の識別のために使用した色テープは、補修作業が完了したものから外すことにより、作業実施の既済確認とする。
除去した石材については、指定の場所に運搬する。
a.浮石で除去可能なもの:赤色除去しても周囲に影響がしないことを確認したうえで、除去する。
比較的小さい(拳サイズ)の石材においては、適宜、周囲の詰石として再利用する。
また、一箇所に集中している場合は、除去する事により隙間を生むことが無いよう留意する。
b.浮石の叩き締め可能なもの:橙色対象の石材を接頭による打撃で叩き締める。
なお、叩き締めることで周囲の詰石が浮いてしまうことが無いよう留意する。
対象の石材が劣化し脆くなっている場合には当て木やゴムハンマーを使用して打撃する。
c.浮石の存置するもの:桃色浮いてはいるものの比較的安定しており、容易に叩き締めることが出来ないものについて本補修作業では補修できないため存置する。
また、一箇所に集中している場合は、一つの石材が落石すると周囲まで不安定になることが無いよう留意する。
d.剥離の除去可能なもの:青色除去しても周囲に影響がしないことを確認したうえで、除去する。
剥離の状態が小さく除去する石材においても、適宜周囲の詰石として再利用する。
e.剥離の存置するもの:空色剥離しているが、他の石材に影響し、容易に除去することが出来ないものについては本業務では補修できないため存置する。
⑤片づけ、完了園路木柵への養生や落石防護柵を撤去する。
使用済みガムテープを現場に残すことのないよう見回り確認を行う。
(7)二次点検記録様式様式6:二次点検記録簿様式7:二次点検結果一覧表様式8:補修点検記録簿変状 対応-除去孕み -浮石除去叩締存置-黄色桃色橙色赤色白色青色緑色配色欠落割れ出水剥離- 銀色存置 空色